突然ですが、転職を考えている皆さんは、転職したいと思う企業について、どんなことをチェックしていますか?仕事内容や事業内容、給料、勤務時間や休日・休暇に加え、待遇や福利厚生なども細かくチェックしているでしょうか?
実は福利厚生は、会社がどれだけ社員のことを考えているかを示すバロメーターでもあります。法律で決められている雇用保険や介護保険など、会社による社会保険料の負担は、最も分かりやすい福利厚生の一つです。この社会保険料の負担以外、つまり法律で定められていない会社独自の制度については、会社が労働者のモチベーションを向上させるために作られるものです。ですから福利厚生が充実している企業は、労働者に対して利益の還元をはじめ、さまざまな形で労働者を応援している仕組みがあると言っても過言ではないでしょう。
今回は、数ある福利厚生の中でも比較的多くの企業が取り入れている「住宅手当」について、私、天職セイコが解説していきます。
「住宅手当」とは文字通り、住まいに関連した手当てのこと。「家賃補助」という呼び名になっている場合もあります。
としているところが多くなっています。
支給額や支給される条件や対象などについては、各会社によって異なっていて、会社の就業規則で確認することができます。
住宅手当を含む福利厚生の制度が、社員の働く意欲を向上させることはもちろんですが、業績の悪化を理由に、福利厚生の制度を見直している企業も数多くあります。実際のところ、住宅手当を出している企業はどれくらいあるのでしょうか?
厚生労働省による「平成27年就労条件総合調査」では、平成26年11月分の「諸手当の種類別支給企業割合」が発表されています。これによると、従業員数が1000人以上の企業では住宅手当を支給しているのが59.1%、300~900人で59.7%、100~299人は55.3%、30~99人は41.4%となっています。
従業員数が多い大企業では約6割が何らかの形で住宅手当を支給しています。この数字を見ると、従業員数が多い大きい企業ほど住宅手当を出す割合は高くなっていると言えます。
業界別に見ると、トップは「学術研究、専門・技術サービス業」の63.9%、次いで「医療、福祉」の63.7%、3位が「電気・ガス・熱供給・水道業」の60.6%となっており、これらの業界に属する会社のおよそ6割が、住宅手当を支給しています。
また、トータルで見ると、調査の対象となった企業のうち、45.8%が何らかの形で従業員に住宅手当を支給しています。
それでは実際に支払われる住宅手当の平均的な額はどれくらいなのでしょうか?先ほどと同じ「平成27年就労条件総合調査」では、労働者一人当たりの諸手当の平均支給額が公表されています。
それによると、住宅手当については、従業員数が1000人以上の企業では19,333円、300~900人で17,818円、100~299人は15,832円、30~99人は14,359円となっています。やはり、大企業であるほど支給額は多くなっているのが分かります。
ほとんどの場合、住宅手当は月に1~2万円程度、多くても数万円となっています。家賃が全額手当でまかなうことができる、という人はごくわずかです。職務内容により、職場のすぐ近くに住まなければいけない場合などは、地域の家賃相場の50%~70%程度が、住宅手当として出るケースもあります。
それでは、住宅手当が支給される条件とはどのようなものでしょうか?これについては、それぞれの会社が支給の基準や条件を決めているので、就業規則や給与規定を確認することが一番正確です。
多くの場合、「従業員が世帯主として賃貸物件または持ち家に住んでいること」が条件に挙げられます。一人暮らし、かつ自分でお金を払って賃貸物件に住んでいる場合、条件にあてはまる人も多いことでしょう。中には、世帯主ではなくとも、「住宅手当として一律に支給している企業もあります。
住宅手当の申請方法は、一律に支給している場合は自己申告のみの場合も。世帯主として賃貸物件を借りている場合は、賃貸借契約書のコピーの提出などを会社に求められることもあります。
住宅手当は、実家を出て一人暮らしをしている人に支給するもの、というイメージがありますが、持ち家の場合でも、住宅手当として支給している会社もあります。会社が独自に決めた条件さえクリアできればもらうことができます。
両親が所有する家に住んでいて、実家暮らしの場合でも、出るケースがあります。例えば親とは別に世帯主になっている場合や、両親が従業員の扶養家族となっていて実質的に生計を維持管理している場合などがあります。
これまで読んできて、住宅手当がある会社の従業員は恵まれている、福利厚生が充実している企業が良いと思った人も多いことでしょう。ただし、中にはそうとばかり言えないケースもあるので注意しましょう。
例えば、基本給が少なく、住宅手当(通勤手当を除くほかの手当の場合も)が多い場合。
基本給も住宅手当も、課税対象なので、これらを合わせた総支給額から、税金や社会保険料などが引かれます。
基本給は、雇用契約を結んだ以上、会社が一方的に減額できないものになっています。一方、手当というものは、会社が独自に定めているものなので、会社の業績次第では減額になる場合もあります。
また、基本給は残業代の計算をはじめ、ボーナスの査定や退職金の計算に反映されますが、手当については反映されません。ですから長い目で見た場合、基本給が高いほうが、ボーナス時や退職時にはメリットになり、給料を急に減額されるという心配も少なくなります。
一部の会社では、「手当」を多く増やすことで、会社が支払う金額を少なくしようと意図的に利用していることもあるので、企業の給与欄に「基本給000,000円(住宅手当を含む)」などの表示がある場合は、住宅手当が支給される条件や金額についてもよく確認することをおすすめします。
転職活動中、応募先とは仕事内容について納得のいくまで聞くことができるけれど、給与や福利厚生などについてはなんとなく話をしづらいこと、ありますよね。でも、給与や条件について確認を怠ると、入社してからこんなはずではなかったと後悔することになるかもしれません。
そんな時、転職活動の心強い味方になってくれるのが、転職エージェント。自分では交渉しづらい給与や条件について、しっかりとヒアリング&交渉してくれるので、よりスムーズに転職活動を行うことができます。
仕事内容だけでなく、給与や待遇面でも納得できる転職活動になるように、ぜひ転職エージェントに登録し、サポートしてもらいましょう!