コロナショックの今、転職するべきなのか?遅らせるべきなのか?

コロナショック

新型コロナウイルス感染拡大の影響からの外出自粛要請、緊急事態宣言、緊急事態宣言の延長‥と、私たちの日常生活だけでなく仕事や経済にも大きな影響が出ています。

2020年5月6日までの緊急事態宣言の影響で36.8万人の失業者が出ると言われている中、緊急事態宣言が延長されることで失業者が77.8万人にまで増えると分析されています。

年明けから少しずつ中国で新型コロナウイルスが流行していると聞くようになりましたが、まさか日本も含め世界中でここまで感染が拡大しこれほど大きな影響を及ぼすことを考えていた人は少ないはずです。

 
コロナショックと言われる世の中で多くの企業の業績が悪化しており、只でさえ失業者が増えている状況で今転職をすることは無謀なのでしょうか?

ここでは、転職をしたいけれど今転職するべきか悩んでいる人に向け「2020年転職市場」や「コロナ禍で内定を貰うには‥」など、コロナ禍での転職について紹介していきたいと思います。

2020年転職市場

まず2020年の転職市場ですが、日本で新型コロナウイルスが流行する前の2020年1月に求人情報・転職サイトdodaが『転職市場予測2020上半期』を発表しているのでそちらから見ていきましょう。

14分野(業界・職種)求人数増減予測
  • 増加(5分野)
  • 建築・土木 、 人事 、 法務 、 販売・サービス 、 事務・アシスタント

  • 変化なし(7分野)
  • IT・通信 、 電気・機械 、 金融 、 メディカル 、 営業 、 企画・マーケティング 、 クリエイティブ

  • 減少(2分野)
  • 経理 、 化学・素材

※引用:doda「転職市場予測2020上半期」
https://doda.jp/guide/market/?sid=GuideTop-other-5

2020年夏に開催予定であった東京オリンピックに向けて、ここ数年は「超・売り手市場」と言われるほど人材ニーズが高まっていましたが、2019年までに採用活動に一区切りを付け東京オリンピックの開催が近づくほど全体的に求人数がペースダウンし落ち着いてくると見られていました。

あくまでも予測ではありますが、このまま2020年1月に発表された転職市場予測(上半期)に近い形でいくのか?と考えると、コロナ禍で打撃を受けた業界と逆に伸びている業界とで明暗が分かれているためまた違った流れになってくるはずです。

元々、売り手市場は東京オリンピックまで‥と予測する人が多かったため新型コロナウイルスの影響も含めると、2020年の転職市場全体の盛り上がりは上半期の早い時期で終わってしまったと考えざるを得ません。

2020年4月時点での状況としては、業績悪化による採用活動の縮小や採用活動をこれまであまり行ってこなかったオンライン対応にしなければいけないことでの鈍化や不安を感じている企業が多いようです。

2020年下半期の転職市場に関しては、経済活動の再開時期や新型コロナウイルスの収束時期などにより変化していくと思われるため通常よりも予測が困難となるでしょう。

暗く重いニュースばかりで目を背けたくなることもありますが、少しでも転職を考えているのであれば転職先として候補となる業界の動向を注意して見ていきましょう

次に、売り手市場・買い手市場を目に見える形で確認できる有効求人倍率の推移を見ていきたいと思います。

有効求人倍率の推移

有効求人倍率の推移

※参照:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和2年3月分及び令和元年度分)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00034.html

新型コロナウイルスの影響が出始めてきた令和2年3月の有効求人倍率は1.39倍でした。

令和元年12月以降は3ヶ月連続で有効求人倍率が低下しており、令和2年2月からは5.9%減となっています。3月の新規求人に関しても前年同月と比較し12.1%減

産業別で見ていくと、

  • 製造業 22.8%減
  • 宿泊業、飲食サービス業 19.9%減
  • サービス業(他に分類されないもの) 18.1%減
  • 生活関連サービス業、娯楽業 16.6%減
  • 卸売業、小売業 15.0%減

これらは新型コロナウイルスの感染拡大により打撃を受けている業種を中心に求人が減少しており、令和2年4月以降の有効求人倍率も低下していく可能性が高いと見られています。

そして、有効求人倍率が低くなると完全失業率が高くなる傾向にあるため今後の先行きが心配です。

 
また、上記の一般職業紹介のグラフを見ていただくと平成21年度の有効求人倍率がとても低いことに目が行くのではないでしょうか?

平成20年9月にリーマン・ショックが起こり、有効求人倍率は急激に減少していきます。

そして翌年の平成21年5月に有効求人倍率史上最低値である0.32倍を記録しているのです。

リーマン・ショック以前に有効求人倍率が低い数値を記録したのは1990年代前半に起こったバブル崩壊時であり、1.4倍以上あった有効求人倍率が約10年間下がり続け1999年には0.34倍を記録しました。

2020年に起こったコロナショックはどのくらいの影響を及ぼすのでしょうか。

リーマン・ショック以上の影響が出る!?

リーマン・ショックとは‥

2008年9月、アメリカの有力投資銀行であるリーマンブラザーズが破綻し、それを契機として広がった世界的な株価下落、金融不安(危機)、同時不況を総称する。同社は低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)を証券化し販売したが、住宅バブルの崩壊とともに、結局は負債総額約6000億ドル(約64兆円)という空前の破たんを招いた。リーマンブラザーズ社の破たんは連鎖的に大手金融機関の経営危機を招き、金融危機を加速化させるに至った。
 

※引用:知るぽると
https://www.shiruporuto.jp/public/data/vocabulary/yogo/r/lehman_shock.html

リーマン・ショック後の失業者数は日本で約100万人であったと言われています。

製造業を中心に非正規雇用の雇い止めや派遣社員の派遣切りが行われ、会社の寮を出て行かなくてはならず住む場所がなくなった人たちのために「年越し派遣村(東京・日比谷公園)」が設けられ、炊き出しや生活・職業相談、生活保護申請の先導などが行われました。

リーマン・ショック時は製造業を中心に影響が出たため人手不足であるサービス業などへ雇用が流れましたが、今回のコロナショックでは宿泊業、飲食サービス業をはじめ製造業、観光業、運輸業‥など様々な業種で影響が出ており、事態はより深刻であることが窺えます。

リーマン・ショック後は約1年間転職市場が冷え込み、リーマン・ショック前の新規求人倍率に戻るまで3~4年程度掛かりました。

求職者は多いのに求人数が少なく、何十・何百社と応募しても書類選考を通過することも容易ではない‥という状況だったと言います。

リーマン・ショックの時は世界的な金融危機に陥りましたが各国が経済対策を打ち出したため回復に向かうことが出来ましたが、新型コロナウイルスの場合はウイルスの感染拡大を防止するため世界中で人と物の流れが止まってしまっています。

もちろん経済対策も必要ですが、人と物の流れが正常に動き出さない限りは前へ進めない状況なのです。

感染収束のタイミングが見極めがたいコロナショックではリーマン・ショック以上の影響は避けられないのかもしれません。

7割の企業で中途採用活動を継続中 ※2020年4月時点

リーマン・ショックが起こったのが2008年9月。

その後、有効求人倍率が史上最低値を記録したのが8ヶ月後の翌年2009年5月であることを考えると、徐々に求人数が少なくはなっていますが急に求人数が減るわけではありません

そのことを裏付ける一つとして、2020年4月に人材紹介会社エンワールド・ジャパン株式会社が発表した「新型コロナ禍における中途採用実態調査」を紹介します。
※調査期間:2020年4月9日~4月12日

中途採用活動継続中

中途採用活動を行っているかの問いには69%が「実施している・一部実施している」と答えており、2020年4月時点では約7割の企業が採用活動を継続しています。

そして、採用活動の実施状況として外資系企業よりも日系企業の割合が高くなっています。

中途採用活動継続中

中途採用活動継続中

※参照:エンワールド・ジャパン「新型コロナ禍における中途採用実態調査」
https://www.enworld.com/blog/2020/04/mid-career-recruitment-survey

中途社員の採用活動を行っている業種としては「コンサルティング」「建設・不動産」「エネルギー」は実施・一部実施を合わせると100%の値になります。

また、積極的に採用活動をしている職種では「営業」が外資系企業・日系企業ともに最も多く、日系企業では「エンジニア・技術(IT、ゲーム、web、通信)」、外資系企業では「マーケティング・商品企画・広報」が多くなっています。

どのような人材を求めているかについては、即戦力となるスペシャリストの需要が以前にも増して高まっているようです。


新型コロナウイルス感染拡大の影響により採用活動が縮小されるなどマイナスのイメージを持つ人も多いと思いますが、むしろこの状況をチャンスと捉えている企業も一定数います。

  • 急な業績悪化などの影響により転職市場に優秀な人材が増えている
  • 他社が採用を控えているときに優秀な人材を採用できるチャンス
  • 人材の流動化が活発になる

採用活動を控える企業や全面停止としている企業ももちろんありますが、一部の企業や業種では採用を積極的に行っているところもあるので今転職を考えているのなら全体的に落ち込んでいく前に転職活動を進めていくことが良い選択になることも考えられます。

コロナ禍で内定を貰うには

前々から転職しようと考えていた人だけでなく、勤めている会社の業績悪化への不安、解雇、廃業、倒産‥など様々な理由から転職せざるを得ない状況にある人もいるはずです。

有効求人倍率が低下していることからも分かるように求人数が減少していくと選考ハードルが高くなることも頭に入れておく必要がありますが、今転職すると決意しているのならコロナ禍だろうが何としてでも内定を掴みましょう。

プラス要素としてはコロナ禍で転職を控える人・遅らせる人が一定数いるためライバルが少ない可能性があることです。

では、コロナ禍で内定を貰うポイントを幾つか挙げていきたいと思います。

業種・職種を見極める

まず、業種や職種によって受けている影響が異なるので、コロナ禍でも積極的に採用活動を継続している業種・職種を転職先の候補に入れてみましょう。

採用が活発な業種・職種

  • 業種
  • IT・インターネット、メディカル、コンサルティング

  • 職種
  • IT技術職、ITコンサルタント、Webサービス・制作、デジタルマーケティング、コンサルタント、営業

この他にも、慢性的に人材不足の業界(介護業界など)やコロナ特需の業界(配送業、スーパーマーケット、ドラッグストア、食品メーカーなど)でも採用活動は続いています。

そして、小売業界(百貨店など大型店舗)、飲食業界、製造業、旅行業界、ホテル業界、イベント業界、アパレル業界などは新型コロナウイルスでの打撃を受けている企業が多く、採用を全面停止していたり求人が減少傾向にあるため現時点での転職先としてはおすすめできません。

自己分析・情報収集を徹底的に

通常の転職活動でも必ずやらなければいけないことですが、自己分析としては「転職理由・転職後に実現したいことを明確にしておく」「キャリアの棚卸しをしっかりとしておき自分自身の強みを客観的に理解しておく」「魅力的な職務経歴書を作成する」、情報収集では実際に求人を検索し「求人動向をチェックしておく」ことや気になる企業の「企業研究を徹底して行っておく」ことが大切です。

通常とは異なる状況下であるため、いつも以上に求人をチェックし転職市場・動向を把握しておくことで動き出すタイミングを掴みやすいはずです。

転職エージェントのサポートを受ける

ここまでに挙げた「業種・職種の見極め」「自己分析・情報収集」のどちらも効率良く進めていく手段として転職エージェントを活用する方法があります。

いくらコロナ禍であっても採用活動を積極的に行っている業種や企業があるとしても、個人として正確な情報を掴むことは難しいと感じるのではないでしょうか。

只でさえ不安な中での転職活動となるわけですから、少しでも安心して転職活動を進めて行くためにも転職エージェントのサポートを受けてみることをおすすめします。

転職エージェントのサポート

  • キャリアカウンセリング
  • 求人紹介
  • 応募書類作成サポート
  • 面接日程調整、面接対策
  • 雇用条件交渉
  • アフターフォロー  など

転職エージェントによって対応が多少異なりますが、通常は対面で行っていたカウンセリングなども新型コロナウイルス感染拡大防止対策として「電話・web・メール面談」などに切り替わっているので、自宅に居ながら転職活動をスムーズに進めていくことが出来ます

ここ数ヶ月で企業の面接もオンライン面接となっているところが多いので、それらのアドバイスも含め転職エージェントのサポートを積極的に活用していきましょう。

ピンチをチャンスに!

ピンチをチャンスに

様々な不安を抱える中、この時期の転職は控えておくことが賢明な判断だと思っている人も多いと思います。

しかし、いつ新型コロナウイルスが収束に向かうのか分からない今だからこそ完全に転職市場が冷え込む前に行動に移すことの方が賢明な判断となる可能性も大いにあるのです。

こんな時だからこそ企業本来の姿が見えるのではないでしょうか?自分が仕事に求めていることがはっきりしたのではないですか?

ピンチをチャンスに変えられるかもしれない時なのです。モヤモヤした気持ちがあるのなら転職エージェントに相談してみましょう。

より良い選択が出来るきっかけになるかもしれません。


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参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷