長引くコロナの影響に、このタイミングで仕事を辞めて転職して大丈夫なのか、と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
仕事を辞めたい理由は、「休業で収入が減った」「接客での感染リスクが心配」「忙しすぎて辛い」「会社のコロナへの対応に不満」など様々でしょう。そこで「仕事を辞めたい理由ごとの対応」「辞める以外の選択肢」「辞めるタイミング」を順に紹介します。
また仕事を辞める前には転職市場を調査し、転職後の社会をイメージすることが大事になります。コロナと付き合っていく社会・コロナが終息する社会、どちらの未来が来たとしても通用する選択がベストです。
まずコロナの影響で収入が減り、仕事を辞めようか検討している場合です。
職場が休業している・人数を減らして営業している、など収入減により辞めるか悩んでいる場合は、今の状況が一時的なのかどうかが重要です。
コロナへの対応が遅れてしまい一時的に仕事が減っている状態であれば、しばらくは苦しい状況でも無理せずに様子を見ることも大事です。
しかしコロナが落ち着いたとしても、徐々に新しい生活様式が定着しつつあります。今の業界は新しいライフスタイルで需要のある業界なのでしょうか。もし今後は先細りの業界であるなら、仕事を辞めていっそ別業界へ転職することも検討に入るでしょう。
また同じ業界内であっても、明暗が分かれる例もあります。
飲食店を考えてみると、サービスの提供形態・顧客の層などによって違いが出ました。接待や冠婚葬祭向けのような特化型の店舗は、コロナ禍の状態では客足がほぼ途絶えてしまいました。一方テイクアウトも積極的に行い、日々の食事で食べるようなファストフード店は需要が高まりました。
本当に今の職場は未来がないのか、形態を変えればやっていけるのか、辞める前によく見極めることも大事です。
つづいて、コロナの影響で健康・精神的に参っていて、仕事をやめようか検討している場合です。
最初に言えるのは、どうしようもなく参っている場合は辞めましょう。仕事を辞めるのは、なんとなく罪悪感があるものです。しかし、いったん辞めることで身体的にも精神的にもずいぶん楽になります。
正直、最低限の生活をしていくだけなら人間何とかなります。アルバイトでも在宅ワークでも選ばなければ仕事はあります。思い切って辞めても良いのではないでしょうか。
また鬱も含め病気・ケガなどで働けない場合には、「休業」して仕事を離れるという方法もあります。辞める前には、次のような選択肢も検討しましょう。
ここで一度落ち着いて、「仕事を辞める」以外の選択肢も頭に入れておきましょう。
「まだ辞める決心がつかない」という人もいると思います。「仕事内容自体はキライじゃない」「コロナの状況でなければ辞めたくない」という人もいるでしょう。そんな場合は、次のような方法もあります。
もしコロナの影響で健康・心の状態が良くないなら、一度「休職」も検討しましょう。今辞めたいと思うのは心と身体が弱っているせいかもしれません。
休職とは、自分自身や会社の都合で会社を休むことです。一般的に「病気・ケガ」で働けない場合に休職制度が使われます。ほかにも「留学」「ボランティア」など自己都合の休職を認めている場合もあります。どのような場合に休職できるかは企業により様々です。勤める企業の就業規則を確認してください。
病気、ケガで休職すると、健康保険より「傷病手当金」が受け取れます。条件はいくつかありますが、働ける状態ではないと医師の診断を受け、企業が認めると給与の6~7割程度の金額が支給されます。
詳しくは全国健康保険協会のHPも参照してください。
(参考:傷病手当金 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139/)
休職期間を、現在の状況や自身の気持ちを整理する時間に当てましょう。
辞める以外の選択肢として、もう一つ「副業」を紹介します。勤務先が休業で収入が足りない、でも現在の仕事は気に入っている、という場合には副業としてアルバイトやパートを行うのも手です。
仕事を辞めた後、また同じような職に就けるとは限りません。せっかく気に入っている仕事を手放すのはもったいない限りです。
副業が認められているかは、企業により様々です。現在はコロナウイルスの影響で、臨時に副業を認めている企業もあります。規則にないからと諦めず、会社に掛け合ってみましょう。
さて、それでもやはり辞めたいとなった時に、辞めるタイミング悩みませんか?
「コロナで皆辛い中、自分だけやめていいのか…」と不安に思いますよね。ではいつなら辞めてよいのでしょうか。
答えは「今」です。コロナが少し落ち着いたら…と思っているうちにも、不景気になって会社が大変だから、繁忙期で忙しいから、と時期を見送ることになるでしょう。コロナが落ち着く保証も、コロナ後に別の問題が起きない保証もありません。すべてのタイミングを気にしていたら、キリがありません。ずるずると理由を見つけて辞められなくなっていきます。
会社は個人1人が抜けたくらいで、大きな痛手となるほど弱い組織ではありません。辞めるタイミングは辞めようと思った時です。周りの状況で決めるのではなく、自分都合で決めましょう。
仕事を辞めようと気持ちが固まったら、行動は早い方が断然良いです。なぜなら、転職市場はこれから徐々に厳しくなっていくからです。
今回のコロナウイルスの影響で、働くことについて考え直している人は大勢います。
・いま勤める企業はアフターコロナの新しい生活様式でも必要だろうか
・今回のような緊急事態・災害などにも影響を受けづらい業界で働きたい
・コロナ問題で会社の対応に不信感を感じた
この人達の場合は、いま現在というよりも「コロナが落ち着いたら」転職するパターンが増えるでしょう。
また総務省の調査では、2月~4月にかけ失業率が増加しています。失業者数で見ると前年同月に比べて13万人も増加し、3か月連続の増加です。しばらくこの傾向は続くのではないでしょうか。
(参考:総務省HP 労働力調査(基本集計)2020年4月分結果 https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html)
時間がたつほど転職市場は厳しくなっていくでしょう。転職者が増える前に、早めに行動するのが吉です。
実際に仕事を辞める時には、感情ではなく理性で考えて行動することが大切です。感情で行動すると「とりあえず辞めたが、就こうと思っていた仕事の求人がない」といった事態にもなりかねません。
まずは辞めた後のことをしっかりと考えて、市場調査をしましょう。
おすすめは、転職サイトや転職エージェントへの登録です。転職サイトに登録すると、
・どのような業界に求人が多くあるのか
・市場で必要とされているスキルは何か
・業界の給与の水準
などを知ることができます。
またサイトによっては自己分析ツールなども揃っているため、自身の振り返りや向いている仕事を探す手がかりにすることも可能です。
ぜひ転職サイトを活用して、転職の方向性を固めてから行動をしましょう。
コロナ禍によってライフスタイルは、今大きく変わっています。それに付随してアフターコロナ・ウィズコロナ・新しい生活様式など新しい言葉も出てきました。すでに人と距離を取る生活が定着しつつあり、テレワークの導入なども急加速し仕事のスタイルも変化してきています。たった1つのウイルスが、これほど影響を与えることに驚くばかりです。
アフター・ウィズコロナの世界はどうなるでしょうか。転職を考えるなら、これからの世界で需要が高まる分野や不測の事態にも影響を受けづらい業界を意識しましょう。
コロナだから、周囲に迷惑だから、といって仕事を辞めたい気持ちを我慢する必要はありません。ただし、辞める以外に休職・副業などの選択肢もあることも覚えておきましょう。
これから転職市場も厳しくなると予想される中、行動は早い方が良いです。仕事を辞める前にまずは市場調査をしっかりと行い、アフターコロナの生活でも必要とされる仕事に就きましょう。