第2回 「転職力を上げる方法(応募書類編)」

著者が教える、中高年の転職必勝法

転職力について理解する

前回、キャリアや実績が十二分にある中高年でも、転職活動を成功させるには、「転職力」を身につける必要がある旨、述べました。

第1回「中高年の転職活動の実情」

 
今回と次回に渡って、この「転職力」を向上する方法を説明します。
端的に言うと「転職力」は、下記の公式で成り立っています。

「転職力」 = 「応募書類作成力」 × 「面接力」

おわかりかと思いますが、企業の選考の流れは、通常は先に書類選考があって、これを通過すると1次、2次、最終と面接選考があります。つまり応募書類の精度が低いと、いくら実力があっても面接には進めません。また書類選考が通過しても、面接でうまく伝えられないと内定を獲ることはできないのです。

今回は、応募書類とその中でも最重要な職務経歴書について説明します。

 

中高年に課される応募書類の整理

応募書類と言うと、みなさん履歴書、職務経歴書を思い出すでしょうが、これ以外にも、企業独自のエントリーシート、志望動機書、自己PR書、課題レポートといったものがあります。まずここで整理しておきましょう。

 
<図版>応募書類一覧と概略説明

系統 書類 採用担当者の観点と解説
基本 履歴書 ・人となり(パーソナリティ)を見るのが目的
・中高年ならきちんと書けて当たり前
職務経歴書 ・キャリア、スキル・経験を見るのが目的
・中高年にとって最も重要な書類
添え状 基本的なビジネスマナーや履歴書・職務経歴書で書き切れなかった補足事項などを確認するのが目的
追加 志望動機書 当社への想い、当社に入ってできること・やりたいことなどを見るのが目的
自己PR書 ・業務遂行力や性格上の強みなどを見るのが目的
・自由に表現できるため、自身のハンディを挽回したりPRを深耕したりすることも可能
基本 エントリーシート 基本情報に加えて、企業独自で設定した設問の回答を見るのが目的
追加 課題レポート (企業が課すテーマによって異なるが、)企業側の意図する内容を書けるかどうかをチェックするのが目的
両方 WEBレジュメ 上記全てを包含しているため、これら全体をバランスよく一度に眺めるのが目的

※今や基本系だけでなく、追加系書類もしっかりとした準備が必要。
 WEBレジュメの場合、最初からこの両方を求められるケース多し。

これらの中高年の応募書類の中で、採用担当者が最も重視するのが職務経歴書です。これは若手と違って、やる気やポテンシャルを買うのではなく、今まで培ってきた豊富なキャリアを買うからであり、このキャリアを詳細に表記する書類が職務経歴書であるというのが理由です。
 

中谷氏直伝! 中高年の職務経歴書の見本

中高年の職務経歴書 テンプレート例文
※画像をクリックすると、フォーマットのダウンロードが出来ます。

 

職務経歴書の作成方法

スペースの関係もありますので、ここでは最も重要で作成が難しい職務経歴書に絞って、その書き方について説明します。

職務経歴書は履歴書のように決まった型がないので、作成方法について諸説が飛び交っていますが、これは全ての年代を十把一絡げに扱うからです。この年代だけに焦点を当てれば、自分に合った効果的な書き方が見えてきます。

まず作成枚数ですが、2枚でまとめることが原則になります。1枚と言う人もいますが、この年代だと非常に窮屈で、かえって必要な情報が伝わらない危険性があります。

一方で3枚以上だと読み手に負担がかかってしまいます。学術誌の論文のように、抑揚がなく字がぎっしり詰まったボリュームたっぷりの職務経歴書だと、書類作成能力不足とみなされ、即不採用につながっていく危険性があります。

 

事前に構成や記載項目を意識して書く

中谷充宏 中高年の応募書類(履歴書、職務経歴書)にはコツがあるのですこの世代だと個々に積んできたキャリアが全然違うので、どうすれば自分に合った職務経歴書が書けるのか、皆目わからないという人が多いでしょう。更に履歴書やWEBレジュメと違って型がないために、余計に難しく感じるようです。

しかし、この世代ならではの、記述必須の項目をきちんと立てて、その詳細を書いていけば、間違いなく効果的な職務経歴書を作成することができます。

つまり、この世代はどの形式を採用しようとも、「職務要約」、「職務詳細」、「ポータビリティスキル」、「自己PR」の4つの項目は作成必須と考えてください。加えて、特別な事情を先回りして伝える必要がある場合、「特記事項」という項目を末尾に追加すれば効果的です。

 

それぞれの項目の狙いと役割をきちんと理解して書く

項目ごとに概要を説明すると、まず「職務要約」は、今までの職歴を端的にまとめたものになります。これは書籍でいうと目次に該当し、ここの出来次第で、それ以降を読んでもらえるか、が決まるという重要な役割を担っています。

「職務詳細」は、職務内容を掘り下げて書きます。先の「職務要約」で関心を持った後に、詳細を見るためにここに目線が移ります。その際、応募者の働いてきたイメージを抱きつつ、経歴が当社で役立つか、という視点で見ますので、ただ単に事実を述べるのではなく、メリハリをつけて書く必要があります。

「ポータビリティスキル」は、どこでも通用するスキルを書きます。たとえば、TOEIC900点ならば、どの企業であろうとも、英語力の高さを証明できます。ここは自身が培ってきた多種多様な経験やスキルの中で、応募企業に役立つものをピックアップして書くのがキモです。

最後に「自己PR」ですが、他の3つの項目と異なり、抒情的な表現が許されるところです。だから、他では伝えきれなかったスキル・経験やパーソナリティ、情熱を丁寧に文書で記述するのが、ここの作成ポイントになります。

 
図表<この世代が職務経歴書に盛り込むべき項目>

項目 概要説明 量の目安
職務要約 採用担当者が最初に目にする項目。
目次的な役割を果たしており、ここでの内容により、この先の記述内容を読んでもらえるかどうかが決まる。
3行~5行くらい
職務詳細 経験してきた職務内容を書く。ここの内容こそ職務経歴書の屋台骨。
職務経験豊かな中高年ゆえに、見せ方にも工夫が必要。もちろん冗長なのはNG。
他の項目と含めて2ページ以内
タビリティスキル 自身の経験やスキルの中で、応募先に対して貢献ができるものを選んで書く。定形化しないで、必ず応募先に合わせて書くことが大切。 3行~5行くらい
自己PR 日本特有の項目。
上記3つの項目と違い、自由表現できるので、ここの使い方次第でハンディを挽回できたり、売りを更に強めたりできる。
全体の1/4~1/3くらい

※その他、特殊事情などをフォローする「特記事項」やその応募先に対する「志望動機」、豊富な実績の中から輝かしいものをセレクトして載せる「主な実績」などといった項目を適宜追加して構成するのも効果的。

職務経歴書と違って、記入欄が固定されている履歴書は、自由フォーマットの職務経歴書と比べると書きやすいはずです。また志望動機書等の他の書類は、課される可能性が低いですから、転職活動を成功させるには、職務経歴書の作成レベルを向上させることが最優先であると考えてください。

次回は「転職力」を構成するもう一つの「面接力」を、向上させるコツを説明します。

>> 第3回「転職力を上げる方法(面接編)」 へ続く

 

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講師プロフィール

  • 著者写真
  • 中谷 充宏(なかや みつひろ)
  • キャリアカウンセラー、社会保険労務士

  • 実績、経歴

    同志社大学法学部法律学科卒。NTT(日本電信電話株式会社)勤務後、キャリアカウンセラーとして独立。

  • ●マンツーマンで転職を支援する日本トップクラスの「転職のパーソナルコーチ」。
    ●一流企業社員や米国MBAホルダーからハンデ層まで、幅広い方々の転職支援の実績あり
    ●社会保険労務士としての経験から企業側の採用心理や実情も熟知。

  • 運営サイト

    ●運営サイト:中高年の転職の悩み相談室http://www.chuukounen.com/


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