総合病院やクリニックのレセプト業務を行う医療事務は、「ライフステージが変わっても転職しやすい」「年齢を重ねても長く働ける」と女性に人気の職場のひとつ。
未経験から医療事務への転職にチャレンジすることもできるため、異業種からのキャリアチェンジも多く求人は高倍率になりやすいとされています。
実際には未経験者よりも経験者が優遇されやすく、未経験者が採用されるには、志望動機や転職理由の工夫が重要です。
今回は、医療事務の仕事内容や求人応募に役立つ「未経験から医療事務へ転職する志望動機・転職理由のポイント」について詳しくご説明させていただきます。
医療事務の給与事情についても触れているので、医療事務への転職を考えている方はぜひご参考にしてください。
「未経験・無資格OK」の求人が多く未経験からチャレンジする方も多いですが、医療機関でのデータ入力、レセプト(診療報酬明細書)作成業務などを行うため有資格者・経験者が優遇される傾向です。
医療事務の資格は、レセプト業務・レセプト作成の知識やスキルをもっている証明となるため、必須ではありませんが未経験者の方はまず資格取得を目指すことをおすすめします。
医療事務の資格は、所持していることで知識だけでなく仕事への前向きな意欲をアピールすることができるため、応募書類や面接で良い印象を与えることができるでしょう。
医療事務の資格は、主に4種類あり全て民間の資格となっています。
それぞれ年齢制限や受験に必要な基礎資格はありませんので、どの資格を目指すのか決めたら学習をスタートさせましょう。
養成校や通信講座で学ぶほか、市販のテキストで独学することもできますが、診療報酬の改定や実技対策などが学べるため、養成校や通信講座の学習がおすすめです。
医療事務の採用では実務経験なしの資格者よりも、無資格であっても実務経験者が優遇される傾向ですが、実務経験も資格もない方はこれから学びたいという想いや意欲、コミュニケーションスキルの強みなどのアピールが必要無資格であっても実務経験者が優遇される傾向ですが、実務経験も資格もない方はこれから学びたいという想いや意欲、コミュニケーションスキルの強みなどのアピールが必要です。
内定までには履歴書・職務経歴書などの応募書類を提出した書類選考、そして面接が実施されますが、この2つの選考でいったいなにをアピールすれば医療事務の内定を勝ち取ることができるのでしょうか?
医療事務は、事務職でありながら患者さんや医療スタッフと交流が多いためキャリアやスキルだけでなく人柄や人間性が評価されるケースが多々あります。
人柄や人間性をどうやって伝えればいいか分からないという方も多いですが、志望動機や転職理由の伝え方に工夫して、信頼性や誠実さをアピールしましょう。
志望動機や転職理由は面接でも問われますが、医療事務を目指したきっかけを説明すれば具体的で仕事への熱意が伝わりやすいです。
医療事務はレセプト業務や請求など専門的な知識やスキルが求められますが、この医療事務処理スキルとともに必要なスキルがあります。
医療事務に必要なスキル4つ
事務職はデスクワーク中心でパソコンに向き合っているイメージを持たれる方も多いですが、医療事務はデスクワークに加え他者との交流が多く接遇マナーが重視されます。
患者さんの窓口となり対応する医療事務は、要望やクレームの聞き役になることも多く接遇のミスが医療機関の評判を落とす原因につながることもあります。
相手の立場にたち思いやりのある接遇を行える人材が、医療事務としてニーズが高い人材となり、医療事務の求人応募時は、この4つのスキルに関連するエピソードや実体験を交えて説明することで適性のアピールがしやすいでしょう。
「なぜその病院/クリニックで仕事をしたいと思ったのか・どの部分に魅力を感じたか」のアピールは、採用側にとって最も注目する部分です。
他の医療機関にはない特徴や魅力、理念などに着目しアピールすると効果的ですので、インターネットの口コミやホームページ、パンフレットなどをリサーチし、理念や基本方針・病院の概要・特徴などをチェックしましょう。
例えば理念や基本方針は、「患者さんへの対応や地域医療や在宅医療への取り組み、医療機関として何を大事にして診療を行っているか」など医療機関ごとにそれぞれ決められています。
希望する医療機関をよく調べ、共感をもったポイントや転職の決め手をアピールすることが重要です。
未経験から医療事務を目指す場合と、医療事務経験者の志望動機の例文を2種類ご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。
私は現在、接客・販売業として幅広いお客様への接客や売り上げ管理、シフト管理などを行っております。人と接し誰かの役に立つこと、自身の提案でお客様が笑顔になることが喜びのひとつです。
日々の業務の中で相手の立場となり接客することにやりがいを感じておりましたが、より専門的なスキルを持った仕事がしたいと考え医療事務の仕事に魅力を感じ、メディカルクラークの資格を取得しました。
病気で悩み不安を感じている方の心に寄り添い、これまでの経験を活かし安心感を与えられるような接遇を心がけ仕事に取り組んで仕事をしたいと思っております。
私は総合病院の病棟クラークとして3年間、入院患者様のカルテ入力や作成、処置内容の情報管理、患者様のご家族様の応対などを経験し、「迅速に正確に」を信条に業務に取り組んで参りました。
病棟クラークとして患者様の病気の治療や痛みを取り除くことはできませんが、入院期間が長引く患者様やご家族様の不安な気持ちに寄り添い、笑顔で接することを心がけてきました。
貴院の「住み慣れた地域で自分らしく過ごす」という地域医療や在宅医療の理念に共感し、前職でのスキルや経験を活かし、少しでもお役に立てるよう頑張って参りたいと思っております。
未経験者、経験者の志望動機の例文をご紹介しましたが、ポテンシャルや仕事へのやる気を伝えるには以下の内容を盛り込むようにしましょう。
未経験者・経験者ともに志望動機で伝えるべき内容
求人に応募する前に自己分析をしっかり行い、POINTを押さえた志望動機を作成しましょう。
医療事務は「無資格・未経験者可」とされている求人も多いですが、有資格者・実務経験者の方が優遇されやすいのは事実で、未経験者が経験者と同じ土俵に立てるのは唯一、面接だけ。
書類選考に通過し面接まで進めたら、採用に近づくチャンス!
未経験だからアピールに自信がない…と不安になる気持ちもありますが、面接まで進めたということは応募した医療機関が関心を持っている証拠です。
医療事務は、キャリアやスキルが重視されますが人と接する機会が多いため、何よりもポテンシャル評価に重きを置いています。
キャリアやスキルに自信がない方は、仕事への意欲や将来性、人柄といった部分をアピールしましょう。
医療機関では医師や看護師、その他専門職が多数働きチームワークで医療や患者さん、家族に携わっていますので、職場環境やチームにうまく馴染めるコミュニケーションスキルがあるかどうかも評価の対象となります。
面接では、未経験だからと消極的にならずに自分の想いや個性を発揮し「ぜひ一緒に働きたい」と思ってもらえるようなアピールを心がけましょう。
面接が苦手な人、自信がない人でも面接の流れをある程度想定しておき、面接本番で落ち着いて受け答えができるように準備をしておくことが大切です。
医療事務に限らず転職の面接でよく聞かれる質問、医療事務の面接で聞かれやすい質問を挙げていくので、それぞれの質問にしっかり答えられるようにしておきましょう。
質問に対する回答のポイントも簡単にですが併せて記載してあります。
これらに注意しながら自分の言葉で回答をまとめてみましょう。
面接の時によく聞かれる質問の中で回答に悩んでしまいがちなのが『転職理由(退職理由)』ではないですか?
理由を正直に話しすぎること、逆に理由が曖昧・漠然としていること、どちらも転職理由として良い回答とは言えません。
採用する側は、「この人はすぐに辞めてしまわないか?」「問題のある人ではないか?」を確認するためにも転職理由を必ず確認します。
ここでは、転職理由の回答としての“良い例” “悪い例”を含め事例別に回答例を紹介していきます。
あくまでも、ここで紹介するものは回答例であるためこのまま使用するのではなく、自身の経験や感じていること・考えていることを盛り込みポイントを押さえながら転職理由をまとめておきましょう。
悪い例(NG)
良い例(OK)
人間関係(同僚・上司)や残業の多さを転職理由とする人は多いですが、前職の悪口や批判となるようなことを転職理由として話してしまうと「この人にも問題がある?」「責任転嫁をする人なのでは?」と思われてしまう可能性もあり、良くない印象を持たれてしまいます。
不平不満がある場合でもネガティブな発言は控えポジティブな言葉に置き換えること、転職理由を志望動機に繋げることを意識しましょう。
事務職といっても医療機関で働きスタッフや患者さんとの関わりが多い医療事務は一般事務とは一味違う仕事です。
医療事務へ転職するメリットについて4つご説明します。
医療事務の仕事は、働く場所や働く環境に左右されにくく一生のスキルを身につけることができます。
体の負担が少ないため、年齢を重ねても働きやすく長く続けられることもメリットのひとつで、医療事務の知識やスキルは全国どこの医療機関でも活用でき、転職活動ではそれほど困りません。
レデプト業務で重要な診療報酬は、社会情勢や経済状況に合わせて2年ごとに改定され、改定の度に確認は必要ですが、最近ではパソコン入力が多いためレセプトの負担は少ないでしょう。
子育てと両立したいママも安心して働けるのが医療事務で、一般企業と比べると残業や休日出勤が少なく、時短勤務や特定の曜日の勤務などライフスタイルに合わせた働き方がしやすいことがメリットです。
子育てと両立しながら仕事がしたい場合はパートで、子供が大きくなればフルタイム正社員として働くといったライフステージに合わせた雇用形態が可能です。
また、子育て中のママや先輩ママが多い医療機関のため、子供の急な体調不良への理解があり柔軟に対応してくれる職場が多く、お互いに協力し合って休みをとる体制が整っています。
医療機関の受付となる医療事務は、医師や看護師よりも患者に早く接するため医療機関の顔となり、病への不安を持ち来院された患者さんへ声をかけ、安心して診察を受けていただくことで患者さんから感謝をされることもあるでしょう。
小規模なクリニックでは患者との距離が近いため、顔なじみとなった患者さんへ寄り添った対応をされている方が多く、患者さんの悩みが解消されたことや快復された様子からやりがいを感じている方が多くいらっしゃいます。
求人によっては未経験でも応募できるものがあり、医療事務の仕事内容では知識が必要ですが、働きながら指導を受けてスキルを身につけることが可能です。
未経験可としている医療機関では、入社後の研修制度や指導環境が整っているケースが多いため、経験がなくて不安に感じている方も安心して働くことができるでしょう。
医療事務に必要なスキルは、レセプトの知識やスキルだけではありません。
患者さんへの応対が多いため気配りやコミュニケーションスキルは評価され、前職で営業や接客サービス・販売などをされていた方は重宝されやすいです。
やりがいがあり働きやすい職場ですが、専門性の高い医療事務ならではの苦労や大変さもあります。
まず、医療事務は病院やクリニックの診療報酬の計算やレセプト作業など利益を支えるベースとなりますのでミスのないよう正確な仕事や集中力が求められます。
また、診療報酬の改定に合わせて知識を深める必要もあり、レセプト業務にプレッシャーを感じる方も少なくありません。
医療事務は事務職の中でも基本的に残業が少ないとされていますが、レセプト請求時期は忙しいため残業をしなければいけないケースもあるでしょう。
患者さんや家族との距離が近く心を通わせた接遇にやりがいを感じる反面、関わりの中で理不尽なクレームやモンスターペイシェントに遭遇するケースもあります。
このようなトラブルへの対応では、医療機関で定められたマニュアルに基づき適切に対応するスキルや毅然さが求められます。
プロフェッショナルな対応を心がけていても、心が折れたりストレスを感じたりすることが大変だと感じる方も多いようです。
医療事務とは、総合病院・大学病院・クリニックなどの医療機関で働き、受付窓口での患者対応はじめレセプト(診療報酬明細書)作成業務などを行います。
デスクワークを中心にした仕事内容なので、体の負担が少なく長く働けるため若い女性から年齢を重ねた女性まで人気が高い資格です。
結婚や出産などライフステージの多い女性でもライフスタイルに合わせた働き方が選択でき、ブランク中に資格取得される方もいらっしゃいます。
医療事務の給料は決して高い水準ではありませんが、無理なく安定した雇用を目指すことができるでしょう。
給料の金額は働く医療機関やキャリアによって異なりますが、目安となる医療事務の平均給料は以下の通りです。
安定した雇用とともに、高卒・大卒などの学歴に左右されにくいため学歴に自信のない方でもチャレンジしやすい職種のひとつです。
「女性の職場」のイメージが強い医療事務ですが、最近では男性の医療事務のニーズが高いことをご存知でしょうか?
男性が働く医療事務の現場は、主に24時間受付をしている総合病院など大規模な医療機関になります。
夜間のセキュリティや当直業務では女性よりも男性の方が安全であることや女性のようにライフイベントが少ないため長く働いていてくれると考える傾向です。
ときに患者搬送のサポートをするケースもあるため、力仕事ができるという点でも重宝され、活躍の場は広がるでしょう。
男性を雇用する医療機関として、以下のようなメリットがあります。
男性医療事務を雇用するメリット
医療事務として継続して働くことで、事務長クラスへキャリアアップも望める将来性のある仕事であり、志望動機や自己PRには、夜間勤務可能であることやキャリアプランを伝えアピールしましょう。
いかがでしたでしょうか?
今回は、医療事務へ転職を考えている方へ医療事務の仕事内容や給与事情、志望動機の書き方、面接のポイントについてご紹介させていただきました。
医療事務は患者応対や診療報酬を支えるプレッシャーなど大変なことや苦労もありますが、医療機関の根幹を支えるやりがいや誰かの役に立てるといったメリットがあります。
また、家庭と仕事が両立しやすくワークライフバランスがとりやすいため、子育てママやブランクのある女性は働きやすいでしょう。
医療事務の資格のない方は、採用の幅を広げるためにも在職中やブランク期間に医療事務の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか?
通信講座、通学講座と様々な受講コースがありますので、ライフスタイルに合わせて無理なく医療事務の知識やスキルを学べるかと思います。
採用に近づくポイントは、「医療事務を目指した理由」「その病院/クリニックへ転職をしたい理由」の2つとなり、この2つの転職理由を明確にすることで、より具体的なエピソードを構成することができるでしょう。
今回ご紹介させていただいた志望動機や転職理由のポイントや例文を参考に、これまでのスキルやキャリアを活かして医療事務への転職成功を目指してください!