ユーザー(お客様)からの電話対応を専門的に行う部署であるコールセンター。
コールセンターには商品・サービスの問い合わせだけでなく、クレームを入れるために電話を掛ける人も少なくはありません。
やはりコールセンターはきつい仕事なのでしょうか?やりがいはないの?
ここではコールセンターで働くことのメリット・デメリットをはじめ、思わず頷いてしまう”コールセンターあるある”など‥コールセンターの仕事について紹介していきたいと思います。
コールセンターはお客様への電話対応が主な業務ですが、電話対応にも受信(インバウンド)と発信(アウトバウンド)の2つに分けられます。
お客様から掛かってきた電話に対応する業務であり、商品・サービスに対する問い合わせ、相談・クレーム対応、商品の受注・受付などがあります。
インバウンド業務では商品・サービスに関する知識やPCスキル(入力)、お客様の話を丁寧に聞き気持ちに寄り添う姿勢が大切となります。
基本的に商品・サービスへの関心のあるお客様からの電話であるため心理的な距離の近い仕事ですが、どのような内容の電話なのかは話を聞くまでは分からないため臨機応変に対応できる経験も必要な仕事です。
顧客や見込み客へ能動的に電話を掛ける業務であり、商品・サービスの案内、アンケートの協力、商品やサービスに関する連絡・確認などがあります。
新規顧客への営業電話となる業務も多いため精神的な負担を感じることや、電話を取り合ってもらえないこともあり根気強さが必要です。
基本的に商品・サービスを知らないお客様へ電話を掛けるため、研修体制が整っておりトークスクリプト(台本)やマニュアルがしっかりとしている場合が多くあります。
コールセンターの2つの業務を見ていただくと、どちらの方が良い・悪いではなくインバウンド業務・アウトバウンド業務それぞれの仕事に「やりやすいこと」「難しいこと」があることが分かると思います。
実際にコールセンターで働く人はどのようなことに”きつい”と感じているのでしょうか?
仕事を覚えるまでは緊張感を持って毎回新鮮な気持ちで業務に取り組めていたとしても、仕事に慣れてきた頃に「楽な仕事だ」と感じるのか「毎日同じで飽きた」と感じるのかで今後の仕事のあり方を考えることがあるかもしれません。
インバウンド業務ではもちろんのこと、商品・サービスに関するしっかりとした知識が求められます。そのため、業務開始前の研修では数日~数週間でみっちり学ぶ期間を設けられます。電話対応だけだから‥と気楽に考えていた人にとって想像以上に覚えなければいけないことの多さに疲れてしまうことがあります。
コールセンター業務に於いて大変なイメージを持つ人が多いのがクレーム対応です。クレーム内容に真摯に対応していても、中には理不尽に感じてしまうこともあります。暴言を吐かれたり、高圧的な口調で話されたり、ネチネチと文句を言われ続けたり‥クレーム対応のストレスで辞めてしまう人も少なくはありません。
主にアウトバウンド業務の営業電話に関わることですが、「1日○○件達成」といったノルマにプレッシャーを感じ、これ以上は無理だ‥と精神的に参ってしまう人もいます。
大人数が働いているコールセンターでは派閥ができてしまい人間関係や職場の雰囲気が悪いことや、上司との相性が悪い、上司や先輩が助けてくれない、上司の指導が厳しすぎる、何も分からないような状態で電話対応を任された‥など仕事内容と言うよりも職場環境に不満を抱えるケースもあります。
コールセンターで働くことに興味がある人は「給料(時給)が良い」「座って働ける」「慣れてしまえば楽そう」「未経験OK」「大量募集をしていて採用されやすそう」このようなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?
実際にコールセンターの求人を見ると『未経験からでも安心』『しっかり稼げる高時給』『服装・髪型自由』など魅力的で働きやすそうといった印象を受けると思います。
コールセンターはアルバイトや派遣社員など非正規社員が多く働いている職場であるため時給を例にしてみると、時給1,000~1,500円くらいのところが多く東京都心では時給2,000円前後で募集しているコールセンターもあります。
未経験からでも高時給で働けるなら‥と応募し採用され働き始める人もたくさんいますが、コールセンターは辞めてしまう人が多い離職率の高い職場とも言われています。
上記はコールセンター構築・運営のための専門誌である月刊コールセンタージャパンに掲載されたものです。
入社1年以内のオペレータの離職率を2013年と2018年で調査していますが、2013年は入社1年以内の離職率10%以下(57.3%)が最も多く早期離職者が少ないことが分かります。
しかし、2018年では依然として10%以下(26.7%)が最も多いのですが2013年と比較すると半分ほどに減っており、71%以上(22.0%)が10%以下に次いで多いことから早期離職者が増加傾向にあると言ってもいいのかもしれません。
そして、コールセンターの離職率に関しては以下のようになっています。
参照:労働政策研究・研修機構「類型別に見たコールセンターの離職率の分析」
コールセンター全体で見ると、平均離職率は「正社員7.7%」「フルタイム有期社員12.7%」「パートタイム有期社員21.3%」「派遣社員18.1%」とパートタイムや派遣社員の平均離職率が高いことが分かります。
そして、業務別では「顧客からの電話応対(インバウンド業務)」よりも「セールス・予約・電話番号案内など(アウトバウンド業務)」の方が平均離職率が高くなっています。
電話を受けるよりも電話を掛ける方が精神的な負担を感じやすいので、この結果は頷けるものなのではないでしょうか。
コールセンターは離職率が高いと言われますが正社員が辞めているのではなく、元々非正規社員の比率が高い職場であるためアルバイト・パートや派遣社員の離職率が高いことが明らかになりました。
特にアルバイト・パートとして働く人は長期的に働くと言うよりも一時的や繋ぎで働く人も多いので辞める人が多いのも不思議ではありません。
コールセンターの仕事は大変だから辞める人が多い、キツいから時給が高いと思うかもしれませんが、間違ってはいけないことは時給に見合った仕事であるということです。
コールセンターはお客様へ失礼のないようしっかりとした対応・コミュニケーションが取れる人材を求めています。そのため初期研修やOJTに1~3ヶ月ほど費やすことも珍しくはありません。
”高時給だから” ”誰にでも出来る簡単な仕事”と思って応募した人が入職後に研修がキツいなどミスマッチを感じ早期離職してしまうことも多いので、コールセンターだけが悪いのではなく一人一人の仕事に対する意識も関わってきているのではないでしょうか?
コールセンターで働いたことがある人なら共感できる!?あるあるネタを幾つか紹介します。
まずはTwitterの投稿からどうぞ。
パソコンに向かって「ありがとうございます」って深々とお辞儀してる人がいて、色んな意味で「うわぁ…」となった。コルセンで働く皆さんは分かってくれるはず笑#コールセンターあるある
— コールセンターの日常 (@dW8Yw4wDwNRX2DU) April 7, 2020
契約したばかりであれこれ変更希望。色んな縛りがあり、承り出来ない。そして捨て台詞「こう面倒なことになるから、申し込みたくなかったんだよ!」…割引につられて申し込んだのあなた自身です(1時間近く話し、最後は激怒ガチャ切り)#コールセンターあるある #契約して得なことは何一つない
— CC哀歌 (@look_up_the_) March 15, 2020
❛クレーマーと分かる一言❜
第一声「なにから言えばいいですか?」
▶何回も電話して分かってるはずなのにオペを馬鹿にする奴「事情から説明しますね」
▶壮大に語るが大したことない「〇〇さんいます?」
▶前回担当者の名前を覚えてる又はメモしてる時点で曲者#コールセンターあるある— コールセンターの日常 (@dW8Yw4wDwNRX2DU) March 10, 2020
客「あ、もしもし?〇〇町のタカダですけど、ウチにおたくの機械あるじゃない?」
知るかw
契約内容見ないと機械を持ってるかわからないし、〇〇町のタカダで誰だかわかるほど弊社は小さくありませんwww
迂闊に「はい」と相槌を打てなくていつも困る#コールセンターあるある— ぐーたら子 (@uo94tb6WJyzM7oS) January 22, 2020
クレーマーは男性職員が代わると同じことを説明しているのに大人しくなる
#コールセンターあるある— しじみ (@karisyou4654) March 29, 2020
クレームを受けたときに感じること、よくいるお客様の話など「わかる!」と思う人も多いのでは?
Twitterに面白おかしく投稿することで仕事のストレスを上手く発散するなど、余計なストレスを溜め込まないことがコールセンターの仕事を続けていく秘訣なのかもしれませんね。
この他にもコールセンターあるあるとして‥
などなど、コールセンターにちなんだあるあるはたくさんあります。
ここまでの内容も踏まえたうえで、コールセンターのメリット・デメリットをまとめてみたいと思います。
メリット
デメリット
未経験OKなうえ高時給という点はコールセンターの求人に人が集まりやすいポイントでもあり、きっかけがそうだとしても仕事が自分に合っているのであればオペレーターから始めて、リーダー、スーパーバイザー(SV)とキャリアアップし昇格・昇給を目指すことや、着実に経験を積んでいきアルバイト・パートから正社員にステップアップできる可能性もあります。
メリットもそうですが、デメリットとなる部分は多くのコールセンターで共通することではありますがコールセンターの取り組み方によっては軽減されることもあります。
コールセンターと言ってもインバウンド業務・アウトバウンド業務や様々な業種があるので、給料(時給)だけに目を向けず働きやすそうな職場選びをしていくことが大切です。
最後にコールセンターに向いている人の特徴を挙げていきます。
コールセンターの仕事はお客様への気遣い・心遣いをはじめ気持ちに寄り添うことが大切ですが、それだけではクレーム対応をはじめとしたストレスを伴う場面に出くわしたとき心が折れてしまうかもしれません。
ストレスを溜め込まず仕事を続けていくためには、良くも悪くも真面目すぎない人・少し適当に考えられるくらいの人の方がコールセンターには向いています。
コールセンターのやりがい
コールセンターに限らずどんな仕事にも大変なことや苦労がありますが、その先に必ずやりがいを見いだすことが出来るでしょう。
大変なことや苦労をどう乗り越えていくのか?仕事に対して目標や目的意識を持っているのか?そして、その仕事に適性があるのか?これらも大事なことです。
コールセンターの仕事について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
離職率が高い職場というイメージを持つ人も多く、実際に研修中や入社1年以内で辞めてしまう人も少なくはありません。
しかし、表面的な情報だけに踊らされず事前にコールセンターの内情を理解した上で働くことが出来ればミスマッチを感じ辞めてしまう人も少なくなるのではないでしょうか?
そのために出来ることは「求人情報をよく確認する」「口コミを調べる」ことや「転職エージェントや派遣会社を利用する」ことなどがあります。
特に転職エージェントや派遣会社では、事前にコールセンターの仕事内容や人間関係、職場の雰囲気といった内情を詳しく教えてもらえるのでミスマッチを感じることなくスムーズに働くことが出来るはずです。
今現在、コールセンターを辞めたいと思っている人も転職のプロである転職エージェントに相談してみると新たな一歩を踏み出しやすいですよ。