子供に関わる仕事を希望する方の中には、放課後等デイサービスや児童指導員の仕事が気になっている方も多いかと思います。
実は、放課後等デイサービスでの働きは、無資格でも働けることから福祉関係で人気のある仕事です。
今回は放課後等デイサービスがどのような仕事なのか、向いている人の特徴、有利になる資格などを徹底解説していきます。
放課後等デイサービスは、児童福祉法に基づいて提供されている福祉事業の1つです。
どのようなサービスで、他のサービスとの違いは何かを見ていきましょう。
放課後等デイサービスの対象は、障害を持つ子供です。
障害を持つ子供が社会で生きていくための発達支援や、生活のサポート、保護者が社会から孤立しないように支えることを重要な目的にしています。
厚生労働省では、放課後等デイサービスの持つ役割として、次の3つを定義しています。
社会のあり方、ニーズが多様化する中で、身体または精神に障害を持つ子供とその保護者が地域社会に参加できるように、行政として支援していくことを目的としています。
参考:厚生労働省 「放課後等デイサービスガイドライン」P2・3
放課後等デイサービスと混同されやすいサービスの1つとして、「児童発達支援」があります。
放課後等デイサービスと児童発達支援の内容に大きな違いはなく、違う点は対象年齢くらいです。
児童発達支援とは、0歳から6歳までの未就学児で、障害のある子供を対象にしています。
イメージとしては、放課後等デイサービスという大きな枠組みがある中に、0歳から6歳までを対象にした児童発達支援があると思えばわかりやすいでしょう。
もう1つ、放課後等デイサービスと混同されやすいサービスが「学童保育」です。
放課後等デイサービスは障害を持つ子供を対象としているのに対し、学童保育は障害に関係なく小学生までの子供を対象としている点で違いがあります。
また、学童保育は遊びや学びなどを通して子供の発達を促すとともに、保護者が安心して就労できるように支援する目的もあるため、放課後等デイサービスとは役割が異なります。
放課後等デイサービスで働くには、どのような資格があり、無資格で働くにはどうすればよいのか解説します。
放課後等デイサービスは障害を持つ子供と関わる仕事という特性上、働くには資格が必要と思われがちです。
結論から言えば、無資格であっても児童指導員と同じように仕事をすることはできます。
また、放課後等デイサービスで働くうちに、任用資格の条件を満たせるため、働きながら資格を得ても問題ありません。
実際、放課後等デイサービスの求人には、「未経験者、無資格者OK」という求人もたくさんあります。
無資格でも放課後等デイサービスで働くことはできますが、「児童指導員」と名乗れない点には注意しましょう。
児童指導員を名乗れるのは任用資格を持っている人だけで、同じ仕事をしていても無資格で名乗っては法律違反になります。
児童指導員という任用資格を得るには、次のいずれかの要件を満たす必要があります。
これらの条件を満たしていれば、任用資格を得られますから、無資格でも2年以上働けば自然と資格を取得できます。
児童福祉施設で2年以上の実務経験さえあれば、基本的には誰でも児童指導員になれます。
そのため、任用資格の有無によって仕事内容は大きく変わることもなく、無資格でも同じように働ける点が特徴です。
ただし、任用資格がないと最初はパートや非正規という扱いになりやすく、給与が安いことはあります。
その点だけが大きな違いと言えるでしょう。
なぜ無資格でも児童指導員と同じように採用され、働けるかと言うと、次の2つが理由とされています。
まず大きな理由として、待機児童数が年々増加しているという社会背景です。
厚生労働省の報告によると、平成26年と令和元年を比較すると利用児童数は2.6倍になっているようです。
加えて、児童福祉分野は慢性的な人手不足を抱えており、利用児童数の増加に対して職員の確保が困難になってきています。
そのため、障害を持つ子供を持つ保護者からのニーズの高まりもあって、無資格者でも採用しようとする施設が増えてきています。
2年間働けば児童指導員資格は取得できるため、長期的な人員不足解消を目的に採用を行っている状況です。
参考:厚生労働省 「放課後等デイサービスの現状と課題について」P6
放課後等デイサービスには、厚生労働省の定める4つの基本活動のほか、実務的な仕事があります。
どのような仕事内容があるのか、詳しく解説します。
放課後等デイサービスについて、厚生労働省では4つの基本活動を定義しており、子供達の特性に合わせて提供することを提言しています。
この内容を要約すると、仕事内容は障害を持つ子供に日常生活で必要な動作を習得させ、将来的な自立に繋げることを1番にしています。
2番目には、工作やお絵かき、音楽などの芸術などの創作活動を通し、感受性と社会性を発達させることもサービスの役割とされています。
つまり、子供の創作意欲を大事にすること、感性を否定しないことが大切ということです。
3番目に子供と保護者が、地域との交流を深められるようなイベントの企画・運営も仕事内容になっています。
地域との交流イベントだけでなく、他の児童福祉施設との交流も含まれます。
最後に余暇活動として、家庭や学校で体験できない余暇活動を行い、子供に新鮮な体験をしてもらうことです。
発達障害を持つ子供の場合、季節感を認識できないこともあるため、季節別にイベントを開催し、季節を意識してもらうことで、社会性の発達を促せます。
放課後等デイサービスで働く場合は、このような大きな枠組みに基づいて働くようになるでしょう。
参考:厚生労働省 「放課後等デイサービスの現状と課題について」P3
放課後等デイサービスでは、子供の送迎も大事な仕事の1つです。
平日が下校時間のお迎え、施設の終了時間になったら自宅へと送り届けます。
休日や長期休暇中は自宅と施設間の送迎も行うため、運転免許は必須レベルです。
規模の大きい施設であれば、中型バスを運転する機会もあります。
放課後等デイサービスの仕事は、子供に向き合うだけでなく、保護者や関係機関とのやり取りも重要になります。
子供の発達は大人の想像を超えるもので、日々の記録をしっかりと書き残し、保護者や関係機関に報告します。
課題が見つかれば保護者も交えて議論し、必要に応じて支援計画を変更していきましょう。
支援計画や相談後の書類作成も放課後等デイサービスの仕事となります。
放課後等デイサービスで働くには、ある程度の適性も必要です。どのような人が向いているのか、特徴を紹介します。
放課後等デイサービスは、身体または発達に何らかの障害を持つ子供を相手にする仕事です。
子供が好きであることは大前提として、児童福祉の分野に高い関心を持っていることが望ましいです。
障害を持つ子供は健康な子供とは違う点も多く、難しい関わりを要求されます。
言葉一つをとっても子供のコンプレックスやトラウマを刺激することがあり、繊細な関わりが必要な仕事です。
そのため、児童福祉への関心が強く、障害を持つ子供との関わり方を学ぶ意欲のある人が向いています。
子供と関わる仕事である以上、一緒に遊ぶことやレクリエーションを楽しむことも仕事のうちです。
放課後等デイサービスで働くためには、一緒に遊んでも疲れない体力が必要です。
また、発達障害のある子供は何かのきっかけで暴れたり、急に走り出したりすることもあります。
急な行動で他の子供達が巻き込まれて怪我をする危険もありますから、抑止力として働かなければなりません。
子供についていくための体力のある方、日頃から体力作りをしている方なら、放課後等デイサービスでも働けるでしょう。
放課後等デイサービスだけに限らず、児童福祉で働く以上は子供と粘り強く関わっていくことが大切です。
特に発達障害を持つ子供はこだわりの強い子や、特定の行動をやめられない子が多くいます。
そうした子供との関わりにおいては、地道に変化を促し、子供を正しい方向に導いてあげる必要があります。
1回・2回説明や指導してダメだったからと諦めず、粘り強く関わっていくことが子供の成長にも繋がっていくからです。
非常に根気のいる仕事ですが、子供と上手く関われた時のやりがいはひとしおです。
粘り強く人に関われるタイプの人なら、放課後等デイサービスの仕事が向いています。
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毎日最新の有益情報が掲載されていることに加え、資格別のおすすめ求人も検索できます。
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放課後等デイサービスは働くのに資格は不要で、2年以上従事すれば任用資格を取得できます。
そこからさらにキャリアアップするなら、国家資格の取得を目指すルートもあり、将来性もある仕事です。
年々利用児童数も増えており、今後も需要が減ることはないと予想されます。
子供と関わるのが好きな方や、児童福祉の分野に関心のある方にも、働きながら資格も取得できるのでおすすめです。