多くの企業は自社製品やサービスの販路拡大のため、多くの営業マンを抱えています。Webマーケティングも世の中の主流になりつつありますが、それで営業マンが不要になるわけではありません。
むしろ、コロナ禍で人との接触が制限された時期があった分、多くの人が対面での営業に高い価値を感じ取っています。
本記事では、営業職に必要な9個のスキルや優秀な営業マンになるために、どのような資質が求められるかを詳しく解説していきます。
営業マンとして活躍するために必要なスキルについて、9個ご紹介します。
どのようなビジネスでもコミュニケーションは必須で、営業の仕事もコミュニケーションなしでは活躍できません。
ただし、一般的にコミュニケーションと思われがちな「よく話す」ということではなく、相手の話を深く理解し、共感することがコミュニケーションスキルです。
一方的に話すのはコミュニケーションではなく、双方向のやりとりがあって初めてコミュニケーションは成立します。
営業職は双方向のコミュニケーションを相手に合わせて行うことで、信頼関係を構築し、顧客のニーズに沿った提案をしなければなりません。
そのため、営業マンにとってコミュニケーションスキルは必須と言えます。
営業職にとってコミュニケーションスキルに並んで重要となるのが、ヒアリングスキルです。
むしろ、ターゲットとする客層によっては、ヒアリングこそが契約獲得に重要とされます。
ヒアリングスキルとは単に相手の話を聴くだけではなく、適切なタイミングでの相槌、相手の心情への共感、相手の本心を引き出すための質問など、相手が話しやすくなるように会話を構築するスキルです。
話を聴いてほしいと考えている相手に営業するなら、ヒアリングスキルこそ商談を有利に進める武器になります。
分析能力とは、自分の持っている情報や客観的な事実、新しい情報から有益な情報や最適解を導き出す能力です。
営業の仕事は自社製品・サービスを顧客に売り込み、受注や契約を獲得するものです。
顧客が抱える課題や悩みを分析し、自分が何を提案できるか考えるには、分析能力が欠かせません。
もちろん、分析したからと言って100%正解することはありませんが、分析結果から仮説を立て、シミュレーションを行うことはできます。
できる営業マンになるには、顧客の求めるものを導き出す分析能力を磨きましょう。
営業マンの仕事は顧客への提案だけでなく、顧客の抱える課題や潜在的な問題に対し、適切な商材を提案する力も求められます。
ヒアリングスキルと分析能力で顧客情報を把握し、どのような課題があるか発見するスキルが課題発見力です。
顧客が何らかの課題を抱えている場合、その課題を顧客自身が言語化できていない可能性もあります。その場合、優秀な営業マンは課題発見力でいち早く察知し、言語化できていない課題を明確にできます。
課題発見力の高い営業マンは、顧客からの信頼も得やすいです。
営業マンは外回りも多いため、通常のオフィス勤務のサラリーマンより仕事の幅が広くなります。
アポイントの獲得、商談用資料作成、商談、契約、フォローアップなど、やるべきことは山積みです。
やるべきことが多い営業マンだからこそ、自身のスケジュールや体調、仕事量を管理するセルフマネジメントスキルは欠かせません。
営業マンとして活躍するには、セルフマネジメントスキルでリソースの有効活用を心掛けるべきです。
ロジカルシンキングは日本語にすると、「論理的思考力」と言い、物事を順序だてて整理していく思考体系のことを指します。営業マンが顧客との商談を行ううえで、ロジカルシンキングは説得力を高める武器になります。
例えば、顧客が集客に悩んでいるなら、なぜ集客力がアップしないのか、Web・SNS・広告のどこに不足があるのかなどのポイントを、ロジカルシンキングスキルが高ければ、論理的に説明できます。
論理的で筋道の通った説明は、顧客にも納得してもらいやすく、契約や受注にも繋がりやすいです。
マーケティングスキルも、営業マンとして身に付けておくと役立つスキルです。企業に所属する営業マンは、売り上げを拡大させるために色々な顧客にアポイントを取ります。
従来はテレアポや飛び込み営業が主流でしたが、今ではWebマーケティングやセミナー、展示会などから顧客を獲得できます。マーケティングスキルを磨ければ、インターネットも活用して世界中の顧客を新規開拓することもできるでしょう。
マーケティングスキルも奥が深い世界ですから、Webを含めて色々なマーケティングスキルを学んでおけば、営業戦略の立案にも活用できます。
ストレスコントロール力とは、ストレスに耐える力のことではなく、ストレスの原因と上手く付き合い、適宜発散できる能力です。
営業の仕事は100件のアポ電を行って、2~3件の商談の機会を得られれば良い方です。
さらに、その2~3件から契約を獲得するまでの道のりも大変で、強いストレスが掛かる仕事です。
中には、クレーマーのような顧客から連絡が入ることもあり、ストレスコントロール力が高くなければ、自分自身が潰れてしまうでしょう。
例えば、優秀な営業マンでも、外回りのすき間時間にカフェでコーヒーブレイクをしたり、人目のないところでネクタイを外したりしています。
ストレスコントロール力が高い人は、ストレスを上手に発散できるため、安定したパフォーマンスを出し続けられます。
提案力とは、顧客との商談でヒアリングをした際、顧客の抱える課題解決に繋がる商品を提案し、契約に結び付ける能力のことです。
クロージングスキルとも言われ、顧客の悩みや不安を理解したうえで、押し引きのタイミングを見極める能力でもあります。
営業マンは契約を獲得しようとするあまり、顧客に対して一方的に商品を売り込もうとすることがあります。しかし、いくら売り込もうとしても、顧客が本当に必要としておらず、悩む素振りを見せるなら売り込みは逆効果です。
提案力は顧客の最後の決断を促し、「YES」の返事をもらうために、顧客にどんな課題があるのか、懸念は何かを見抜き、交渉の材料にする能力と言ってよいでしょう。
営業マンがスキルを身に付けるために、意識すべきポイントを解説します。
営業マンは顧客とのコミュニケーションが必要な仕事である以上、過剰な自信は顧客に不快感を与え、自分の客観的な視点を曇らせる原因になります。
特に営業マンは自社製品を売り込む仕事であるため、常に業界の最新情報を学んでおく必要があります。
謙虚さを失ってしまえば、自分の実力を過信し、顧客からもチームメンバーからも信頼を失ってしまうでしょう。
常に謙虚さを大事にすることで、自分自身の成長に繋がるだけでなく、周囲からも信頼されるようになります。「自分に何が足りないか」を意識して、足りない部分を補うことを大事にしてください。
営業マンがスキルを身に付けるには、実践に勝るものはありません。
いくらスキルを本やセミナーでスキルを学んでも、実践で使わなければ本当の意味で身に付いたことにはなりません。
学んだスキルをどの場面で使うのかという点や、効果的な交渉方法について学ぶためにも、多くのアポイントを取り、多くの商談を経験しましょう。
そして、商談を経験する中で振り返りも行い、改善点を発見してください。
スキルを向上させるには、先輩や同僚とも事例を共有し、お互いのノウハウを教えあうのも効果的です。色々な事例を知る中で、「自分ならこう動く」「この提案をしたらどうか」などを検討でき、営業スキルが磨かれていきます。
また、トップ営業マンだけが持つノウハウもありますが、意識的に学ばなければノウハウは共有されません。トップ営業マンのノウハウをナレッジ共有できれば、事案やスキルをチーム全体のレベルアップにもなります。
営業マンは、売り上げを考えなければならない仕事ではありますが、同時に「顧客にとって最も特になることは何か」も考えなければなりません。
営業マンが売り上げばかりを考え、顧客を蔑ろにして営業をすれば、顧客からの信頼を得ることは難しいです。
顧客から信頼される営業マンは、「顧客が成功するには何が必要か」という顧客視点に立った営業ができる人です。
営業スキルを磨くには、商談後の振り返りも重要です。振り返りは時間を置いて行うのではなく、商談終了後すぐに行うとイメージを具体化しやすく効果的です。
また、成功した商談の振り返りも重要ですが、失敗した商談の振り返りは特に重視してください。
成功はたまたまの可能性もありますが、失敗には必ず何らかの原因があるからです。
失敗した商談の中で、「もっと顧客との関係を良好にすべきだった」「もっと効果的な提案方法があったのではないか」と振り返ることで、次の商談を成功させる力になります。
常に今の自分をアップデートする意識を持ち、改善点を見つけましょう。
優秀な営業マンになるためには、日頃の努力が大切です。営業マンとしての資質を磨くために、普段からやっておきたいことをご紹介します。
優秀な営業マンは、商談前に顧客の情報を徹底的に調査し、課題やニーズを分析し、どのような手法で営業を行うべきか仮説を立てて、シミュレーションを行っています。
そして、そのシミュレーションでどのような未来が予測できるか、想定と外れた場合までシミュレーションしているため、商談中も慌てることなく対応できています。
正確なシミュレーションを行うには経験も必要ですが、顧客の課題やニーズを分析し、自分なりの仮説を立てることは、エリート営業マンになるためには必須です。
優秀な営業マンは自分の時間だけでなく、商談のために時間を割いてくれる顧客のことまで考えています。全てのビジネスパーソンにとって、時間とエネルギーは貴重なリソースであり、消費した時間に見合うだけのリターンがあるかどうかで考えるのが基本です。
優秀な営業マンほど時間の価値を理解しており、単純な作業はテンプレート化し、顧客の時間を無駄にしないことを心掛けています。
営業マンが商談に臨む時には、顧客が貴重な時間を割いてくれていることを理解し、有益な時間にできるよう意識することが大切です。
優れた営業マンほど常にアンテナを張り、最新情報を敏感にキャッチしています。業界の最新情報を持った営業マンは、企業にとっても顧客にとっても貴重な存在です。
近年は様々な業界でICTやAIの導入が進み、オートメーション化やDXも進んでいます。
これからの時代は最新情報を持つ人材が強みとなり、企業と顧客の経営戦略にも重要な役割を果たすでしょう。
営業成績の良い営業マンは、新規顧客獲得を目指すだけでなく、既存の顧客へのフォローアップもしっかりと行っています。
営業マンにとって信頼は非常に大きな意味を持ち、信頼を維持するためにはフォローアップが重要です。
よくある失敗パターンでは、顧客との契約を獲得し、その後のフォローがなかったため、顧客が別の企業に奪われてしまうことがあります。
これは契約時だけ良い顔をして、契約後は一切のフォローをしなかった営業マンによくあるパターンです。
契約後もフォローアップしてくれる営業マンなら、顧客も「この人を信頼して次の案件も任せてみよう」と考えてくれます。
営業マンは自社製品の売り込みを行うだけでなく、技術面にも明るい方が営業成績も向上します。
営業ではデモ製品を提供することも多く、予期せぬトラブルが発生することがあります。
また、納品後も最初の窓口になるのは営業マンであり、専門的なトラブルでない限りは、その場で修復できるくらいに技術面に詳しい方がよいでしょう。
技術面に詳しい営業マンは顧客からの相談を受けやすく、信頼関係構築にも役立つため、日頃から技術面の学習もしておくことをおすすめします。
優秀な営業マンに共通する3つの特徴を解説していきます。
営業マンに向いている人の特徴とも言えますが、「人と接するのが好き」という人は優秀な営業マンになる可能性が高いです。例えば、次のような人は営業マン向きです。
人と楽しそうに接する人であれば、相手からも信頼されやすいだけでなく、新たな人脈も形成しやすくなります。
また、人と接するのが好きな人は、相手のことを深く知り、相手が何を求めているか真剣に考えられます。
営業マンにとって、顧客のことを真剣に考えられるのはこれ以上ない強みとなるでしょう。
営業マンは個人で動く仕事ではなく、チームで目標を設定し、それぞれの社員が協力して契約を進めていきます。
そのため、チームの目標や個人の目標を明確にでき、人を引っ張っていけるリーダーシップのある人は、営業マンに向いています。
また、時には仲間を鼓舞するという意味でも、リーダーシップやカリスマ性のある人の存在は貴重です。
営業マンとして活躍したい方は、将来的なマネジメント職へのキャリアアップも考慮して、リーダーシップを磨いておくのがよいでしょう。
優秀な営業マンは、自分の損よりも顧客の損になることが何かを優先して考えます。
そのため、商談中もデメリットやコストの話も素直に話し、そのうえで顧客にどんなメリットがあるのかを説明します。
それは、自社製品の価値を正しく理解しているからこそ、デメリットとコストも含めて自社製品に自信を持っているということです。
もちろん、顧客のニーズや属性、業種などの条件によって交渉の進め方は違いますが、デメリットもコストも明確にできる営業マンは、顧客との信頼関係構築も進めやすいです。
営業マンに必要なスキル、優秀な営業マンに求められるスキルなどについて解説してきました。
営業マンは売り上げが重要な仕事ですが、実は優秀な営業マンほど、商談中にビジネスの話の割合を少なくする傾向があります。
それはビジネスの話を続けても、顧客にとっては楽しいものではなく、集中力が続かないからです。
特に個人に対して営業を行う営業マンほど、世間話や最近の出来事などに多くの時間を割いて、顧客からの信頼を勝ち取っています。
ビジネスだけの営業マンではなく、顧客から「この人との会話は楽しい」と思われる人こそ、本当に優秀な営業マンと言えるでしょう。