インフラエンジニアの将来性は~SEと比べてどっちがおすすめ?~

転職サイトを見るとインフラエンジニアの「未経験歓迎」の求人が目立ちますよね。SEと比べて残業時間が少ない求人が多いので、「インフラエンジニアが狙いかも」と思う人もきっといるでしょう。その一方で、「インフラエンジニアは将来性がある?なっても将来困らない?」と不安な面もありますよね。

結論から言うと、インフラエンジニアの需要は増えているので、将来性のある仕事といえます。インフラエンジニアの将来性や仕事内容、必要なスキル、未経験者のキャリアパスを紹介します。SEとインフラエンジニア2つの違いも解説しているので、どっちを目指すべきか迷っている未経験者は参考にしてみてください。

クラウド化で需要増!?インフラエンジニアの将来性

しばらくインフラエンジニアの仕事がなくなる可能性はありません。むしろ、企業のインフラのクラウド化が加速しているので、インフラエンジニアの需要は今まで以上に増えると予測されています。

インフラのクラウド化が進む社会的背景

企業のインフラのクラウド化が加速する社会背景に、2025年の崖があります。2025年の崖とは、経済産業省が発表したDXレポートの中で指摘された警告のこと。簡単に説明すると、古いオンプレミスのインフラに構築され業務システムを維持し続けると、2025年には日本全体で最大12兆円の経済損失となることです。今、企業が急ピッチで、業務システムのインフラをオンプレミスからクラウドに移行しているのはそのためだと思ってください。

HCIやコンテナの登場で複雑化する企業のインフラ

インフラのクラウド化が進んでいるものの、ほとんどの企業がセキュリティポリシーの関係でクラウドとオンプレミスの混在環境で業務システムを運用しています。オンプレミスでも従来のサーバ・ネットワーク・ストレージの3層に分かれた3Tier構成とは別のHCIを採用する企業が増えています。

HCIとは、サーバとストレージを統合したインフラのこと。3Tier構成と比べてスリムかつ簡素化された構成でインフラを構築できるため、運用管理のコスト削減が実現します。また、オンプレミスでも簡単にリソースを拡張できる点もHCIの特徴です。HCIに加え、コンテナと呼ばれるIT資源を有効活用でき、サーバの管理工数が減る新たなインフラも最近注目されています。

3Tier、HCI、コンテナ、クラウドではそれぞれ基本設計が異なります。今後、この4つのインフラが混在する企業がますます増えるでしょう。こうした背景からインフラエンジニアの需要は増え、今まで以上に高度なスキルが求められると個人的には予測しています。

インフラエンジニアの仕事内容

インフラエンジニアとは、サーバ、OSやネットワーク、データベースなどインフラの設計・構築・運用・保守に携わるITエンジニアのことです。普段、私たちが使うGoogleやOffice、メールなどのアプリケーションは、OSやネットワークなどの上で動いています。

一般になじみの深いアプリケーションだけでなく、すべてのシステムは、サーバ、OSやネットワークなどインフラなしでは動作しません。人間で例えるとインフラは、ガス・水道・電気のようなライフラインみたいなものだと思ってください。インフラエンジニアは、ITエンジニアの中でも縁の下の力持ち的なポジションです。ここからはインフラエンジニアの仕事内容を簡単に紹介します。

インフラの設計

アプリケーションを正常に稼働させるため、インフラの機能や性能を設計します。顧客からヒヤリングした納期と予算に応じ、利用する機器やシステム構成、設定値を決定します。本番稼働後の運用ルールも設計の段階で検討すると思ってください。

インフラの構築

設計書をもとにインフラ構築に必要なハードウェア、OS、データベースなどソフトウェアを調達します。すべてのハードウェアとソフトウェアがそろったら、設計書に従いインフラを構築。構築が終わったら本番稼働に移る前に動作確認や負荷テストを実施します。

インフラの運用保守

本番稼働に入ったら、統合管理システムやサーバ監視ツールで、正常稼働しているか24時間365日体制で監視します。障害発生時は、すぐに復旧できるよう迅速に対応しなければなりません。ハードウェアの保守期限が切れたときのリプレイス作業や、必要に応じてリソースの拡張も行います。

インフラエンジニアの種類と将来ビジョン

インフラエンジニアは、大きく分けて次の4種類あります。

  • 運用保守エンジニア
  • ネットワークエンジニア
  • サーバエンジニア
  • データベースエンジニア

この中で未経験者の求人が最も多いのが運用保守エンジニアです。他の3つは、未経験者を募集する求人はゼロではないものの、高度な専門知識が必要とされるため、基本的に経験者しか採用しません。未経験者はまずは運用保守エンジニアからキャリアをスタートして、実務経験を積みながらネットワーク、サーバ、データベースどの分野でキャリアパスを重ねていくか決めたほうがよいでしょう。それぞれの仕事内容と必要なスキルを簡単に説明します。

運用保守エンジニア

運用保守エンジニアとは、インフラの障害解決や定期的な監視を行うITエンジニアのことです。サーバエンジニアやネットワークエンジニアの求人で未経験者でも応募できるものは、ほぼ運用保守エンジニアだと思って間違いないでしょう。業務にヘルプデスクを含む求人も少なくありません。未経験者向けの研修を用意する企業が多いので、IT業界未経験者にとって狙い目の職種といえます。平均年収はだいたい350~400万円前後です。未経験者を採用する求人であっても、LPICレベル1やCCNA、基本情処理技術者レベルの知識を持っていた方が有利でしょう。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアとは、インフラのネットワーク部分を担当するITエンジニアのことです。下記機器を用いて、ネットワークの設計・構築・運用保守を行います。

  • サーバ
  • ストレージ
  • ルータ
  • スイッチ
  • ロードバランサ
  • ファイアウォールなど

これらの機器に加え、DNS、TCI/IP、OSI参照モデル、インターネットの技術、クラウド、OS、セキュリティなど幅広い知識が必要とされます。平均年収は450~550万円。CCIEなど上位資格を持っている人は年収が1000万円以上となることも珍しくありません。

サーバエンジニア

サーバエンジニアとは、インフラのサーバ部分を担当するITエンジニアです。下記サーバの設計・構築・運用保守を行います。

  • ファイルサーバ
  • Webサーバ
  • アプリケーションサーバ
  • データベースサーバ
  • メールサーバ
  • DNSサーバなどなど

WindowsやLinuxなどOSをはじめ、セキュリティやクラウド、ネットワークの知識も必要とされます。サーバエンジニアの平均年収は各種統計資料を見ると450万円前後です。

データベースエンジニア

データベースエンジニアとは、インフラの中でもデータベースの設計、開発、運法保守を担当するITエンジニアのことです。データベースは複雑で難易度が高いので、ほとんどの求人で、Oracle DatabaseやSQL Server、My SQLなどのデータベースの実務経験が必要とされます。

データベースエンジニアの平均年収は400~600万円前後。データベースの最上位資格といわれるOracleマスタープラチナを取得すれば年収1000万円も夢ではありません。

近年、ビッグデータの活用に積極的な企業が多いため、データベースエンジニアの需要が増えています。需要とは対照的にデータベースの専門的な知識を持つITエンジニアはそう多くありません。データベースのスキルを持つITエンジニアは、インフラとアプリケーション開発どちらの分野でも重宝されることでしょう。

インフラエンジニアに必須!?プログラミングの知識

近年、インフラのクラウド化が加速しているため、インフラエンジニアにもプログラミングの知識が求められています。従来のオンプレミスと違いクラウドはAPIでインフラを制御できるため、インフラエンジニアもコードを書く機会が少しずつ増えてきました。余力があれば、下記プログラミング言語をどれか勉強しておくと、未経験者の転職でもライバルに差をつけることができますよ。

  • Java
  • Java Script
  • C#および.Net Framework
  • PHP
  • Python
  • Ruby
  • Go
  • C++

特に未経験者が勉強しやすいのがPHP、Python、Rubyです。どれも文法が簡単で汎用性が高いプログラム言語なので、3つのうちどれか1つを抑えておくとよいでしょう。

SE vs インフラエンジニアで将来性があるのはどっち?

ITエンジニアを目指す未経験者から「SEとインフラエンジニアで将来性があるのはどっち?」と疑問の声を耳にします。IT業界全体で人材が不足しているため、個人的にはどちらを目指しても問題ないと思います。平均年収もどちらも400~600万円前後。年収の面でもそこまで大きな違いはありません。仕事に何を求めるかで選ぶとよいでしょう。仕事内容、残業時間、勤務形態でSEとインフラエンジニアの違いを簡単に説明します。

モノづくりが好きな人がインフラエンジニア向き

モノづくりや技術寄りの知識を身につけることにやりがいを感じる人は、インフラエンジニア向きといわれています。一方、SEは、プログラミングなど技術に加え、業務知識や法律、経営などビジネス寄りの知識を必要とされる機会が少なくありません。技術以外に幅広い知識を身につけることが苦痛にならないゼネラリスト寄りの人がSE向きといえます。

1つの職場で長く働くならインフラエンジニアがベスト

残業時間はインフラエンジニアとSEどちらも平均20~30時間前後。比較的、残業が少ないのは納期がないインフラエンジニアです。監視や運用保守がメインになる案件は、1カ月の残業が20時間以下となるケースも少なくありません。

ただ、業務システムは24時間365日体制で稼働しています。そのため、2交代制もしくは3交代制のシフト勤務となる場合も珍しくありません。シフト勤務で残業は少ないものの、まとまった休みを取りにくいデメリットもあります。シフト勤務なので休日出勤や夜勤も発生します。客先常駐の案件が多いので、テレワークやフレックス勤務が可能な会社がそう多くありません。

ただし、システムを納品すればプロジェクトが終了となり常駐先が変わるSEと違い、インフラの入れ替えは頻繁にありません。一度、プロジェクトにアサインされれば、安定して長く勤務できるのはインフラエンジニアでしょう。

SEは納期があるので、残業時間が多くなるケースも珍しくありません。しかし、お客さんとの打ち合わせやプロジェクトメンバーとのミーティングを除けば1人で完結できる仕事も多いため、テレワークやフレックス勤務が採用されやすい傾向にあります。自分の裁量で働ける職場を選びたい人はSEが向いているでしょう。

結論:インフラエンジニアの需要はあるけど常に勉強が必要

インフラのクラウド化が加速しているため、これからインフラエンジニアを目指す人はサーバやネットワークなどインフラの知識だけでなくクラウドのスキルも必要とされます。クラウドはAPIでインフラを制御できるため、余力があればRuby、PHP、Pythonなどプログラミングも勉強しておいた方がよいでしょう。

クラウド以外にもHCIやコンテナと企業が選択できるインフラの種類も増えています。それぞれ基本設計が違うため、インフラエンジニアは今まで以上に高度なスキルが必要とされるでしょう。運用保守エンジニアの未経験OKの求人が多いため、業界未経験者でもインフラエンジニアになれますが、続けていくには日々勉強が欠かせない職種といえます。


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参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷