インテリア業界の仕事は資格が必要?転職に役立つ資格とは

ここ数年、テレビでもよく取り上げられるDIYやリフォーム。快適かつおしゃれな住環境に興味を向けている人が増えているように感じます。インテリア業界に対して、おしゃれな業界のイメージを抱き、憧れている方も多いのではないでしょうか。

インテリア業界の仕事をしたい。でも考えたからと言ってすぐ転職はできるもの?学校に通ったり、インテリア系の資格を取得したりする必要はあるのでしょうか?

専門性の高い業界と感じ、敷居の高さに悩む方も多いでしょう。そんなインテリア業界に転職する際に必要な資格、有利な資格はあるでしょうか。一緒に見てみ

趣味を仕事にしたい!インテリア関連の仕事とは。

インテリア関連、主な仕事は3種類

まず、インテリア関連の仕事に就きたい。と考えた時に特に人気で一般的な仕事は3種類あります。

  • インリアデザイナー
  • インテリアコーディネーター
  • インテリアプランナー

テレビや雑誌などの各メディアでも上記の3つは、インテリアに興味のある方なら一度は目や耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、どれも似たような名前でどんな違いがあるのか分からない、と混乱してしてしまいそうですよね。
違いを理解しようとネットでざっと検索してみても、説明を読む限りどう違うのかよく分からない……と余計にこんがらがってしまう方、いらっしゃいませんか?

インテリア関連の職種、仕事内容の違いとは

実は上記3種類の職種、基本的な仕事内容には大きく違いがなかったり、仕事の範囲が被ったりしているので、仕事内容の違いというと少々説明が難しい面があります。そもそも仕事の名前は資格の名前でもあり、自分がそう名乗ることでその分野の仕事人になる、といった側面があるとも言えるでしょう。

インテリア関連の仕事は、大きく言えば『クライアントの希望に沿って、家具や壁紙、カーテンやラグなどのファブリック、照明やインテリア小物などを使ってインテリアをコーディネートする仕事』です。

手掛ける対象は、個人住宅だけでなく、ホテルや店舗、オフィスといった商業施設、公共施設など業態によって様々です。

そこにそれぞれの職種で違いを敢えて求めるとするなら、

  • 上記業務がインテリアコーディネーター
  • そこに住環境設計も加味してコーディネートするのはインテリアデザイナー
  • 環境設計を行い、工事から携わる事もあるインテリアプランナー

インテリア関連の資格、転職に役立つのはどれ?

インテリア関連の仕事は資格必須ではない

インテリア関連の仕事に就く際には、端的に言ってしまえば特に資格は必要ではありません。無資格であろうと、始めようと思えばすぐにでも転職活動は可能です。

ただし、インテリア業界は専門性が高い業界と言えます。深く関われば関わるほど、より深い専門的な知識が必要だと感じるようになるでしょう。インテリア関連の専門学校や大学もあり、そこで学び資格を持っている人材も多く居ます。まったくの未経験で資格も持っていない人が不利になるのは明白です。

今から学校に通うのは難しい。でもインテリア関連の仕事に就きたい!と考えるのであれば、各資格公認のスクールや通信講座などもありますし、それらを利用して何か資格を取っておくのも有効かもしれません。

メインの人気インテリア系資格3種類の難易度など比較

インテリア関連の資格は仕事紹介の項目でも言いましたが、人気かつメインとも言える資格は3種類あります。職種そのままに

  • インテリアデザイナー
  • インテリアコーディネーター
  • インテリアプランナー

の3種類です。まずはこちらから紹介していきましょう

インテリアデザイナー資格試験
  • 受験資格:規定なし
  • 受験料:10,000円(税込)
  • 受験方法:在宅受験
  • 試験日程:月一回、5日間(提出期限)
  • 難易度:
  • https://www.designshikaku.net/interia/interior01/
    『日本デザインプランナー協会』が行っている資格試験です。インテリアに関する商品知識や販売技術、インテリアデザイナーとしての理解力や表現力が問われます。
    こちらの資格を取得すると自宅やカルチャースクールでの講師になることも可能。

インテリアコーディネーター資格試験
  • 受験資格:規定なし
  • 受験料:基本タイプ(一次試験→二次試験)14,850円、一次試験<先取り>タイプ(一次試験のみ)11,550円(すべて税込)
  • 受験方法:国内全12地域で学科試験
  • 試験日程:一次試験と二次試験は別日でそれぞれ年一回
  • 難易度:
  • https://www.interior.or.jp/examination/ic/overview/
    『公益社団法人 インテリア産業協会』が行っている資格試験です。一次試験はマークシート式の学科試験、二次試験はプレゼンテーションと論文(記述式)となっています。

インテリアプランナー(IP)
  • 受験資格:規定なし
  • 受験料:学科試験9,000円、設計製図試験15,000円、両科目受験24,000円(すべて税抜)
  • 験方法:国内9地域で実施
  • 試験日程:学科試験と設計製図試験は別日でそれぞれ年一回
  • 難易度:
  • https://www.jaeic.or.jp/smph/shiken/ip/index.html
    『公益社団法人 建築技術教育普及センター』が実施している資格試験です。上記2件と大きく違うのは製図の試験があること。製図の知識を勉強する必要があります。また、受験資格に規定はありませんが、合格後に所定の実務経験がないとインテリアプランナーの称号が与えられないという規定があるので、注意が必要です。

実務経験がないけど、ひとまず実務経験を積むために資格が欲しいという方は、インテリアプランナーの下位資格にあたる『アソシエイト・インテリアプランナー』を受験してみてはいかがでしょうか。こちらは学科試験のみで取得することができます。また合格後5年間は『インテリアプランナー』資格を受験する際に学科試験を免除される制度があります。
https://www.jaeic.or.jp/shiken/ip/index.files/new-interior-planner201707r.pdf

他にもインテリア系資格は多数。有用な資格を探すべし!

以上3種類の資格のほかにも、インテリア関係の仕事に有用な資格があります。

日本デザインプランナー協会
  • 空間ディスプレイデザイナー認定試験
  • 空間の陳列、色彩、照明など、空間ディスプレイに関する技能試験です。受験料は1級・2級それぞれ10,000円(税込)。
    https://www.designshikaku.net/interia/kukan/

  • インテリアアドバイザー認定試験
  • インテリアの商品知識や、販売、技術に関しての基礎知識に関する試験です。受験料は10,000円(税込)。
    https://www.designshikaku.net/interia/interior02/

公益社団法人 インテリア産業協会
  • キッチンスペシャリスト資格試験
  • 新築やリフォームに際してキッチンスペースの快適性、利便性を考慮して提案を行う資格となります。受験料は総合タイプ(学科試験+実技試験)で14,300円。それぞれ単科で受験するとそれぞれ11,000円となります。(それぞれ税込)
    https://www.interior.or.jp/examination-ks/

一般社団法人 照明学会
  • 照明コンサルタント
  • 照明計画・照明コンサルティングに関する照明技術を、通信教育で指導する講座です。カリキュラム合格者に称号があたえられます。受講料はオンライン解答で一般26,840円、郵送マークシート解答で29,920円(それぞれ税込)です。
    https://www.ieij.or.jp/educate/kiso.html

公益社団法人 日本エクステリア建設業協会
  • エクステリアプランナー
  • エクステリアは建物周りの外構の事を言います。造園などを行う分野なので、個人住宅だけでなく、ホテルやアミューズメントパーク、街の景観などにも関わる仕事です。受験料は2級が8,800円、1級が11,000円(それぞれ税込)です。
    https://jpex.or.jp/ex-planner/

一般社団法人 日本インテリア設計士協会
  • インテリア設計士資格検定試験
  • 1級と2級があり、両方ともに学歴や実務経験の受験資格が定められているので、注意してください。学科と実技の試験があり、2科目受験は15,000円。1科目受験は10,000円。更に合格者は登録料として別途20,000円がかかるところにもご注意ください。
    http://www.jp-interior.or.jp/examination.html

東京商工会議所
  • 福祉住環境コーディネーター検定試験
  • 高齢者や障がい者の住環境をよりよくするための知識について学科試験を行っています。1〜3級まであり、それぞれ受験料は1級11,000円、2級6,600円、3級4,400円(すべて税込)となっています。病院、福祉施設の他、昨今ではバリアフリーも注目され、商業施設や公共施設にも活かせる知識です。
    https://www.kentei.org/fukushi/

以上のように、インテリア関係の資格は各分野でも様々なものがあります。インテリアデザイナーやインテリアコーディネーターのような総合的なものから、照明やキッチン、エクステリアに関する専門的なものもあるので、自分がどのような仕事をしたいかを考え、資格を検討してみてはいかがでしょうか。

インテリア系以外に取っておくと有利な資格

インテリア関連の仕事は時に建築や設計などの分野にも関わることがあります。そのため、以下の資格も転職時に武器になりうる資格としてご紹介します。

【建築士】

建築士資格は『公益社団法人 建築技術教育普及センター』が実施している資格試験です。建築士資格には一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類があります。受験するためには、それぞれに所定の学歴要件や実務経験が必要になるので、誰でも簡単に受験して合格できる資格ではありません。

しかし、だからこそ資格を持っていると有効な武器として転職時やスキルアップ、キャリアアップにとても有効な資格だと言えます。

また、インテリアプランナーと同じ『公益社団法人 建築技術教育普及センター』が行っている資格試験なので、こちらの学科試験を合格しているとインテリアプランナーの学科試験が免除されるという制度もあります。
https://www.jaeic.or.jp/shiken/index.html

【CAD利用技術者試験】

『一般社団法人 コンピュータ教育振興協会』が実施する資格試験です。昨今の設計の現場では手書きの作図よりも、このCADというソフトを使うのが主流です。設計図を理解することは、インテリアや住宅の機能・形態などの理解を広げることにも繋がります。

また、CADを使えることで、作業の幅も広がることに繋がり、より多くの現場で活躍できるチャンスも広がるでしょう。
https://www.acsp.jp/cad/

【カラーコーディネーター検定試験】

『東京商工会議所』が行っている検定試験です。こちらの資格は、インテリア業界に限らず、ファブリック、美容、広告・デザイン業界など様々な業界で人気の資格です。人気が高い分、知名度も高いので、持っていると様々な業界でスキルアピールに繋げることができるでしょう。

インテリア業界では、カラーコーディネートの知識はなくてはならないものです。空間コンセプトや、クライアントのイメージにあったカラーの提案ができなければ仕事になりません。そのため、こちらの資格も持って損はないと思います。
https://www.kentei.org/color/guide/guideline.html

インテリア関連の仕事、需要と将来性

昨今、建築業界は売り手市場と言われています。建築業界とインテリア業界は切っても切り離せない関係ですし、またリフォームブームが起きていて、テレビではリフォームや収納インテリアの特集なども頻繁に見かけます。
映像系のメディアが発展すれば、背景セットにインテリア業界の人での需要も高まります。住環境に気を使う方が増えていますし、またオフィス環境も重視されつつあります。

今後インテリア関連の仕事の需要は、まだまだ高まる気風があります。需要が高まるということは、業界としての将来性も十分あるということです。

また職種としても、独立やフリーランスが十分見込める仕事です。専門性が高い仕事なので、長期的に色々な資格を取りつつ経験を積むことで、どこまでもキャリアアップが可能な仕事です。

インテリア関連の仕事に向いているのはこんな人

インテリア関連の仕事に向いている人とはどんなタイプの人でしょうか。まとめてみました。

インテリア部門

  • インテリアが好き
  • 美的センスがある
  • トレンドに敏感

やはり第一条件としてはインテリアに興味がある、インテリアが好きということに尽きるでしょう。好きだからこそ、いろいろなインテリアを調べ、精通し、活かすことができます。また、空間をデザインする仕事なので、色彩感覚や絵心といった美的センスも要求されます。

インテリア業界は日々新しい商品が開発され、トレンドも目まぐるしく変わっていきます。トレンドに乗り遅れているようでは、この業界では務まりません。常にアンテナを張り巡らせていなければいけません。

コミュニケーション部門

  • 人と接することが好き
  • 人の話を聞くのが好き
  • 人の願いを叶える事に喜びを感じる

他者とのコミュニケーションもインテリア関連の仕事では非常に大事なことです。クライアントからヒアリングを行い、要望に答えるのがインテリア業界の仕事になります。このヒアリングでいかに詳細に有用な情報を引き出せるかで、作業効率も大きく変わります。

人と話すのが好きでも、自分のことばかり話したり、自分の好きな空間デザインを推しすぎたりして、クライアントの意にそぐわないものを作ってしまっては意味がありません。クライアントのイメージを引き出し、その空間をできる限り実現する。人の願いを叶えることに喜びを見出だせるタイプの方には天職なのではないでしょうか。

その他

  • 体力がある
  • 柔軟性がある
  • 好奇心旺盛

大きな家具を扱ったり、あちこち走り回って色々と調整したり。華々しくおしゃれなイメージを抱いている方も多いかもしれませんが、インテリア業界はとにかく体力勝負です。重い家具を持ち運ぶことも多いので、非力な方もかなりしんどいと感じてしまうかもしれませんね。

柔軟性はもちろん体ではなく、発想力。クライアントの要望が自分の好みといつも一緒とは当然限りません。いろんな要望に柔軟に対応し、また日々過ごしている中にも素敵なデザインはないか、色彩感覚やコンセプトイメージに対する感受性を研ぎ澄ませてインプットしていくことで、自分の引き出しを増やし続けていける、好奇心旺盛なタイプにも向いています。

インテリア業界でどんな仕事がしたい?それによって取る資格を決めよう

インテリア関連の仕事と一言で言っても、かなり幅広い現場があります。個人住宅に関わりたいのか、ホテルやショッピングビル、アミューズメントパークといった商業施設に関わりたいのか、また公共施設、他にもインテリア関連の仕事は多岐にわたります。

それに比例して、インテリア関連の資格も、インテリア全般のものから、キッチン、照明、福祉、設計、エクステリアと各分野に特化したものも様々。

あなたがインテリア業界でどんな仕事がしたいのか。どんな現場をプロデュースしたいのか。自己分析と一緒にしっかりと考えてみてください。そして、その目標に合った資格を取るのが、あなたの成功の近道になるはずです!

また、勉強方法さえ間違えなければ、独学での資格取得も可能ですが、一発合格を目指すなら、通信講座やオンライン講座、通学講座など様々な資格取得支援のサービスが充実しているので利用するのも手ですよ。


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参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷