現在、世界規模で混乱を及ぼしている新型コロナウィルス。日本でも緊急事態宣言が発令され、外出自粛要請が出されるに到りました。5月半ばから緊急事態宣言の解除が行われ、最終的に25日、5都道県でも解除宣言が出されて、飲食店の営業時間制限の緩和を始め、特定の施設の自粛解除などが行われ始めています。
国が発表した『新しい生活様式』に沿った街づくり、運営、生活を私達も実施することになるでしょう。社会が動き出せば、当然自粛傾向にあった就活も再開されるようになります。
しかし、自粛期間に避けられなかった企業運営の損失は、就活にも影響を及ぼすのではないかと不安に思う就活生は多いでしょう。コロナ禍が就活に及ぼす影響は?国は企業にどのような支援をしてくれるのか。就活生として知っておくべき現状を一緒に考えてみましょう。
ライフラインに密接に関わる業界は、この緊急事態宣言に関わらずに運営を行うようにと国から要請がありました。しかし、生活をする上で必要不可欠でない業界は自粛の対象になり、多くの会社員は出社せず、リモートワークや自宅待機を行うことになりました。
リモートワークで仕事が止まらなかった企業も、これまでの業態を大きく変える必要に迫られ、作業効率にも間違いなく変化が起こったことでしょう。環境や設備を整えられた企業はまだ良い方で、環境を整えられなかった企業などは休業するより他なかったところも多くあります。
中には社員を解雇せざるを得なかった企業も連日ニュースなどで取り上げられ、廃業の憂き目に遭った企業も存在しています。
とてもではありませんが、コロナ禍が企業に与えた影響は0などとは言える状況ではないのが現実です。
そうした中で、就活生の就職率はどう変動するのか。それは想像に難くありません。国内の就活生すべてが、新型コロナに影響されずに新卒を受け入れている大企業に就職できるわけでは当然ありません。
大企業から地方の中小企業まで、様々な就職先があり、その中から自分のやりたいこと、理想、適正などの様々な志望動機を持って就職するわけですから、その中には当然コロナ禍さえなければ好調運営できたはずの中小企業がいくつもあり、そんな中小企業を中心に現在運営危機が起こっている状況です。
となれば、国内の全就活生の割合として、就職先が減ってしまう、競争率が上がる可能性は十分にあります。
とはいえ、国もそんな危機的状況を放置するわけでは当然ありません。5月25日に全国の緊急事態解除宣言を出した際に、同時に企業支援についても表明を行っています。
詳細は経済産業省HPで確認することができます。(https://www.meti.go.jp/covid-19/)
(https://www.meti.go.jp/covid-19/jizokuka-kyufukin.html)
・給付金額:中小法人等は200万円、個人事業者等は100万円
※ただし、昨年1年間の売上からの減少分を上限とする。
・給付対象の要件
1,新型コロナの影響によりひと月の売上が前年同月比で50%以上減少している事業者
2,2019年以前から事業による事業収入を得ており、今後も事業を継続する意思がある事業者。
3,法人の場合
①資本金の額または出資の総額が10億円未満
②上記の定めがない場合、常時使用する従業員人数が2000人以下
このどちらかに該当する事業者
この他にも様々な資金繰り支援を国は打ち出しています。
コロナ禍の煽りをダイレクトに受けやすい中小企業や個人事業者を中心に、資金面で給付または無利子無担保での貸付などを行うことを決定しました。
大企業も当然無傷とはいきません。海外と密接に関わるメーカー、旅客、貿易、商社などは国同士の行き来、輸出入などに規制が入ってしまったため、運営に大きく影響を及ぼしています。
国内でも飲食業界やサービス業界は外出自粛の煽りを大きく受けている業界です。
中小企業ほど直接的な損失はないように思えますが、規模が大きい分一度損失を出してしまえば致命的な大損害になりかねないのが大企業です。
というわけで、大企業が倒産となれば国の経済回復にも多大な影響を与えることになりかねません。中小企業だけでなく、大企業に対しても支援金の補填意思があることを国は表明しています。現状中小企業の支援のように書式での明示はされていませんが、今後正式に発表される事でしょう。
また、大企業(親会社)には下請けの運営に新型コロナのの影響に関する問題が発生しないよう、国から要請がされています。(https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200310003/20200310003.html)
・納期遅れへの配慮する
・原材料価格高騰や、納期遅れに配慮した残業等に関するコストを正しく負担する
・下請け業者の資金繰り難に配慮し、迅速かつ柔軟な支払いを行う
・発注の取消、変更時に下請けの負担が発生しないよう最大限の配慮を行う
新型コロナの騒動で世間が騒然となった時、「親会社や取引先の大企業から下請けに対する締付けが強くなった」「急な発注取り消しがされ、作業済みのものに支払いがされない」といった事態が発生したことがニュースでも取り上げられていました。
そうした下請けから上がる悲鳴に対して、国が対処を行った結果がこちらの要請になったようです。
今後、企業の運営も来年にかけて不安定なところもどんどん増えていくと思われます。自粛中の収益は、前月・前々月といった数ヶ月前のものとなるのが企業です。現状踏ん張れては居るものの、自粛で受けた損害が出てくるのはこれからなのです。
就活生が気をつけていかなければいけないのは、『企業研究』になるでしょう。
企業研究が大事なのは今更だろうと感じる方もいるでしょう。しかし、これまで以上に企業の内情を知らなければ、今後のあなたの仕事の展望に大きく関わってくる可能性があります。
将来性、仕事運営の変化に対応できているか、人材に対する意識はどうなっているか、緊急時に柔軟に対処できるシステムが構築されているか、などなど。
新型コロナは緊急事態宣言が解除された一方、大規模二次感染が懸念されています。しかしそれだけではなく、来年の冬にも再び大規模感染が起こる可能性があると言われているのです。今後どのような事態が起こるか分からない以上、あなたが就職した企業が、再びの混乱時に運営を継続し、社員を守ってくれる企業でなければいけません。
今回の緊急事態宣言でリモートワークの利便性について目が向けられるようになりました。社員同士のコミュニケーションについては、オンライン会議ツールやメール、SNSなどに頼る他なく、タイムラグが発生するのは難ではありますが、通勤の手間なく家で仕事に専念できる効率性に、予期せず気付かされた企業も多いことでしょう。
国も現在企業に対してIT化支援を行っています。リモートワークに対応している企業は、今後再び混乱が起こっても強く対応できるようになるでしょう。
・IT化に対応している
・国内の流通に強く、日常的に馴染みがある産業系の業種
・取引先に大手企業などの太客がいる
・日頃から従業員の安全に配慮してくれる
こういった深い内情にまで踏み込んで就活を行うべき時代になってしまったのかもしれませんね。
国が提唱した「新しい生活様式」。厚生労働省のHPに紹介されています。(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html)
『働き方の新しいスタイル』の項目にもいくつか上がっていますし、この他にも企業に影響を与えることが予想される項目はいくつかあります。
企業の内情をできる限り知ることが必要とはいえ、一人でそこまでやるのも難しい。更に現在は対面で質問ができる機会が与えられるかも定かではありません。限界を感じたなら、こんな時こそ転職エージェントの利用も一つの手としてリストアップしておいてもいいのではないでしょうか。
21年卒だけでなく、22年卒まで就活生にとってはかなり厳しい状況が続きそうですが、一人で思い悩まず、相談できるところを増やし、視野を広く持つことを心がけ、成功を掴み取りましょう!