名前は知っているけれど何をしている人たちなのか今一分からなかったアプリケーションエンジニアという仕事。実は2017年に新言語がスタートしたことにより今大注目されている業界なのです。
今後のチャンスが転がる理由は一体何か?労働環境や年収は?資格は必要なのか?ご紹介します。
パソコンやスマートフォンの普及を皮切りに世界が急速にIoT化される中、今有識者たちの間で密かに注目を浴びている業種がアプリケーションエンジニアです。
今後も需要が増え続けるだろうと予想される仕事なのに、ここのところずっと人材不足が叫ばれ続けています。
2017年からはJavaに代わって新言語のKotlinがスタートしました。アプリケーションエンジニアは今から未経験で始めたとしても大いに出世できるチャンスの多いフィールドなのです。
アプリケーションエンジニアという言葉を聞いたことはあっても、実際にどんな仕事をしているのか、分からない人もいると思います。アプリケーションエンジニアは今や生活に欠かせなくなったツールであるLINEやTwitterなどを開発するのがお仕事です。
仕事内容は大きく分けると3パターンに分かれ、一人でこの全てを担当するのではなく、配属されるフィールドによって携わる業務内容が変わります。
業務系アプリ開発は、クライアントが改善したいと考える経営上の課題を解決するためのアプリを設計・開発します。
ITソフトのパッケージ製品や企業内で使われる業務システムなどを設計・プログラミング・動作テストし業務効率の向上や利益の増加に繋げます。
Webアプリ開発はブラウザを介して利用するWebアプリを開発します。パソコンで使うTwitter・LINE・Facebook・Gmail などがこれにあたります。
スマホアプリと比べると利用する人の数はやや少ないのですが、なくてはならない仕事の一つです。
スマホアプリ開発は名前の通りスマートフォンやタブレット上で動くアプリケーションを開発します。近年はブラウザよりもアプリを使用する人の方が多くなっているため、盛り上がっていく分野だと注目を集めています。
需要が増えているにも関わらず人材が不足している分野です。
IT業界の中にはアプリケーションエンジニアの他にもネットワークエンジニアやシステムエンジニアなどのエンジニアがいます。
アプリケーションエンジニアは他のエンジニアに比べて一体どこが特別なのかというと、システム設計からプログラムの開発、開発したシステムの動作テスト、運用、保守を一つのチームが全て担当するという点です。
ネットワークエンジニアやシステムエンジニアの場合は、基本的に設計担当者や営業が直接クライアントと話し、どんなものを構築するのか決定します。
ネットワークエンジニアやシステムエンジニアはそれに必要なものを構築・運用するのが仕事です。一度運用に組み込まれたものについては別途24時間365日保守するチームが管理します。
しかしアプリケーションエンジニアは自らクライアントと会って何を作るかという話しからスタート、運用が始まったアプリケーションの保守も全て同じチームが担当します。
入社する会社によって範囲には差異がありますが、基本的にはIT技術の他にコミュニケーション能力なども求められます。
ネットワークエンジニアやシステムエンジニアのように部分的に担当する方が向いている人なのか?
それともアプリケーションエンジニアのように自分が作ったったシステムは最初から最後まで全て担当する方が向いているのか?
自分にあった仕事を選ぶとより活躍の場が増えるでしょう。
近年未経験でも採用されるケースが増えているIT業界ですが、アプリケーションエンジニアの労働環境も同じなのか?年収やボーナスについて調べてみました。
引用:求人ボックス給料ナビ アプリエンジニアの仕事の年収・時給・給料情報
2019年12月29日に求人ボックス給料ナビという会社が調査したところ、アプリケーションエンジニアの正社員の平均年収は527万円、派遣社員の平均時給は2505円でした。これは日本の平均年収と比較すると高い傾向です。
正社員の年収を月給で換算すると44万円です。全体の給料幅は他の業界と比較すると少ない方で、年収の少ない人で345万円、多い人で883万円の給与差がありました。この差は勤務先や経験によって出ており、東京で働く人の給料が最も高い結果となりました。
求人件数は2019年2月から2019年12月まではほぼ横ばいですが若干増えています。平均賞与は104.6万円、平均総労働時間は173時間、平均年齢は37.6歳、勤続年数の平均は10年でした。
平均年収の推移は2010年からほぼ横ばいになっています。年代別の年収を見てみると、仕事に慣れてくる30代に突入すると500万円を超えるようになり、定年退職する59歳の頃には681万円になることが分かりました。
ITバブルの時代と比べると少ない給与という印象もあるかもしれませんが、一度就職して順調に仕事を続けていければ、定年するまで安定した生活が送れるといえるでしょう。
最後に企業規模別の年収を比較したところ、規模が小さい企業に比べると規模が大きい企業の方が平均で約6万円月収が高いことが分かりました。大手に就職する方が給料が上がりやすい傾向があるようです。
アプリケーションエンジニアに必要なスキルについてですが、アプリケーションエンジニアはシステム設計から運用・保守まで一連の作業を担当するため、ソフトウェアやハードウェアについてだけでなくネットワークやデータベースなど幅広い知識が評価される傾向があります。
英語については、マニュアルやプログラミングなどある程度は読んで理解できる中学生程度の知識は必要です。しかし外国人と直接会って取引するような状況にならない限りそれほど心配することはありません。
またアプリケーションエンジニアになるためには資格取得が必須なのかというと特にそのような状況はありません。しかしアプリケーションエンジニアを目指す人にとっておすすめの資格が3つあるのでご紹介します。
「システムアーキテクト試験」は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験です。旧試験名は「アプリケーションエンジニア」だったため、分かりやすかったのですが現在はシステムアーキテクト試験という名前に変わりました。
この資格はコンピューターに関する基本的な知識・システムの要件定義・システム設計・システム開発などの工程に関する知識や、システム開発に関する技術的知識・マネージメントに関する知識など、かなり幅広い分野の知識が問われる試験です。
難易度はIPAが実施する試験の中で難しい部類に入ります。毎年合格者は10%程度、平成27年度は合格率が13.4%しかありませんでした。
Androidアプリの開発者を目指す人におすすめしたいのは、Android技術者としてのスキルを認定するAndroid技術者認定試験です。この試験はOpen embedded software foundation(OESF)が実施する試験で国家資格ではありません。しかし取得すると海外でも通用する大変有名な試験です。
Android技術者認定試験ではアプリケーション技術者認定試験とプラットフォーム技術者認定試験の2種類の試験を受けた後、ベーシックもしくはプロフェッショナルのどちらかを選択して受験します。
クライアントの会社に出向きプレゼンをしたりプロジェクトのマネジメントをする仕事を目指している人には、マネージメントに役立つ資格として、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施するプロジェクトマネージャー試験がおすすめです。プロジェクトマネージャー試験は品質・コスト・納期について問われる試験です。
アプリケーションエンジニアを目指す人の中に時々プログラマーと区別がついていない、勘違いしてしまう人がいるのでここでアプリケーションエンジニアとプログラマーの違いについて少し触れておきます。
アプリケーションエンジニアはシステム設計から運用・保守まで幅広い知識を使い仕事をします。それに対してプログラマーは基本的にプログラミングとテストのみをプロフェッショナルに行うのが仕事です。すでに設計された案件に対してプログラムを作りテストまでを行ういわば専門職のような役割がプログラマーです。
残念ながら日本では現在プログラマーを専門職として雇っている企業が多くありません。今から ITエンジニアを目指すのであれば、プログラマーを目指すよりも、アプリケーションエンジニアの方が安定するといえるでしょう。
Androidスマホが世界的に普及する中、Androidエンジニアの数は継続して不足しているといわれています。Appleが販売しているiPhoneのエンジニアであるIOSエンジニアは人気が高く、これまではこちらに人材が多く流れていました。
しかし2017年からGoogleがJavaに代わって「Kotlin」という新言語をAndroidアプリの開発言語に選定したことをきっかけに、Androidエンジニアにもかなりの注目が集まるようになりました。現在はこの「Kotlin」を使った開発が激増、Androidアプリ開発の約50%はこの「Kotlin」を使用したアプリになっています。
この「Kotlin」ですが型変数の推論・高階関数(クロージャ)・拡張関数などが備わっている上に、Javaとの互換性も非常に高いので大変評判が良いです。現場からは「Javaよりも自由に書ける」「これから新しいアプリを開発するときにKotlinを選ばない意味が分からない」「Kotlinでコードを書くとJavaには戻れない」などという声がでているくらいです。
この「Kotlin」がスタートしたのは2017年なので今この技術をマスターしておけば将来かなりのところまで出世ができる可能性があるかもしれません。
私はシステムエンジニアを約9年間やってきましたが、今からIT業界に入るとすれば、アプリケーションエンジニアを選びます。
将来が楽しみなのと、最初から最後まで自分で担当できるのでそれだけ好きなことがし易いのではないかと思います。人生一回きりなので、自分のアイディアをできるだけ活かせる仕事がしてみたい。それならAndroidアプリ開発やってみたいです。