公務員を目指す大学中退者が知っておきたい給料・年功序列の現実とは

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大学中退をきっかけに、安定した仕事を求めて公務員を目指す方も多いかと思います。

公務員試験は学歴不問となっており、大学中退でも挑戦しやすい職種です。

実際に、大学中退者や高卒者でも公務員として働いている人もいるため、公務員になることはできます。

今回は、大学中退者で公務員を目指している方のために、公務員の現状と知っておきたいこと、公務員になるまでの流れを解説していきます。

大学中退者が公務員になるのは厳しいのか?

大学中退者が公務員になること自体は、難しいことではありません。ただし、あらかじめ知っておくべきポイントがあるため、ご紹介していきます。

公務員試験には学歴は一切関係ない

まず知っておきたいこととして、公務員試験には学歴は一切関係ありません。国家公務員も地方公務員も、学歴に関係なく受験できることは国家公務員法にも明記されています。

国家公務員法・地方公務員法には、「職員の採用は競争試験によるものとする」と書かれており、職員の公正な任用や人事評価の公正が書かれています。

そのため、誰でも公務員試験を受験でき、一部の公務員を除けば資格も必要ありません。

年齢制限には注意すべき

公務員試験には学歴こそ関係ありませんが、ある程度の年齢制限が設けられている点には注意すべきです。

多くの公務員試験では「30歳まで」とする年齢制限があるため、大学中退後は早めに行動しなければなりません。

また、年齢制限も職種によってバラバラで、20代半ばというものもあれば、40歳までOKとされるものもあります。

地方公務員の場合は、地域によって自由に年齢制限を設けられるため、受験する際は年齢制限の確認は必須です。

公務員の約3割は高卒

公務員の種類として、国家公務員と地方公務員があることを知っている方は多いはずです。当然ながら国家公務員の方が難易度は高いですが、国家公務員の3割弱は高卒です。

また、地方公務員の2割も高卒となっており、大学中退者でも国家公務員や地方公務員になるチャンスはあります。大卒または短大卒の方が割合は高いですが、大学中退でも公務員になることは可能であることがわかります。

職種によって最終学歴の人数割合は違うものの、「大学中退だから公務員は無理かも」と諦める必要はありません。

参考:人事院給与局 「令和4年 国家公務員給与等実態調査 報告書」P11

参照:総務省「令和3年 地方公務員給与の実態」

公務員の種類

公務員には、国家公務員と地方公務員があることをご存じの方は多いかと思います。実はそれ以外にも「国際公務員」という職種もあるため、それぞれの特徴についてご紹介します。

国際公務員

国際公務員は、「国際」と名称がついている通り、国連やWHOのような国際機関で働く公務員のことです。

就職するには大学卒業に加えて、修士号以上の学位が必要とされるため、非常に狭き門と言えます。

また、日本語以外にも外国語を習得する必要があるため、かなりの努力が必要な職種です。

国際貢献への意欲が高い方向けの仕事です。

国家公務員

国家公務員は、国の根幹を支える省庁や国の機関で勤務する公務員のことです。代表的な勤務先は次の通りです。

  • 裁判所
  • 自衛隊
  • 検察庁
  • 刑務所
  • 海上保安庁
  • 衆議院・参議院事務局
  • 国会図書館

この他にも多くの国家公務員の職種があり、いずれも高難易度の試験を通過したエリートが就職できる職場です。

裁判所の裁判官や検察官なども国家公務員ですが、前提として弁護士資格も必要となるため、さらにレベルが高くなります。

無資格でも試験に合格できれば就職はできる機関もあるため、大学中退であっても努力次第で就職可能です。

地方公務員

地方公務員は、都道府県や市区町村などの地方自治体に勤務する公務員のことです。住んでいる地域をより良くするのが仕事で、地域に密着した働きができます。

代表的な勤務先は次のとおりです。

  • 市役所
  • 消防署
  • 警察署
  • 保健所
  • 学校
  • 保育所

一部の就職先には資格も必要ですが、地域の発展に貢献する意欲のある方には、地方公務員がおすすめです。

試験は各自治体が独自に行っているため、試験内容や評価基準も異なります。

地方公務員を目指す方は、過去問をチェックして、試験対策を練っておくのがよいでしょう。

大学中退者が公務員を目指す際に知っておきたい注意点

これから公務員を目指す大学中退の方は、公務員ならではの注意点も知っておきましょう。

そもそも試験に受かるために予備校通いが必要

公務員試験は受験する職種にもよりますが、予備校や通信講座を受講するのがおすすめです。テキストを購入して独学で勉強するのもよいですが、非常に非効率だからです。

例えば、地方上級試験を受験する場合、試験科目に憲法・民法・行政法・経済原論が必須になります。

さらに、政治学や財政学、経営学などの科目も学ぶ必要があり、独学で専門的な内容を学ぶには限界があります。

その他の公務員試験でも専門的な内容が問われるため、予備校や通信講座を利用して学習しなければ、合格は難しいでしょう。

自分に必要な内容と不要な内容の取捨選択もしやすくなるため、公務員試験の受験と予備校などの受講はセットだと考えてください。

給料は民間企業に左右される

民間企業に就職した場合は、経験年数と業績によって、昇給やボーナスアップが期待できます。しかし、公務員の場合は、民間企業の給与の平均から給与が算出されるシステムです。

経験年数による昇給はあるものの、どれだけ仕事を頑張っても大幅な昇給はありません。

大学中退者が国家公務員・地方公務員になった場合、次のような給与になります。

国家公務員(高校卒)の給料

  • 入職後1年未満・・・16万4,736円
  • 1年以上2年未満・・・17万4,126円

地方公務員(高校卒)の給料

  • 20~23歳・・・17万859円
  • 24~27歳・・・19万8,963円

公務員の場合、長く務めるほど給料が高くなる傾向があるため、20年以上務めることが望ましいです。

また、国家公務員と地方公務員では、給与そのものに大きな開きはないため、給与面だけを考慮するならどちらを選んでも生活に大きな変化はないでしょう。

参考:人事院 「令和4年国家公務員給与等実態調査の結果」第7表

参考:総務省「令和3年 地方公務員給与の実態」第7表の1

安定しているが年功序列の風潮が根強い

国家公務員も地方公務員も、社会的地位は安定しているものの、昔ながらの年功序列の風潮が強く残っています。年収や昇進も年齢が高く、経験年数の多い人から選ばれやすい傾向があります。

そのため、どれだけ仕事を頑張っても昇給、昇進がしにくく、働く意欲を失いやすい点には注意すべきです。

キャリアアップへの意欲が強い人は、民間企業に就職した方がモチベーションを維持しやすいでしょう。

大学中退者におすすめの公務員試験とは?

大学中退者が公務員を目指す際に、おすすめの公務員試験をご紹介します。

国家公務員試験のおすすめ

国家公務員試験には、難易度別に2種類の試験があります。

どちらも高難易度の試験になっているため、合格には相当な努力が必要です。

  • 国家公務員Ⅰ種
  • 国家公務員一般職(旧国家公務員Ⅱ種)

「国家公務員Ⅰ種」とは、エリートだけが合格できる試験で、官公庁で働く官僚やキャリアと呼ばれる公務員です。大半が東京大学を含む国内トップクラスの大学生や卒業生で、その中でも合格率は1%程度とされています。

「国家公務員一般職」は、大卒程度のレベルとされており、国家公務員Ⅰ種に比べると合格しやすいとされています。就職後の昇進スピードは緩やかですが、大学中退者でも狙いやすいのが国家公務員一般職です。

地方公務員のおすすめ

地方公務員にも2種類の試験があります。国家公務員に比べると難易度が低くなるため、確実性の高さを狙うなら地方公務員がよいでしょう。

  • 地方初級公務員
  • 地方上級公務員

まず、地方初級公務員は高卒程度の試験であり、市役所の一般事務や窓口係、学校の事務員などが仕事になります。

高卒レベルで合格できることから、昇進のチャンスは少なめで、安定した働きをしたい方向けと言えます。

仕事内容はルーチンワークが基本ですから、やりがいよりも日々の安定を求める人におすすめです。

地方上級公務員は、大卒程度のレベルとされており、難易度では国家公務員一般職と同程度とされています。大卒者であっても落ちることがあるため、大学中退者の場合は人一倍の努力が必要です。

その分、合格すれば地方の幹部候補として出世しやすく、地方公務員として高収入を狙うなら地方上級を狙うべきです。

大学中退者でも地方上級公務員になれるのか

大学中退者が地方上級公務員になるためには、何が必要になるのか解説していきます。

そもそも地方上級公務員とは?

地方上級公務員とは、地方公務員採用試験の中でも、都道府県・政令指定都市・特別区における職員採用試験のことを指します。

学歴として大卒程度のレベルとされていますが、あくまで目安であり、学歴に関係なく年齢に問題がなければ誰でも受験できます。

試験日程は都道府県や政令指定都市によって様々で、日程さえ違えば、別々の地方上級公務員試験を受験することも可能です。

注意点としては、政令指定都市の試験の方が、都道府県庁の試験よりもレベルが高いと言われている点です。

あくまで受験者の体感でしかありませんが、過去問などでしっかりと対策することをおすすめします。

地方上級公務員は有資格者向けの職種が多い

地方上級公務員の仕事は、分野別にすると次の4種類があります。

  • 事務職
  • 技術職
  • 資格職
  • 公安職

事務職は行政機関や学校の事務職、警察でのデータ分析などを行う事務職で、行政機関のあらゆる場所で働いています。

技術職は電気、水道、農業、土木など、専門性の高い職種で、土木課や道路課、水道局などです。

資格職は医師、看護師、保育士などの資格が必要な職種で、公立病院や保育所、保健所などで働きます。

公安職は社会の秩序を守る仕事で、警察官や消防士などのことを指します。

いずれも地域住民の生活やインフラ、命を支える大事な仕事であり、やりがいのある仕事です。

試験科目は大きく分けて4種類

地方上級公務員は、国家公務員一般職と並ぶ高難易度の試験であり、試験科目も多岐にわたります。試験科目は大きく分けて次の4種類です。

  1. 教養試験
  2. 専門試験
  3. 論文
  4. 面接

教養試験は、他の公務員試験でも出題される一般知能と一般知識を問う内容です。数的処理と社会科学が問題全体の6割近くを占めており、論理的な思考力と一般常識が重要になります。
専門試験では法律や経済、行政などの分野に分かれ、憲法、民法、行政法、経済原論などの知識が問われます。法律初学者にとっては非常にハードルの高い試験で、通信講座や予備校で体系的に学んでおくとよいでしょう。
論文と面接は教養試験と専門試験に集中しすぎて、落としやすい試験科目です。地方の公務員試験では、他の試験以上に論文や面接を重視する傾向があります。
論文や面接が苦手な方は、受験日までに文章を書く練習や面接対策を進めてください。

大学中退者が公務員になるための5つのステップ

大学中退者が公務員になるまでには、次の5つのステップがあります。

  1. どの公務員職を目指すのか決定する
  2. 公式HPや説明会で情報収集を行う
  3. 試験スケジュールに合わせて学習する
  4. 受験の申し込みを行う
  5. 一次・二次試験と面談を受ける

ステップ1:どの公務員職を目指すのか決定する

公務員になるには、まず国家公務員になるか、地方公務員になるか決める必要があります。国の運営に携わる仕事をしたいなら国家公務員、地域に密着して貢献していきたいなら地方公務員を選びましょう。
公務員職を選ぶ際は自分の強み、大学での専攻、適性なども考慮して、自分の能力に合った公務員試験を受験してください。

ステップ2:公式HPや説明会で情報収集を行う

希望する公務員職が決定したら、次は官公庁や自治体の公式HPのチェック、説明会に参加して情報収集を行いましょう。募集している人員の枠、必要な職種のほか、過去の採用実績についても確認してください。
また、公務員の求人はハローワークや求人サイトにも掲載されているため、そちらの情報も合わせてチェックしましょう。公務員専門の求人サイトもあることから、国家公務員・地方公務員どちらの求人を探すのにも便利です。
色々な情報を比較検討して、自分が働きたいと思える仕事を見つけることが大切です。

ステップ3:試験スケジュールに合わせて学習する

公務員の試験は、自治体や実施団体によって若干のズレはあるものの、概ね3~4月に受験の申し込みが開始されます。つまり、予備校や通信講座で試験対策をするにしても、公務員試験まで余裕のあるスケジュールを組む必要があります。
特に、地方上級公務員や国家公務員一般職などの試験は難関ですから、綿密なスケジュールを立てて学習を進めてください。公務員試験に年齢制限がある以上、1回のチャンスも無駄にはできません。
無駄のないスケジュールを計画し、一発採用を目指しましょう。

ステップ4:受験の申し込みを行う

各自治体や機関の公務員試験開催は、3~4月に集中しており、一次試験は5~6月頃に開催されます。申込期間を逃すと、次は来年まで試験を受けられないため、HPで確認して申し込みを行ってください。
Webサイトからの申し込みが可能なところもあるため、申し込み方法は自分が利用しやすい方法を選択しましょう。

ステップ5:一次・二次試験と面談を受ける

一次試験が5~6月頃、二次試験は7~8月頃に開催されます。それぞれの試験の合否発表は2週間~1カ月かかります。

一次試験では、五肢択一式の教養・専門・論文試験が一般的です。

二次試験は実施団体や自治体にもよりますが、集団面接や集団討論形式で行われることが一般的とされています。

そして、二次試験まで合格すれば、最後に個別面談を行い、最終的な意思確認が行われます。採用内定は9月前後が多いです。

大学中退者におすすめの公務員職

大学中退者が公務員試験を受ける場合、専門資格が不要で、かつ比較的合格しやすい試験を選びましょう。

具体的には次の公務員職がおすすめです。

  • 国家公務員一般職
  • 地方公務員の事務職
  • 警察官
  • 消防士
  • 自衛隊

公務員試験には学歴こそ不要ですが、大卒程度のレベルを要求されるなど、難易度の高いものも多いです。そのため、有資格者でないのなら、資格不要の一般職や事務職、体力があれば働きやすい警察官・消防士・自衛隊などがおすすめです。

中でも消防士は人気が高く、知力・体力・教養のすべてを問われますが、火事から人を守り、救急救命士として人命救助にも携わるなどのやりがいもあります。

まとめ:大学中退でも努力次第で公務員になれる

大学中退でも公務員になれるのか、なれるとしたらどんな仕事があるのかを解説しました。公務員試験はいずれも学歴不問となっており、大学中退者でも試験対策をしっかりと行えば採用される可能性はあります。

国家公務員一般職や地方上級公務員などは要求されるレベルも高いですが、合格すれば安定した将来が約束されています。自分がどんな分野で働きたいのか、適性を理解したうえで、公務員試験に向けて準備してください。

国や地域のために働きたいという気持ちのある方は、公務員試験を受けてみてはいかがでしょうか。


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参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷