コロナウィルスの影響で仕事先が休業し、今後どうなるか不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。コロナによる経済への打撃は非常に大きく、飲食サービス業・宿泊業を筆頭に、様々な業界で減収・倒産が相次いでいます。
仕事が減ったりなくなったりしている人は、現在の職を変えて転職活動することも視野に入れなくてはなりません。
しかし、コロナ不況を受け、求人倍率は全体的に下落しています。むやみに転職活動するのは得策とは言えません。
ますは外出自粛・出社制限が行われている今の状況で、仕事するならどの職種・職業が良いのかをしっかり考えることが大事です。
この記事では、コロナ不況の中でも積極的に求人を行っている職種やリモートワークに強い職業についてご紹介していきます。また外出自粛が要請される中、自宅でできるアルバイトや副業についても考えていきます。
コロナの影響により、「外出自粛」が叫ばれるようになりました。これにより旅行関係、飲食店関係、テーマパーク関係など、人が外出することで利益が出る仕事はほとんど停止状態になってしまいました。
更に感染が広まると、全国的な緊急事態宣言が出されることになります。宣言により仕事先が休業し、入るはずだったシフトがなくなってしまった、給料が激減してしまった人もいるでしょう。
しかし、外出が制限されている中でも人が押し寄せている場所があります。それがスーパーです。
リモートワークや学校休業の影響で家で食事を作る機会が増えたこと、緊急事態を前に日用品や食料品の買いだめの動きが起こったこと、外出しづらい雰囲気の中スーパーしか堂々と出掛けられる場所がなくなったこと。様々な要因が重なり合ってスーパーは大混雑になりました。この結果スーパーの売り上げは大きく伸びます。食品スーパー業界3団体が発表した3月の売上は前年の同じ月に比べ7.4%の増加となりました。
(参考URL:https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL21HOH_R20C20A4000000/)
売上増加の一方、来客数が増加したことに加え、コロナ対策のための消毒など新しい業務が加わって、スーパーでは人手不足感が高まっています。
このような状況により、新しい従業員の募集に意欲的な店舗が増えています。
例えば大手スーパーの西友は人手不足に対応すべく、正社員やアルバイトを3000人雇用すると発表しました。この雇用方針には、コロナの影響で仕事がなくなったり採用を取り消されてしまった人たちを積極的に採用し、救済したいという背景もあるようです。
(参考URL:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200424/k10012404341000.html)
宿泊業や飲食業に携わっていた人にとっては、同じようにお客様に接するスーパーの仕事はイメージしやすいのではないでしょうか。転職先として一考してみることをお勧めします。
休校措置で家にいる時間が増えた子供、在宅で仕事をするビジネスマンの影響で、家庭での食事の準備がとても大変になっています。そんなときに便利なのがフードデリバリーです。自宅にいながら外食気分を味わえるフードデリバリーの利用者は格段に増え、業者の中には電話が鳴りやまないところもでています。
このような状況下で、宅配ピザ大手ドミノ・ピザは2020年4月から6月を採用強化期間と定め、正社員200名、クルー5,000名の合計5200名採用を目標に掲げました。このようにフードデリバリー業界では積極的な採用活動を行う所が出始めています。
(参考URL:https://www.dominos.jp/corporate/recruit)
コロナの影響下におけるフードデリバリー業で働く魅力はいくつもあります。
例えば、外に出て配達を行うという仕事は、外出自粛でなまっている体を動かすという意味で健康面に良い影響があります。また、フードデリバリー業は接客業の一種です。仕事がなくなった他のサービス業経験者が今までの経歴を生かして働きやすいというメリットがあります。
さらにフードデリバリーの仕事は夕方や深夜、土日など幅広い曜日・時間帯で働くことができます。クビになったわけではないけれど、仕事が減って自宅待機状態…そんな人がスキマ時間をお金に変えるにももってこいです。
宅配の仕事で働きたい気持ちはあるが、バイクの免許がない、と心配している人でも大丈夫。実はフードデリバリーの仕事にはバイクの免許が必ず必要というわけではありません。内勤で調理の仕事をする場合もありますし、中には自転車での勤務が可能な職場もあります。自分が挑戦できる求人を探してみましょう。
コロナウィルスの拡大防止を目的に、各職場でリモートワークが導入されるようになりました。
しかしリモートワークを取り入れようとしても、もともと遠隔での業務に向いていない職種もあります。またリモートワークの環境が全く整っていない職場では、多くの苦労を強いられることになりました。通常の業務をリモート形式にうまく移行できず、仕事の量がぐっと減ってしまったという人も多いのではないでしょうか。
しかし、もともとリモートワークと相性が良い仕事というのが存在します。それがエンジニアやプログラマーなどのIT系の職種です。
コロナウィルスが世界中に広がる前から、在宅で勤務を行うという雇用形態はエンジニアやプログラマーの業界では数多く存在しました。またフリーランスで仕事をするIT技術者の中には、自宅にいながら世界中のクライアントから仕事を受注する人もいます。パソコン1つで同僚やクライアントと繋がれるIT関連の仕事はリモートワークに比較的移行しやすいのです。
良い例が1つあります。
SNSの代表格であるTwitterは、現在コロナの影響で在宅勤務を命じている職員に対し、パンデミックの終了後も「無期限で在宅勤務をしても良い」方針を表明しました。
TwitterのCEOがもともと分散型業務の導入を希望していたという背景もあり、今回の騒動がリモートワーク完全実施のきっかけになったということです。今後もこの試みを継続するかどうかは今年の後半にまた再検討されるようですが、Twitterの例は多くのIT企業のモデルケースになるでしょう。
(参考URL:https://www.bbc.com/japanese/52643971)
今回のコロナ騒動によってリモートワークの利点に気づき、遠隔での仕事にうまく適応した会社ならば、今後コロナの第2、第3波がやってきても、仕事が極端に減ってしまうことはないはずです。
コロナによる自粛要請が今後何度繰り返されるか、まだ誰にも予想できません。将来の転職先を決めるポイントとして、リモートワークをうまく活用できている会社かどうか、というのも重要な要素ではないでしょうか。
コロナウィルスと医療関係の仕事は密接に関連しています。もともと好調だった製薬会社、ヘルスケアの採用活動ですが、ここにきてより積極的な人員確保に乗り出しています。今後、コロナウィルスに対抗するための薬剤開発競争にはますます拍車がかかるでしょう。もし、医療・薬学関係の知識や経歴をお持ちなら、転職でキャリアアップを目指すのに良い時期といえます。
ただし、医学部や薬学部など専門教育を受けていない人にとって、いきなり製薬会社への転職はなかなか難しいかもしれません。
そこで、もっと身近な転職先としてドラッグストアはいかがでしょうか。
ドラッグストアはコロナの影響でマスクや消毒品を求める人がたくさん押し掛けています。北陸のドラッグストアでは、アルバイトの募集を増やしたり、短期ではありますが仕事が減ってしまった宿泊業・飲食店従業員を積極雇用する動きが出ています。
(参考URL:https://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20200509301.htm)クレーム対応も増えており大変な環境ではありますが、特に資格や実務経験を必要としない求人募集も多くみられるので、だれでも応募しやすい職業と言えるでしょう。
そして、ドラッグストアへ転職を考えるならぜひ登録販売者の資格取得を目指したいところです。資格試験は学歴・実務経験・年齢を問わず受験可能です。登録販売者の資格保有者には、資格手当や時給加算を行っている職場もあります。一定期間の実務経験を積めば店舗管理者にもなれるため、将来のキャリアアップに繋がりやすい資格といえるでしょう。
今後コロナの影響で再び自粛期間が訪れても、ドラッグストアが閑散とすることはあまり考えられません。ドラッグストアで働きながら、登録販売者をめざしてみるというのはどうでしょうか。
コロナの影響で緊急事態宣言が出ても、日常で必要な仕事は簡単に休みにはなりません。福祉関係の仕事もその1つ。デイサービス、介護施設、保育園、子ども園などは、休業することで家族に大きな負担が生じる施設です。コロナが広がる中でも、感染症対策を行い、(施設内で感染者が発生した場合を除けば)運営を続けているところが多く見られました。
ただ施設利用者との距離が近い福祉の仕事は、感染リスクが高いとも言えます。自分や家族にコロナが感染することを不安視した退職者もでています。さらに全国一斉休校の影響を受け、子どもを見るため仕事を休まなければいけないお母さん職員も増えました。女性の多い福祉の現場では、これは大きな痛手です。
福祉の現場ではもともと人手不足が深刻な問題になっています。コロナの影響でその問題がさらに拡大しないか懸念されるところです。
しかし、仕事を探している人にとっては人手不足の福祉職はねらい目と言えます。生活に必要な仕事であるため、今回のような事態になっても簡単に仕事がなくなることはありません。感染症対策を徹底しなければならないという大変な一面はありますが、人の助けになるやりがいがある仕事です。
福祉の現場には無資格者でも応募可能な求人もいろいろあります。例えば保育園には「保育補助」と呼ばれる仕事があります。
これは保育士のお手伝いをする仕事で、資格を持っていない人でも就くことができます。また、介護求人の中には無資格者でも社会保険や賞与付きの正社員待遇で採用されるところがあります。
資格取得支援のための手当を出している職場もあるので、採用後正式に介護士の資格を目指してみてもよいですね。
完全在宅の正社員の仕事を探すのは難しいかもしれませんが、アルバイトや副業レベルならば、自宅でできる仕事はいろいろあります。ここではその一部をご紹介します。
スキマ時間にアンケート調査に答えるだけでお金が貯まるという副業があります。ネット上には様々なアンケートサイトがあります。そこに登録して簡単なアンケートに答えるだけです(ポイントサイトの中にあるアンケートコーナーでポイントを稼ぐという方法もあります)。
誰でも行える簡単な作業なので報酬はとても安いですが、毎日続けて作業することで、いつの間にかある程度まとまった金額が貯まっていきます。仕事というより暇つぶし程度の気軽な気持ちで取り組むのがお勧めです。
テンプレートに顧客が用意したデータを打ち込んでいく仕事です。効率の良い作業のためには正確で素早いタイピング技術が求められますが、逆に言えばタイピング以外の特別な技能や資格はほとんど必要ありません。
普段からパソコンを使っている人なら取り組みやすい仕事といえるでしょう。数百件のデータを地道に入力していくため根気のいる作業ですが、1件にかかる時間は比較的短く、スキマ時間に取り組みやすい副業です。データのやり取りはインターネット上で可能なことがほとんどなので、自宅から出ずに行うことができます。
エクセルで資料を作ったり、データをPDF化したり、会社の事務作業を請け負う事務作業補助の仕事も自宅で受注できます。会社で事務員をしている人、Microsoft Officeの扱いに長けた人にはぴったりです。
経理スキルなど特別な技能や資格を持っている場合は、伝票の仕訳データの入力などの専門的な仕事を受注することもできるでしょう。
ネットショップ補助の仕事も在宅で行うことができます。商品のデータをショップのシステムに登録する事務作業、顧客からの問い合わせにメールで答えるカスタマーサポートの仕事等があります。
カスタマーサポート系の業務は時間単価でお給料がもらえる場合が多く、出来高で給料が決まるデータ入力等に比べアルバイトに近い形で収入を得ることができます。一方である程度決まった時間拘束されるので、時間にある程度余裕がある人にお勧めです。
テレフォンオペレーターのアルバイトの中には在宅で勤務が可能なものがあります。自宅から会社に通勤する必要がないので、オペレーター同士の濃厚接触を回避できます。
在宅でオペレータをする場合はまわりに助けてくれる人がいませんので、オンライン研修や対応マニュアルを用意しているチャレンジしやすい会社をみつけましょう。(オンラインオペレーターの場合は、安定した通信環境など一定の条件が必要です)。
WEB上の様々な記事を書く仕事です。特に知識を問われない日常系のブログを作成する仕事もあれば、専門的な知識を生かした記事を書く仕事もあります。マンガやアウトドアなど趣味を生かして作成できる記事ならば、比較的取り組みやすいでしょう。
通常の求人サイトで募集がかかることもあるほか、クラウドワーキングサイトを経由した依頼、大手WEBサイトが独自に書き手を探している場合もあります。
外に出てのアルバイトは探しにくい状況ですが、自宅でできる仕事を上手に利用して、家計の不足を補っていきましょう。
コロナ禍でも仕事が見つけやすい職種・職業について紹介してきました。
ここで注意したいのがこの緊急事態において「闇バイト」と呼ばれる危険なバイトの募集も拡大しているということです。
「闇バイト」は詐欺などの仕事の手伝いをさせるという危険なものです。
例えばお年寄りからお金をだまし取る際にお金を受け取る「受け子」、もしくは振り込まれたお金の出金手続きをする「出し子」などがあります。被害者と直接コンタクトを取ることで逮捕リスクは高いわりに、受け取る報酬は非常に低く、社会的な信用も失う…わりにあわないアルバイトです。
現在SNS上では、コロナで仕事を失い困窮している人をターゲットにした「闇バイト」の求人が盛んに行われています。SNS上で「仕事が欲しい」で検索すると、「すぐに稼げる」「○○万稼げる」などの記事がヒットするかもしれません。「仕事欲しい」とつぶやくだけで、求人のダイレクトメールが届くかもしれません。
しかし、ハローワークや人材紹介会社を経由しない求人は非常に危険です。特に簡単に大金が稼げるような内容が記載されている場合は、絶対に信用しないでください。
また、給料の詳細、補償の有無がよくわからない求人にも安易に応募しないようにしましょう。手元のお金が少なくなっている状態では、どんな求人にも応募したくなるかもしれませんが、犯罪に手を染めては経済不況を脱した後の将来に影響してしまいます。
在宅ワークのアルバイトを募集しているふりをして、事前に高い講習料や仕事道具を買わせるという手口もあり、「内職詐欺」として有名です。
簡単に高額の収入!というのは大抵危ない仕事です。うまい話に冷静さを失わないようにしましょう。
仕事が減ってしまった、仕事がなくなってしまったときは、コロナ不況の中でも求人募集をしている職種に応募してみましょう。苦しい時はどんな職業でも応募したくなりますが、転職の際にはできるだけ職場の将来性を考えてみることが大事です。
2020年5月が後半に突入し、日本ではコロナの拡大は少し収まってきています。
しかし、緊急事態宣言が終了し、人の流れが戻ることでまた感染者が増えるかもしれません。コロナの感染拡大の波がまたいつ襲ってくるか分からないのです。このような状況では、在宅勤務がしやすい職種やコロナによって逆に需要が高まる仕事、コロナの影響を受けても仕事がなくなりにくい職場を探していくことが大切になります。