新型コロナウイルスの猛威は今や世界中に広がっています。治療薬やワクチン開発の見通しも立っておらず、終息には数年かかるというシナリオも想定されるでしょう。
さらに、緊急事態宣言が解除されてもコロナ後に影響がある業界は存在します。コロナ終息後の世界は変化していることが予想されるからです。具体的には、【人と社会のネットワーク化】や【スローライフ生活への回帰】等が考えられるでしょう。
社会人として働いている方の中には、経済的に打撃を受けている人がいるかもしれません。そこで今回の記事では、特に影響を受けている業界や失業者が多い業界、倒産する業界、コロナ後の変化など、コロナでやばい業界をランキングにしてご紹介します。
自動車業界は、世界各地の工場で操業停止が相次いでおり、生産調整を行っています。また、外出自粛により自動車利用の機会も少なくなり、需要自体も減少していると言えるでしょう。来年度以降に関しても設備投資が控えめとなり、影響は長期化する恐れがあります。
コロナ後は人との接触を懸念して、個人的な移動が増えることが予想されます。誰でも簡単に移動できるように、自動運転や無人運転など新たな技術の普及が必要でしょう。
特に電気自動車(EV)は小型化や自動化と相性が良く、次世代の標準規格になる可能性を秘めています。時代に合わせてビジネスモデルを切り替える決断が、勝敗のカギを握りそうです。
営業職であれば、コンサルティング業界への転職が考えられます。自動車業界の生産技術や品質管理レベルは高く、そのノウハウを活かせるでしょう。
また技術職であれば、IT業界への転職もおすすめです。特に機械系エンジニアの仕事は、機械設備の提案、計画、設計、製作、設置、運用を行うため、前職の経験を十分に活かせるはずです。
2020年4月、原油先物市場で原油価格が史上初のマイナス値を記録したニュースは、みなさんの記憶にも新しいでしょう。主な要因は、新型コロナウイルスによる外出自粛ですが、それ以外にも懸念点があります。
コロナ後には社会のIT化が進み、エネルギーの需要自体が減少するという予測があります。さらに、再生可能エネルギーのコストも低下しており、原油は重要資源でなくなるかもしれません。
エネルギー資源が、石油から太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーへシフトしていくことを念頭に置くべきでしょう。
さらにエネルギーの需要自体も減少が予想されるため、需要に合わせて供給のバランスを取り、採算を確保していく工夫が必要です。
従来、エネルギー業界は規制に縛られており、時代遅れを指摘する声もありました。最近では電力自由化など規制緩和により、徐々に変化の動きが見られます。
同じエネルギー業界でも再生可能エネルギー業界へ転職することで、自身の経験を活かせるでしょう。再生可能エネルギー業界は新規参入が増え、転職者の採用を積極的に行っています。
また、さらなるキャリアアップを目指して、営業やコンサルティング業への転職もおすすめです。自分の提案やアイデアがお客様に喜んでもらえれば、仕事に対して大きなやりがいを感じられるでしょう。
東京オリンピック開催による高揚感もあり、順調に推移していた不動産開発業界ですが、新型コロナウイルスにより一気に閉塞感が広まりました。オリンピック特需を見据えて開業を控えていた商業施設も、開業延期を余儀なくされています。
今後オリンピックが中止されるような事態になれば、不動産開発業界にさらなる悪影響をもたらすでしょう。
コロナ後は人との接触を懸念する傾向が予想されます。リモートワークなど新たな働き方が広がり、オフィス向けの不動産開発市場は縮小するかもしれません。
これからは企業だけでなく個人にも寄り添い、堅実に商売をしていくことが求められるでしょう。
不動産開発業界の人材は、顧客と信頼を築く営業力に長けています。人材業界や広告業界など、担当者自身の営業力がモノをいう業界への転職がおすすめです。
また、セールスエンジニアやカスタマーサポートなどコミュニケーション力が重要な職業も向いているでしょう。
電機製品業界では、新型コロナウイルスの影響を受け、一部工場の稼働停止が相次いでいます。家庭用エアコンや空気清浄機など一部製品は需要増が期待できますが、海外からの部品調達や輸入に滞りが生じており、商品の安定供給が難しい状況です。
今までは人件費の安い国外に生産拠点を移し、大量生産した製品を日本などの先進国へ輸出していました。しかし、人件費の高騰や開発途上国の発展もあり、これからは地産地消のビジネスモデルが注目を集めそうです。
日本向けの製品は日本の工場で生産するような、生産拠点を国内に戻す動きも広がるでしょう。これからは、より現地の需要に合う製品作りへの取り組みが課題となります。
新型コロナウイルスによって逆に需要が加速している業界としては、医療機器メーカーが挙げられます。電気製品業界と医療機器業界は同じ機械を扱うため相性が良く、前職の経験を存分に活かせるでしょう。
また、ハードウェアとソフトウェアの違いはありますが、同じ物作りであるWEB業界への転職もおすすめです。WEB制作の歴史は浅く、努力や勉強により最先端に追いつける可能性は十分に考えられます。
新型コロナウイルスによる景気の悪化に伴い、新規の建設が減少しています。事態が長期化すれば、資材の不足も予想されており、建設が滞る事態も考えられるでしょう。
仕事現場は人との接触が多く、マスクの着用厳守や三密(密閉・密集・密接)発生の回避など、新たなルール作りが求められています。
人との接触を控えるために、ITを活用して働き方を変化していくべきです。例えば、工事現場の写真や作業進捗をクラウド上で共有することで、管理者が現場に赴く機会を減らせるでしょう。
また、現場で働く職人の健康状態を定期的にチェックして、情報を管理することも大切です。
新型コロナウイルスによる不安がある場合は、安定して収入を得られる公務員への転職をおすすめします。建設業の経験があれば、土木課などでは即戦力として仕事ができるでしょう。
また、外出自粛によってインターネットショッピングによる買い物が増えていることから、宅配ドライバーもおすすめです。もともと運送業は人手不足だったこともあり、求人も多く見られます。
新型コロナウイルス拡大による緊急事態宣言が出されてから、外出や多人数での会合は控えられるようになりました。緊急事態宣言解除後も、当面ソーシャルディスタンスを意識した新たな外食のスタイル作りが求められるでしょう。
例えば、客同士の間隔を広げたり、アクリル板をテーブルに設置したりする対策が必要です。ただし、レストランの収容人数が減少することから、売上も減少することが予想されます。
コロナ禍でも売上を伸ばしている業種に、食事のデリバリーサービスが挙げられます。デリバリーやテイクアウトを始める飲食店に、費用の助成を行う自治体もあり、販売形態の変化は一つの手段として考えられるでしょう。
ただし、デリバリーサービスを消費者に知ってもらうためには工夫が必要です。オンラインフードデリバリーサービスへの登録や、SNSの活用が明暗を分けるかもしれません。
外出自粛により家庭内で食べられる食事の需要が増えていることから、食品・飲料業界への転職がおすすめです。顧客の「おいしい食事を食べたい」という要望を掴むために、外食業界の経験が役立つでしょう。
また、お客様相手のコミュニケーション力を活かして、営業職への転職も考えられます。営業職は未経験可とする求人も多く、転職のチャンスは十分にあります。
新型コロナウイルスの世界的な流行により、2020年3月の訪日外国人は前年同月比で-93.0%と大幅に減少しました。また外出自粛制限により、国内旅行の需要も減少しており、観光・宿泊業界は大きな打撃を受けています。
今後、国内の非常事態宣言が解除されたとしても、国をまたぐ渡航制限はしばらく続くでしょう。外国人が日本を訪れるインバウンドや、日本人が海外旅行するアウトバウンドの需要減少により、当分の間減益が予想されます。
「ステイホーム」の指針により家に閉じこもる状況が続いていることから、消費者は体験への欲求を強めています。有名人と会えるオンラインイベントや、プロのシェフによるオンライン料理教室など、インターネットを使った体験の提供も始まっているようです。
また、外出自粛制限解除後には、徐々に観光業も解禁されていくでしょう。少人数のプライベートツアー開催など、衛生面や安全性に配慮したオペレーションの見直しが求められます。
お客様とのコミュニケーション力を活かした営業職への転職がおすすめです。観光業で培った、本質的なニーズを引き出し、短期間で信頼を築くスキルは営業でも重宝されるでしょう。
また、旅行会社で企画や仕入れの経験を積み、Eコマース業界へ転職する道も考えられます。自宅での消費活性化に伴い、ECサイトは事業を拡大しており、未経験歓迎の求人も増えています。
2020年5月に、アパレル大手の「レナウン」が経営破綻しました。新型コロナウイルス感染防止のため、消費者は人が集まるデパートやブランドショップへの訪店を控えています。
さらに、結婚式の開催延期などイベントの自粛で、スーツやドレスを着衣する機会も減っているでしょう。アパレル・装飾品業界にとっては、売上が減少し厳しい状況が続いていると言えそうです。
アパレル・装飾品業界にとって、インターネットショッピングによる販売は大きなカギを握ります。店舗中心の経営からEコマースへとビジネスモデルを変化すべきと言えるでしょう。
ただし、コロナ禍では部屋着など単価の低い商品の需要が多く、Eコマースへの移行だけでは店舗売上の落ち込みを補えません。SNSや動画配信を使ったファンの獲得が必要不可欠です。
アパレル業界で身に付けた接客力を活かした、営業職への転職がおすすめです。営業職は売上への努力が報酬として返ってくるため、モチベーションを保ちやすい仕事と言えるでしょう。
また、市場調査や情報収集の能力が役立つ企画職も考えられます。企画職は様々な部署と連携するため、コミュニケーション力も活かせるでしょう。
東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンが臨時休業を決定したことは、ニュースでも大きく報じられました。レジャー業界はテーマパークや映画館の休場が相次いでおり、厳しい状況に追い込まれています。
また、緊急事態宣言解除後も、ミュージカルやライブイベントは自粛される傾向が続くでしょう。
2020年1月から休園していた上海ディズニーランドは、5月に営業を再開しました。マスクの着用義務や、人と人の間隔の確保など新たなルールが策定されています。
新型コロナウイルスが完全に収束するまでは、以前のように密集する場所で声を発するような状況は容認されないでしょう。ソーシャルディスタンスを確保したライブイベントや、インターネットを通じた観覧体験など新たなビジネスモデルの構築が求められそうです。
レジャー業界経験者の強みとしては、心のこもったおもてなしを提供するホスピタリティや、不測の事態や問題に対応する力が挙げられるでしょう。
これらの経験を活かし、接客を行うスーパー・コンビニ業や、お客様からの問い合わせに対応するカスタマーサポートへの転職をおすすめします。
野球やサッカーなどプロスポーツの開幕延期や、フィットネスジムの営業停止など、スポーツ・フィットネス業界は大きな打撃を受けています。
外出自粛からスポーツ用品の需要は減少し、ショップの売り上げも減益傾向です。
コロナ禍で外に出歩く機会が減少し、人々は運動不足を感じています。そこで注目を集めているビジネスモデルがオンラインフィットネスです。
スマホのアプリを通じてライブ映像を提供し、参加者と一緒に運動を行います。
また、自宅での運動需要から筋トレグッズの売り上げも好調です。運動したいという消費者の欲求は変わらないため、その需要をいかに汲み取れるかが経営のカギとなるでしょう。
人に情報を伝えたり説明したりするスキルを活かして、販売職への転職をおすすめします。ジムインストラクターは、笑顔や人当たりの良い人が多く、接客に向いているでしょう。
また、コミュニケーション力や体力を活かせる福祉業への転職も考えられます。少子高齢化が進む中、今後需要が高まる業界と言えそうです。
新型コロナウイルスの拡大に伴い、解雇やリストラなど多くの人が不安や失望を感じています。社会変化に伴い、自分の生活や働き方も変えていけるかが重要になるでしょう。
もしも仕事を失ったことにより時間ができたのなら、自分を見つめなおす良い機会かもしれません。副業の立ち上げや資格の取得など、スキルの向上に時間を使ってみてはいかがでしょうか。
努力によって培ったスキルは、転職活動においても大きな武器となります。コロナ後の社会に備えて、希望を持つ考え方を心がけていきましょう。