在宅ワークや副業が推奨されるようになってから注目されるようになってきたCADオペレーター。主婦の空いた時間に、在宅ワークとして人気の仕事というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
新型コロナの流行により、主婦や副業以外でも在宅ワークやリモートワークは一気に一般にも周知されることになりました。
残念なことに、コロナ禍の影響で失業する方も出始めている現状、リモートワークや在宅ワーク、フリーランスという働き方にうってつけなのがこのCADオペレーターです。でも、専門的な知識や資格が必要なのでは?
CADオペレーターの仕事内容、資格と難易度、どうすればなれるのかなどについて【現役のCADオペレーター】が解説します!
CADオペレーターとは名前の通り、CADというPCソフトを操作して仕事をする人をいいます。CADは設計図をデジタル上に書き起こすソフトですが、CADオペレーターは設計士とは別で設計は行いません。
ではどのような仕事をするかというと、設計士が設計を行い、CADオペレーターはそれを元にCAD上でデジタル用図面を描き起こします。その後、設計図に変更があった場合には、設計士などの指示により、CAD図面に変更を施すところまでが仕事になります。
CADソフトは一つではなく有料のものから無料のものまで多数種類があり、それぞれにインターフェイスや操作方法が違っているので、企業などにより利用するソフトを使いこなす必要もあります。
CADを利用して図面を作成する業界は意外と多くあるのをご存知ですか?設計といえばやはり最初に浮かぶのは建築関係ではないかと思われます。しかし、家具や洋服、おもちゃや食器など、形があれば設計図は大体必要になるものです。
CADオペレーターが活躍できる業界
『PCで設計図を描く』と言われると難しい専門職のように感じてしまう方もいるでしょうか。CADオペレーターは確かにCADを操作できることが大前提の仕事になるので、全くの未経験からいきなり始めるのは難しい職種です。
しかし、専門職ではありますが、資格がなければ始められないという仕事ではないので、やる気次第で未経験の方でもチャンスがある職種です。
資格がなくても仕事はできますが、未経験の方はある程度の知識と技術は必要になるので、ソフトの勉強と一緒に資格を取っておくとアピールポイントの一つにはなるでしょう。経験者なら資格は然程重要ではありませんが、初心者ほど資格を武器に使うことを検討してはいかがでしょうか。
https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/sinsa_cad/cad.html
中央職業能力開発協会が行っている資格試験で、CADの資格では唯一、厚生労働大臣認定を受けている資格です。
年2回、前期と後期で実施されているので、申込期限に気をつけてチェックしてみてください。受験資格が限定されており、経験者向けの資格になっています。機械部門は比較的易しめのようですが、建築部門の特に上級試験はかなりの難関のようです。
上記記載の受験料は実技試験・学科試験両方を受験する場合の金額になっています。どちらかだけ受験することも可能ですし、その場合には金額が変わりますので、確認をお願いします。
一般財団法人コンピュータ教育振興協会が行っている資格試験です。実施は前記・後期の年2回。
3次元CAD利用技術者試験については、1級・準一級ともに2級との併願受験が可能です。
(ただし、2級が合格ラインに達していなかった場合は1級・準1級ともに受験資格はなくなります。また、1級と準1級の併願受験はできません。)
一般社団法人全国建築CAD連盟が行っている資格試験です。実施日程は一般受験と団体受験があり、一般受験・団体受験ともに准1級は年1回、2級・3級は一般受験が年2回、団体受験は年4回になっています。
団体受験はCADを教えている大学・専修学校・高校・スクールなどの教育機関での受付となっており、団体受験のみ4級の受験が可能です。
NPO法人日本学び協会 CAD検定部会が行っている検定試験です。年2回実施されています。
その他、CAD関連の資格以外で持っていると、CADオペレーターとして更に市場価値を上げる資格もあるので挙げておきます。
CADオペレーターは設計図をただ起こせばいいかというと、なかなかそうはいきません。設計図は敢えて毎回指定しなくとも必ずこの形になる、ここにこの部品がなければおかしい、などの暗黙の了解も多くあります。
業界では当たり前すぎて、時には初心者に対して教え忘れた!などということも起こり得るので、事前に業界のこと、設計図の事などの知識が身についていれば、そういった手間を省けるということで強みになることもあります。
CADオペレータ関連の資格を取るにしても、一朝一夕で取れるものではありません。ただでさえ専門性の高いソフトである上、各業界の知識なども必要になります。受験資格が経験者に限られているものであれば、CADオペレーター経験者が技量試しと自信に繋げるために受験してみるといいと思います。
しかし、未経験者が武器の一つとして持ちたいと言うのであれば、かなり話は変わります。CADオペレーター系の資格は、学科の他に必ず実技試験も行われます。一定の技術を身に着けていなければ、決して受かるものではなく、事前にしっかりと勉強が必要です。
どうすればCADについて学ぶことができるのか、学べる媒体を紹介します。
自分の空き時間に勉強でき、要点をまとめたテキストがあってそれにそって勉強し、添削をしてくれる先生がいる通信教育は、忙しい合間に勉強したい方にはうってつけの勉強法です。
最近はCADオペレーターは人気の職種になってきているため、通信教育でもカリキュラムが充実しているものが多いです。
CADオペレーターは業界も多様性に富んでいるので、自分が興味のある分野のCAD操作が学べるかに気をつけながら探してみてください。
自主性に任せっきりになってしまうと、どうしてもサボりがちになってしまうと言う方にはスクールなどの教育機関に通うのもおすすめですが、こちらは費用がどうしても高くなりがちな点、更に昨今のコロナ禍でスクールの運営が不安定になっている可能性もあります。
リモートで授業を行っているところであれば、受講時間が決められていたり、先生の時間を予約して自宅で勉強できるところもあると思うので、多少お金をかけてもしっかりと勉強して、確かな技術と知識を身に着けたいという方にはこちらがオススメです。
先程も言いましたが、CADオペレーターは人気の職種となっているので、独学用のテキストが書店でも買えるようになっています。初心者向けから上級者向けまで多様に出版されているので、できるだけお金をかけたくない、時間も自分の自由な範囲で自由に勉強したいという方にはオススメですが、その代わり、もしよく分からないところなどがあっても誰にも聞くことができないのはデメリットです。
専門的な知識が多いソフト・作業になるので、全く知識がないところから独学で始めようとなると、専門用語や操作で悩むことも多いでしょう。また資格取得までの長い目で見て時間がかかりがちになりやすいのも独学。
自分は大丈夫!という絶対の自信がない限りは、上の方法も検討してみたほうが良いかもしれませんね。
あまり一般的な職種とは言えないCADオペレーター。こちらをご覧になっている方には「最近聞いたばっかり!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。よく知らないから、自分に適性があるのかもよく分からないという方も居るのでは?
CADオペレーターは基本的にPCに向かい続けている仕事になります。そして商品の元になる設計図を描き起こす作業なので、設計士のサポートであり、ものづくり分野の大元ともいえるでしょう。ということで、こんな方に向いている職種です。
最後のコミュニケーション能力だけ浮いているように感じるかもしれませんが、CADオペレーターは図面を正確に描かなければなりません。そのため、設計士や営業などとの密な打ち合わせが必要になることがあります。
お互いに意思の疎通が上手くはかれないと、間違えたまま作成して後で余計な修正作業が入ってしまったり、下手をすればそのまま進行してしまう可能性だってあるのです。デスクワークだからといって、それだけやっていればいいというわけにはいかないのがCADオペレーターです。
昨今のコロナ禍で、どんな業界も厳しい苦境に立たされています。残念なことに、業績不振になれば、人件費削減となってしまうのは仕方のないことですし、そしてその対象になりやすいのは非正規雇用の方や、未経験者でも作業可能な一般職……。
だからこそ、転職を考えるなら専門性の高い「手に職」をつけておいたほうが、安心というものです。CADオペレーターはリモートワーク、在宅ワークにうってつけの職種ですし、また経験を積めばフリーランスや独立して自分の会社を起ち上げることも十分可能。
今からCADオペレーターを始めるなら、まずは資格を取って武器を増やしてみませんか?