何度も繰り返される緊急事態宣言で「宣言慣れ」や「コロナ慣れ」のせいで、企業も積極的な在宅ワークを解除しているのではないでしょうか。
そして引き続きテレワークの方は、やっと慣れてきたところでしょうか。テレワークの快適さも感じ始めたところで、出社をもとめられ変化についていくのも一苦労です。当然のように「テレワークを続けたい」「仕事に行きたくない」という気持ちになるのも当然でしょう。
今回は、仕事に行きたくない理由と、その理由ごとの対応策を紹介していきます。会社に行くのが億劫な気持ちは多くの人が感じています。
一緒に気持ちを切り替えていきましょう。
コロナ禍でテレワークが広まった現在、多くの人が会社に行きたくない気持ちを抱えています。エン・ジャパンが2020年5月に発表した「テレワーク」実態調査結果では、「今後もテレワークで働きたいと思いますか?」の問いに、テレワーク経験者では7割・未経験者でも6割がテレワークで働きたいと回答しました。
また会社に行きたくない理由としては、回答の多い順に以下のようになりました。
・「通勤ストレスがなくなるから」84%
・「予期せぬ災害など、非常時にも業務を行なえるから」42%
・「業務に集中できて生産性が上がるから」40%
・「人間関係のストレスがなくなるから」36%
参照:エン・ジャパン
出社したくない理由の1位は「通勤ストレス」です。なんと84%もの人が感じているという結果に驚きます。「満員電車に乗るのが辛い」「テレワーク可能なのに長時間の通勤が面倒」「通勤時間を自分の好きな時間に当てたい」「通勤のため早起きするのが大変」などストレスに思う理由も様々です。
また出勤したくない理由の2位は「予期せぬ災害など」と、現在のコロナ禍を反映するものでした。「テレワークなら感染リスクが減る」「心身の健康が保たれる」とコロナへの感染の不安からきています。
さらにテレワークに慣れてメリットを感じ始めたことで、一人で働く快適さを知ってしまったが故の理由も多く上がりました。
多くの人がテレワークに慣れ、会社に行きたくない気持ちを持っています。あなただけではないのです。知人と話してみれば、きっと共感の言葉が返ってくるでしょう。「行きたくない」と思う自分がダメだと思うと、余計にその事実が心にのしかかります。行きたくない感情は皆同じ、通常の感情なんだとまずは受け止めることが大事です。
その上で会社に行きたくない理由に合わせて、対応策を考え行きましょう。次より以下の項目を順に紹介していきます。
テレワークを辞めたくない理由の1位は通勤によるストレスです。テレワークで通勤時間がないため趣味に時間を費やせた、ゆったりする時間を持てたという人も多いでしょう。そこで通勤しながら自分の時間を確保する方法を紹介します。
まずはその苦痛な通勤時間こそを有効活用しましょう。仕事をしていると、手ではなく頭を使う業務も多く発生します。企画やイベントを考えたり、商品をどう売り出すかマーケティング戦略を練ったり、考える仕事ですね。
こういったものは通勤時間に思考を巡らせておくと、スムーズに取り掛かることができます。また今日行う作業の段取りを考えて決めておくだけでも効率的に仕事に取り組めます。
満員電車では本も新聞も読めない、資格勉強も難しい、でも頭の中で考えることはできます。通勤時間は無駄にせず活用して、パパッと仕事を終わらせ帰宅しましょう。
もう一つはスマホの使い方です。普段1日にスマホをどれぐらい利用していますか?
モバイル専門のマーケティングリサーチ機関 であるMMD研究所から「2019年版:スマートフォン利用者実態調査」が発表されています。
この調査によると1日にスマホを利用する時間は「2時間以上3時間未満」が最も多く21.8%となっています。10時間以上との回答もあり、2時間以上利用する人の合計は8割近くになります。
また良く利用するアプリでは「SNS」が28.7%と最も多く、次いで「動画」が26.3%となりました。
参照:MMD研究所
SNSや動画アプリは、気にしていないと長時間経ってしまいがちです。身に覚えもあるのではないでしょうか。これらは1日何分までとルールを決めるなどして、スマホの利用時間を見直してみなしょう。
通勤・接客などで人と接触するのが怖い、コロナの感染リスクが怖くて会社に行きたくない場合はどうしたら良いのでしょうか。不安な気持ちを少しでも抑えるために、次のことを試してみましょう。
ウイルスは目に見えないため、どこにウイルスが居るか分からず不安になります。そこで、きちんと感染予防のための行動ルールを決めることが大事です。
電車に乗るとき・会社に着いたとき・人と会話するとき・お手洗いに行ったとき、それぞれ場面で気を付けることを明確にしておきます。
自分なりにこれだけやっていれば安心できる、というルールを決めておきましょう。そうすれば、むやみやたらに怖がる必要もなくなります。
コロナの感染者が何人増えた、第2波はくるのか…ニュースで連日報道されます。心配に思う人々のインタビューも不安を煽ってきます。常にネガティブな情報にさらされていると、心はどんどん弱ってしまいます。
しかしニュースを見ても見なくても、状況は変わりません。それなら不安が増すばかりの情報を、耳に入れる必要はないと思います。それよりも美味しいものを食べたり、自分の好きな事をして過ごしてみてください。
不安な気持ちは、不安だと思うほど増幅していくものです。自分の納得できる感染対策ルールを決める、ネガティブな情報はシャットアウトするなど、不安感から距離を置きましょう。
それでもとにかく行きたくない、という気持ちを切り替えるためには、出社することで何かメリットがある楽しいことがある、と思う気持ちが大事です。「会社に行きたくない」その気持ちは認めた上で、出社するメリット・楽しみを見つけてみましょう。
1つ目は、出社にメリットを見つける方法です。
出社での仕事にもリモートワークにも、それぞれメリット・デメリットが当然あります。今は出社のデメリットばかりに目がいっていませんか?
出社して仕事をすると、意思疎通がスムーズに行えたり、気軽に雑談したりコミュニケーションが豊かになるメリットもあります。またリモートワークでは、運動不足から不健康になりやすいなどのデメリットもあります。
2つ目は、会社へ行く目的を仕事からそれ以外の好きな事に変えてしまう方法です。どんな事でも構いません。例えば次のような楽しみ方も考えられます。
コロナの影響でなるべく外に出ない・人に会わないことが推奨されてきたため、外に出る・人に会う楽しみ方を今はすっかり忘れています。もう一度外を気軽に出歩いていた時の事を思い出して、メリット・楽しみに目を向けてみましょう。
よく言われる話に、やる気は行動することでしか出ない、という話があります。人は3分間行動するとスイッチが脳のスイッチが入るそうです。「やる気が出てからやる」というのは間違いで、「やっているうちにやる気が出てくる」が正解なのですね。
会社に行きたくない状態もこれと同じ原理で考えてみましょう。思い出してみるとコロナ前に日々出社していた時でも、一番出社したくないのは月曜日でした。
長期休み後もなかなか気持ちが切り替わらなかったことを思い出します。一方で週半ばの水曜日・木曜日などは、すんなり出社できたものです。
今は長期間出社していない状態のため、出社したい気持ちが湧かないのも当然です。ひとまず仕事外の楽しみで誤魔化しつつ出社することで、徐々に会社へ行くことへ慣れていきましょう。
「会社に行きたくない」気持ちは、当たり前に思う感情です。コロナウイルスが広まる前でも、もちろんありました。どのように出社へ気持ちを持って行っていたのか思い出してみましょう。
大事なのは、会社に行きたくない理由を把握することです。理由が見極めて、どのように気持ちに折合いをつけるか対応を考えましょう。