新型コロナウィルスの影響は世界経済に大きな影響を与えました。業績悪化や自宅待機で給料が激減したり、仕事自体がなくなってしまい、転職や副業を考えているという人は多いのではないでしょうか。
しかし、コロナ不況下ではどの企業も不景気に見え、転職先・副業先をどうやって見つけたらいいのかわからないという人もやはりたくさんいるでしょう。
ところがコロナの影響で、すべての企業が不況におちいっているわけではありません。社会の変化によって逆に需要が急増した業界や人手不足に追い散っている企業もちゃんと存在するのです。
この記事では【コロナを追い風に業績の上がっている企業や求人が増えている職種】をご紹介し、【コロナに負けない転職や副業の方法】を解説していきます。
新型コロナウィルスが流行することで、まず需要が高まっているのは「医療」関係です。病院や製薬会社はもちろん、マスクやアルコール製品を扱うドラッグストアは大混雑。普段は除菌グッズを買わない人まで店に詰めかけています。
また「在宅」関連の企業も業績を上げています。
新型コロナウィルスの影響で世界中の人々の生活は一変しました。集団で集まることを避けるため、学校は休校、仕事はリモートワーク、コンサート・イベント・スポーツ大会はほとんどが中止になっています。この変化により人が家にいる時間が圧倒的に多くなりました。
そこで注目されているのが「在宅」で楽しめるサービスの提供です。ネットショップ・フードデリバリー・ゲームなどの企業はここにきて売れ行きが非常に好調になっているのです。また、通勤者を減らすため政府が促進しているテレワークの増加を背景にテレワーク関連のデバイスやサービスを取り扱う企業の株価も高騰しています。
さらに家族が自宅にいる時間が増えたことで食材の需要も高まり、危機的状況に対し買いだめの動きもでています。この影響からスーパーの売上が増加しており、人手不足から求人数を大幅に増加する動きがあります。
それではコロナ不況でも需要が高い「在宅」「医療」をキーワードに、転職や副業の可能性がある職種を見ていきましょう。
まずは家にいながら世界中の商品を購入できる「ネットショッピング」関係です。
巣ごもり生活でネット通販の利用者が増えています。
例えば「セブンネットショッピング」の2020年3月売り上げは、前年度と比べ約30%の増益を記録しています。
また、Instagramメディア「Petrel(ペトレル)」が行った10代~20代女性向けのアンケートでは外出自粛の影響でECサイトの利用が増えたと回答した人は55%に上りました。
岡山のスポーツショップではコロナ影響下でもネットショップの売上を大きく伸ばして注目されています。商品調達や配送の面でコロナの影響を受ける厳しい側面もありますが、これからの小売業はネットショップに重点を置いた展開が求められています。
小売業系列で転職を考えている場合は、ネットショップやECサイトを展開している企業を探してみてはいかがでしょうか。
また副業としてネットショップの商売を始めるという方法もあります。いきなり一から商売を始めるのが難しい場合は在宅ワークでショップ運営の補助アルバイトを募集していることもあるので、探してみるといいでしょう。
ただし、中には違法性のある転売ビジネスもあります。例えば、現在はマスクを転売することは禁止されていますね。アルバイトに応募する場合はネットショップで販売する商品の内容や報酬の仕組みをきちんと確認するようにしましょう。
学校が長期の休校に入りテレワークが増加した現在、給食も外食もない中で家族の食事を作る負担が大変重くなっています。
そんな家事の負担を軽減できるフードデリバリーの需要は現在急上昇中です。スタッフが不足しているところも出始めたため、フードデリバリー業界では急募の求人を出す傾向がみられます。
例えばビザドミノ・ピザジャパンはコロナの影響による社会の変化に対応すべく2020年4月~6月にかけて新規採用を強化することを決定しました。店長候補、フランチャイズオーナー候補を200人、店舗アルバイトを5000人、計5200人もの人材を募集しています。
通常の飲食店への転職やアルバイトはかなり難しい状況ですが、デリバリーを主戦力にした企業への転職・アルバイト応募には絶好の機会と言えるでしょう。
また、自宅にいる子どもが簡単に食事を作れ、いざというときの備蓄にもなる冷凍食品の売れ行きも絶好調です。冷凍食品の製造企業では2~3割の増産を行っており、今後の需要増にも対応していく構えを見せています。
食品メーカーは、コロナ後であっても時短食品の需要の高さもあり伸びていく業界です。ただし、中途社員の入社はなかなか難しい業界でもあるので転職エージェントを利用して転職することが転職成功への近道です。
先にネットショッピングとフードデリバリーを取り上げましたが、商品や食品の運び手となる宅配業界にも注目です。
もともとネット通販の増加とともに需要が増加していた宅配サービスですが、今回のコロナ騒動でその重要性がより顕著になりました。
宅配業界は「大型トラック」のイメージが強く、「大型免許を持っていないから応募できない」と考えがちですが、実は企業によっては大型トラック免許は採用時に必須なわけではないこともあります。例えば採用後に会社の助成金で免許を取得させてくれる会社、小型車で配達業務をこなすところもみられます。
配業といえば配達の際たくさんの人間と対面しなければならないので、コロナに感染しないか心配もあるかもしれません。しかし、今はドライバーとお客さんの健康を守るべく、荷物を指定の場所において非対面の配達を図る「置き便」システムも広がってきています。「置き便」のシステムを普及させようと頑張っている企業を探してみてはどうでしょうか。
また仕事が減った穴埋めに副業を探している人に注目してもらいたいのが、「UberEats(ウーバーイーツ)」というサービスです。「UberEats」を使うと一般人が飲食店のフードデリバリーを行う配達人として登録できます。
コロナウィルスの影響で「UberEats」の利用は約6割増加しています。コロナ不況の影響で配達員も増えており競争率が激しくなっている傾向もありますが、車がなくても自転車があれば仕事ができ、通常のアルバイトと違い働く時間を自由に選べるので副業には向いているといえるでしょう。
通勤者を減らし、職場での濃厚接触を防ぐため推奨されているテレワーク。テレワークに必須なのがインターネット上の業務ツールです。
新型コロナウィルスの影響で日本中の株が軒並み値を下げる中、逆に株価が高騰しているのがテレワーク関連のツールを扱っている企業です。
例えばスマホやタブレットを遠隔操作できるツール「Optimal Remote」を提供しているオプティムは株価が1000円以上アップしています。またグループウェアの共有や社内システムの統合サービスを提供するサイボウズ社も2月に株価が急騰。急激に買われすぎたためか一時期暴落しましたが、4月にはまた1000円以上上昇しています。株の世界ではテレワーク関連企業は今大変な人気なのです。
コロナ対策支援ということで多くのテレワークサービスは無償プログラムの提供や導入サポートを行っています。
新型コロナをきっかけに、今まで二の足を踏んでいた企業がつぎつぎテレワークを導入することも考えられます。もともと東京オリンピックの際には、通勤における交通渋滞を避けるためテレワークの導入が呼びかけられていましたし、豪雪など災害の際にもテレワークに切り替えることができれば非常に便利です。
テレワーク関連企業の好調は、新型コロナによる一過性だけのものではなく、今後も続くことが予想されます。長い目で見てもテレワークサービスを提供する企業への転職は時代に合ったものではないでしょうか。
テレワーク関連企業とともにコロナ禍で注目を浴びたのがゲーム関連企業の株です。学校の休校措置が取られたこと、子どもたちの外出が大幅に制限されたことを受けて、室内で遊べるゲームの需要が大きく高まりました。その後、大人の外出自粛も増えていき、子どもから大人までゲームは今や大人気です。
このような状況に伴いテレワーク同様、ゲーム関連会社の株も高騰しています。
ゲームの需要急上昇は日本だけの現象ではありません。テレビゲーム大国の日本のゲーム機は今世界でも大人気です。
例えば任天堂の大ヒット商品Nintendo Switchは巣ごもり消費の影響から、世界中で価格高騰と売り切れが続出しています。シンガポールでは品薄に付け込んだ詐欺事件まで起こっており、任天堂はNintendo Switchの増産を検討している状態です。
またテレビゲームだけではなく、家族で遊べるアナログゲームの売れ行きも跳ね上がっています。
外出自粛が続く中、少しでも楽しく過ごしたい。そんな状況が続く以上、ゲーム関連の仕事は好調を維持するでしょう。
外出自粛とはいえ、スーパーやコンビニでの日用品の買い物は欠かせません。
マスクや消毒液、冷凍食品など、危機的状況において医療品・食料品の需要は増加し、買いだめに走る人もいます。このような買い物客の増加に加え、消毒などの対策、欠品商品の問い合わせなど、スーパーやコンビニでは業務内容が急激に増えているのです。
結果として全体の求人数が大幅下落する中、スーパーやコンビニ業界は例外的に求人増となっています。
例えば株式会社ビースタイル メディア(「求人サイトしゅふJOB」運営会社)による緊急調査の結果では、「フード・飲食求人」「オフィスワーク系求人」の数は前月比の80%に落ち込んだのに対し、「コンビニ・スーパー・日用品求人」は18%増となっています。
また、スーパー大手西友では売り場の業務量急増に対する負担軽減のため、従業員約3000人の募集を開始しました。西友ではコロナ禍の中頑張る従業員に向けて特別一時金「スーパーヒーロー・ボーナス」を支給したりと、コロナ対策に大きく資金を割いています。
スーパーやコンビニの急激な求人数増加に対し、人員は思うように集まっていないようです。店舗の前に直接張り紙をして求職者を募集するお店も出てきています。そのようなスーパーやコンビニの求人に応募すれば、大歓迎で迎えてくれるでしょう。
最後に医療や福祉業界について紹介します。新型コロナウィルスの影響は医療関係者に大きくのしかかっており、前線に立つ看護師や医者の中にも感染者が増えています。
次々にやってくる感染者の対応で医療現場は大変な状態。感染を恐れて退職の決意をする看護師が出てくるのも責められる話ではないでしょう。利用者を介助するためには濃厚接触をせざるを得ない介護職、保育士など福祉関係の職種で離職者が出る動きもあります。
また女性が活躍している医療・福祉の現場では、学校の休校措置に伴い自分の子どもの面倒を見るために仕事を休んだり時短勤務をせざるを得ない職員も増えています。
医療・福祉の現場はコロナの影響を受ける前から人手不足で有名な業界です。そこにコロナの影響を受け、さらに職員の不足が加速しています。
医療・福祉の現場はコロナの感染リスクを考えると躊躇してしまうという人もいると思います。しかし、これらの仕事は自分自身のためにも、他人のためにもなる仕事です。
仕事が全く見つからず困っているなら転職先として一考してみてください。働きながら資格取得を目指す人も多いので資格がない方にもおすすめです。
新型コロナウィルスの影響で人の動きが変わることで、在宅ワーク関連、デリバリー関連、医療・福祉関連の仕事は逆に需要が増加し、人手不足になっています。しかし、これら通常の企業とは別にコロナを悪用した怪しい仕事も生まれています。
例えばちゃんと価格を提示したうえでマスクを売ることは違法ではありませんが、マスクをいきなり家に送りつけて料金を払うよう要求してくる「送り付け商法」やマスクの値段に対して異様に高い送料を要求する詐欺まがいの通信販売手法が広がっています。
また給付金の案内に見せかけて個人情報を抜き取ったり、手数料をだまし取る「給付金詐欺」に対しても注意が呼びかけられています。正体がまだ分かっていないコロナウィルスに対し「コロナに効く」という宣伝文句を歌った商品の販売には違法性が指摘されています。
コロナウィルスの影響で仕事が減ったり解雇されてしまった人にとって、仕事の依頼や採用通知は大変ありがたいものです。ただ焦りの気持ちを利用して、怪しい仕事をさせようとする会社もあるかもしれません。知らないうちに自分が加害者になってしまわないよう応募する仕事の内容には十分気を付けてください。
新型コロナウィルスの影響があっても儲かっている好調な業界がわかったら、実際の転職活動をおこなってみましょう。ただし、現在は外出自粛状態なので、在宅で転職活動をする必要があります。まずはインターネットで企業情報を集めましょう。
最初に「ハローワーク」の検索サービスをご紹介します。「ハローワーク」のネット検索サービスは2020年1月から内容を一新し、マイページの機能が充実。お気に入りの求人や求人検索条件の保存が可能になっています。
また現在はコロナウィルスの拡大防止に向けて郵送やネットで求人申し込みができたり、電話による職業相談・職業紹介もできるようになっています。
次に転職エージェントを利用する場合です。転職エージェントは転職希望者のスキルや希望条件をもとに企業を紹介してくれたり、面接や応募書類の相談に乗ってくれる便利なサービスです。転職エージェントでも緊急事態宣言を受け、メールや電話による遠隔サポートを導入しています。
例えばdoda転職エージェントではキャリアカウンセリングを原則電話で行う方向に切り替えています。非常時の転職活動は孤独で不安なもの。相談できるパートナーを得る意味は大きいでしょう。
民間の求人サイトでもたくさんの求人案件を見つけることができます。中にはコロナウィルス対策のため独自の支援策を打ち出すサイトもあります。
例えば「バイトル」はコロナウィルスの影響下でも仕事がしやすい在宅ワーク・リモートワークや急に仕事が減ってしまった人でもすぐに働ける単発・短期の仕事を集めた「”今”働くお仕事特集」を掲載しています。さらに「バイトル」を通して就業した有期雇用者がコロナに感染し欠勤の必要が出た場合に「半月分の給料を支給する制度」を始めています。
意外に穴場なのが自宅近くのスーパーやドラッグストアです。地元密着型の店舗の場合、店に張り紙をして従業員を募集しているところもあります。コロナの混乱の影響でハローワークや求人サイトに申し込みができず、人手不足に困っているお店もあるかもしれません。
自宅近くのお店なら満員電車に乗って移動する必要もなく、通勤時の人込みを避けられます。お店の張り紙に注目してみたり、忙しそうな店舗には思い切って直接電話をかけてみても良いですね。
新型コロナウィルスによって外出自粛が呼びかけられ不況が広がっている中でも、売り上げが好調な企業や需要が増えている業界はちゃんと存在します。この需要増は非常に急激なものなので、人手不足に悩まされているところも多いようです。今までの仕事が失くなってしまって転職を考えている人は、コロナの影響下だからこそ募集が増えている求人案件に応募を検討してみてはどうでしょうか。
「医療」「在宅」のキーワードに注目しながら求人数の多い業界を絞っていきましょう。
外出が制限される中での転職活動は、通常とは違い在宅で進める必要があります。慣れない状況で仕事を探すのは大きなストレスがかかると思いますが、ハローワーク・求人サイト・転職エージェントまで在宅でも転職が進めやすい体制を整えてきています。新型コロナウィルスに負けず、仕事探しを頑張ってください。