“食”に関わる仕事に就きたいと考えた時「調理師」に興味を持つ人も多いのではないでしょうか。
調理師と言うとレストランなどの飲食店で活躍しているイメージがあるかもしれませんが、料理を提供する場所であれば飲食店に限らず活躍できる職場がたくさんあります。
「調理師にはどんな仕事がある?」
「料理を作ること以外の仕事は?」
など、調理師に興味はあっても仕事や役割が今ひとつ分からない人のために、調理師の仕事内容から活躍できる勤務先、給料、正社員として働くための方法などを詳しく紹介していきます。
最後までお読みいただき就職や転職の参考にしてください。
“食のプロ” “調理のプロ”とも言われることがある調理師は調理業務を行う者であり、調理師法(昭和33年法律第147号)では「調理師の名称を用いて調理の業務に従事することができる者として都道府県知事の免許を受けた者」と定められています。
飲食店などで調理を行うことは誰でも可能ですが、調理師は名称独占資格のため国家資格である調理師免許取得者のみが「調理師」と名乗ることができます。
調理師免許を取得して「調理師」になるためには2つの方法があります。
①各都道府県が指定している調理師学校(養成施設)を卒業する
②調理業務に2年以上従事して調理師国家試験を受験し合格する
①の調理師学校に通った場合は卒業をすることで調理師免許を100%取得できます。
②の調理師学校に通わない場合でも、「中卒以上」「2年以上の調理業務実務経験」があれば受験資格を満たすため調理師国家試験を受けることが可能です。※アルバイト・パートの場合は原則週4日以上かつ1日6時間以上の実働勤務であること
調理師の仕事は調理業務以外にも幅広い業務を担っています。
調理師の職場は多岐に渡るため仕事内容は職場によって異なることがありますが、主な仕事内容は以下の通りです。
料理に必要な食材を業者に発注をすることや買い出しなどをして仕入れをします。
スムーズに料理を提供するためには調理前の下準備が欠かせません。野菜をカットしておく、食材に下味を付けておく、お米を炊いておくなど。必要な場合は開店前だけでなく前日の閉店後に仕込みをしておく場合もあります。
調理内容は職場によって異なりますが、お客様からの注文や決められたメニューに合わせて調理を行います。素早さと正確さ、そして見た目の美しさが求められます。
営業時間後は後片付けを行います。食器や調理器具などの洗い物、調理場の清掃、包丁研ぎなど調理器具のメンテナンス、残った食材や保存されている食材の管理などを行い翌日も気持ちよく仕事をするために整えます。
食中毒などのトラブルを起こさず安心・安全に食事を楽しんでもらうための衛生管理も大切な仕事です。
テーブルや椅子、調理器具、食器などの消毒、食材の状態チェック、手洗い、身だしなみ、体調管理などを徹底する。
旬の食材を活かしたメニューやイベントに合わせたメニュー、トレンドを意識したメニューなど新規メニューの考案・開発も調理師の仕事の一つです。
小規模な店舗や個人経営の場合は開店・閉店準備も調理師が行うこともあります。
調理師は料理を作り提供する場所で活躍することができます。勤務先によって働き方の特徴が異なるので就職・転職前に勤務先ごとの理解を深めておくことが大切です。
調理師の勤務先として最もポピュラーなのが飲食店です。飲食店といってもレストラン、カフェ、料亭、居酒屋、個人経営、チェーン店‥と様々な形態があり、それぞれに特徴が異なります。
レストランや専門店、個人店には見習い期間が設けられているところが多く、皿洗い・掃除などの雑用から始め、仕込み、下処理、調理の一部‥と担当する業務が増えていきます。ホテルなどの大きな組織とは異なり一人に割り当てられる仕事の幅が広いため、比較的短期間で様々なスキルを身につけることができます。将来的に独立を目指している人におすすめです。
チェーン店の場合は労働時間が比較的明確であること、福利厚生が充実していることがあり働きやすい環境と感じる人も多いでしょう。料理に関してもオリジナルではなくマニュアルに沿って進めていくことが殆どです。
ホテルや旅館の厨房にも見習い期間や修行期間がある場合が多く、皿洗いや掃除などの雑用や仕込みから始め徐々に任せられる仕事が増えていきます。
ホテルや旅館などは厨房で働く人数が多いため部門ごとに分かれて仕事をします。一通りの仕事を覚えるまでに時間は掛かりますが、大きな組織の中で少しずつでも着実に実力を付けていきたい人に向いています。
調理師は管理栄養士や栄養士が作成したメニューを元に病院や介護福祉施設で提供される給食を作ります。
入院患者の病状や高齢者の健康状態などに合わせて味付けや流動食、きざみ食など調理方法を工夫することが求められます。
病院や介護福祉施設は1日3食作るため、早番・遅番などを含むシフト制での勤務が一般的です。
病院・介護福祉施設と同じように管理栄養士や栄養士が作成したメニューをもとに学校や保育園で提供される給食の調理を行います。
子どもの年齢に合わせた調理法(小さく切る、軟らかくする、見た目の工夫など)を考慮しながら調理をすることが大切です。また、学校給食のような大量調理の経験・スキルは転職の際に有利になりやすいとも言われています。
勤務時間は日中のみで、土日休みや夏季や冬季などの長期休みがある場合も多いので仕事と家庭とを両立させやすい職場です。
【調理師の統計データ】
年収:3,328,600円
月収:252,400円
年間賞与:299,800円
年齢:44.1歳
勤続年数:9.0年
実労働時間(月):168時間
【調理師|年代別統計データ】
~19歳 月収:185,300円 年収:2,249,300円
20~24歳 月収:208,000円 年収:2,655,000円
25~29歳 月収:233,900円 年収:3,065,900円
30~34歳 月収:250,600円 年収:3,311,500円
35~39歳 月収:270,000円 年収:3,589,400円
40~44歳 月収:282,300円 年収:3,746,600円
45~49歳 月収:285,300円 年収:3,807,900円
50~54歳 月収:269,800円 年収:3,607,400円
55~59歳 月収:261,000円 年収:3,515,600円
60~64歳 月収:232,200円 年収:3,016,700円
65~69歳 月収:212,300円 年収:2,716,300円
70歳~ 月収:189,400円 年収:2,340,300円
調理師の平均年収は約333万円であり、40代後半が年収のピークであることが分かります。
下積みが多い若い年代は調理師見習いとして働く期間がある場合が多いため給料は低い傾向に。
しかし、調理師が活躍する世界は勤務先の規模や形態、業界によって給与も賞与もまちまちのため一概に比較できません。若くしてオーナーシェフになる人など年齢に関係なく成功する人も少なくはないからです。
調理師は個人のスキルが問われる世界のため、多くの経験を積み実力を付けていくことで給料も比例するように上がっていくはずです。
調理師の雇用形態は他の職種と同じように、正社員、派遣社員、契約社員、パート・アルバイトなど様々な働き方があります。
勤務先によって競争倍率や正社員として採用される難易度が異なり、チェーン店のレストラン、病院・介護福祉施設、給食センターなど一度の採用人数が多めの施設では調理師資格を取得していれば未経験であっても正社員として採用されやすい傾向にあります。
逆に有名店や人気店、個人経営店などスタッフの入れ替わりが少ない職場ではパート・アルバイトのみの採用、下積み期間はパート・アルバイトからのスタート‥というケースも少なくはありません。
もちろん正社員として安定した環境で働きたいと思う人が多いと思いますが、将来的な目標が定まっているのならまずはパート・アルバイトで実務経験を積んでいき調理師としてのスキルを着実に身につけていくことも選択肢の一つになります。
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調理師の仕事は立ち仕事であり重いものを運ぶこともあるので想像以上に重労働です。しかし、自分の作った料理で多くの人を笑顔にすることや喜んでもらえることは大きなやりがいを感じられる仕事でもあり、経験と実力があれば独立をして自分のお店を持つことも夢ではありません。
調理師としてどんな場面で活躍したいのか、将来のビジョンをしっかりと持ち目標に向かって一歩を踏み出してみましょう。