幼稚園でも公務員になれるってご存知ですか?

国や地方自治体が運営する公立幼稚園の職員は公務員なのです。
『○○市立△△幼稚園』という名称の幼稚園がそうです。
雇用主は幼稚園ではなく、地方自治体になります。

では、公立幼稚園の幼稚園教諭は民間の私立幼稚園の幼稚園と何が違うのでしょうか。
実は公立幼稚園の幼稚園教諭は良い事がたくさんあるのですよ。
どうすればなれるのかなども合わせて詳しくご紹介しましょう。

幼稚園教諭(公務員)採用試験の内容と流れ

公立の幼稚園で働くには、地方自治体(市町村)の幼稚園教諭採用試験を受けなければなりません。その手順をみていきましょう。

①募集情報を調べ、募集要項を手に入れる

 市町村のホームページや広報紙に募集情報が掲載されます。
募集情報が掲載されるのは、市町村によって異なりますが、早いところで5月、遅いところで10月頃です。

情報を見つけたら、募集要項を手に入れます。
ホームページ・郵送・直接窓口(市役所や教育委員会など)で手に入れることができます。今は、ホームページからダウンロードできるところが多いようです。
毎年同じような時期に募集が始まるので、近年の募集情報を調べて、見逃さないようにしましょう。
ただ、毎年募集があるわけではありません。

②出願する

 募集要項を手に入れたら、出願しましょう。
これも、インターネット・郵送・窓口での出願方法があります。それぞれの自治体で指定の方法があるので、それに従ってください。
募集が開始されてから、出願締め切りまでの期間はそんなに長くありません。長くても一か月程なので、忘れないようにしてくださいね。
年齢制限などの受験資格もあるので、募集要項はしっかり読んでくださいね。

③一次試験を受ける

 一次試験は筆記試験のところが多いです。内容は一般教養と専門試験です。

一般教養というのは、公務員試験初級レベルです。書店に行けば問題集が売られています。

一般教養の詳しい内容は、一般知能分野(文章理解、数的処理)と一般知識分野(社会科学(時事含む)人文科学、自然科学)です。
初級というのは、高卒レベルです。高校の頃にやったような内容をコツコツと勉強する必要があります。
とにかく問題集を買って、ひたすら過去問を解いていくしかありません。

専門試験は、幼稚園教育要領・幼稚園設置基準・保育所、認定こども園との違い・時事問題など、学校で習う内容なので、そんなに難しくないです。
これも保育士・幼稚園幼稚園教諭採用試験用の問題集が売られています。
市町村によっては、一次試験に面接(筆記合格者のみの場合も)があるところがあります。
昨年度や過去数年間の出題を公開している市町村もあるので、ホームぺージなどで確認してみてください。

④二次試験を受ける

 一次試験合格者には、一次試験合格通知と二次試験案内がきます。

二次試験は、面接(個別・集団)、論文、実技試験を実施する市町村が多いです。内容は市町村によって異なります。
例えば、ピアノ(課題曲・初見)、歌(課題曲・初見)、絵本の読み聞かせ、模擬保育などです。

二次試験も、一次試験と同じく、過去の出題を公開している市町村もあります。
二次試験の前に、一次試験合格者を集めて、二次試験の説明を行う親切な市町村もありますよ。
二次試験も、過去の傾向を押さえて、しっかり対策をしておく必要があります。

参考までに、私が受けた試験をご紹介します。

実技では、ピアノ、歌はともに初見でした。
事前に5分ほど楽譜を見る時間を与えられます。論文は『自分のなりたい教師像』というテーマでした。
会場にある素材(段ボールや画用紙、折り紙、リボンなど)で、『夏』というテーマに関するものを作り(30分で)、試験官を子どもに見立てて模擬保育をする(5分程度)というのもありました。

テーマに幅があるので、『夏』に関するものなら何でもOKでした。
プール遊びの導入、梅雨にちなんでカエルのお話、スイカ割りなど、人によって手法は様々です。

5人ずつ行うので、他の受験者に見られるし(逆に言えば、他の受験者がするのを見ることもできる)、試験官はこちらの言葉かけに応えず、にこりともしてくれませんでした。
このような試験を、昼食をはさんで一日がかりで受けました。

ちなみに、初見の歌は、知らない童謡でボロボロでしたが、合格しました。
終わって待合室で落ち込んでいると、監督官の人が励ましてくれたのを覚えています。
他の市も受けましたが、この市が一番試験内容が濃かったです。
模擬保育があることは、過去の傾向から知っていたので、あらゆるテーマを想定して、作るものや模擬保育の内容をしっかり考えて本番に臨みました。

⑤合格発表

⑥合格者説明会に参加する

ここで、雇用や各種保険などの説明を受けたり、書類の記入をしたりしました。
あとは4月からの仕事開始を待つのみです。
市町村によっては4月までに研修が行われるところもあります。

幼稚園教諭(公務員)採用試験の倍率・年齢制限は?

公立の幼稚園教諭は、離職率も低くとても人気があります。
しかも、毎年採用があるわけではありません。なので、倍率は結構高くなります。
10倍のところもあれば、50倍のところもあります。採用人数が2人とか3人のところに100人以上の受験者が集まるのです。

しかし、ほとんどの受験者は、一次試験でふるいにかけられます。
例えば3人採用のところだと10〜15人が二次試験に進める、といった具合です。この割合は市町村によってバラバラです。
たくさん(といっても10人とか)採用する場合は二次試験の倍率は低くなる傾向にあります。
だから、一次試験の筆記試験が大切になってきます。しっかり勉強する必要がありますよね。

 採用試験には受験資格があります。その中の一つが年齢制限です。
これも市町村によってバラバラです。市町村によって採用したい人物像があるので、それによるのかもしれませんね。

未経験者だと35歳ぐらいのところが多いようです。
ただ、経験者枠というものを設けて、他の市町村の公立幼稚園や私立幼稚園などでの勤務経験があれば、年齢制限を引き上げているところもあります。
保育士よりは年齢制限が緩いようです。

公立幼稚園の仕事内容は?私立幼稚園とは違う?

公立幼稚園だからといって、仕事内容は他の私立幼稚園と仕事内容は基本的には変わりません。

ただ、公立の場合は、その自治体の幼稚園全体で保育内容の傾向があったり、研修などで情報を共有したりしています。
なので、同じ自治体の公立幼稚園では、どこもだいたい同じような内容の保育をしています。転勤があるのも一因ですね。

私立幼稚園のように、その園独特の特色のある保育をしていたり、マーチングなどの派手な事をしている園は少ないです。
運動会や発表会も、きらびやかな衣装を着てするというよりは、もう少しシンプルな印象です。

私が働いていた幼稚園では、発表会の衣装も、身近な素材を取り入れながら、子どもと一緒に作ったりしたので、夜な夜な縫物で大変だったという経験はありません。
劇のセリフも、子ども達と遊びながら考えて作りあげていく感じだったので、楽しく取り組めました。普段の保育の延長線上に行事があるという捉え方でした。

私立よりは、公立の方がゆったりとしたカリキュラムです。
もちろん、それでも準備は大変でしたし、日が近づくと胃が痛くなったりもしましたよ。
会場は大ホールではなく、園内の遊戯室で行ったり、いつも使っている保育室でする園もありました。
 

公立幼稚園の給料はどのくらい?

幼稚園教諭には2種類の免許状があります。
大卒で取得できる幼稚園一種免許と、専門・短大で取得できる幼稚園二種免許です。
どちらを持っているか、または最終学歴で給料は異なります。

また、市町村によっても給料は大きく異なります。
大阪市の初任給が、掲載されていたので見てみましょう。
ちなみに大阪市の給料は、大阪府の他の市町村よりも給料が高めです。

短期大学卒業者:205,200円
大学卒業者:231,300円
修士課程修了者:252,200円
月額(100 円未満切捨、単位:円)

これらの月額は、給料+教職調整額+地域手当+義務教育等教員特別手当の合計額(以下、「月給」という。)です。

また、このほか、扶養手当、住居手当、通勤手当、期末手当、勤勉手当等の諸手当が、条件に応じて支給されます。

※参考資料 「平成 30 年度 大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テスト受験案内」

この初任給から始まり、毎年昇給していきます。

私が勤めていた市は、基本給(大卒)が、206000円。住居手当、義務教育手当、通勤手当、調整手当などを含めると総支給額は268000円でした。
一年目は住民税が引かれないので、手取りは23万ほど。30歳前には年収400万を超えていました。

賞与も年間で月額3〜4か月分もらえます。住居手当も家賃の半分(上限アリ)など、結構もらえるので嬉しいですね。
公務員の良いところはこういったところですね。休暇もとりやすく、福利厚生もしっかりしています。

夏休みなど、子どもはお休みですが、職員は仕事です。
この夏休みの期間中に、運動会や2学期の教材準備、研修に参加するなどして、割と余裕をもって過ごすことができます。
夏季休暇ももらえますし、溜まった有給も消化しやすいので旅行に出かける人も多いですよ。
公立幼稚園が離職率が低く、倍率が高いのも納得ですね。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

まとめ

・幼稚園教諭(公務員)採用試験の内容と流れ

①募集情報を調べ、募集要項を手に入れる
②出願する
③一次試験を受ける
④二次試験を受ける
⑤合格発表
⑥合格者説明会に参加する

・幼稚園教諭(公務員)採用試験の倍率・年齢制限は?

倍率は10倍〜50倍など高い。
年齢制限は、市町村によって異なる。経験者枠を設けて、年齢を引き上げているところもある。
 
・公立幼稚園の仕事内容は?私立幼稚園とは違う?

基本的には私立と同じ。公立は市町村内で保育内容がだいたい同じであり、行事なども私立ほど派手でなくシンプル。
カリキュラムも私立より公立の方がゆったりしている。

・公立幼稚園の給料はどのくらい?

持っている免許(幼稚園一種か二種か)や最終学歴によって、給料は異なる。市町村でも大きく異なる。
※大阪市の例 短期大学卒業者:205,200円 大学卒業者:231,300円(これにさらに手当が支給される)
毎年昇給される上に、休暇もとりやすく、福利厚生もしっかりしているので、働きやすい。