「毎日残業ばかりでつらい」
「やりたい仕事ができず、やりがいを感じられない」
「他の会社の友人の給料を聞いたら高くて驚いた」
このような悩みを抱え、「辞めたい」と感じるエンジニアも多いのではないでしょうか。
結論から言うと、エンジニアから未経験の業種への転職は可能です。
ただし、辞める前にしっかり準備をし、将来のプランについて考える必要があります。
この記事では、エンジニアが辞めるメリット・デメリットや、辞める前の注意点、転職成功のポイントなどを紹介しています。
最後まで読めば、「辞めなければ良かった」といった後悔をなくし、自分に合ったキャリアプランを作ることができるでしょう。
まずは多くのエンジニアが「仕事を辞めたい」と感じる理由を見ていきましょう。
ここでは、5つの理由を紹介します。
働き方改革により残業時間などの改善があらゆる業界で進んでいますが、IT業界はまだまだ残業や休日出勤が多いのが実情です。
特に中小企業やベンチャーなどは社員数が少なく、1人あたりの作業量がどうしても多くなってしまいます。
納期が近づいたり稼働中のシステムに不具合が発生したりすると、その対応に追われ帰宅できないエンジニアも多いです。
残業が続くと、特に女性は体調を崩しやすくなるでしょう。
未経験や新卒でエンジニアになった人も、「こんなはずではなかった」と思うかもしれません。
休日も家に仕事を持ち帰り作業する人もいて、ゆっくり休む時間を確保できず、「辞めたい」と感じることが多いようです。
「毎日深夜まで働いているのに残業代を貰えない」「他業種で働いている友人は定時退社なのに自分より給料が高い」など、膨大な業務量をこなしているにもかかわらず、給料が低いことが原因で辞めたいと感じるエンジニアも多いです。
特に30代以降になると責任も大きくなり、自分の仕事だけではなくチームメンバーのサポートもしなければなりません。
経験を重ねるにつれ責任や業務量が増える一方、それほど給料が上がらないことも。
そのため、業務量と見合う給料を求めて転職を検討する傾向があります。
IT業界は技術の進歩スピードが速く、最新情報や技術を常にキャッチアップしていくことが欠かせません。
勉強しなければキャリアアップもできず、後から入社した人に追い越されてしまいます。
しかし、その勉強を苦痛と感じるエンジニアも多いです。
「休日を勉強に費やさなければならないのがつらい」「そもそもITに強い関心がなくモチベーションを維持できない」など、仕事以外の時間でもITのことを考え、疲弊してしまうこともあります。
自分で勉強しないとスキルが追いつかず、仕事でもつらい思いをしてしまいます。
こうした精神的な負担を感じ、他の業種への転職を検討するエンジニアも少なくありません。
「エンジニアになったからには新しい技術をどんどん学び、できることを増やしたい」
「仕事を通して自己成長したい」
このような意欲を持ち、エンジニアになる人も多いです。
しかし、実際の仕事は単調な作業ばかりだったり、プログラミングをやらせてもらえなかったり、予想とは異なる仕事ばかり振られることも。
このような仕事を続けていると、やりがいを感じられず、スキルアップもできないと感じてしまいます。
やりがいやスキルアップできている感覚は、仕事を続ける上で重要です。
それを感じられないことも、エンジニアを辞めたいと思う大きな要因となります。
エンジニアにかかわらず、多くの人にとって職場の人間関係は悩みの原因です。
特にエンジニアは職人気質で癖の強い人が多い傾向があり、人間関係で悩むケースが多い職種です。
また職場ではチャットやメールでコミュニケーションを取ることが多く、独特の習慣に馴染めずに悩む人もいます。
「エンジニアを辞めたい」と感じているときは、どうしても辞めることのメリットばかりに目が行きがちです。
冷静な判断をせずに辞めてしまうと、後からデメリットに気づいて後悔する恐れもあります。
転職を検討する前に、エンジニアを辞めることのメリットとデメリットをきちんと理解しておきましょう。
エンジニアを辞める大きなメリットは、長時間労働や残業がなくなることでしょう。
また厳しい納期や理不尽な仕様変更に対応する必要もなくなり、ストレスも軽減されるはず。
さらに職場が変わったことで人間関係もリセットされ、新たな関係性を築けることも魅力です。
エンジニアを辞めれば、今まで以上にプライベートな時間を充実させられるかもしれません。
エンジニアを辞めると、当然ですが今までの経験で身につけたスキルを生かす機会は少なくなります。
未経験の職種であれば、ゼロから業界知識を学ぶ必要もあるでしょう。
さらに業界によっては、昔ながらの商習慣があり、IT業界の常識が通用せずに苦労するかもしれません。
今までチャットやメールなどテキストでのコミュニケーションに慣れている場合、電話や対面での会話を余儀なくされ戸惑う可能性もあります。
異業種に転職する際は、自分の適性に合っているかどうかの確認が重要です。
「エンジニアを辞めたい!」と感じたとき、すぐに行動を起こして失敗する可能性もあります。
まずは次の3つのポイントを考慮し、本当に辞めるべきかを検討しましょう。
まずは「辞めたい」と思っている原因が会社にあるのか、職種にあるのかを区別するようにしましょう。
職場環境が悪い、人間関係に悩んでいる、などの理由であれば、エンジニアとして他の会社へ転職したり、別の部署へ異動したりといった選択肢が考えられます。
また同じIT業界でも、社内SEやセールスエンジニアなど様々な職種があります。
また悩みや問題の原因を全て会社や職種のせいにしている人は、短期離職を繰り返す傾向があります。
「環境が悪い」と決めつけたい気持ちはわかりますが、「この問題は転職により解決できるのか」を冷静に考えた方が、より良い結果につながるはずです。
転職の準備なしで退職すると、収入がなくなり余裕を持って転職活動ができなくなります。
余裕がないと「内定をもらったところに就職しよう」など転職を急いでしまい、満足のいく結果を得られない恐れもあります。
転職後にミスマッチを感じ、短期離職を繰り返さないよう、エンジニアを辞める前からしっかり転職の準備をしておくことが重要です。
エンジニアの仕事を辞める前から、今後のキャリアプランを考えておきましょう。
どのように今後のキャリアを形成していくか、どんな業界にいくのか、などの計画を立てておくことが重要です。
例えばエンジニアだとしたら、プログラマーからスタートして徐々に上流工程に関わるようになり、プロジェクトをマネジメントしていく立場になる、などのキャリアプランが考えられます。他業種でも様々なキャリアプランがあるはずです。
どんな働き方が理想か、どのくらいの年収を希望するかでキャリアプランは人それぞれ。
後悔のない転職を実現するためにも、じっくり考えて計画を作りましょう。
エンジニアを辞めたいと思っても、勢いで辞めるのは危険です。ただし、中には今すぐにでも辞めるべき会社も存在します。
ここでは、すぐに辞めるべき会社の特徴を3つ紹介します。
企業によっては、集計作業など単調な仕事ばかりのところもあります。
そういったところで長く働いていても、スキルは身につきません。
エンジニアにとって、個人のスキルや経験は給料に直結します。
スキルアップにつながる仕事ができない場合、長く働いていても自分の市場価値は上がらず、転職でも不利になるでしょう。
そのため、早めに辞めることをおすすめします。
大手SIerから下請けで委託された業務を行っている会社、大手企業へエンジニアを派遣する人材派遣系の会社では、自分の成長はあまり期待できません。
どちらも「大手企業が忙しくて手が回らない部分」の業務を振られるため、スキルアップにつながる重要な業務がほとんどないからです。
その上、どうしても大手企業優先となるため、相手の都合により土日や定時後も作業せざるを得ない場合もあります。
スキルアップもできず自分の時間も確保できないため、このような孫会社や人材派遣系会社で働いている場合はすぐに辞めた方が良いです。
年収があまりに低すぎる会社も、すぐに辞めた方が良い会社です。
具体的には、次のような特徴のある会社は注意が必要です。
基礎時給とは、月給を時給に換算した金額のこと。大まかにですが、1ヶ月の平均所定労働時間を月給で割り算出されます。
東京都の場合、2022年8月時点の最低賃金は1,041円。これを基準に自分の給料を判断してみてください。
*参照:朝日新聞デジタル『東京の最低賃金、31円増で1072円に 引き上げ額は過去最高』
その他、裁量労働制やみなし残業の給与体系の場合、実働時間と給与額が見合わない可能性もあります。会社の都合で適切な待遇を受けられていない場合は、転職を検討しても良いかもしれません。
最後に、エンジニアを辞めて転職する場合の成功ポイントを4つ紹介します。
転職を決意した際は、次の4つのことを意識しましょう。
メリット
希望条件とのミスマッチが起きないように、自分が転職で重視する条件を書き出してみてください。
例えば、次のようなことが挙げられます。
重視する条件は様々ですが、それら全てを満たす会社を見つけることはほぼ不可能です。
そのため、書き出した条件に優先順位をつけ、希望に合う会社を見つけましょう。
エンジニアではなくても、今まで積み上げてきたスキルや知識を活かせる職業は存在します。
例えば社内SEやIT製品の営業、ヘルプデスクなどは開発はしませんが、ITの知識や経験が役立ちます。
完全未経験の人よりも業務のキャッチアップがスムーズで、かつ経験者とは異なる視点や考え方が期待されるため、内定をもらえる可能性も高いでしょう。
どの業界でも自動化やIT化が進んでおり、IT業界の経験を持つ人材の需要は高い傾向にあります。
そのため自分のアピールポイントを突き詰め、「どんな環境なら自分のスキルを最大限活かせるか」といった視点で転職先を探すのも1つの手です。
エンジニアとは異なる業界・職種へ転職する場合、まずはその業界や企業、仕事内容について調べ、自分なりに理解を深めておくことが重要です。
面接で聞かれた時にも具体的に答えられると、熱意や意欲が伝わります。
その上で、エンジニアとしての経歴や過去の経験と転職先の共通点を書き出します。
これにより「なぜこの業界・職種を選んだのか」「過去の経験から活かせるスキルは何か」など説得力を持って説明できるでしょう。
転職する際は転職エージェントを活用しましょう。
1人で情報収集し求人に応募を繰り返すのは効率が悪く、時間がかかります。
特に未経験の業界に関する知識が十分でない状態で探しても、自分の希望条件に合う会社を見つけるのは難しいでしょう。
転職エージェントを利用すれば、条件に合う求人を紹介してくれ、職務経歴書や履歴書の書き方のアドバイスももらえます。そのため、1人で取り組むよりも短期間で転職活動を終えることができるでしょう。
「エンジニアを辞めたい!」と思ったら、まずは冷静に自分の抱える悩みを分析することが重要です。場合によっては転職以外の方法で解決できることもあるからです。
気持ちだけで突っ走ると、「やっぱり辞めない方が良かった」と後悔する可能性もあります。
勢いで行動せず、まずは本記事で解説した内容を参考にしていただき、将来のプランを考えるようにしましょう。