各種保険事業や、年金事業などでなくてはならない職務、アクチュアリー。資産運用やリスクマネジメントといった分野が重視されるようになってきた昨今では、注目されている数理業務のプロフェッショナルです。
アクチュアリーは誰でもなれるわけではなく、『日本アクチュアリー会』の正会員のみが名乗ることができる職種です。アクチュアリー試験の合格率は毎年低いと言われますが、実際の難易度はどれくらい?対して合格の確率を上げる効率的な勉強法とは?
アクチュアリー試験について調べました!
アクチュアリーは保険数理や年金数理、また統計学などに基づいて、保険料や年金の正当な評価を行ったり、また企業のリスクマネジメントを行うこともある専門職です。
日本では主に生命保険や損害保険などの保健事業、年金事業などで多く活躍していますが、リスクマネジメントや企業において資産運用にも応用できるとして、昨今ではビジネスの場でも広く注目を集めるようになっています。
日本では『日本アクチュアリー会』の正会員であることが必須条件となっており、現在の正会員は2,000年弱と決して人数として多くはありません。
アクチュアリーの発祥が保険分野だったこともあり、国内では保険事業や年金事業を行う官公庁や保険会社、信託銀行などの金融系で働くのが一般的です。しかしリスクマネジメントや資産運用の分野でも注目されている昨今、コンサルティング業界や一般の企業での就職先も増えています。
そもそもアクチュアリー試験は一朝一夕に取れるものではなく、準会員になるまでに5年、正会員になるにはそれから3年ほどかかるとも言われており、一度候補生として就職し、働きながら資格取得を目指す人が多いです。
アクチュアリーを目指すのであれば、まずは就職先の選定から資格取得支援がある就職先を探すことが、アクチュアリーになる近道になるでしょう。
先にも言っていますが、アクチュアリーになるにはまず『日本アクチュアリー会』の資格試験を受けて、合格する必要があります。
まず、基礎科目5科目を受験します。
5科目すべてに合格した次点でまず『準会員』になることができます。5科目合格しなければ、次のステップに進むことはできません。
次に正会員になるための第2次試験では、専門科目として『生保』『年金』『損保』から1分野を選択して受験します。こちらに合格したのち、プロフェッショナル研修を受講してようやくアクチュアリー会正会員として、アクチュアリーを名乗ることが許されます。
http://www.actuaries.jp/examin/index.html
(2)第2次試験:第一次試験の全科目(5科目)にすべて合格した準会員。
(2)第2次試験:生保コース、損保コース、年金コースの3科目から受験生が選択して受験。各コースはそれぞれ1と2に分かれていて、そちらも受験生が選択して受験。
第2次試験に合格後、プロフェッショナリズム研修(初期教育)を受講。研修修了後に理事会の承認を得た方がアクチュアリー会の正会員になることができます。
2019年度試験の結果は以下のようになっています。
数学 | 生保数理 | 損保数理 | 年金数理 | 会計・経済・投資論理 | |
---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 1,136 | 774 | 637 | 442 | 725 |
合格者数 | 272 | 248 | 103 | 75 | 160 |
合格率 | 23.9 | 32.0 | 16.2 | 17.0 | 22.1 |
生保1 | 生保2 | 損保1 | 損保2 | 年金1 | 年金2 | |
---|---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 362 | 353 | 163 | 131 | 82 | 96 |
合格者数 | 49 | 64 | 20 | 22 | 13 | 13 |
合格率 | 13.5 | 18.1 | 12.3 | 16.8 | 15.9 | 13.5 |
アクチュアリー試験の合格率は第1次試験、第2次試験通してほぼ10%台とかなり低いです。1年に1教科を選択して、第1次試験は5科目すべて、第2次試験では「生保」「損保」「年金」の3コースから1コースを選択し、また1年に1教科受講し2教科を合格する必要があるため、試験だけで最低7年かかります。
試験を合格した後には更に研修を受けなければならないため、かなりの長期戦を覚悟しなければなりません。そのためか、そもそもの受験者数も表を見て分かる通り、低い傾向にあります。
しかし、なり手が少ない分、資格が取れればアクチュアリーとして就職先には困らないでしょう。
アクチュアリーになるために必要な勉強法はもちろん、一つに限られているわけではありません。独学、講座やスクール、通信講座など様々な勉強法があり、個人によっての相性も様々だと思います。自分に合う勉強法を自身で見つけるのが大事なことです。
というわけで、ここではそれぞれの勉強法を紹介するので、あなたが自分に合うと思う勉強法を比較してください。
【独学】
まず一番低コストでてきる勉強法、独学を紹介します。アクチュアリー会ではサイトで過去問の公表を行っていたり、参考書の販売も行っています。
また、アクチュアリー試験は毎年ほぼ全科目の合格率が10%台である上、8年はかかると言われる難関試験です。それを独学でやろうと思うと数多くの疑問が生まれたり、孤独感、焦燥感や不安に襲われる方も多いようです。
そんな方のために、アクチュアリーを目指す方のための情報交換サイト『アクチュアリー受験研究会』というものもあります。
https://pre-actuaries.com
こちらは無料登録で、現在アクチュアリーを目指す人たちと、掲示板などで情報交換や共に合格に向けて勉強をすることもできます。
【講座やスクール】
独学は自分がやりたい時にやりたいように学習できるのがメリットではありますが、逆に「どんな勉強をすればいいのか分からない」「どんなペースで勉強すれば間に合う?」などの、意思が弱かったり、自分に合った勉強法が分かっていないタイプには難しいです。
特に「サボり癖がある」というタイプは難関試験に挑む際に独学は向いていません。そういう方にオススメなのが、講座やセミナーで勉強することです。ただし、高額で教材を買わせたりする詐欺などには気をつけなければなりません。
講座やセミナーなら、日本アクチュアリー会でも講座を行っています。また、有料にはなりますが、アクチュアリー受験研究会でも通学・オンラインなどで講座を行っていますので、利用してみてはいかがでしょうか。
【通信教育】
独学は向いていると思えないけど、仕事をしながらスクールや講座に通ったり、決まった時間にオンライン授業に参加するのは難しい。できれば方向性を示してもらいながら、自分のペースで勉強を進めたい。そんな方には通信教育がおすすめです。
アクチュアリーの通信講座でおすすめしたいのは『アガルートアカデミー』です。こちらの講座は比較サイトでもかなり評判が良く、
といった多数のおすすめポイントが挙げられています。
通信講座おすすめポイント
基礎講座と過去問解析講座、各50,000円
基礎講座と過去問解析講座のパック購入で78,000円
他の講座では1時間のスカイプ講座でいくら、5科目のうち1科目でいくら、といった価格設定が目立ちます。一見安そうには見えますが、考えてみれば結果的に高くなるのでは?と予想が付きます。アガルートアカデミーはパック購入でかなりの値引きとなっていますし、業界では低価格設定だと思います。
アガルートアカデミーの講座ではビデオ講座とテキストで勉強します。ビデオではあまり専門用語を使わずに、初心者でもとても分かり易く説明してくれていると評判です。テキストはビデオで講義を行っている講師自ら作成したテキストになっているので、ビデオの復習も兼ねて知識を深めることができます。
アガルートアカデミーの講座はオンラインで行われています。テキストも画面に一緒に表示されるので、外出時の空き時間に勉強したい方でもテキストを持ち歩くことなく受講することができます。また、スマホやタブレットでも再生可能なので、携帯可能なPCを持っていなくてもいつでもどこでも勉強することができます。
また動画再生には8段階の倍速機能もついているため、見直しや時間に制限がある時でもシーンに合わせて時間に融通がきくという利点があるのです。USBオプションを購入することで、受講期間に制限もなくなり、より自分のスタイルに合わせて勉強することが可能です。
アクチュアリーは日本ではあまりメジャーな仕事とは言えません。アクチュアリーになるには、8年ほどかかる試験をクリアし、日本アクチュアリー会の正会員になることでしか実現できない、超難関の専門職です。
しかしながら昨今ビジネスの場では、リスクマネジメントや資産運用は注目されてきていますし、災害やコロナ禍といったパンデミックで、保険業も廃れるどころか盛り上がっていくことが予想されます。
現状なり手は少なく、合格者数も第2次試験ともなると毎年200人にも満たないアクチュアリーは、今後売り手市場となっていくのではないでしょうか。
アクチュアリーの資格を取って決して損はないでしょうし、就職に困ることもないと思います。技術職ではないとはいえ、『手に職』といって差し支えない専門職です。
事実、アクチュアリー試験の合格率は大変低く、難易度はとても高い試験です。何より取得に年数がかかることも、難易度を上げる要因となっており、根気強く挑む精神力も必要です。
難易度が高い試験ほど勉強法はとても重要になりますが、難しければ難しいほど「自分に合った勉強法」を選ぶことが何より大事なのです。
現在の環境、自分の性格や能力などを鑑みた上で、独学・講座やスクール・通信講座などを比較し、合格に向けて踏み出しましょう!