2020年初頭以降、新型コロナウイルス感染拡大による影響は経済活動を停滞させ様々なところに深刻な影を落とし、学生生活にも大きな影響を与えました。
文部科学省の調査によると2021年4月~12月までの大学中退者数は29,733人。そのうち、新型コロナウイルス感染症の影響によるものだと判明している人の数は1,937人であることが分かっています。2020年度の1,367人に比べても若干の増加が見られます。
家計の急変など経済的な理由でやむを得ず中退をする者、オンライン授業などによるモチベーションの低下といったいわゆる“コロナ中退”が増加したことが特徴です。
そこで、
‥など、様々な悩みや不安を抱いている方も多いと思いますので、大学を中退して就職を選択する若者を取り巻く現状と、最短で大学中退者から就職を目指す方法を詳しく紹介していきます。
文部科学省によると大学中退者は年間約8万人、およそ10人に1人の学生が大学を中退している現状があります。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構が2015年に公表した「大学等中退者の就労と意識に関する研究」では、学歴別の正社員就業までの期間や雇用形態に関するデータを確認することができます。
大学・大学院卒(男女計)の離学前~正社員時期不明までの正社員就職率は69.1%。そして、大学・大学院中退(男女計)の正社員就職率は33.9%と大学・大学院卒の約半数であることが分かります。
さらに、現在の有業・無業の状況(雇用形態など)を確認すると大学・大学院中退は男女ともに非正規が多く、無業の者は2割程度と卒業者よりも多い結果となりました。
データからも、大学中退者は大学卒業者よりも就職することが難しく、就職できたとしても正社員ではなく非正規雇用である可能性が高いという厳しい現実を目の当たりにするかもしれません。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年は経済活動が停滞し、2020年9月には有効求人倍率が1.03倍まで下落。
2022年5月には1.24倍まで回復していますが、正社員だけでなくアルバイトや派遣など非正規雇用の求人も含まれた数値であるためコロナ前と比較すると正社員になるための就職活動はまだまだ厳しい状況が続いています。
*参照:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 大学等中退者の就労と意識に関する研究
このような厳しい状況でも、できるだけ早く大学中退から正社員として就職するためには以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
転職市場に大きな影響を与えた2020年の深刻なコロナ禍から、徐々に経済活動を再開させwithコロナへと向かっている昨今。
大学中退者ができるだけスムーズに就職活動を進めていくためにはwithコロナでも入りやすい業界を選ぶことです。
現在、数多くの転職エージェントがありますが中には大学中退者のサポートに強い転職エージェントがあります。大学中退者に強い転職エージェントの特徴は以下の通りです。
大学中退者の採用が前向きな企業の紹介
大学中退者は新卒枠での採用とならないため不利になりがち、社会人経験のある中途採用者に比べるとスキルやキャリア面で不利…
学歴やキャリアに不安のある大学中退者の強みを引き出し、企業とも強いパイプをもっている転職エージェントを利用すれば、大学中退者でも採用率の高い求人を紹介してもらえます。
履歴書やエントリーシートの添削
就活に欠かせない履歴書やエントリーシート作成、印象のよい面接、自己PRなどアドバイスしてもらうことで効率の良い就職活動ができるでしょう。
自身の強みをアピールできる面接対策
大学中退者は「何をアピールすればいいのか?」と悩む方が多いものです。
キャリアアドバイザーによるキャリアカウンセリングで自己分析をサポートしてもらい、魅力的な自己PRを作成しましょう。
大学中退者の悩みの種といえば、「なぜ大学をやめたのか?」という面接での質問。
答える内容によっては採用を左右する重要なポイント、どのように対処すればよいのかといった面接ノウハウをアドバイスしてもらえます。
転職エージェントの利用は無料
転職エージェントは無料で利用できるのも特徴のひとつ。新型コロナウイルスの影響により、経済面の負担が大きくなり大学を中退された方も安心ですね。
ハタラクティブの「就職先についてのアンケート」調査(2018年)によると、2018年新卒の59.8%が「入社を決めた企業への入社を後悔している」と回答しています。
その理由で最も多かったことは「入社前の情報収集が足りなかった」(31.3%)でした。
就職活動期間がしっかりと設けられている新卒者ですら情報収集不足で後悔している人が多いのが現実のため、大学中退後の空白期間を少しでもなくそうと焦って就職先を決めても後悔することが目に見えています。
理想はじっくりと時間を掛けて情報収集を行うことが大切なので『最短で正社員になる』とは相反することのように感じますが、就職支援サービスを利用することで入念な情報収集を行いながら最短で正社員になることを同時に叶えることが可能です。
業界・企業情報や長年の経験で得た就活ノウハウ、求人情報の提供をしてもらえるので、孤独になりがちな大学中退者の就職活動は自分一人で抱え込まずにプロの手を借りて後悔のない就職を実現させましょう。
就職・転職エージェントは数多くありますが、大学中退者が効率良く早く就職活動を進めていくためには職歴のない若者向けの就職支援を得意とする就職エージェントが役立ちます。
これから紹介するおすすめ就職エージェントを活用し、なるべく早めに就職しましょう。
フリーターやニート、既卒・大学中退者向けの就職支援に特化したサービスとして多くの支持を集めているのがハタラクティブ。
“大学中退”“未経験”であることに不安を感じる人も多いと思いますが、ハタラクティブでは「状況に合わせた適切なアドバイス」「あなたの適性に合う仕事のみを紹介」「企業ごとの面接対策」といった一人一人に向き合ったマンツーマンサポートを行っているため、自信がない人でも安心して効率良く就職活動を進めていくことができます◎
さらに、ハタラクティブは圧倒的なマッチング率を誇り、通常2~3ヶ月掛かるところを最短2週間で内定を勝ち取ることも可能!安心感&スピード感のある就職を希望する人にピッタリです。
一般の求人掲載サイトには出ていない、独自の求人を集めていることも、ハタラクティブの大きな強みです。
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実績 | 正社員就職成功率80.4%、カウンセリング実績11万人以上 |
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大学中退者への徹底的な情報提供と親身なサポートが強みのキャリアスタート。
紹介求人は念入りに調査しているため、入社後のミスマッチを防ぎ長く働くことができます。
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エントリーや入社の強要行為は一切なく、つねに求職者の希望第一のサービスとして、大学中退者でも安心して利用できるサービスです。
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年齢 | 10代~20代 | 実績 | 20代がおすすめする転職支援会社No.1 | 特徴 | マンツーマン&フルサポートでミスマッチのない就職を実現 | 選ばれる理由 | 教育制度が充実した企業や未経験者をイチから育成したいという企業のみを紹介 |
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大学中退者の就職率は26%程度と言われているところ、ジェイックを通した就職活動なら就職成功率が驚異の81.1%!個人での就職活動と比べ約3倍も就職しやすいのです。
また、大学中退者を採用したい優良企業約20社と書類選考なしで面接まで進めるので最短2週間からのスピード内定の可能性も◎
離職率の高い業界には紹介を行わないと決めているので、長く腰を据えて働きたい方に向いています。
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実績 | 就職成功率は驚異の81.1% 入社後定着率91.5% |
特徴 | 大学中退者歓迎の企業と書類選考なしで面接 | 選ばれる理由 | 厚生労働省が「職業紹介優良事業者」に認定する就職支援サービス |
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その就職率は98%を誇ります。
またネットビジョンアカデミーは、世界共通基準の資格でもある「CCNA」を座学と実技を組み合わせたカリキュラムで学んだ知識を定着。その合格率は95%以上となっています。講師陣が全員エンジニア経験者なので、IT未経験者でも勉強したことが実際どのように活用されているのか就職後も活きる知識が身につきます。
IT業界の中でもインフラエンジニアという職種は、確実なステップアップが見込める職業です。将来的には年収1000万円も夢ではありません。
公式サイト | https://www.netvisionacademy.com/ |
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実績 | エンジニア転職No.1 |
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大学中退者の不利な点は「大学中退=最終学歴高卒」「職歴なし」この2つです。
学歴や職歴よりも、人物重視の企業を狙う必要があります。
中には未経験・無資格からでも採用し、入社してから人材を育てようという前向きな企業も多くみられます。
ただし、“ブラック企業”にも注意していかなければいけないので、内部事情を転職エージェントに確認したり、求人票を細かくチェックすることも忘れずに。
ここでは、withコロナ時代で大学中退者が狙いやすい職業(職種、業界)を紹介します。
今後、これまで以上にIT化、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進によるデータ・デジタル技術を活用したビジネスモデルの変革が進んでいくためIT人材はニーズがますます高まります。
ニーズの高い主な職種は「ITエンジニア」「プログラマー」「UXデザイナー」など。
特に、ITエンジニアは未経験からでも採用されやすく経験を積むことで技術者として評価されるため大学中退者におすすめです。
未経験とは言え最低限の知識・スキルを身につけるにはITスクールに通ってみるのもいいでしょう。
コロナ関連の各種メーカーでは、急激な需要が増加しています。
衛生用品のマスクや除菌シートまた化粧品やスキンケアも好調で、コロナ対策に関連する医療機器の開発や製造の売り上げも伸び業績を上げています。
営業職はどの業界にもあり、常にニーズが高く求人数の多い職種です。withコロナでもIT業界や製造業を中心に幅広い業界で求人が回復傾向にあります。
「高卒以上」「未経験OK」といった仕事へのやる気や熱意など人柄重視の採用をしていることが多く、大学中退者でも狙いやすい職種。
コミュニケーション能力の高い人や地道な努力ができる人、目標に向かって進んでいける人に向いています。
大学中退者の最終学歴となる高卒は大卒と比べて給料が低いことが一般的ですが、歩合制やインセンティブのある営業職では頑張り次第で高収入も可能です。
営業職にもルート営業、新規開拓営業など種類も様々なので自分に向いているものを選びましょう。
かつて“オリンピック特需”とも言われた建設業界ですが、オリンピック後であっても慢性的な人手不足は解消されておらず採用活動が活発に行われています。
そして、建設業界の問題は人手不足に加えて後継者不足が挙げられます。建設業の55歳以上の割合は33.9%(※平成28年)と全産業よりも高齢化が進んでおり、若い世代の採用に力を入れなければいけない状況となっているのです。
未経験・資格なしからでも仕事を通してキャリアを積んでいけることのできる職業なので、体力に自信のある人、どんどんスキルアップをしていきたい人におすすめです。
建設業は細かい職種がとても多く選択肢が豊富であることも魅力の一つなので興味が持てる仕事を探してみましょう。
大学中退者の就職先として多いのが販売・サービス職であり、『学歴・職歴不問』の求人が多く未経験からでも広く門戸が開かれていた職種でしたが宿泊業や飲食業はコロナ禍で大打撃を受けました。
しかし、徐々にではありますが離職者が増えた職種の欠員補充や、コロナ禍で急成長をした中食・デリバリーを中心に求人が増えています。
販売・サービス職は未経験からでもチャレンジしやすい職種から専門的な知識が求められる職種まで様々な種類がありますが、興味のある分野で仕事へのやる気をアピールしていくことで大学中退者でも正社員への道が開けやすい職業でしょう。
注意点としては、離職率の高い業界でもあるので優良企業を見極める力が必要になります。転職エージェントを使って事前に企業情報を集めましょう。
大卒ではなく“大学中退”となったことで就職活動時に与える影響や陥りがちな悩みについて見ていきたいと思います。
大学を中退すると最終学歴は高卒となるため、就職活動に於いて高卒と大学中退の扱いは同じです。
そのため、高卒と大学中退の差は殆どないのですが、履歴書の学歴欄には大学中退の旨を記入する必要があり、就職活動の面接で「なぜ中退したのか?」と中退理由を必ず聞かれると思っておいた方が良いでしょう。
中退理由の受け答え次第では「継続力がない」「忍耐力がない」と判断され不利になってしまうこともあるかもしれません。
新卒とは、その年に大学や専門学校、高校などを卒業、又は卒業予定の人を指す言葉であり、大学中退はもちろん新卒には当てはまりません。
つまり、大学中退者は「新卒採用」ではなく即戦力が求められる「中途採用」で就職活動をする必要があるため、社会人経験無しの大学中退者のライバルは社会人経験が豊富な転職希望者。厳しい就職活動となることが想像できます。
求人への応募資格に“大卒以上”と記載している企業も多いため、高卒扱いである大学中退者は応募できる企業が限定され選択肢が狭まることがあります。
そんな時に応募資格の条件が緩く好条件の求人を見つけたら手が伸びてしまうのではないでしょうか?
「学歴不問」「未経験者大歓迎」「若手が活躍」「やりがいのある仕事」「フレンドリーな職場」「成長できる環境」「夢に向かって挑戦しよう」‥などなど、聞こえの良い言葉ばかりが並ぶ求人は要注意。
大学中退者の就職活動は大卒者と比べて求人の選択肢が狭い、書類選考が通りにくい、マイナスイメージに見られやすいなど幾つかの壁が立ちはだかり容易に進めていけることではありません。
とは言え、大学中退者が就職できないわけではなく適切な方法で就職活動を進めていけば正社員として採用されることも夢ではありません。
コロナ禍に非正規雇用者の雇い止めなどがあり非正規雇用者数が大幅に落ち込みましたが、2021年4月には削減しすぎた非正規雇用者を補う形で非正規の求人が増えてきています。
正社員として採用されるよりも非正規の方が採用されやすいため、「一旦はフリーター(非正規)で‥」と考える人もいると思いますが、コロナ禍の状況を見て分かるように未曾有の事態が起こったときにまずクビを切られるのは“非正規“です。
言い方は悪いですが「使い捨て」の人材となるリスクが高いため、苦労は覚悟の上でも正社員就職を選択することを強くお勧めします。
また、大学中退後にフリーターもしくは無職の期間が長い人ほど更に就職率が下がってしまうデータもあるので、なるべく早く就職活動を始めることがベストです。
ここまで、大学中退者を取り巻く現状、大学中退から最短で正社員になる方法などについて紹介してきました。
新卒や社会人経験者と比べると大学中退者の就職活動は不利になりやすいことは確かですが、“大学中退”ということをネガティブに捉えたまま立ち止まってしまっては状況が悪くなる一方です。
「一足先に社会人としてスタートできる」とポジティブに捉え、自分に合った就職支援サービスを上手に活用し後悔のない一歩を踏み出してみましょう。