ポスドクからの卒業、博士取得者へ転職活動のすすめ

今や高校卒業した人の半数以上が大学や短大に進学する、高学歴社会の日本。大学院に通う人も決して珍しくはありません。文部科学省の平成29年度学校基本調査によると、大学院への入学者数も修士課程では約78,000人、博士課程では15,000人となっていて、限られたごく一部の人のための“大学院”というイメージはもはやなくなっています。

一方、就職率はどうかというと、修士課程を修了し就職した人は78.2%と過去最高になり、7年連続で上昇。修士課程よりもさらに上、学歴のトップである博士課程を修了した人のうち、67.7%が就職し、こちらも4年連続上昇・過去最高を記録しました。

ところが博士課程を修了して就職した人のうち、正規の職員となったのは半数をわずかに超える53.3%、正規の職員でない者(フルタイムの契約社員・派遣社員など)は14.4%と、大学や修士課程を修了し就職した人に比べて正規での就職率がとても低いのです。学歴の高さと就職率が相反するという、まさに高学歴ワーキングプアの状況です。

行き場のないポスドク問題

博士課程を修了した人のうち、就職しなかった人は一体どうしているのでしょうか?実は、博士課程を修了したあとには、 “ポストドクター” というポジションがあります。
“ポストドクター”略して “ポスドク” とは、博士号(ドクター)をとった人が、非正規の立場で研究を続けている、博士研究員のことです。

博士課程を修了した人は、企業への就職の他に、大学の助教授・准教授・教授や公的な研究機関の研究員という、いわゆる“アカデミック・ポスト”での就職の道があります。ですが今は少子化の影響で大学自体の経営も危ぶまれ、コスト削減のため非常勤講師などの割合が多くなっている状況。当然アカデミック・ポストはなかなか空きが出ず、たとえ空きが出ても、大勢の人が応募するので、就職できるのは強力なコネがあるか幸運な人のみとなっています。そのような状態でも、 ポスドクはいわば、アカデミック・ポスト待ちで、大学や研究機関で研究業務を行いたい人のために用意されているのです。

ポスドクは、雇用契約が1年未満や、1年以上の雇用契約だが数年間しかなれない、短時間・短期間の勤務、年齢制限があるなど、立場は非常に不安定です。それにもかかわらず、平成29年3月に博士課程を修了した者のうち、新たに1454人がポスドクになっています。ポスドクのまま、年齢がどんどん上がっていき、就職したくとも就職先がない「ポスドク問題」。受け皿が小さいのに上から降り注ぐ水のように、まさに人材があふれている状態です。

若いうちにポスドクからの転職を

運よくポスドクに採用された後、アカデミック・ポストの空きを待つ将来に見切りをつけて、企業に転職をした人もいます。その理由の一つは年齢。博士課程の入学者を年齢別に見ると、「30~34歳」が最も多く、博士課程の修了時には既に30代半ばを過ぎる人もいます。雇用が不安定なポスドクのままで年齢を重ねるのではなく、なるべく若いうちに社会貢献できる企業で就職するという選択肢も視野に入れておくことを強くおすすめします!

就職に強いのは医師などの“保健”分野!

実は大学院の専攻分野によっても就職率に差があります。
例えば医者や歯科医などが多い保健分野では、正規雇用が68.3%と高い数字を出しており、医療機関や製薬会社に就職の道が開けています。

次に高いのが家政分野で60.4%。3位は工学分野で58.5%となっています。

反対に正規での雇用が最も少なかったのは、人文科学で20.3%。正規職員でない就職をした人と合わせても、人文科学分野の卒業者のうち、約35%しか就職できていません。理系に比べて文系はやはり企業での求人数も少ないようです。

ポスドクが転職に成功するために実践したいこととは?

もはや博士号を持っていることは、学歴でのフィルターでは落とされないというだけで、特別有利に働くわけではありません。むしろ、高学歴というプライドがあるから会社になじめないのではないか、研究には長けているが組織の中での人とのコミュニケーションが苦手そう、というイメージを持たれてしまうこともあります。

そこを覆すには “謙虚さ” が大切です。大学院や研究機関での経歴と、仕事ができるかどうかはまた別の話。企業であっても研究であっても“成果”や“結果”を出さなければいけないのは共通しています。

当たり前のことですが、応募先との面接では、志望動機や今までの研究内容は、分かりやすく伝えるように工夫しましょう。博士課程で培ってきたプレゼンテーション能力を発揮できるチャンスです。研究ではトラブルや失敗は当たり前のこと、新しい視野や発想であきらめずに問題の解決に導いていく力を、アピールできるはずです。

博士のどんなところが強みになるのか?

2014年に文部科学省がまとめた資料によると、民間企業が博士に求める人材として

・1つの専門性を入口としながらも自身の専門分野に固執せず、関連分野への幅広い知識や興味があり研究開発分野の変更にたいして臨機応変に対処できる柔軟性
・グローバル化が進んでいるため国際的な競争下で経験を積んだ人

などがあげられています。

期待する博士人材の強みとしては

・博士課程の研究活動において、仮設の設定と検証を繰り返しながら自身の研究成果を持っていること。
・博士課程の研究活動を通して培った専門性もさることながら、専門性を身につけられるという能力自体も重要視されている。専門性を身につける中で得た論理思考や事象を体系化する能力にも期待が持てる。

とあります。

実際、採用後は研究開発以外の部門に配属されることもあり、期待を込めて博士を必要としている企業も十分あると考えられます。

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