人手不足に悩まされている飲食業界では、「未経験歓迎」の求人情報が多いのが特徴的です。そのため脱ニート・脱フリーターを目指して飲食業界で正社員を目指している人も多いのではないでしょうか?
飲食業界は「きつい・しんどい・大変」のイメージが強くブラック業界ともいわれています。
しかし、やりがいを感じられる仕事で間口が広く正社員を目指しやすいので脱ニート・脱フリーターにはぴったりです。
今回は、飲食業界の魅力や実態、転職のポイントなどについてご説明させていただきます。ステップアップまで見据えた飲食業界への転職を考えていきましょう。
飲食業界はしんどいだけじゃない!飲食業界で働く魅力ややりがいについてご紹介します。
慢性的な人材不足なため、未経験であっても転職のチャンスがあります。
知識や技術が足りなくても入社後の研修や実践的な指導が充実しているため、未経験でも仕事に慣れやすいのもメリットのひとつ。
飲食業界の企業側としても「経験者よりも真っ白な状態で入社して自社色に染めたい」という理由から未経験者の採用に積極的な声も聞かれます。
飲食業界では基本的に世間一般に休みとなる土・日・祝日は仕事です。
周りが休んでいるのに仕事なんて…とがっかりすることもあるかもしれません。
しかし、平日休みの場合は人込みを避けたレジャーや観光、銀行や病院に行くにも苦労しません。
また、シフト制の飲食業界の企業によっては土・日・祝日の休みは交代で休めるところが多いため、全く休めないわけではないので安心してください。
飲食業界の最大の魅力といえば“やりがい”ではないでしょうか?
未経験から働いても努力と実績次第でステップアップでき、いずれは独立…という夢も広がります。
飲食は人間の「衣食住」のひとつでもあり、日常生活に欠かせません。
サービスを提供したり業務の提案をして成果が出たときのお客様の笑顔や業務改善につながった実績はやりがいとともに自信にもつながるでしょう。
お客さんの笑顔がみたい方、人と接することが好きな方にとってはコミュニケーションが多い飲食業界は楽しく働ける環境でしょう。
会社にこもってデスクワークをする、会社の人としか会話をしない仕事では視野が広がりにくく、新しい情報も入手しにくいものです。
ですが、飲食業界では毎日新しいお客さんと接することで、相手を喜ばせるスキルや楽しませる会話などを学ぶことができ、「ありがとう」と感謝されることも多いでしょう。
お客様の過ごす時間を充実させることで職場への貢献や働いている実感、明確な自分の役割を見つけることにもつながりますね。
ニートやフリーター歴が長い方の不安の種といえば、学歴や職歴が浅いことでしょう。
飲食業界の求人情報では「学歴・職歴不問」「未経験者歓迎」と書かれているのをよくみますが、ポテンシャルを重視した採用が主流なため、学歴や職歴に自信がない方も採用に影響されにくいケースが多いです。
求人案件が多いにもかかわらず、「飲食業界はブラック」という強いイメージで飲食業界への転職を躊躇している方が多くいらっしゃいます。
ブラック企業の特徴として、パワハラ・長時間労働・高い離職率・過重ノルマなどがありますが、本当に飲食業界はブラックなのでしょうか?
ブラックといわれる理由をみてみましょう。
厚生労働省が行った「平成30年雇用動向調査結果の概要」図3 産業別入職率・離職率(平成 30 年)を参考にみてみましょう。
「宿泊業・飲食サービス業」の離職率が26.9%、次に「生活関連サービス業・娯楽業」の23.9%、第3位に「サービス業(他に分類されないもの)」の19.9%となっています。
飲食業界の離職率は全産業でのトップの離職率であることがわかります。
離職率の数字だけをみるとブラック企業のイメージが強い方が多いのかもしれません。
参考:厚生労働省 平成30年雇用動向調査結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/19-2/dl/kekka_gaiyo-02.pdf
なぜ離職率が高いのかその理由は飲食業界特有の労働環境にありました。
飲食店や企業によって土日祝日に休みをとりにくく夜遅くまで営業している、24時間営業などが挙げられます。
しかし、最近では働き方改革が浸透し長時間の営業を廃止したり休日を確保したりと働く方の負担を少なくしようという動きが活発です。
また、週単位での労働時間を産業別で比べてみると最も短い業種に比べ約2時間程度長いだけとされ、「飲食業界=長時間労働」イメージが先行してしまっている部分も否めません。
離職率の高い飲食店ではいつも人手が足りない悩みが尽きません。
アルバイトやパートなどの非正規雇用が活躍しているため退職された場合の人材確保が難しく、安定した人材供給ができないため社員にかかる負担が大きいことが原因のひとつです。
飲食業界は休みが少ないイメージがあり、求人情報をみてみると一般企業に比べて明らかに少ないケースもちらほら見受けられます。
ホワイト企業であれば年間休日120日以上を提示している企業もある中、「年間休日80日」を見ると、飲食業はやっぱりしんどいと感じるのではないでしょうか。
厚生労働省 「平成30年賃金構造基本統計調査」によると宿泊業,飲食サービス業の平均賃金は275.1万円となっています。全産業で最も高いのは「金融業・保険業」の470.4万円となります。
給料で業種を選んだ場合飲食業を選択する方は少ないことから離職率が上がらないというのも頷けます。
厚生労働省 「平成30年賃金構造基本統計調査」
第5表 主な産業、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び年齢階級間賃金格差
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2018/dl/05.pdf
ただし、どの企業でも未経験であれば低賃金からのスタートは当たり前です。実績を重ね給料アップしていくものなので将来的な給料アップは可能。
飲食業で働く方の中には、講師や料理教室など副業で活躍し、収入アップされている方も少なくありません。
リアルな飲食業界をみると、「やっぱりブラックだからやめようかな」と思う方もいるかもしれません。
しかし転職・就職のポイントを押さえれば、ブラック企業ではない飲食業界への転職が可能です。
飲食業ならではの転職・就職ポイントを3つご紹介します。
飲食業界では求人の応募前に事前チェックできるという点が大きなポイントではないでしょうか。
「気になる求人があって応募してみたい」と思ったとき、お客さんとなり足を運んでみましょう。職場の雰囲気や社員同士の人間関係、客層など細かく調査できるのは飲食店ならでは。
一般企業では入社してみないと分からない部分でも、飲食業なら実際に目で見て把握することができるため、より良い環境の職場を探すことが可能です。
未経験から飲食業界に転職する方はもちろん、同じ飲食業界でも企業によって仕事内容や進め方が異なります。そのため、入社後に研修制度が充実している企業がおすすめです。
店舗での実践研修だけでなく、接遇マナーやコミュニケーション研修、リスクマネジメント研修などの研修制度がある企業は、一人前のビジネスパーソンを育成することを目的にしているため人材を大切にする企業であるケースが多いです。
飲食業界への就職・転職に失敗したくない方やブラック企業を避けたい方は、飲食業界に強い転職エージェントを利用することをおすすめします。
「自分は飲食業界で働いていけるのか?」と未経験からの転職で不安な方も安心してください。
転職エージェントでは、充実したキャリアカウンセリングで気付かない強みやスキルの棚卸しを行い、業界に精通したキャリアアドバイザーが転職希望者の希望やスキル、強みに合った企業を提案・紹介してくれます。そのためミスマッチが少なく早期退職といったリスクを防ぐことが可能です。
また、転職エージェントは業界の動向だけでなく保有している企業情報にも精通しており、一般の求人情報には公開されない企業のリアルな労働環境や人間関係などを把握しています。
ブラック企業を避け、長く働ける企業へ転職したいという方にはおすすめです。
飲食業界の実態として低賃金をあげましたが、飲食業界は努力次第でキャリアアップ・年収アップできる業界です。
未経験で入社してすぐは仕事を覚えるだけで精一杯だと思いますが、仕事にも慣れてきたら資格取得を目指してみましょう。
国家資格である調理師やレストランサービス技能士では、実務経験を積み知識やスキルを身につけることでチャレンジできます。
人材不足の飲食業界ではニーズが高く、転職にも有利になる資格となり、働き方や働く場所の選択肢が拡がることがメリットでしょう。
例えば、居酒屋で実務経験を積んだ後、憧れの料亭へ転職、というのもキャリアアップのひとつとなり、実務経験と資格を活かして給料アップも望めます。
調理師の資格取得を目指す方法として2つあります。
1つめは飲食店で2年以上の実務経験を積み、調理師国家試験に合格して調理師免許を取得する方法。
2つめは調理師養成校に1年以上通い卒業する方法です。
時間や経済的に余裕がある方は、基礎的な料理の知識から学べ、調理師国家試験が免除される調理師養成校がおすすめです。
しかし、現場で求められるのは即戦力。
働きながらの資格取得は大変ですが、2年以上の実務経験を積み調理師国家試験にチャレンジするパターンでは、実践で即戦力となるスキルや実務経験が身につけられることがメリットです。
接客やサービスのスペシャリストの証明となるレストランサービス技能士は、平成14年から国家資格となった資格です。1級から3級に分かれそれぞれ受験資格となる必要な経験年数が異なります。
必要な実務経験
外食産業やホテルなどで活躍し、資格取得によって将来的な収入アップにもつながります。
積み重ねた接客経験とスキルの証明となるため、今後の転職にも有利となるでしょう。
実務経験を積み、将来的に独立を考えている方もおすすめの飲食業界。
若くして管理業務を行い、人材育成をされている方もたくさんいらっしゃいますが、仕事で得た知識や学びは将来の夢の実現にも役立ちます。
経験がないまま脱サラして独立開業している方は失敗しがちですが、長年飲食業界で経験を積んだ方は経営のノウハウを身につけているため成功しやすいとされています。
独立開業して自分の城となる店舗をもてば、大変なことも多いですが毎日が充実し、やりがいを持って働くことができるでしょう。
ニートやフリーターから独立開業のチャンスがある、夢が広がる仕事だと思いませんか?
飲食業は厳しいことも多い反面、やりがいや充実感を感じることができる仕事ということがお分かりいただけたでしょうか?
あらゆる業種の中でも「ありがとう」の声を直接聞ける仕事は少ないものですが、自分の仕事の成果が明確に表れるのが飲食業界。
未経験から飲食業界へ転職する方は、「早く転職したかったから」「求人が多かったから」という理由で応募されるかもしれません。
しかし、飲食業界は自身の努力次第でキャリアアップのチャンスがあるためキャリアプランをたて、目標をもちながら転職に一歩踏み出すことが重要です。
そのためには、自分に合った職場を見つけることからはじめるのがベスト!
転職エージェントを活用し、キャリアプランを実現させることができる仕事探しをしましょう。