最近ではAI(人工知能)やビッグデータを活用するため、データベースの重要性が増しています。そこで活躍が期待されている職種がデータベースエンジニアです。
今回の記事では、データベースの解説から、データベースエンジニアの仕事内容、将来性、必要な資格まで、未経験の方にも分かりやすいように解説していきます。
データベースとは、情報をデータとして保存し使いやすいように整理したものを指します。例えば、顧客の名前や住所等の情報を、必要な際すぐに取り出せると便利ですよね。データベースは今や企業にとって必要不可欠なシステムと言えるでしょう。
データベースは大きく分けて以下の2種類に分別できます。
オンプレミス型データベースとは、社内に構築された専用サーバーにデータベースを構築したものを指します。データベース端末はLANで接続されており、社内のパソコンからアクセスできます。従来、社内データベースと言えばこのオンプレミス型が一般的でした。
社内からしかアクセスできない分、セキュリティを守りやすい利点があります。しかし、基本的にインターネットからのアクセスができないため、会社の外にいる社員は使えません。また、初期投資に必要な費用が高く、容量の増加に対応しにくい点もデメリットと言えるでしょう。
クラウド型データベースとは、サーバーをクラウド環境に構築し、インターネットを通じてアクセスできるものを指します。社外からでもアクセスできるため、いつでもどこでもデータを取り出せる点が魅力です。最近では、クラウド型データベースを取り入れる企業が増えています。
導入が簡単で、初期投資が必要ない点がクラウド型のメリットです。ただし、社外からアクセスできるためセキュリティ面での不安があります。データの重要度に応じてオンプレミス型とクラウド型を使い分ける等、使い方を工夫することでより適切にデータベースを運用できるでしょう。
データベースエンジニアはデータベースを扱う職種です。しかしその業務は幅広く、それぞれのエンジニアによって仕事内容が異なります。そこで、この章ではデータベースエンジニアの仕事内容を大きく4つに分類して解説していきます。
データベースは、単にデータを保存するストレージを用意すればよいわけではありません。データを見る際、検索方法が分かりやすく、すぐに取り出せる状態にしておく必要があります。そこで重要となるポイントがデータベースの設計です。
データベースのテーブルや項目等を適切に設定することで、データを取り出しやすくなります。データベースの良し悪しは設計によって大きく変わるため、データベースエンジニアにとって腕の見せ所と言えるでしょう。
データベースのインフラ構築は、物理的な基盤の作成から社内LANの構築まで、実際にデータベースを使えるようにする作業を指します。データベースの設計がソフトウェアよりの作業であるのに対して、データベースのインフラ構築はハードウェアよりの作業だと言えるでしょう。
例えばデータベース構築には、必要な電源の確保や、熱暴走を起こさないための温度管理、ネットワークケーブルの配線等、考えるべきことがたくさんあります。インフラ構築を効率よく進められるデータベースエンジニアは数が少ないため、経験を積むことで様々な企業から重宝されるはずです。
データベースは構築してしまえば、仕事が終わるわけではありません。たくさんのユーザーが一斉にアクセスすればサーバーの負担は増えますし、セキュリティシステムはアップデートが必要です。データベースを適切に管理していくことも、データベースエンジニアの仕事となります。
例えば、トラブルが起きた際にはできるだけ早く復旧できるよう、すぐに現場に駆け付けなければいけません。また、システムのアップデートは利用者が少ない夜間に行うことも多いでしょう。企業によっては、休日や深夜の対応が求められることを考慮しておく必要があります。
最近はビッグデータという言葉が広がりを見せています。そこで、データベースエンジニアの新しい業務として、データを活用していく方法の提案が注目されています。経営やマーケティングにビッグデータを活用すれば、企業は大きく業績を伸ばせるでしょう。
データベースエンジニアがデータサイエンスや機械学習を学ぶことで、データの扱い方に関する知識を増やせます。データ解析やマーケティングまで手掛けられるデータベースエンジニアは数が少なく、高い報酬も期待できるはずです。
データベースエンジニアを目指す方の中には、その将来性について気になる方も多いでしょう。結論から言うと、データベースエンジニアには大きな将来性があります。その主な理由について解説していきます。
従来におけるデータ活用と言えば、顧客データを集め売り上げを促進させる等、マーケティング目的での使い方が一般的でした。しかし最近ではデータの活用方法がさらに広がりを見せています。例えば、営業支援や採用活動、社内情報の共有等あらゆる業務への関りが見られます。
これからの社会では、データを活用して企業を成長させる動きが加速していくでしょう。データの重要性が増すにつれて、データベースエンジニアの需要も高まっていくはずです。
データベースには企業の大切なデータが保存されています。しかし最近ではデータが流出する事件が相次いでいます。そこで大切となる施策がセキュリティ対策です。
問題点の洗い出しや設定の見直しで、データベースの安全性は高まります。また日々進化するクラッキング技術に対応するためにも、定期的なアップデートが必要です。これらのセキュリティ対策を行うために、データベースエンジニアが活躍するでしょう。
最近ではAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、ブロックチェーン等の言葉が広がりを見せています。これらの新技術はデータベースと高い関連性があります。
新技術の市場が広がるにつれて、それらの技術を扱えるエンジニアの需要も増えていくでしょう。データベースエンジニアが新たなスキルを身に付けることで、さらに収入アップが狙えます。
これまでの章では、データベースエンジニアの概要と将来性について解説してきました。では、エンジニア未経験からデータベースエンジニアになることはできるのでしょうか。
データベースエンジニアとして活躍するためには、ネットワークやサーバーの知識が必要不可欠です。そのため、他のシステムエンジニアに関する職種から転職するキャリアが一般的と言えるでしょう。
しかし、エンジニア未経験でも応募可とする求人は存在します。この章ではエンジニア未経験からデータベースエンジニアになる方法を順序立てて解説します。
データベースエンジニアはPCやネットワークを扱うため、ITに関する幅広い知識が必要です。そこで、まずエンジニアとしての基礎的な知識を身に付けましょう。
最近はプログラミング学習サイトやプログラミングスクール等、エンジニアとしての知識を身に付ける方法が多く存在します。
それぞれの方法により学習内容や費用が異なるため、自分に合った勉強方法を選択すると良いでしょう。
基本的なIT知識を身に付けたら、次はデータベースエンジニアに特化した勉強を開始しましょう。その中でもおすすめなのは、データベースに関するIT資格を取得する方法です。資格取得という目標を持つことで、勉強の指針を得やすくなります。
データベースエンジニアに適性のあるIT資格としては「データベーススペシャリスト」「オラクルマスター(ORACLE MASTER)」等の資格が挙げられます。エンジニア未経験であっても勉強の熱意と資格取得と言う結果を見せることで、応募先の企業にもアピールしやすくなるでしょう。
知識を身に付ける勉強ばかりしていると、実際にデータベースを構築できるか不安になることでしょう。そこで、身に付けた知識を基に自分で実際にデータベースを作成してみましょう。
データベースはPCさえあれば、作成することが可能です。さらにデータベースの中には、オープンソースと呼ばれる無料で利用できる種類も存在します。実際に手を動かして操作することで、知識が技術として定着していくでしょう。
データベースエンジニアの知識を身に付けた後は、いよいよ転職活動を開始しましょう。転職活動の際は、初めに転職サイトに登録することをおすすめします。転職サイトで求人を検索することにより、需要や必要なスキルを確認できるはずです。
データベースエンジニアの仕事を探す際には、「サーバーエンジニア」や「ネットワークエンジニア」という言葉でも検索してみましょう。同じ職種であっても企業によって呼び名が異なるため、仕事内容の詳細を読んで適性を判断することをおすすめします。
データベースエンジニアには、ITの全般的な知識からデータベースに関する深い知識まで、幅広いスキルが求められます。エンジニアとして実務経験がある方が、転職市場において有利です。
エンジニア未経験からデータベースエンジニアを目指す場合には、まずデータベースに関する資格を取得しましょう。最近ではインターネット上でも勉強できるため、独学でデータベース構築の経験を積むと、さらに転職活動でアピールしやすくなるはずです。