【難易度一覧】分かりにくいJava資格を一から丁寧に説明

数あるプログラミング言語の中でも、Javaは世界的な人気を長い間維持し続けています。Webサイト、アプリケーション、企業システム等どのようなプラットフォームとも相性が良く、汎用性の高いプログラミング言語です。

そのため、技術力があるJavaプログラマは多くの企業現場で活躍できます。就職や転職市場でも高い需要があり、将来性の面でも期待できるでしょう。

人気のあるプログラミング言語だけあり、Javaには多くの資格があります。Javaプログラミングを始めたばかりの方の中には、それぞれの資格に分かりにくさを感じている方も多いかもしれません。

そこで今回の記事では、代表的な4種類のJava資格について一から丁寧に解説します。資格の種類だけでなく、それぞれの難易度や勉強法についても見ていきましょう。

Oracle認定Javaプログラマ

Oracle認定Javaプログラマとは?

「Oracle認定Javaプログラマ」は、日本オラクル社が認定するJavaの資格です。2010年以前は、Javaの開発元である「Sun Microsystems」社が運営しており「Sun認定Javaプログラマ」と呼ばれていました。

Bronze、Silver、Goldと3つのグレードがあり、SilverとGoldは全世界共通の資格で海外でも有効です。合格率や合格者数は非公開ですが、その信頼性の高さからJava専門資格の中で最も人気のある資格だと言われています。

Oracle認定Javaプログラマの試験区分と難易度

Oracle認定Javaプログラマには、Bronze(ブロンズ)、Silver(シルバー)、Gold(ゴールド)と3つの試験区分があります。BronzeとSilverに受験資格はありませんが、Goldを受験する際はSilverを取得しておかなければなりません。

Bronzeは、Oracle認定Javaプログラマの受験区分のうち、最も難易度が低い資格です。Javaでの実務経験があれば、特に勉強しなくとも合格できるでしょう。初心者の場合は、Javaの知識を確認するための良い腕試しになります。

Silverは、Bronzeと比較して難易度がぐっと上がります。クラス、メソッド、インスタンスの概念等、オブジェクト指向についての深い理解が必要です。業務でJavaプログラミングをしている場合は、Bronzeを飛ばしてSilverから受験することをおすすめします。

Goldは、Oracle認定Javaプログラマの受験区分のうち、最も難易度が高い資格です。数年のJavaプログラミング実務経験に加えて、独力で設計から実装までこなせる実力が必要でしょう。受験の際は、前提資格としてSilverの取得が必要となります。

Oracle認定Javaプログラマ合格へ向けての勉強法

初心者の方は、まずBronze試験合格を目指しましょう。Javaの基礎知識を問う問題が多く、業務経験がなくても十分に対応できます。

Oracle認定Javaプログラマは有名な資格であり、参考書が多く独学でも合格可能です。ただし、オブジェクト指向の概念は分かりにくいため、短期で合格を目指す場合には通信講座やプログラミングスクールの利用をおすすめします。

Javaプログラミング能力認定試験

Javaプログラミング能力認定試験とは?

「Javaプログラミング能力認定試験」は、様々な認定試験を主催する民間企業「サーティファイ」が運営する資格です。試験ではJavaに関する基礎知識や、オブジェクト指向によるプログラミング能力が問われます。

2018年度の平均合格率は64.1%と高く、Oracle認定Javaプログラマと比較して全体的に難易度は低めです。Javaプログラミングの実務経験がない初心者が腕試しをするには最適な試験と言えるでしょう。

Javaプログラミング能力認定試験の種類と難易度

Javaプログラミング能力認定試験には、1級、2級、3級と3つの試験区分があります。どの受験区分にも受験資格は設けられていないため、最初から1級を受験することも可能です。

3級は、Javaに関する基礎的な知識や、オブジェクト指向の基本的な概念が問われます。筆記試験は多肢選択のマークシート方式で、60%以上の得点率で合格となります。Javaについて勉強し始めたばかりの方は、まず3級から受験することをおすすめします。

2級は、Javaに関する一般的な知識や小規模なプログラムを書く能力が問われます。3級と同じく、筆記試験は多肢選択のマークシート方式です。パソコンを使ってJavaによるプログラミングの勉強を進めている方におすすめの試験区分と言えるでしょう。

1級は、オブジェクト指向に基づく設計、プログラミング、仕様変更に伴う保守ができる能力を問われます。2級や3級と違い、1級はパソコンを使用した実技試験です。実際にプログラムを作成する必要があるため、実務経験がある方や、2級に合格した方の受験をおすすめします。

Javaプログラミング能力認定試験合格へ向けての勉強法

2級もしくは3級を受験する場合、参考書や過去問が販売されているため、独学で合格を目指すことも可能です。特に3級は、Javaに関する資格の中で最も優しい難易度の資格の一つであり、初心者が最初に合格を目指す資格として打ってつけです。

1級は、実際のプログラム作成や仕様書の変更が必要となり、難易度がぐっと上がります。通信講座やプログラミングスクールによる学習を並行して行うことで、合格の確率が上がるでしょう。

Android技術者認定試験

Android技術者認定試験とは?

「Android技術者認定試験」は、一般社団法人「IT職業能力支援機構」が運営する資格です。直接的なJavaの資格ではありませんが、Androidの開発にはJavaが用いられるため間接的に技術力を証明できます。

試験では、Androidのフレームワークやアプリケーション公開等に関する知識が求められます。数あるJava資格の中でも、特にアプリケーション開発に関する能力をアピールする際に有効です。

Android技術者認定試験の種類と難易度

Android技術者認定試験には「アプリケーション技術者認定試験」と「プラットフォーム技術者認定試験」、2つの種類が存在します。それぞれ「ベーシック」「プロフェッショナル」の2レベルがあり、ベーシックでは主に開発に関する基本的な知識、プロフェッショナルではプログラミングに関する高度な技術力が問われます。

アプリケーション技術者認定試験は、Androidのアプリケーションを開発する上での技術力を認定する試験です。出題は四肢選択式で行われ、70%以上の得点率で合格となります。ベーシックの合格率は累計で44.6%となっており、実務経験を積んだITエンジニアの受験を想定しています。難易度をOracle認定Javaプログラマと比較すると、GoldとSilverの中間程度と言えるでしょう。

プラットフォーム技術者認定試験は、Androidのプラットフォームを開発する上での技術力を認定する試験です。アプリケーション区分と同様に出題は四肢選択式で行われ、70%以上の得点率で合格となります。ベーシックの合格率は累計27.3%となっており、アプリケーション技術者認定試験よりもさらに難易度が上がります。

Android技術者認定試験合格へ向けての勉強法

Android技術者認定試験の参考書や問題集は販売されていますが、歴史が浅い資格のため種類はさほど多くありません。独学の場合は、Androidプログラミングの技術書による勉強を並行して進めると良いでしょう。

また、Android技術者認定試験は受験者数が他のJava資格と比較して少ないため、通信講座やプログラミングスクールによる試験対策講座はほとんど開催されていません。実務でアプリケーションを開発するエンジニアが、技術力を証明するために取得する資格と言えるでしょう。

初心者は「Oracle認定Javaプログラマ」の受験がおすすめ

「Oracle認定Javaプログラマ」「Javaプログラミング能力認定試験」「Android技術者認定試験」「基本情報技術者試験」と、Javaに関する4種類の資格一覧について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。国家資格である基本情報技術者試験の受験者の多さや、Oracle認定Javaプログラマの人気の高さについてご理解いただけたかと思います。

プログラミング初心者がJavaについて最初から勉強する場合、まずは「Oracle認定JavaプログラマBronze」の取得を目指してみましょう。難易度が高くないことに加えて、勉強を進めることでSilver、Goldとステップアップしていける魅力があります。

さらに、Oracle認定JavaプログラマはJavaの専門資格であるため、プログラミングに直結した技術を身に付けられるメリットもあるでしょう。ぜひJavaの勉強を通して、オブジェクト指向によるプログラミングの楽しさや面白さを感じてみてください。

参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷