営業職におすすめの資格を紹介!業界別のおすすめ・メリット・選び方

どのような業界でも、必要とされる存在が営業職です。
営業職はサラリーマンの仕事の中でも実力派が揃い、キャリアアップする人も多い職種です。

そして、営業職としてスキルアップ・キャリアアップを目指す方は、資格取得も目指してみてはいかがでしょうか。

本記事では、営業職が資格を持つメリットとキャリアアップに繋がるおすすめ資格、業界別の転職におすすめの資格などを解説していきます。

営業職に資格は必要なのか?

営業職は自社のサービスの販路拡大や商品購入を促す仕事です。
では、営業職には資格が必要になるのか、どのような資格が必要なのかを解説します。

営業職には資格は不要

大前提として、営業職になるだけなら、一切の資格は必要ありません。
その分、営業職にはコミュニケーション能力提案力課題解決能力・課題発見能力などが必要です。

そのため、営業職の求人は多くの企業で出されているものの、資格を必須条件にしていないケースがほとんどです。医師や弁護士、美容師のように資格がなくても始められるため、無資格・未経験者でもなりやすい職種と言えるでしょう。

しかし、営業職は自社のサービス・商品を顧客に紹介し、購買意欲を高めて売買契約に繋げなければなりません。
業界によって必要となる知識は違いますが、各業界の専門知識を身に付けていく努力は必要です。
そして、自分が営業職として一定の知識を持つ証明として、資格が役に立ちます。

自分の能力と業界で必要な資格を比較する

営業職としての自分の能力を客観的に証明し、スキルアップ・キャリアアップするには、業界に必要な資格は何かを分析し、今の能力で取得できるものを比較検討しましょう。
営業職で必要とされる資格は専門的な内容も多く、業界についての知識がなければ、合格は遠のいてしまいます。

一例を挙げると、車で移動してルート営業をする企業なら、運転免許を取得した方がよいでしょう。
一方で、自分の仕事と直接関係がなく、利用する機会のない資格を取得しても、営業職のキャリアにもスキルにもプラスになりません。

今いる会社の営業職に求められる資格、分の能力で取得できそうな資格を検討し、プラスの評価になるもの自を選んでください。

営業職が資格を持つ3つのメリット

営業職が資格を保有することで、具体的に得られる3つのメリットをご紹介します。

営業スキルが高まる

営業職になるのに資格は不要ですが、スキルアップしなければ成績向上には繋がらず、給与やキャリアもアップしません。
営業職は基本的に歩合制となっており、成績が悪ければ給与も低いままです。
そのため、資格を取得して色々なスキルを身に付ければ、営業スキルも高まり、顧客との契約に繋がる可能性も高まります。

また、資格取得は専門知識を身に付けるだけでなく、勉強法や体験をノウハウにもできます。
資格勉強を続けることで人脈が広がるチャンスでもあり、そこから新たな取引先を発見できることもあるでしょう。

キャリアアップしやすくなる

資格取得のメリットは、知識やスキルの向上だけでなく、客観的な能力の証明にも役立ちます。
企業によっては、資格による手当が支払われるほか、人事考課でプラス評価されることもあります。
資格を持っている方がキャリアアップしやすくなり、リーダーやマネジメントの役職になるチャンスも多くなるでしょう。

また、業界によっては資格を持っている営業職しか対応できない業務もあるため、資格を取得するとあらゆる面で有利なことは間違いありません。

就職・転職で有利になる

営業職はどの業界でも必要とされており、特に起業して間もない企業や営業ノウハウのない企業にとって、営業職の就職・転職希望者は何としても採用したい人材です。
そのため、同じ年齢・経験を持つ2人の営業職のうち、どちらかを採用するのであれば、資格を持っている人を優先的に採用したいと考えるのが自然です。
前述の通り、資格は自分の能力・専門性を客観的に証明できるツールですから、就職・転職でもアピールする材料の1つになります。

営業職に特化したおすすめ資格6選

営業職として活躍を目指す方向けに、営業に特化したおすすめ資格を6種類紹介します。

  • 営業士検定
  • セールスレップ
  • 販売士
  • MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
  • 営業力強化検定
  • ビジネス実務法務検定

営業士検定

営業士検定は、日本営業士会が開催する営業職の能力検定です。
試験内容はマーケティングや営業技術、生産・商品開発知識などを問うものがあり、営業職としてのスキル向上・キャリアアップに向いています。
試験には、初級・上級・マスターの3段階があり、それぞれのレベル分けは次の通りです。

初級 営業従事者に関する全般的な基礎知識を理解している。営業従事者として、必要なスキルと基本的な方向性について理解している。営業担当者などが対象。
上級 企画型営業の応用知識を習得している。営業、営業企画、マーケティング、マネジメントにおける応用知識を習得している。中堅幹部クラスが対象。
マスター 経営に関する高度の専門的な知識を身に付け、経営、営業事業評価等の実践知識を習得している。営業戦略立案・実行、コーディネート手法における知識を習得している。幹部クラスが対象。

一般的な営業職であれば初級でも十分ですが、キャリアアップを目指すなら上級も取得するのがおすすめです。
また、将来的にコンサルタント業務も目指しているなら、マスター取得を目指すのもよいでしょう。

参照:日本営業士会『営業士』

セールスレップ

セールスレップは、日本セールスレップ協会が行う営業のプロとしての能力を認定する資格です。試験内容は消費者・購買者を意識した販売、マーケティング、企業マネジメント評価、経営力、業務遂行能力など多岐にわたります。
資格には、3級(基礎)・2級(応用)・マイスター(実践)の3段階があり、2級からはIT知識も不可欠になります。

比較的難易度は高めの資格ですが、取得できれば営業職だけでなく、マネジメントやコンサルタント、商品開発など幅広い分野に応用できる資格です。

参照:日本セールスレップ協会『セールスレップとは』

販売士

販売士は、日本商工会議所及び各地の商工会議所が開催する資格です。経営に関する考え方や流通経路、接客、マーケティングなどの知識が問われます。
販売士資格も1・2・3級の3段階に分かれており、3級は実務的なマーケティング知識が中心、2級からは管理職向けのマーケティングやマーチャンダイジングを含むマネジメント能力を問う試験になります。
小売業や流通、サービス業などで営業職として働くのなら、販売士資格がおすすめです。

参照:商工会議所の検定試験『販売士』

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)

営業スキルだけでなく、文書作成などのオフィスソフトの操作能力を証明できるのが、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)です。
MOSでは、マイクロソフト社が提供しているWord・Excel・PowerPoint・Access・Outlookの知識が問われます。営業職の働きとは直接関係しませんが、オフィスで一般的に利用されているソフトの操作能力を証明することから、幅広い分野で応用できます。
レベルは一般レベル(アソシエイト・スペシャリスト)と上級レベル(エキスパート)の2種類があり、実務レベルで高く評価されるのは上級レベルです。

参照:Microsoft『マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)とは』

営業力強化検定

営業力強化検定は、その名前の通り営業職の能力を高めるために、必要な要素を論理的に学び、身に付けることを目的とした試験です。営業活動全般に活用できる理論やノウハウ、マーケティング知識、顧客対応などを実践的に学べます。

営業士検定と同様、営業職向けの資格として、スキル向上・キャリアップに役立ちます。
営業職全般の知識を学べることから、特化した資格ではないものの、営業が必要なあらゆる分野で能力を発揮でき、就職・転職にも有利です。

学歴を含む受験条件もないため、誰でも受験できる点も魅力です。リモートWebテストも開催しているため、在宅にいながらの受験もできます。

参照:サーティファイ『営業力強化検定』

ビジネス実務法務検定

ビジネス実務法務検定は、東京商工会議所が開催しており、テビジネスにおける法律知識が習得できる試験です。
営業職は取引先との商談で契約書を作成する機会も多いため、契約締結における不備や落としのチェックにも、ビジネス実務法務検定は役立ちます。
ビジネス実務法務検定は、1・2・3級の3段階があり、1級は合格率10%台前半となっており、難関国家資格レベルです。
3級なら合格率が約76%、2級が約43%となっているため、比較的合格しやすいでしょう。実務的な法律知識が身に付けられるため、取引先との交渉においても非常に役立つ資格です。

参照:東京商工会議所検定サイト『ビジネス実務法務検定🄬』

【業界別】営業職の転職でおすすめの資格

次に、営業職が転職する際に、業界別で取得しておきたいおすすめ資格をご紹介します。

IT業界

IT業界と営業職に繋がりがわからない方も多いかと思いますが、クライアントを獲得するには、対面とWebでの営業は必須な業界です。

そして、営業職にもIT知識がなければ、取引先に自社のサービスのメリットを説明できません。
そのため、IT業界で営業職になるなら、次の資格を取得するのがおすすめです。

  • ITパスポート
  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験

ITパスポートは最低限のIT知識を有する証明になるため、IT業界への転職活動で有利になります。
また、基本・応用情報技術者試験は、プログラミングを含めた高度なIT知識を有する証明となるため、取引先へのわかりやすい説明のためにも取得しておきたい資格です。

金融業界

金融業界と一言で表しましたが、金融業界には金融・保険・証券など、色々な分野があります。分野によって取得しておきたい資格は違いますが、営業職として提案力を高めるのであれば、次の資格取得を目指しましょう。

  • ファイナンシャルプランナー(FP)
  • 日商簿記2級以上
  • 証券外務員1種
  • 生命保険募集人
  • 証券アナリスト
  • 公的保険アドバイザー

いずれもお金や株式、保険などの専門知識を有し、お客様に対して適切なプランを提案できる資格です。
お客様の大切なお金を扱う業界だからこそ、適切な知識と提案力が身に付く資格を重視しましょう。

不動産業界

不動産業界の営業職は、不動産売買の商談を行うことが多いことから、土地・建物の価格査定に関する知識や法律知識、不動産投資の知識が必要です。
特に不動産売買や投資分野では、お客様に損をさせないことが重要。となるため、高度な専門知識が求められます。そのため、次のような資格取得を目指しましょう。

  • 宅地建物取引士
  • 不動産コンサルティング技能士
  • マンション管理士
  • ファイナンシャルプランナー(FP)
  • インテリアコーディネーター
  • 管理業務主任者
  • 司法書士

これらの資格を有していれば、不動産業界の営業でも活躍できるでしょう。
中でも宅地建物取引士は、不動産会社に専任の有資格者を配置する義務があるため、就職・転職では非常に有利です。

また、司法書士はトップクラスの難易度を誇る資格ですが、取得できれば不動産登記も行えるようになるため、不動産業界と相性の良い資格と言えます。

Web広告・マーケティング業界

Web広告・マーケティング業界は、チラシやインターネットで広告を行うことから、Web知識とマーケティング知識が豊富な営業職を求めています。
一般的な営業職が持つ資格に加えて、以下の資格を持つと就職・転職でのアピール材料になるでしょう。

  • Google広告認定資格
  • Webアナリスト検定
  • マーケティング・ビジネス実務検定
  • ネットマーケティング検定
  • Web解析士

主にWebマーケティングに利用されるツールの専門的な利用、データの解析、マーケティングの4P・4Cなどを理解し、お客様の広告による集客効果アップに役立つ資格です。
IT業界との相性も良いため、キャリアアップにも最適な資格です。

外資系企業

外資系企業では、多国籍の人材が集まり、企業内の公用語が英語になっていることも珍しくありません。
営業職としてのスキルだけでなく、高い語学力も求められます。
そのため、次の資格を持つと就職・転職で有利です。

  • TOEIC
  • 日商ビジネス英語検定
  • 国連英検
  • 国際秘書検定
  • BATIC(国際会計検定)

語学力の証明としてTOEICや各種英語検定を取得していると、能力の証明にもなるため便利です。また、国際秘書検定やBATICは、国際的なビジネスの基準になっているため、資格を取得することでアピールにもなります。

コンサルタント業界

コンサルタント業界では、企業や個人事業主の経営状態を把握・分析し、課題の改善計画とアドバイスを行う仕事です。対象とするお客様によっても必要な資格は変わりますが、次の資格を持つと就職・転職で有利です。

  • 中小企業診断士
  • MBA(経営学修士/経学管理修士)
  • 社会保険労務士
  • ファイナンシャルプランナー(FP)

上記のような、経営のノウハウや専門知識を証明する資格を持っていれば、転職では有利になるでしょう。
資格取得までの難易度と道のりは長いですが、取得すれば幅広い業界で活躍できる資格ばかりです。

まとめ:資格を取得すれば顧客からも信頼される営業職になれる!

今回は、営業職が資格を取得する意義とメリット、業界別おすすめ資格を解説しました。
営業職になること自体に資格は不要で、意欲さえあれば誰でも目指せる仕事です。

しかし、今回紹介したように就職・転職、キャリアアップも目指すなら、営業職であっても資格の取得は必須レベルです。また、資格を有するということは、一定の専門知識を持つ証明にもなるため、顧客との信頼関係構築にも大いに役立ちます。

多くの資格は独学や通信講座でも始められるため、やる気さえあれば誰でも取得できます。
将来に向けたキャリアアップ、スキルアップのためにも、資格取得に挑戦してはいかがでしょうか。

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参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷