最近テレビでもすっかりおなじみになったドローン。今や1万円以下でも高性能の空撮できるドローンが販売されており、一般に購入しやすくなっています。
このドローン、今では仕事になるということを知り、自分もドローンで稼ぎたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。でも、最近だれでも操縦可能になっているだけに、ドローン関連の事件もしばしばニュースで取り上げられるようになってきて、不安に思う方もいるでしょう。
ドローンで仕事をするには資格や免許は必要?必要だとしたらどんな資格を取ればいい?手数料などの費用はどれくらい?そんな疑問にお答えします。
そもそも、ドローンを操縦するためには資格や免許は要るのかという点についてです。結論から言うと、ドローンを操縦するための資格や免許は必要ありません。法律や条例には取らなければいけないと定めたものがないので、無資格・無免許で操縦しても罰せられるようなことはありません。
しかし、ニュースなどでも見れられるドローン関連の逮捕や検挙があるのはどういった理由によるものなのでしょうか?
もちろん、便利なツールとしてドローンを悪用したとなれば逮捕されるのは当然ですが、その他にも操縦そのものではなく、操縦したことによって派生的に法律や条例違反を引き起こしてしまう可能性があります。
それでは、ドローンを操縦する上で抵触しかねない法律・条例とはどんなものがあるでしょうか。
ドローン操縦時に知っておくべき法律・条例
現在ドローンを操縦している方は、これらをきちんと認識し理解できているでしょうか?実際に違反をして検挙された人たちの中には「知らなかった」と言い訳する事が多いようですが、法律は「知らなかった」と言って通用するものではありません。やるからには知っておいて当たり前なのが法律や条例です。
ドローンを操縦するために資格や免許を取らなければいけないという法律はありませんが、遵守しなければならない法律や条例に抵触しかねないという事実があるだけに、ドローンを仕事にしようと思うのなら必然的に資格を取っているべきという風潮があります。
仕事中に万が一、何か法律に抵触することがあり、問題を起こそうものなら雇用主や取引先にも管理責任を問われかねません。ビジネス上、そんな危険を犯そうと思う人は当然いるわけもなく、資格も持っていない素人に仕事を頼むのはリスクが高いと考えられがちです。
その点、資格を持っていれば、各種法律を少なくとも理解しているという信用を得られます。技術力などはその後についてくるものですから、やはり資格取得はドローンを仕事にするための第一歩ということになるでしょう。
ドローン資格については法律で定められたものではなく、更に最近になって一気に盛り上がってしまったために、公的資格は現状ありません。今後の状況によっては公的資格が設けられる可能性は十分にありますが、現時点では民間資格のみとなっています。
試験内容としては、一般的に実技試験と学科試験がセットになっているものが多いです。資格を取るためには講習を受ける必要がある場合が多く、受講料が10万円〜、資格発行料が1万円〜、更に年会費も必要というところもあり、少々高額と感じるかもしれません。
しかし、できるだけ安いところを……とお金をケチると、資格として信用されない、そんな資格知らないなどと効力を発しなくなってしまう可能性もあり、長い目で見ればやはりケチらず長い目で堅実に行くほうが、ビジネスとしては間違いありません。
実技系
・資格名:DJIスペシャリスト
・開催日程:毎月
・受験にかかる費用内訳
受講費用:開催日・地域によって異なるが、平均して5万円程度
テキスト代:3,240円(税込)
技能資格認定書発行費用:16,200円(税込)
・受験資格:ドローンの飛行経験が10時間以上ある方
・試験内容(2日間)
1日目:座学講義
2日目:座学+筆記試験、飛行技能試験
・資格名:ドローン操縦士回転翼3級 資格認定制度
・開催日程:各スクールによる
・受験にかかる費用内訳
受講費用:スクールの地域により異なるが20万円〜25万円程度
技能認定料:25,000円(その後2年毎に12,000円)
・受験資格:15歳以上
・試験内容:スクール受講後に学科+実技試験
・資格名:操縦技能証明
・開催日程:随時
・受験にかかる費用内訳
受講費用:スクールにより異なるが、20〜30万円程度
年会費:5,000円
・受験資格:16歳以上
・試験内容:スクール受講後に学科+実技試験
https://uas-japan.org/business/about-qualification/
学科系
・資格名:ドローン検定(無人航空従事者試験)1級〜4級
・開催日程:年6回
・受験にかかる費用内訳(すべて税込)
1級:18,300円
2級:12,200円
3級:5,600円
4級:3,000円
・受験資格:
1級:ドローン検定2級取得者
2級:ドローン検定3級取得者
3・4級:制限なし
・試験内容:学科試験のみ
https://drone-kentei.com/about1.html
実技系は学科と実技試験がセットになっており、当然操縦に対しても資格が有効になります。対して学科系資格は学科のみに有効となっているので、操縦に対しての効力はありません。そのため、仕事上の営業職やマネジメント業などの操縦をしないドローン関連の仕事をする方に向いている資格です。
また、実技系については上記以外に管理者やインストラクター資格も各資格で受け付けています。受験資格が経験や年齢などで、より上級者向けとなっているので、キャリアアップに向いている資格です。興味のある方はそれぞれのリンクからチェックしてみてください。
ドローンの仕事といえば、やはり空撮が派手で、テレビでも最近良く見られるだけに人気かつ一般に知られる仕事なのではないかと思います。しかし、実はドローンの仕事には様々なものがあります。
当然操縦だけに限らず、製造系や販売系もドローンに関わる大事な仕事です。いろいろな視点からドローンに関わる仕事について考えてみましょう。
・ドローン製造
エンジニア
プログラマー など
・ドローン販売
営業
販売員 など
・ドローン操縦
測量士
農薬散布
空撮カメラマン
設備点検
防犯監視 など
・ドローン講師
インストラクター
スクール講師 など
ドローンに関わる仕事というと、大きく分けて上記の仕事に分けられます。当然職種にもよりますが、ドローンに関わる仕事の年収はおおよそ300万円〜500万円ほどになるようです。
操縦系の仕事でも、今では様々な業界でドローンが活用され始めています。今後さらに発展が期待される仕事の一つと言えるでしょう。
ドローンの仕事は意外と多いとはいえ、発展途上の業界。発展途上とは将来盛り上がっていく可能性があるとして、希望に満ちた仕事と見ることができますが、一方で買い手市場で実際の求人数がまださほど無いということでもあります。
ドローンの操縦には資格や免許が必要でないだけに、操縦訓練さえできれば誰にでもできる仕事ということでもあります。となれば、わざわざ人件費をかけてドローンを操縦できる人材を雇うまでもなく、現状いる人員に操縦を覚えさせたほうが、業界の知識もあり一石二鳥。多少の手当をつけたとしても人件費も浮くと考えるのは当然でしょう。
免許や資格が必要ないというのは、素人でも始めやすいというメリットでもありつつ、仕事にする人にとってはデメリットでもあります。
現在ドローンの仕事を考えているのなら、ドローンの操縦だけ考えていては軌道に乗せるのは難しいかもしれません。やりたい仕事の業界についての知識を身につけることも、考えるべきかもしれませんね。
何度も言いますが、ドローンの操縦自体は免許と資格は必要ありません。プロとしてやっていくのにも、少なくとも現状は無免許・無資格でもなんら問題はありません。
しかし、操縦する上で知っておくべき法律や条例は1つ2つではありません。知らなかったというのではプロとしてあまりにお粗末ですし、取引先にも迷惑をかけてしまい、その後の仕事にも差し障りが出てしまうでしょう。何より、資格を持っていることで取引先からの信用を得られるのなら、やはり資格取得は必須となるでしょう。
現在効力を発しそうな実技系資格はスクール受講必須となっており、費用も決して安価ではありません。しかし、将来への投資と思えばそこまで高くはないのではないでしょうか?
仕事にするなら、まずはしっかりとした地盤固めから始めましょう。