第2回 「職務経歴書の書き方2~必須の4つの項目とは~」

著者が教える、中高年の転職必勝法

職務経歴書に最低限入れてほしい4つの項目とは?

この世代となると、個々に積んできたキャリアが全然違うために、職務経歴書には、一体何をどのように書いたらいいのか、皆目見当がつかない、という人も多いと思います。

これは履歴書やWEBフォームと違い、職務経歴書は決まったかたちがないのでわかりづらいのですが、これを構成する項目ごとに分解して考えていけば、確実に効果的な職務経歴書を作成することができます。

実はどのスタイルを採用しようとも、この世代が職務経歴書に最低限盛り込んでおかなければならない項目があります。

「職務要約」、「職務詳細」、「ポータビリティスキル」、「自己PR」
の4つです。

これに加えて、たとえば、なぜ今、恵まれたポジションにいるのに転職するのか、といった理由など、特別な事情を先回りして伝える必要がある場合は「特記事項」を末尾に追加して構成するのも一手です。

個別に概要を説明すると、まず「職務要約」はまさしく今までの職歴を端的にまとめたものになります。

ここは本でいうと目次的な役割を果たすもので、ここの内容の出来次第で、その先の詳細まで触手が伸びるか、それとも秒殺されるか、が決まります。

「職務詳細」は、職務内容を掘り下げて書きます。

職務経歴書に最低限入れてほしい4つの項目とは?ここは前述の「職務要約」で関心を持った後に、詳細を見ようとしてこの項目に目線が移ります。
その際、応募者の働いてきたイメージをしっかりと抱きたいと思っていますので、ただ単に事実を書き綴るのではなく、メリハリをつけて書く必要があります。

「ポータビリティスキル」は、どこに行っても通用するスキルを書きます。

たとえば、TOEIC900点はA社であろうとB社であろうと企業に関係なく、どこでも通用する英語力を証明するものです。英語力を求めている応募先にはこれを盛り込みます。
項目タイトルとして「貴社で活かせる経験・スキル」と掲げて、自身の培ってきた多種多様な経験やスキルの中で、応募企業に役立つものをピックアップして書いていきます。

最後に「自己PR」ですが、ここは今まで挙げた3つの項目と異なり、抒情的な表現が許されるところです。

実は英文の職務経歴書にはこういったことは一切書かないのがルールで、実績やスキル、経験を粛々と書くだけで終わってしまいます。
逆を言うと、「自己PR」項目を認める日本では、応募者のパーソナリティや熱意を意識して見てくれる証拠と言えます。
だから、他の項目では伝えきれなかったスキルや強みを記述したり、先回りしてハンディを補ったり等、この項目を最大限に活用してください。

 
<図版>中高年が職務経歴書に盛り込むべき項目

項目 概要説明 量の目安
職務要約 採用人事が最初に目にする項目。
目次的な役割を果たしており、ここでの内容により、
この先の記述内容を読んでもらえるかどうかが決まる。
3行から5行くらい
職務詳細 経験してきた職務内容を書く。
ここの内容こそ職務経歴書の屋台骨。
職務経験豊かな中高年ゆえに、見せ方にも工夫が必要。
もちろん冗長なのはNG。
他の項目と含めて
2ページ以内
ポータビリティスキル 自身の経験やスキルの中で、応募先に対して
貢献ができるものを選んで書く。
定形化しないで、必ず応募先に合わせて書くことが大切。
3行から5行くらい
自己PR 日本特有の項目。
上記3つの項目と違い自由表現できるので、
ここの使い方次第でハンディを挽回できたり、
売りを更に強めたりできる。
全体の1/4から1/3くらい

その他、特殊事情などをフォローする「特記事項」やその応募先に対する「志望動機」、豊富な実績の中から輝かしいものをセレクトして載せる「主な実績」などといった項目を適宜追加して構成するのも効果的。
 

過去から順を追って書いていく「時系列記述法」とは?

前項で概要を説明したとおり、「職務要約」には今までの職歴を一目でわかりやすくまとめた文書を記述します。

たとえば皆さん本を買うかどうか判断する際に、目次を見て何が書いているかをまず確認すると思いますが、それと理論は一緒。
職務経歴書もまずこの目次的役割の「職務要約」を見て、先に進むか判断します。

職務経歴書は3行から長くても5行位のボリュームに収めるのがルール。
中高年の職務経歴書でたまにA4サイズ半分くらいまでぎっしりと書かれた「職務要約」を見かけますが、これでは「要約」ではありません。最初から読み辛くするのはご法度です。

この限られた短いスペースで先に進んで読んでもらえるような、キャッチ、ポップの効いた文書にするのは、至難の技ですが、素人でも簡単に書けるコツがあります。

まず書き方ですが、分類すると「時系列記述法」「一気通貫記述法」の2つがあります。
「時系列記述法」は、新卒入社以来からの経歴を、時間軸に沿って書いていくやり方です。

たとえば、

職務要約

東京通信技術大学で情報工学を学んだ後、SBソフト株式会社に新卒入社。
通信交換システムの開発に約7年従事。
その後、株式会社ITネットに転職し、メールサーバ構築や業務システム開発に約5年従事。
そして2010年4月より現職の株式会社アプリコに転職し、主にスマートフォンの機能開発に携わっております。

 

と最終学歴から、転職先の企業名、業務概要、勤務期間などを盛り込んでいく書き方で、最もオーソドックスな記述方法です。

次に「一気通貫記述法」ですが、これは時系列ではなく、「国際関係大学卒業後、システム開発畑一筋で約14年のキャリアを積んで参りました。~」とキャリアで束ねて書く方法です(これは次頁で詳細説明します)。

この前者の「時系列記述法」は、応募職種と今までの職務経験がマッチしており、転職回数がさほど多くない人や職歴に多様性がない人、特殊事情がない人に適しています。淡々と時間の流れに沿って書くだけですので、書きやすいはずです。

なお、応用編としては、下記の事例のように、主たる実績を盛り込む、自己PRで締める、といった方法もあります。

職務要約

大学院卒業後、新卒入社した株式会社バイナリーで約10年間、システム営業に従事。
5年目からは3期連続MVPを受賞するなど毎年確実に与えられた営業数字は100%以上を達成。
その成果が評価され、11年目からはセールスマネージャーに昇格。営業社員10名を抱え、チームマネジメントに尽力。昨年度は全国3位のチーム表彰も受けました。
1プレイヤーでもマネージャーでも、営業数字必達力には自信があります。

 

キャリアで束ねて書く「一気通貫記述法」とは?

次に「一気通貫記述法」ですが、これは時系列ではなく、長年のキャリアを丸めて書くのが特徴です。

読み手に負担がかかるような、長々と書くのは言うまでもなくNGなのですが、「時系列記述法」で書くとどうしても長くなるケースがあります。

たとえば、何度も転職を繰り返している場合。
勤務先と担当業務の概要、勤続年数などをそのまま記述したら、5行では収まりません。
そもそもの要約という定義に反してしまいますから、何らかの凝縮する方法が必要で、それが「一気通貫記述法」なのです。

下記は「住宅営業の管理職候補」に応募する場合の事例ですが、

職務要約

大学を卒業して18年経ちますが、この大半の期間、住宅営業に従事して参りました。
特に郊外の30坪程度の戸建住宅の営業を得意とし、前職のスマイスト株式会社では、2年連続で全国約100名中ベスト5の営業実績を残しました。
現職では営業所長経験もあり、展示場へ誘導するマーケティング戦略の企画・立案・実行経験や部下の育成・指導の経験もあります。

 

といったような記述になります。
ここでは詳細は見えませんが、実はこの人は7社の勤務経験がありますので、長くなってしまう「時系列記述法」を採用せず、「住宅営業」に的を絞って、このように最初の1行でコンパクトにまとめて書き、冗長に走るのを防いでいます。

またここであるように、特筆すべき住宅販売の実績を例示として挙げる、展示場販売で必要なマーケティングや年齢上必要な部下マネジメント経験に触れておく、のも効果的です。

また多種多様な職歴や業界経験がある場合も、「時系列記述法」ではなく、こちらが適しています。

たとえば、次の事例では、5つの業界で3つの職種を経験している人の記述になります。

職務要約

平成8年4月の新卒入社から現在までの約16年もの間、接客サービス業でキャリアを積んで参りました。
この間、ブライダル、葬儀、飲食、宿泊、旅行の5つの業界を中心に、接客・営業・企画と幅広い業務に従事。
また管理職経験も豊富で、認識の甘い従業員に対しては意識改革を徹底するなど、組織力を最大化するのも非常に得意としています。

 

全体については丸めてサラリと書いておき、応募職種に役立つ職歴やスキルに焦点を当てて、そこを深掘りしておくのが、この手法のセオリーと言えます。

なお、全体を網羅しておかないと、違和感を覚える採用人事もいますので、必ず触れるようにしてください。

たとえば、総務や経理の業務経験もあり、営業経験もある人が、営業に応募する場合は、営業のことしか触れないのではなく、「総務、経理を経験した後に営業に従事し、~」とか「営業以外にも総務、経理を経験し、~」というように、応募職種とは関係のないものはサラッと流す程度にとどめておくといったように、強弱をつけて書くのがポイントです。

職務詳細の書き方のコツとは?(時系列で表す方法)

「職務要約」の次は「職務詳細」。これは一般的に「職務経歴」と表記するケースも多いのですが、筆者の作成方法としてこの表記で統一します。

「職務詳細」は採用人事が最も重きを置く項目です。

この理由としては、応募者の職歴の全て(職場環境や仕事内容、働き方、保有するスキル、実績など)をここでしっかりと把握し、当社にとって有益な人材かどうかを判断するからに他なりません。

特にキャリアを重視される世代ですから、ここは細心の注意を払って書き上げてください。まず時系列で表す編年式での記述方法について。巷にはいろいろな書き方がありますが、下記のように勤務先ごとに表を設けて書くことを推奨します。

職務経歴

☐平成6年4月~平成16年3月 スプリング工業株式会社
事業内容:金属ばねの製造・販売
資本金:2千万円 売上高:8億円(平成23年度) 従業員数:100名 非上場

 

期間 業務内容
平成6年4月

平成9年4月
【配属】研究開発課
【職位】正社員
【業務内容】

  • 金属ばね用鋼材の品質評価・性能試験
  • 金属ばねの耐久試験、金属破断面・硬度・金属組織の調査と報告書作成
  • 表面処理の効果測定(電子顕微鏡や硬度計などを使用)

【実績や身につけたことなど】

  • 研究・試験業務において測定機器の取扱い方法や試験手順など、計画的なOJTによる指導を実施。
  • 測定機器の使用経験と理学系の専門知識が活用可能。
平成9年4月

平成16年3月
【配属】情報システム課
【職位】正社員(プロジェクトリーダー職)
【業務内容】

  • Windows Server環境でのドメイン構築と運用
  • グループウェアの導入・運用・社内教育
  • EDIデータを活用した受注処理業務の効率化
  • インターネットVPNによる拠点間通信の導入・運用

【実績や身につけたことなど】

  • 100ユーザー分の Windowsドメイン環境の構築と導入を一人で経験
  • グループウェアの使用方法について、全社員対象の教育の実施経験
【転職理由】
今まで培ってきたITスキルを最大限に活かせるフィールドで活躍したいと考え、転職を決意。

このように表を使うと、まとまりがよく、見やすさが向上し、採用人事の印象もアップするので、推奨しています。

具体的な書き方ですが、まず最初に勤務先の在籍期間とその社名を書き、その下に事業内容や資本金といった企業概要を書きます。
そして職歴の詳細を枠の中に書いていきますが、枠の左端の期間の列については、社内の部署単位で分けて書きます。
上記例でいうと、研究開発課で一つの枠、情報システム課でまた一つの枠を設けて、その部署に在籍した期間を書きます。

次に表の中ですが、配属や職位を最初に書いておき、その下に【業務内容】を箇条書きで書いていきます。
そしてその下に【実績や身につけたこと】などを盛り込みます。
一番最後に【転職理由】欄を設けて、先回りして辞めた理由を書いておきます。この構成が編年式の基本になります。

転職毎にこの組み合わせが新規に増えることになりますので、転職回数が多過ぎるとボリュームオーバーに陥ってしまいます。このような場合は、既述のとおり、スタイルの見直しを行う必要があります。

なお、数カ月の短期勤務のように、この表をいちいち設けるほどの職歴ではない場合があります。

半年以上のブランクを消し去るのは後から虚偽を疑われてしまう危険性があります。
この場合は、表を設けずに、

※平成16年4月~平成16年10月の期間については、テレコムジャパン株式会社にて正社員としてコールセンター向けシステム開発に従事。

と文書で丸めてしまって表現するやり方を推奨します。

職務詳細の書き方のコツとは?(キャリアごとにまとめる方法)

キャリア式は前項の編年式とは書き方が全く違ってきます。
他の転職指南書のように、キャリア式はキャリアごとにまとめて書く、と言われてもなかなかピンとこないでしょう。それなので、ここでは事例を用いて具体的に説明します。

たとえば、A社、B社、C社の3つの企業で人事業務に就いていたとします。
A社では採用が主業務で、B社では社員の入社・退社の手続き関係がメイン、C社では新規の制度設計が中心だったとしたら、これらを会社ごとに記述するのではなく、「人事関連業務」というキャリア軸で串刺しにして、この名の元に経験業務を並べてしまうのです。

そして人事マネージャーポジションを募集していて、ここでは各種規程の見直しを最優先任務としている等、その求めている人物像に合わせて、上から順に求められている業務経験を配置していきます。

人事関連業務

■定型業務

  • 就業規則の改定、人事制度の改訂、人事関係諸規則の制定改廃
  • 部下6名のマネジメント、人材育成
  • 新卒採用、中途採用(延べ1,000人)
  • 給与計算、社会保険手続、勤怠管理、入社・退社手続
  • 福利厚生の統括、社宅制度運営、社員会の運営、従業員持株会の運営

■プロジェクト業務

  • 新人事制度の策定企画・立案、賃金規程の全面改訂
  • 介護を抱える社員に対する会社独自の介護休業制度の企画・立案
  • HRM導入検討プロジェクトへの参画

 

ここを経験業務別に見ると、下記のようになるのですが、「人事関連業務」というキーワードで束ねることで、経験企業や経験時期は見えなくなりますが、これがまさしくキャリア式の特長です。

経験業務 経験時期
・就業規則の改定、人事制度の改訂、人事関係諸規則の制定改廃 C社のみ
・部下6名のマネジメント、人材育成 C社のみ
・給与計算、社会保険手続、勤怠管理、入社・退社手続 A社、B社
・福利厚生の統括、社宅制度運営、社員会の運営、従業員持株会の運営 B社、C社
・新卒採用、中途採用 全社
・労働組合との窓口対応、折衝業務 C社のみ

なお、バックオフィス業務であれば、ルーティンワークを受け身で粛々とやっているだけとみなされる場合もありますので、この例のように、「定型業務」と「プロジェクト業務」といったように、業務内容を分類して記述するのも非常に効果的です。

応募先企業で活かせる経験・スキルの書き方のコツ

ここでPRする「ポータビリティスキル」は、まさしくどの企業に持って行っても通用するスキルのことです。

たとえば、WordやExcelを使いこなせるリテラシーは、職種や企業を問わず必要でありこの典型例ですが、中高年はこのような汎用的なものよりも、商社ならばTOEICのハイスコア、不動産売買仲介会社ならば宅建資格とその資格を活かした実務経験、といった応募先に合わせて、より高度で専門的なものをPRするようにしてください。

下記は経理財務マネージャー候補職に応募する人の事例です。

貴社で活かせる経験・スキル

  • 約15年の現場経験に基づいた会計実務スキル
  • 経営者マインド(経理、財務、総務、人事、法務と幅広い業務に従事)
  • 円滑なコミュニケーション力(顧客に対する豊富な税務実務・指導経験により体得)
  • 管理職経験で培ったチームマネジメント力
  • 豊富な法律知識(税法(法人税、所得税、消費税等)の他、信託業法、金融商品取引業法、個人情報保護法などに精通)

 

このように体言止めで3つから5つくらいを箇条書きにするのが、ベストです。

中高年がよく犯す記述ミスとしては、目一杯書いてしまう、応募先と関係のない経験・スキルを書いてしまう、書くべきようなスキル・経験などない、と決めつける、という3つがあります。

一つ目については、書き過ぎると焦点がボケてしまいますし、自己顕示欲が強いと見限られ、かえってマイナス評価につながる危険性があります。
二つ目については、必ず求人情報を精読して、自身の保有している経験・スキルの引き出しの中から何が応募先にベストマッチするのか、をしっかり見極めて、セレクトしなければなりません。

次は地元埼玉に特化した不動産営業職に応募する人の事例です。

貴社で活かせる経験・スキル

  • 不動産業界での営業経験(約15年2ヶ月)
  • 物件に関する知識を深めるための、埼玉県内における土地勘や地域事情の情報収集網と知識吸収力
  • 円滑なコミュニケーション力(顧客に対する豊富な税務実務・指導経験により体得)決定権者の見極め力、クロージング力

 
たとえばここでTOEICスコアをPRしても、応募先の業務には直結しません。このように地元の土地勘や今まで培ってきた不動産営業のスキル・ノウハウを前面に出します。

また次は一般事務職に応募する人の事例です。

貴社で活かせる経験・スキル

  • 電話応対やデータ入力などの一般事務から人材教育などの幅広い守備範囲と業務適応能力
  • 地道にコツコツと作業を安定して進めることができる、几帳面さ、真面目さ、誠実さ
  • スピードと正確を兼ね備えた事務処理能力

 

実はパソコン作業があまり得意ではない人ですので、背伸びしてPCリテラシーをPRせずに、性格上の強みなどをPRします。

三つ目のように、「私には誇らしい経験・スキルがない」と諦めてしまうことなく、このように3つ程度なら必ず書けることがあるはずです。
ぜひ求人情報を精読するなどして、企業研究をしっかりと行い、応募先に適合したものを記述してください。

自己PRの書き方のコツ

「自己PR」は、読んで字のごとく、自分のセールスポイントを書いて自身をアピールします。
ここは他の項目と違い、唯一フリーに書ける項目なので、書き方によって大きく差が出るところです。

中高年がこの項目を書く場合、大きく4つのパターンに分類できます。

まず一つ目ですが、この世代を採用する際はキャリアを重視するわけですから、自身が養ってきたキャリアやスキル・経験を素直に訴求する方法です。

たとえば、応募職種が営業職で、自身も営業経験が長い場合、営業に役立つものはたくさん持っているはずで、それを選択して次のようにPRします。

自己PR

目標必達に対する強い執着心

営業は数字が全てといっても過言ではないと思っております。私は目標数字達成に対しては人一倍こだわりがあり、今までノルマを全て達成してきた自負もあります。
株式会社セールスフォース在籍時代には神奈川県下の300人の営業マンの中で年間売上高1位の実績を2年間継続して残すことができ、これらの成果が会社に認められて20代半ばで店長を任されるまでに至りました。

 

次に二つ目です。同じことの繰り返しになってしつこくならないように、違った視点から自分の魅力を語る方法があります。

前述の例でいうと、個人の営業力だけを繰り返しPRするのではなく、たとえばマネジメント力をPRするといった、違う角度からPRを導き出します。

自己PR

組織力を最大に高めるノウハウ

私はチームを任された際は、自ら進んで胸襟を開き部下の適性や考え方を把握するように努め、自由に発言できる職場環境作りに励みました。
私は管理者として部下を締め付けるのではなくできるだけ自由にやらせて、その責任は私が全部負うことを宣言し、職場の雰囲気を変革しました。
堺支店、神戸支店ともに支店長として着任時は全国最下位レベルでしたが、これらの取り組みにより、どちらも最終年には新規契約部門で全国トップレベルの成績を残せるまでになりました。

 

三つ目ですが、応募職種に対して冴えたる明確な売りがない場合、性格上の強みや業務遂行上のモットーや信条を語る方法があります。
経験がない職種にチャレンジするといったキャリアチェンジの場合は、この方法が有効です。

自己PR

決断力と実行力

私は経歴で述べたように、新卒入社後約15年間勤務した法人営業のキャリアを捨てて、米国サウスノース工科大学に留学しました。これはITエンジニアになりたいという想いが強かったからに他なりません。
このように決断したことはすぐに実行に移し、それを達成するまで途中で投げ出さずに地道にコツコツと取り組むことができます。

 

最後に四つ目です。ハンディやマイナス点に先回りしてフォローする方法があります。
これは後述する特記事項を使う方法もありますが、自己PRを職務経歴書の最終項目として締める場合は、ここでフォローします。

自己PR

高いプロ意識と継続勤務力

出産後に入社した現職に一生勤め上げるつもりでおりましたが、建設不況による経営不振のため先行きが見えなくなり、退職せざるを得なくなりました。この経験も精神力の鍛錬の一つと前向きに捉えております。
なお、夫の協力もあり、現職での勤務において育児による急な欠勤等で仕事に穴を開けることは一切なかったことを付け加えさせていただきます。

 

なお、どのパターンであっても、応募先にきちんとマッチさせることが大原則です。
自己PRだからといって、好き勝手に自分の強みやアピールポイントを書くと、利己主義、わがままと見下される危険性があります。

またスーパーマンのごとく、求人を凌駕するような立派なものだと、その信憑性が疑われ、採用人事には全く響かない場合がありますので、細心の注意を払って記述してください。

ネガティブ要素をフォローする方法とは?

これまでに説明してきたとおり、著者は職務経歴書に4つの項目(職務要約、職務詳細、ポータビリティスキル、自己PR)を盛り込むことを勧めていますが、特殊事情を抱える中高年の場合、これに加えて「特記事項」というユーティリティ項目を活用することも勧めています。

たとえば、5年前に2年間のブランクが空いていて、その期間は父親の介護を行っていた場合。

これは職歴ではないので、「職歴詳細」に書かないケースが多いのです。
このままだと、応募書類上では介護というやむを得ない事情が見えないので、採用人事の頭の中に疑問符が残ってしまいます。
そういったことは面接できちんと話せばいい、とお思いの人も多いのですが、こういった細かいところまでフォローしておかないと、今は書類選考で落ちてしまい、面接まで辿り着きません。

このような場合に、この「特記事項」を設けて活用します。
要は履歴書・職務経歴書の両方の応募書類に盛り込めていない特殊事情等があれば、この項目を使って書き、採用人事に対して納得感を提供するのです。

特記事項

株式会社スマート退職後の平成21年4月から平成23年4月までの約2年間は、アルバイトをしながら父親の介護に専念しておりました。
現在父親は老人ホームに入居しておりますので、貴社での就業には支障がないことを申し添えていただきます。

 

その他の「特記事項」の活用例としては、現職に長年勤めてしているにもかかわらず転職活動をする理由や、今回今までのキャリアを全て投げ打ってでもキャリアチェンジを志望している理由、転職回数が多くなってしまった理由など、採用人事にとって懸念材料となりうることをここで記述してフォローしておくのです。

<現職に長年勤めてしているにもかかわらず転職活動をする人の見本>

特記事項

現職場では勤続10年目に入り、職場仲間の関係も良好で、今すぐ退職しなければならないといった切羽詰まった状況ではありません。
だからもちろん現職でキャリアを形成していくという選択肢もあるのですが、今一度、立ち止まって将来の自身のキャリアプランを熟考した結果、やはり現職が目指す方向性と私のキャリアの考え方に乖離があることを再認識し、後になって後悔しないよう、新天地を求めるべく転職活動を始めた次第です。

 

<今までのキャリアを捨てて、キャリアチェンジを志望する人の見本>

特記事項

学生時代から貴社の○○職に憧れており、新卒就活時と20代半ばの2度、貴社に応募いたしましたが、残念ながらご縁がありませんでした。
今回、○○職の経験がなくても、他で秀でた実力を発揮した経験がある方なら、年齢制限を設けないかたちで募集されることを知り、長年の夢を叶うべく応募させていただいた次第です。

 

<転職回数が多くなってしまった人の見本>

特記事項

私は今まで7社を経験しておりますので、一見すると非常に転職回数が多いように見えますが、△△業界では、プロジェクト単位で会社に雇用されるために、携わっていたプロジェクトが完了すると退職するのが当たり前の世界でした。
この業界で私の職歴の大半を費やし、ちょうど3年前に△△業界から■■業界に移った後は、転職は1度しかなく、それも業績不振による事業部門閉鎖による会社都合退職でした。

 

最後に、この項目は全体のボリュームを整える、という重要な役割も担えます。
たとえば、2ページにまたがってしまったけれども、2ページ目の空白が目立つような、職務経歴書全体の座りが悪い場合、この項目でバランスをとるのは、非常に有益です。

>> 第3回「職務経歴書の書き方3~営業・販売職編~」 へ続く



 

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講師プロフィール

  • 著者写真
  • 中谷 充宏(なかや みつひろ)
  • キャリアカウンセラー、社会保険労務士

  • 実績、経歴

    同志社大学法学部法律学科卒。NTT(日本電信電話株式会社)勤務後、キャリアカウンセラーとして独立。

  • ●マンツーマンで転職を支援する日本トップクラスの「転職のパーソナルコーチ」。
    ●一流企業社員や米国MBAホルダーからハンデ層まで、幅広い方々の転職支援の実績あり
    ●社会保険労務士としての経験から企業側の採用心理や実情も熟知。

  • 運営サイト

    ●運営サイト:中高年の転職の悩み相談室http://www.chuukounen.com/


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