「生保レディ」「生保ガール」という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか?社員の約8割が女性というほど、女性が活躍しているイメージが強い保険業界。
転職サイトや求人広告にも多数の求人が募集されているため、転職先として選ぶ方が多い業界のひとつですが、安定した仕事である一方離職率が高いともいわれているため、転職に不安を感じる方が多いのも事実。
今回は、保険業界の仕事内容や給料事情、やりがいや苦労など実態についてご説明させていただきます。
また、保険業界へ転職するこつや向いている人の特徴についても挙げていますので、ぜひご参考にしてください。
保険業界の職種には、営業職(外交員)、事務職、総合職に大きく分かれていますが、転職で多い職種は営業職となります。
営業職は、個人営業・法人営業・外交員の3種類に分けられます。
個人に向けて保険商品の提案を行う
企業、団体に向けて保険商品の提案を行う(団体保険や年金など)
新規の保険契約のため営業をする(個人・法人)
営業職の仕事についてそれぞれみてみましょう。
保険会社の商品には生命保険・学資保険・医療保険・車両保険…など様々な保険が取り扱われていますが、契約をとることが営業職の仕事のメインとなります。
顧客の生活環境や状況を把握し、ニーズに合った保険の提案、販売をします。
顧客への電話対応や契約手続き、アフターサービスや営業のサポートを行います。
マーケティングや商品開発、人材育成などを行い、直接の営業はありません。
保険業界の仕事は、日々の生活の中での安心を保障しトラブルから守る、という暮らしに欠かせない仕事です。
転職で気になるのは給料ですよね。
保険営業の給料は年収270万円~460万円が目安となり、他の業種に比べて高い傾向です。
また、女性が活躍する業界といわれる理由が年齢を重ねても稼ぐことができるということにあります。
一般的に年齢を重ねると給料は減少する傾向ですが、保険業界に限っては60代以降であっても大幅な減少がなく、年収300万円以上稼ぐ方が多いことが特徴です。
「ノルマがきつい」といわれている保険業界ですが、保険会社の正社員では基本的に基本給+歩合制となります。
また、委託されている場合は保険外交員として保険会社から報酬をもらう形態になり、この場合は個人事業主として働き、完全歩合制であるケースが多くみられます。
入社後の一定期間は最低保障の基本給+歩合制という場合が多いので、ひとつも契約がとれなかったら無報酬?と悩む方も安心ですね。
どちらにしても「契約をとる=ノルマ達成」すればするほど給与は上がり、契約の継続や高額保険の契約で給料に反映されるため、給与アップにつながります。
保険業界=ノルマとイメージされている方も多いのではないでしょうか?
実際、保険会社では「月に〇件」というように、ほとんどの企業でノルマが設定されています。
しかしノルマといわれているものの、ペナルティはないため目標数値・達成数値という意味合いが強く給料に反映されないだけで、“ノルマ未達成でクビ”なんてことはありません。
しかし1件も契約が取れていない状態が何カ月も続くと、マイナス評価されやすく給与ダウンの可能性もあるため注意してください。
保険業界で働くやりがいやメリットについて4つご紹介します。
保険業界は個人によって年収の幅が広く、頑張っている人ほど給料に反映されます。
他の職種では、頑張りが給料に反映されずやりがいを感じられない方が多いですが、保険業界は努力が給料として評価されるため、自分の力を試したい、チャレンジしたい方にとっては非常にやりがいを感じられる仕事です。
はじめは年収300万円からスタートしても契約件数や継続件数が伸びることで年収数千万円を目指すことも夢ではありません。
保険営業は勤務時間を自己管理しながら契約をとることが目的です。
そのため空いた時間に資格取得や自己学習に時間を活用できるのもメリットのひとつでしょう。
保険営業をしていく中で保険や資産運用などの専門知識について、実践を通じて身につけていけるので、営業としてのスキルアップだけでなく今後のキャリアアップや転職にも市場価値が高い人材と評価され転職に有利。
また、自己管理能力や数値や時間、タスク処理などをこなすうちにスキルアップにつながるほか、顧客との対応の中でコミュニケーションスキルも大きく向上するでしょう。
保険は目に見えない商品ですが、顧客に対してこれからの人生をイメージしていただく適切な説明や具体的なプランの提案の工夫を通じて、想いを形にしていきます。
そして、顧客の長い人生のサポーターとして繋がり続けることに魅力を感じる方が多くいらっしゃいます。
“保険”は顧客の人生を左右する価値のあるものです。
顧客のニーズを把握し、より良い保険の提案をして人生を豊かに過ごしていただく、ということに保険営業の仕事のやりがいがあるのではないでしょうか。
保険業界で働くやりがいやメリットがある一方で以下のような苦労もあります。
頑張りが給料に反映するのはメリットですが、営業成績が悪い・ノルマが達成できない場合は収入ダウンにつながるため、ノルマ達成に追われている保険営業の方も少なくありません。
働く企業によって異なりますが、営業成績が悪い場合は基本給が出ないこともあり成果を出すことやノルマ達成が厳しい方は苦労されています。
こちらも企業によって異なりますが、顧客を訪問する際の交通費やお礼、接待費等が個人の必要経費とされ自腹というケースもあります。
顧客との繋がりや人脈が営業成績に左右されるため、給料が上がっても自己負担が多く、手元に残るお金はわずか…と悩む方もいらっしゃいます。
対策として、転職前にしっかり情報収取をして交通費や接待費などは会社の経費として請求できる、自己負担がない企業を選ぶことが重要です。
顧客が魅力に感じる営業をするためには、自社の保険商品だけでなく他社の保険商品について学ぶ必要があります。
また、保険業界の動向にも精通し、常に情報収集と知識を増やす努力が求められます。
女性が多く働く業界なので、女性が働きやすい環境が整っていたり福利厚生が充実していたりと女性のライフイベントに理解ある職場が多いです。
そのため、子供の事情や急な発熱などでも協力体制があり、家庭・育児と仕事の両立がしやすいでしょう。
転職してすぐは試験や仕事が忙しくしんどいことも多いですが、時間に融通がききやすくスケジュールを自己管理しやすい保険業界は女性にぴったりです。
保険業界、保険営業に向いている人はどんな人には以下の特徴が挙げられます。
保険の仕事は、初対面の人と接する機会が多いためすぐに打ち解けて相手のニーズを把握できるようなコミュニケーションが取れる人が向いています。
成績次第で給料は上がりますが、「給料のため」ではなく「顧客の豊かな人生」を目的に営業をしなければ、顧客に想いは伝わらず成績には反映されません。
顧客のために寄り添った営業ができる方は、保険業界に向いていますし素晴らしい成果を挙げることができるでしょう。
また、顧客情報を適切に管理できる人やピンチをチャンスに変えられる人に向いています。
保険の営業は断られることが多いため、落ち込まず次のチャンスに活かそうとする姿勢やノルマ達成を長期的な視野で自己成長だと捉えられる人こそが、保険業界で成長できる人です。
キャリアチェンジ転職をされる方の転職活動ではポテンシャルが重要になります。
保険業界の求人をみると「未経験歓迎」「未経験OK」とされているものが多くみられますが、保険の知識がなくても転職は可能です。
転職後に自己学習し、実務を通じて知識やスキルを身につけることが期待されているからです。
そのため保険業界未経験の方はポテンシャルが重視される傾向です。
人柄や将来性、仕事への意欲を積極的にアピールすることで転職成功につながるでしょう。
また、前職で培った経験やスキルは保険業界での仕事にも大いに活かすチャンスがありますので、具体的な成功エピソードがあれば合わせてアピールすれば好印象です。
入社前の資格取得も意欲が評価されやすいメリットがあります。
FP(ファイナンシャルプランナー)は入社後に取得する方が多いですが、転職活動中に取得することで仕事への意欲や向上心のアピールができますね。
Point資格取得で仕事への意欲をアピール!
保険会社では入社に必須の資格はありませんが、スキルアップするには資格取得がおすすめです。
多くの場合、入社後に実務経験を重ねながら研修で知識を身につけ資格取得を目指すことになるでしょう。
社団法人生命保険協会が主催している、生命保険の営業をするために必須の資格となります。
一般過程・専門課程・応用過程・生命保険大学に区分され、保険代理店には1名以上の専門課程資格者が配置義務となっています。
個人の資産運用や生活設計への資金計画のアドバイスを行います。
国家資格のファイナンシャル・プラニング技能検定(FP技能検定)がおすすめ。
一般社団法人 生命保険協会主催する資格で、生命保険の知識について8科目の試験となります。
企業によっては全科目合格を必須としている企業もあります。
基礎単位・商品単位(自動車保険単位、火災保険単位、傷害疾病保険単位)に区分され、基礎単位に合格しなければ代理店登録または募集人届出ができません。
また、商品単位に合格しなければそれぞれの保険商品の取り扱いについてもできませんので、損害保険会社への転職を検討している方はぜひ資格取得を目指してください。
近年保険業界において高いシェアを占める外資系保険会社ですが、給与の高さややりがいから転職を希望する方が増えています。
外資系保険会社はインターネットやメディアを利用した営業がメインとなり、顧客のニーズに合った保険商品をオーダーメイドすることが特徴です。
顧客ニーズの把握や提案力、企画力が求められ国内の保険会社に比べて成果の重要度が高くシビア。
実務経験やスキル、成果に応じて給与が支払われますので、より高い給料を目指したい方や自分の力でチャレンジしたい方におすすめです。
保険の仕事は人と人との関わりが多い仕事なので、人当たりが良く第一印象が良い方が採用される傾向です。
面接では、初対面の方へ保険の営業をする際のイメージがわくように、面接官に対して笑顔を心がけ好印象をもってもらうことが重要です。
また、面接での姿勢や受け答えなど最低限のビジネスマナーや接遇マナー、清潔感も注意深くチェックされる項目です。
いかがでしたでしょうか?
保険業界の転職について、給料ややりがい、転職のポイントなどを合わせて詳しくご紹介させていただきました。
保険業界にはChallenge(チャレンジ)・Chance(チャンス)・Change(チェンジ)「3つのC」があります。
保険業界はやればやった分だけ成果が給料に反映される、チャンスの大きい業界です。
ノルマや知識の研鑽など努力や苦労する部分もありますが、自己成長やチャレンジできる機会と捉えて前向きに仕事に取り組める人は成功しやすいでしょう。
特に、ブランクのある女性やシングルマザーの女性、年齢を重ねても就労意欲のある女性など、女性がいきいきと活躍できる保険業界がおすすめです。
もし、前職で消極的な仕事しかできなかったという方は、ぜひ保険業界で積極的に活躍できる人材へチェンジしましょう。
1人での転職活動に不安のある方は、転職エージェントを利用すれば、応募書類のアドバイスや面接、マッチングする企業の紹介など転職活動を有利に進めることができます。
ぜひ気軽に相談してみてくださいね。