その他応募書類の書き方1~WEBフォーム編①~

著者が教える、中高年の転職必勝法

紙面とともになぜWEBフォームが必要なのか?

 

紙面とともになぜWEBフォームが必要なのか?WEBフォームを入力した経験がある人は、その膨大な入力量にくじけそうになったことでしょう。

たとえば、ある大手転職サイトにおける、職務経歴欄の「主な職務内容」は、最大全角2000字まで許容しています。
これは応募者の全ての職歴ではなく1勤務先の情報量で、勤務先が変わる毎に「勤務先を追加する」というボタンをクリックして、新たに職務経歴欄の「主な職務内容」を入力することになります。

このような基本情報だけでも紙面と違って圧倒的なボリュームがあり、実際の応募の段階になると、これに加えて「自己PR」や「志望動機」を最大全角1000字で要求されたりしますから、このボリュームの多さはWEB特有と言えます(これをどう対処していけばいいかは後述します)。

既にご存知の方も多いと思いますが、企業側から見た今の書類選考の流れは、まずWEBフォームからエントリーをしてもらって、そこで一定のスクリーニングしてから、本番の書類選考のために応募書類を郵送してもらう、というケースが大半です。

要はまずWEBレジュメありきであり、ここは避けて通れません。
(なお、本書ではWEBレジュメ後にも書類バージョンは必要であること、またハローワークや人材紹介会社、新聞等の紙媒体といった、ネット経由ではない求人に対応するためにも、紙面の応募書類作成を先行させています。)

では、なぜそもそも書類バージョンと同じ内容のものをWEB上で求めるのでしょうか?

既述のとおり、紙面上の応募書類なしにこのWEBレジュメだけで書類選考を済ませる企業も増えてきていますが、紙面、WEBともに同じような内容であってもこの両方を提出させる企業がまだまだ多いのが現状です。

この理由は、3つあり、まず一つ目は企業側は書類バージョンを正式な応募書類として捉えていることです。

WEB応募はクリック一つでできますので、冷やかし応募、スパム応募も多いのが実態ですので、これをあくまでエントリー(求人への参加登録の一環)とみなして、正式な応募は書類が送られた時点とみなすのです。

これに加えて、二つ目ですが、書類バージョンではWEBレジュメでは見えなかった点も見えますので、その点もチェックしたいということです。

既述の履歴書の顔写真が典型例でしょう。
その他、書類の作成能力やビジネスマナーなども見て取ることができます。

最後の三つ目は企業側の応募管理の問題です。

選考する企業側にとってみれば、WEB上の採用側の管理ページは、大量の応募者のWEBレジュメを効率よく管理する機能(検索や一括送信機能など)が充実していて、管理の手間を大幅に省けますので、その分選考に稼働を割きたいのが採用人事の立場なのです。

この3つが採用側の都合としてありますので、紙面、WEBとも非常に重要で、両方をきちんと準備しておくべきなのです。

 

転職サイト経由時の一般的な書類選考の流れ

(応募者)WEBエントリー

(企業側)WEBエントリー内容で選考

(企業側)受かった応募者に紙面の応募書類郵送を依頼

(応募者)応募書類郵送

 

採用人事が紙面、WEBとも提出させる理由

①本気度の高い候補者の選定のため

WEBだけだとクリック一つで応募が可能で、冷やかし、とりあえず応募が増えてしまう。
だからWEBはあくまでエントリー(求人への参加登録の一環)という位置づけで、紙面版の応募書類を郵送してもらって初めて、正式な応募とみなす。

②無機質なWEBレジュメとは違う角度でチェックするため

WEBフォームには通常、顔写真を貼付できない。
書類バージョンを郵送してもらって、この顔写真や書類作成能力、宛名書きや封の仕方などのビジネスマナーもしっかりと見たい。

③煩雑化する応募管理の稼働を削減するため

たとえば書類バージョンで100通を超える応募書類を管理するのは大変。これがWEBであれば非常に効率的な管理が可能。
今、応募書類の返送を求める応募者も多く、不採用手続きだけでも一苦労。その点WEBは楽。

 

項目ごとに紙面版からの転記の仕方をマスターして、作成をスムーズに行う

 

それでは、具体的な入力項目について、大手転職サイトの例を元に個別に見ていきましょう。

大手転職サイトを見ると、下の表のように、メッセージ、プロフィール、学歴・資格、職務経歴、キャリアプラン、希望条件欄、自己PR、志望動機といった項目で構成されています。

ここで認識してほしいのは、入力項目は大きく分けて2つの属性があるということです。

一つ目は応募先に左右されないもので、その転職サイトを活用する際にベースとなる応募者の基本情報を入力する項目です。
そして二つ目は応募先に合わせて入力する項目です。

一つ目については、プロフィール、学歴・資格、職務経歴、キャリアプラン、希望条件、自己PR(基本)が該当します。

これは転職サイト上の基本情報になりますので、応募業界や応募職種が変わったとしても、原則それを大幅に変えたりはしません。

次に二つ目ですが、これは送信メッセージ、自己PR(応募時)、志望動機が該当します。

これらは一つ目と違い、どこにでも通用するようなものではダメで、しっかりと応募先企業に合わせたものを入力しないとNGとなります
(これらは後で詳細説明します)。

一つ目の具体的な入力方法ですが、プロフィール、学歴・資格、希望条件については、基本的に紙面版の履歴書の内容をそのまま転記すれば完成します。

このように何の迷いもなく転記できる項目がある一方で、応募先企業が絞られている場合は、職務経歴、自己PR(基本)、キャリアプラン中の「次のキャリアで実現したいこと」は、汎用的なものではなく、それに合わせた入力が必要になります。

要は応募先企業が明確であるならば、それに照準を合わせたものを掲載していくべきですし、まだ応募先企業が未確定の場合、汎用性を持たせるような記述にすべきということです。
これを念頭に入れておくことが、本書で推奨している転記を活用したWEBフォーム作成方法の鍵となります。

 

大手転職サイトの主な入力項目と転記ポイント

入力項目 入力内容 転記ポイント
送信メッセージ 応募先企業ごとに送るメッセージ 応募先企業に合った内容にして入力していく。
プロフィール 氏名、生年月日、メールアドレス、電話番号、住所 履歴書の内容をそのまま転記する。
学歴・資格 最終学歴、語学、資格 原則、履歴書の内容をそのまま転記する。
ただし語学や資格は、応募先を意識してその入力が売りにつながるかどうかを吟味すること。
職務経歴 就業状況、現在または直前の勤務先 基本的には職務経歴書の内容を転記するが、入力時点での応募先企業の有無で入力内容が変わるケース有(詳細は次項参照)。
自己PR 自己PR(基本) ここは基本情報として汎用的な自己PRを入力する。
キャリアプラン 次のキャリアで実現したいこと、転職できない時期・理由 WEB独自の項目で、前者は応募先との方向性や考え方があった内容を入力しておかないと、的外れになる危険性あり。
希望条件 転職意欲、転職時期、業種、従業員数、職種、勤務地、年収 履歴書の内容をそのまま転記する。
絶対に譲れない条件以外は、「こだわらない」というボタンを選択することが鉄則。
自己PR 応募先企業向けの自己PR 字数を意識しながら、応募先の業界、職種に合った内容にして入力していく(詳細は後述の頁参照)。
志望動機 応募先企業向けの志望動機 字数を意識しながら、応募先企業に合った内容にして入力していく(詳細は後述の頁参照)。

 

WEBフォームならではの書き方、見せ方、そして注意点とは?

 
WEBフォームならではの書き方、見せ方、そして注意点とは?WEBフォームには、紙面版の内容をそのまま転記して良い項目とWEBフォーム向けにアレンジする必要がある項目の2つに分かれます。

まず前者ですが「プロフィール」、「学歴・資格」、「希望条件」が該当します。
たとえば「プロフィール」の住所のような情報は何も考えず、そのまま転記すればいいことになります。

次に後者ですが、「送信メッセージ」、「職務経歴」、「自己PR」、「志望動機」などが該当します。

ここは「職務経歴」の中のフリーフォーマット欄である「主な職務内容」だけに着目します。
(「職務経歴」以外の項目は後述します)

この「主な職務内容」を作成する場合は、作成済みの紙面版の職務経歴書の中の「職務詳細」項目を転用しつつ、WEBフォーム独自のレギュレーションに合うように編集・加工して仕上げていくことが大切です。

WEBフォーム上では、ワープロソフトのように、表や下線、太字などの表現の工夫はできないので、改行や記号(・,○,▲,■,等)、かっこ(【】,<>,[]等)などを駆使して見やすくする必要があります。

なお、1行の長さは全角35文字以内というのが一般的なWEBフォーム上のルールで、このタイミングを目途に適宜改行を入れてください。

実は最も頻出するミスがこの改行です。
改行する字数を間違えると、次の例のようにおかしな文書になってしまい、読む側に対して無用なストレスを与えてしまいます。

業務概要
主に埼玉県下の各企業に納入した自社通信機器の据付、導入、保守、修理、操作指導業務に従事。

採用人事はWEBレジュメであっても、これを印刷して紙面でチェックするケースが今だに多いのが実情です。
だからこそ、紙面版と同様に改行や記号等を駆使して見やすさ、見栄えを工夫しなければならないのです。
次ページに紙面版からWEB版への転記の実例を掲載していますので、参考にしてください。

もう一つ、気を付けてほしいことがあります。それはサンプルの丸ごとコピーです。

今、この欄の入力の負荷を減らすために、大手転職サイトのほとんどが職種別やサンプルを用意していて、簡単にそのサンプル集があるページにたどり着くことができます。
それなので、これをそっくりそのまま転記して使う中高年が非常に多いのです。

なかなか作成が進まない場合に、サンプルを使いたい気持ちはよくわかりますが、
本来、オリジナルでなければならない実績や成果・評価なども転記したものがそのまま残っているのはNGです。

<サンプル例>

主な実績
新規獲得キャンペーン支社内で1位、全社でも上位の実績
引継ぎ無しの状態から1500万円の売り上げ実績
既存顧客への深耕開拓にも力を入れ、リピート率上位の実績

↓本人はサンプルを元に改変したつもりでも、ほとんど内容は変わっていない

<サンプルを元に改変した例>

主な実績
新規獲得キャンペーン支店内で3位(平成21年度)支社内でも上位の実績
引継ぎ無しの状態から300万円の売り上げ実績を記録
既存顧客への深耕開拓にも力を入れ、リピート率上位の実績

サンプルはあくまで参照レベルにとどめておくのが大原則。

特に応募者が多い職種や人気企業に対しては、上記のように少し数字を変えたくらいの、サンプルを軽く編集したレベルであれば、かなりの確率でその他大勢の応募者と入力内容が重複してしまい、マイナス印象につながりかねないことを心しておいてください。

最後に、トータルの字数について。

大手転職サイトはこの欄について、全角2000字を用意していますが、これを全て埋めるのは至難の技ですし、埋める必要もありません。
当該サイトが推奨するように、全角300文字以上を目安にして書けば大丈夫です。

Before 書類バージョンの職務経歴書の実例

職務経歴

☐平成20年5月~平成24年5月 株式会社アウトソース(出向先:ITS株式会社)
事業内容:経理事務代行業
資本金:5億円 従業員数:3,000人 非上場

 

期間 業務内容
平成20年5月

平成24年5月
【配属先】人事総務部 総務課 管理グループ
【最終職位】グループ長(メンバー数5名)
【業務概要】総務業務全般及び安全関連業務に従事しました。

  • 一般経費予算の作成・管理や経費の精算を行う。
  • 社内ネットワークの整備やその統轄業務にも従事した。
  • 什器備品の選定・管理や社内設備の管理、固定資産の管理などのファシリティマネジメントにも従事した。
  • 社有車の管理、安全運転管理者としての運転管理業務も一任された。
  • 社内報の編集発行、業界紙への情報提供および広告出稿も担当した。

【主な実績や身につけたこと】

  • 約100台のリース車両の契約切り替えを提案し、承認後に順次実行し、平成21年度には約50万円/年の経費削減に成功した。
  • 安全運転管理者在任中は、運転事故・違反ともゼロ件の記録を残した。
  • 社内ネットワークの更改を担当し、平成22年4月には約20%の業務効率向上を実現させた。
【退職理由】
経営不振のため会社都合による退職

↓これをWEB版に落とし込むと・・・

After 主な職務内容の入力実例

配属先

100%出資先のITS株式会社に出向し常駐勤務
人事総務部 総務課 管理グループ(メンバー数5名)
 ※2008年4月にサブグループ長に昇格
 ※2011年3月にグループ長に昇格

職務概要

総務業務全般及び安全関連業務に従事

職務詳細

  • 一般経費予算の作成・管理、経費の精算
  • 社内ネットワークの整備、統轄
  • 什器備品の選定・管理、社内設備の管理、固定資産の管理
  • 社有車の管理、安全運転管理者としての運転管理
  • 社内報の編集発行、業界紙への情報提供および広告出稿

実績や身につけたこと

  • 約100台のリース車両の契約切り替えを提案し、承認後に順次実行
    →約50万円/年の経費削減に成功(2009年度)
  • 安全運転管理者在任中は、運転事故・違反ともゼロ件を記録
  • 社内ネットワークの更改を担当
     →約20%の業務効率向上を実現(2010年4月)

退職理由

平成23年の東日本大震災により主要取引先が倒産するなどの大きな損失を被ったために、その影響から経営不振に陥ってしまい、退職を余儀なくされました。

<ポイント>

WEBフォームの場合、「社名」や「在職期間」、「業種」、「従業員数」などの企業情報や、「雇用形態」、「職種」、「勤務地」、「役職」などの勤務形態は、通常は別に欄が設けられているので、これらの情報をこの「主な職務内容」に入力する必要はない。
ただし、別の欄ではうまく説明し切れない場合、この項目を活用するのは有用な方法である。

「退職理由」や「転職志望理由」を入力する欄が設けられていない場合、この「主な職務内容」の最後に盛り込んでおくと、採用人事にとって知りたいこれらが先にわかるので、非常に効果的である。

上記の実例のように、記号や改行を駆使しつつ、体言止めで表現すると、リズムがよくなり、読み手にとって負担が少なく、画面上でもスラスラと読みやすくなる。

>> 第2回「その他応募書類の書き方2~WEBフォーム編②~」 へ続く



 

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講師プロフィール

  • 著者写真
  • 中谷 充宏(なかや みつひろ)
  • キャリアカウンセラー、社会保険労務士

  • 実績、経歴

    同志社大学法学部法律学科卒。NTT(日本電信電話株式会社)勤務後、キャリアカウンセラーとして独立。

  • ●マンツーマンで転職を支援する日本トップクラスの「転職のパーソナルコーチ」。
    ●一流企業社員や米国MBAホルダーからハンデ層まで、幅広い方々の転職支援の実績あり
    ●社会保険労務士としての経験から企業側の採用心理や実情も熟知。

  • 運営サイト

    ●運営サイト:中高年の転職の悩み相談室http://www.chuukounen.com/





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