少子高齢化が進み、結婚式をしないカップル、結婚そのものをしない選択をする方の増加により結婚式・披露宴を挙げない方が年々増えているため、ブライダル業界は厳しい状況といえます。
しかし、ブライダル業界の企業がそれぞれオリジナリティある結婚式・披露宴のプランをたて新しい挙式の在り方を模索しています。
結婚式自体の数は少ないですが、従来の結婚式や披露宴のスタイルに捉われず、新しいスタイルのプランニングなどブライダル業界の花形であるウエディングプランナーのニーズは安定しているといえるでしょう。
今回は、ブライダル業界への転職について、ウエディングプランナーに注目し給料や必要な資格も合わせてご説明させていただきますので、ぜひご参考にしてください。
ウエディングプランナーのやりがいや苦労についてもご紹介させていただきます。
晴れの舞台をサポートするウエディングプランナーの仕事は、ホテルや式場などによって異なりますが「業務一括方式」「業務分業式」の2種類あります。
業務一括方式は、クライアントから依頼を受け契約を行い、結婚式・披露宴のプランニング、終了までを1人で行います。
クライアントとじっくり向き合うことができるため、相手の希望や本音を把握しやすいメリットがありますが、各業者とのやり取りも1人で行うため責任が大きく大変というデメリットがあります。
業務一括方式のウエディングプランナーには、営業スキルとともにプランニングスキルが求められます。
一方、業務分業式では受付窓口、結婚式・披露宴の打ち合わせ、営業などそれぞれの担当が業務を分担して結婚式・披露宴をサポートします。
それぞれが役割となる仕事に集中できるメリットはありますが、クライアント側からみると担当が変わることへの不安や本音を伝えられないといったデメリットがあります。
業務一括方式と業務分業式、どちらが良いのかは自身の性格や希望する仕事内容によって異なりますので、入社前にどちらの方針なのか確認しましょう。
ウエディングプランナーは、結婚式場やホテルなどで活躍し、結婚式のプランニング・サポートが仕事内容で、クライアントや各業者と打ち合わせを重ね必要な物品や人材の手配、管理業務を行います。
ブーケや装飾花、ウエディングケーキ、演出など結婚式・披露宴でのクライアントの予算やこだわりに応じて適切な提案を行い、クライアントが希望するブライダルの実現を目指します。
ウエディングプランナーというと、新郎新婦とともに楽しく打ち合わせをしているイメージがありますが、実は物品の発注や管理、見積もりや請求書の作成など裏方の仕事も多いことが特徴です。
情報収集が不足して入社した場合は「こんな大変だと思わなかった」とミスマッチが生じる恐れがあるため、入社を希望する企業の情報収集は十分に行う必要があります。
ウエディングプランナーの平均年収は地域やスキル・キャリアによって異なりますが、約300万円~450万円が目安とされ、未経験の初任給は月給18万円~20万円、経験豊富な方は月30万円~35万円程度となります。
ウエディングプランナーの給料は決して高い水準ではありませんが、女性が多い職場ですので妊娠や出産などライフイベントに配慮された職場が多く、安定した雇用を目指すことができるでしょう。
Point給料アップを目指すなら役職をつけ、キャリアアップが近道
営業担当になればノルマ達成により成果に応じた給料がプラスされることも珍しくなく、クライアントへより良いプランを提案し、満足とともに売り上げに貢献することでも給料アップにつながりますので、非常に達成感のある仕事といえます。
ウエディングプランナーは責任や体力の負担が大きいといわれていますが、笑顔や喜びを感じることがたくさんある仕事です。
憧れのブライダル業界を目指したいと思えるウエディングプランナーのやりがいについて3つご紹介させていただきます。
結婚式は一生に一度の大切な日、何カ月も打ち合わせを重ね、理想の結婚式をクライアントともに作り上げていく喜びや感動は他のどんな職種にも味わうことはできません。
準備期間中、なかなか打ち合わせが進まないことや予算と演出との兼ね合いで頭を悩ませることもありますが、当日のクライアントの笑顔を見て大きな達成感ややりがいを感じることができるでしょう。
責任や結婚式成功への重圧は大変ですが、結婚式終了後、新郎新婦・家族・参列者の幸せな顔や「ありがとう」という一言で満足感と充実感を得られることができます。
ウエディングプランナーに求められるスキルは主に営業力・コミュニケーション力・プランニング力とされ、クライアントのニーズに応え、一生に一度であろう大切な日をプロデュースしていくことでこれらのスキルが向上しています。
また、ウエディングプランナーは接遇マナーも求められるため、日々のコミュニケーションによってビジネスマンとしてのスキルアップにもつながります。
ウエディングプランナーとして活躍することで、キャリアアップ・キャリアチェンジにも活かすことができるでしょう。
クライアントから相談を受け、契約からプランニングはスタートし、クライアントとともに理想の結婚式を実現させるための打ち合わせを重ね、半年から1年ほどかけて当日を迎えます。
クライアントとの信頼関係を構築して結婚式をプロデュースし当日新郎新婦の笑顔を見ることができる、後日のアンケートで新郎新婦やゲストからの声が反映されるため成果を実感できるメリットがあります。
また、結婚式を終えても新郎新婦が記念日に訪れるといった信頼関係の持続も成果のひとつと感じることができるでしょう。
日々の仕事にやりがいや楽しさを感じる一方で、クライアント第一の仕事だからこその苦労や大変さがあります。
クライアントとの打ち合わせや結婚式は土日祝日に行われることが多いため、土日祝日は基本的に出社となります。
休み自体が少ないの?と心配な方もいらっしゃるかもしれませんが、結婚式が少ない年末年始や8月は連休がとれる時期とされています。
ブライダル業界はクライアントのスケジュールが労働時間に影響し、9時-5時の定時退社はまず望めず、夜間に打ち合わせを行い、打ち合わせ後に事務作業を行うため帰りが遅くなることもあります。
また、シフトで休みをとっている場合でも、クライアントの都合によって休日出勤する可能性が高いのがブライダル業界です。「どうしてもこの日しか打ち合わせできない」という場合は、打ち合わせの時間だけ出社することもしばしば。
クライアントの一生に一度の晴れの舞台、業者への発注や人材の手配、演出などのミスは許されません。
クライアントの大切な日をサポートするウエディングプランナーのミスは取り返しがつきません。
責任が重く負担に感じるかもしれませんが、達成感はひとしおで、結婚式成功と幸せな2人の姿に充実感を感じることができるでしょう。
物事をネガティブに捉えず、責任感に対して向上心やポジティブな気持ちを持っていなければウエディングプランナーの仕事は負担に感じるかもしれません。
「未経験・無資格」でブライダル業界を目指す場合、仕事に役立つ経験・スキル・資格にはどのようなものがあるのかご説明します。
ブライダル業界では、他のサービス業と比べて接遇や礼儀を重視しているため、言葉遣いや相手への配慮、姿勢など高いレベルのビジネスマナーや接遇マナーが求められます。
前職で接客サービス業や営業職を経験されていた方は採用が有利になりやすいでしょう。
ウエディングプランナーの仕事は、新郎新婦のニーズに合った結婚式を演出することです。
結婚式の成功はウエディングプランナーの演出に影響され、独創的なアイデアはウエディングプランナーとしての信頼や実力の証となるでしょう。
日々の生活でアイデアを探したり、研修やセミナーに積極的に参加したりといったスキルアップへの努力も大切です。
結婚式のプロデュースをするには、まず自社を選んでもらう必要があります。そこで、見学や相談にきたカップルに対してプレゼンテーションを行い、関心をもってもらわなければいけません。
自社の魅力を伝え、選ばれる結婚式場となるためには高い営業力が求められます。
また、結婚式を迎えるカップルは期待とともに高い費用をかけた結婚式が「本当に成功するのか」という不安を抱え、マリッジブルーになる方もいらっしゃいます。
不安な声に心を寄せ、安心して当日を迎えてもらえるような対応や打ち合わせの中で信頼感を持ってもらえるようなコミュニケーション力も必要な要素のひとつです。
ウエディングプランナーは「未経験・無資格OK」とする企業が多く、他職種からのキャリアチェンジも望める職種です。
しかし、ブライダル業界を目指す専門学校や大学・短大の学科などからも応募者が集まるため、競争率が高く採用を有利にさせるには資格取得がおすすめです。
その他、フラワーコーディネートやテーブルコーディネートなどへの提案のための資格や色彩検定、語学力があれば採用ニーズはより高まり、業務でも活躍できるでしょう。
ブライダル業界は女性が働くイメージがありますですが、男性のウエディングプランナーも活躍されています。
結婚式の主役は花嫁といわれているため、どうしても女性のプランナーの方が同性同士で話しやすいのが本音です。
しかし、男性のプランナーが担当になった場合、異性視点での提案や新郎が話しやすく結婚式に協力的というクライアント側のメリットがあり、あえて男性を希望する方もいらっしゃいます。
また、ウエディングドレスや和装一式など重たいものが多いため、現場では力仕事ができる男性は重宝されるでしょう。
ウエディングプランナーとして求められる営業力やプレゼンテーション力をアピールし、強みやスキルを発揮しましょう。
ブライダル業界、特にウエディングプランナーに向いている人はどんな人なのでしょうか?
接客サービス業のため、やはりビジネスマナー・接遇マナーがしっかりしている人が求められる傾向があり、結婚式への期待と不安を抱えた新郎新婦に対して丁寧に対応できる方が向いているでしょう。
また、以下のような特徴の方も向いています。
ウエディングプランナーは幸せを運ぶお手伝いをする仕事ですので、親身になり相手に喜んでもらいたいと思えることが大切で、クライアントの喜びを仕事へのモチベーションにできる人はまさにウエディングプランナーに適任。
また、適切なプランニングを行い、細かい事務作業にも取り組める真面目な方も向いています。
ミスが許されない責任感のある仕事に対して、真摯に取り組める人も適正があるでしょう。
ウエディングプランナーの転職活動でも最も重要なのは“面接”です。
人と人とのコミュニケーションが多いブライダル業界では、応募者の人柄や姿勢が高評価される傾向があるからです。
面接では「どんな結婚式をプロデュースしたいですか?」と質問されることが多いですが、応募する企業だからこそ叶う演出をアピールするのがおすすめです。
「こんな結婚式をしたい」「演出のアイデアが豊富」など自身のもつ引き出しが多いほど企業からのニーズが高いでしょう。
Point他社との差別化をアピールする
結婚式の演出というと憧れや夢が大きくなりがちですが、業界や企業研究を重ね現場に適したものでなければ現実味がありません。
業界や企業の情報収集をしっかり行い、実現できるプラン、キャリアビジョンをアピールしましょう。
先述したように、未経験・無資格からでもスキルや資格によって採用を有利にすることができますので、ブライダル業界への転職を考えたとき積極的なスキル向上とアピールが重要です。
未経験・無資格で入社した場合には、入社後に実践を通じて専門知識の習得、ブライダル演出のスキル向上に励みましょう。
前職での経験や知識は決して無駄にはなりません。
特に売り上げアップ、企業貢献といった意味では営業職を経験された方は有利ですし、販売・サービス業を経験された方はクライアントとの接客に役立ちます。
慢性的に人材不足のブライダル業界は求人数も多く、活躍の場はきっと見つかるでしょう。
ウエディングプランナーは対応した件数や実務経験が仕事のスキルに影響するため、ブライダル業界経験者の転職は即戦力として期待されるでしょう。
年間を通じて中途採用の募集がありますので、求人に出会えないということもなく、転職先に困ることはさほどありません。
前職で培った知識や経験を活かすことができますが、「企業を選んだ理由」「前職のままではだめだった理由」をしっかりまとめアピールすることが大切です。
Pointブライダル業界に特化した転職エージェントを利用するのもおすすめ
ウエディングプランナーは20代女性が働きキラキラしたイメージがありますが、30代女性の転職でも年齢は影響されにくいとされています。
不規則な勤務から独身女性の方が働きやすいとされていますが、女性がメインの職場ですのでライフイベントへの柔軟な対応やお互いの協力体制が整っているため、既婚女性も多く活躍され、経験豊富な40代・50代女性の転職者も多いことも特徴です。
年齢を重ねていることや既婚であることは、これから結婚生活を歩む新郎新婦にとって安心感を与えるとともに説得力のある接客ができるため企業からの期待も大きいでしょう。
転職活動での企業研究において、応募したい企業で働くスタッフやクライアントの年齢層や口コミを調べ、自分が適応できるか確認することも重要です。
いかがでしたでしょうか?
ブライダル業界への転職について、ウエディングプランナーに注目し給料や必要な資格、やりがいや苦労について詳しくご紹介させていただきました。
結婚式や披露宴は非日常的でいつも一期一会で、クライアントはたくさんいますが、出会うカップルや結婚式の内容は毎回異なります。
サービス業の中でも体力的・精神的にも負担の大きいブライダル業界ですが仕事をやり終えたあとの達成感ややりがいは他のどんな職種にもない魅力的な仕事です。
ブライダル業界から他の業界、職種へ転職することになっても、ブライダル業界で養った知識や経験は高い評価となり、次の転職活動にも必ず活かされます。
ブライダル業界への転職を考えたとき、業界への向き不向きが分からない方、どの企業が適している分からない方は転職エージェントを利用し、自身にマッチングする企業を見つけることをおすすめします。
幸せのお手伝いをして、人生のスタートをサポートする大切な仕事であるウエディングプランナー、ぜひ自身の強みを活かして素敵な結婚式のプロデュースにチャレンジしてください。