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【第1回】ハッピーな働き方を実現する介護カフェって?

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介護職で楽しくハッピーに働くために!介護職の悩みを解決する方法とは?

介護の現場で働き、ステップアップを重ねてきた・・・しかし、あるとき突き当たった壁。
悩みの解消と介護の未来を明るくするために、悩み・気付きを共有する場「未来をつくるkaigoカフェ」を立ち上げた高瀬氏が語る、介護の仕事をハッピーにするためのヒントとは?

プロフィール

Profile
著者 高瀬比左子 たかせひさこ
高瀬 比左子 
(たかせ ひさこ)

未来をつくるkaigoカフェ代表

経歴・実績

介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員

平成24年より「未来をつくるkaigoカフェ」を開催。介護関係者のみならず多職種を交えた活動にはこれまで3,000人以上が参加。
通常のカフェ開催の他、小中学校への出張講座や一般企業、専門学校などへのキャリアアップ勉強会や講演、コラボ企画の立案なども行う。

運営サイト
未来をつくるkaigoカフェ
https://www.kaigocafe.com/

facebookページ
https://www.facebook.com/miraikaigocafe/

著書
    『介護を変える 未来をつくる カフェを通して見つめるこれからの私たちの姿』(日本医療企画)
  • 介護を変える 未来をつくる カフェを通して見つめる これからの私たちの姿

未来をつくるkaigoカフェとは?

はじめまして、高瀬比左子(たかせひさこ)と申します。

私は「未来をつくるkaigoカフェ」という、介護職や介護に関わる方同士の対話の場を主催しています。

「未来をつくるkaigoカフェ」とは介護職をはじめ介護に関わる人たちが自分らしく毎日の仕事を楽しむために思いを語り合いながら、抱えている問題や価値観を共有したり、介護や地域の問題について考えたりする場です。

介護職や医療職など介護に関わる仕事をしている人たちが集まって、毎回介護にまつわる身近なテーマを設定し、肩書や役職を抜きにした対話を行っています。

2012年の7月にスタートし、これまで延べ3,000人以上、100を超えるテーマで対話をしてきました。

カフェを始めたきっかけ

始めたきっかけとしましては、私自身、長く介護業界に関わってきて、

「今のままケアマネジャーとして働き続けることで、果たして自分の目指すべきゴールは見つかるのだろうか?」

また、

「利用者様のその人らしさの支援をする私たち介護職が、もっと自分らしくいきいきと働くためにはどうすればよいだろうか?」

と常々考えていました。

そんな時、ソーシャルネットワーク上で様々な形で介護業界を変えようと努力されている方の存在を知り、

「組織の中の決められたレールの上ではなく、自分なりに介護業界に貢献できる方法があるのではないか?」

また、

「これまで問題意識として感じていた「対話」を通じて前向きな介護関係者同士のつながりをつくることができないか?」

と思いフェイスブック上で仲間を募ってスタートしたのが始まりです。

「未来をつくるkaigoカフェ」のネーミングについてですが、『未来をつくる』というフレーズは、前向きに自らの意思で未来を切り開いていく、そんな能動的な介護職のイメージにぴったりだと思いました。

また、カフェという言葉については、堅苦しい勉強会のようなイメージではなく、カフェのようにあたたかみがあって、居心地がよい場所、そんな場所を目指したいという思いでつけました。

未来をつくるkaigoカフェは介護にまつわる身近なテーマをもとに、肩書や役職を抜きにした自由な対話の中で気づきや学びを共有し、ご自身なりのフィールドで活かして頂くためのきっかけをつくる場としてスタートしています。

カフェの参加者と対話のテーマ

カフェという名前のとおり、講師から講義を受けるといったスクール形式の勉強会や研修会ではありません。

これまで

「介護職の未来」
「障害とは何か」
「介護職の魅力」
「職場における環境づくり」
「もしも介護保険がなかったら」
「介護保険外サービスの未来」
「笑顔をつくるコミュニケーション」
「介護における学びとは」
「認知症の人の気持ちを理解した関わりとは」

など、介護にまつわる身近なテーマでワールドカフェ形式の対話を中心に様々な対話をしてきました。

参加者は現場の介護職から経営者、医師や看護師、理学療法士や作業療法士、人材派遣会社や介護保険外サービスなどバラエティーに富んでいます。

現在は介護カフェで出会った人たち同士で地域のイベントをしたり、肩書や役職、職種や業種を超えて様々な有機的なつながりが生まれています。

カフェで得られるものとは?

カフェに参加された方に、「kaigoカフェで一体何が得られるのか?」とお聞きした回答の一部をご紹介しますと、

  • 対話を通じて様々なテーマで学び、気づきが得られ、意見を否定されず自由に対話できる
  • 問題意識や価値の共有ができる
  • 一般的な研修やセミナーでは得られない学びや出会いがある
  • 会社という立場を離れられるから楽しい、価値観が広がる
  • 前向きに介護を良くしていきたいという思いをもった方と出会える
  • 自分を組織の外側から客観的に見る機会になる
  • 普段接しない人達と交流することでリフレッシュになる
  • 様々な活動をしている方を知り、刺激になる
  • 自分でも所属の組織や枠組みの外で何かできることはないかと考える機会になる
  • この業界では他職種で自由に集える場が少なかったので嬉しい
  • 肩書や役職があっても、初心を思い出すことができる
  • カフェでの出会いがつながっている、地域や仕事上でも様々なかたちで活かされている
  • それぞれに自分なりの問いを持ち帰れる
  • これまで当たり前に思っていたことが対話を通じて再確認でき、自分の中で意識づけできる
  • 業務として捉えているところを立ち止まって考える機会が得られる

上記のことからも、日常の中での対話の必要性や対話による気づきを様々な形で持ち帰って頂けていることがわかります。

介護現場でも対話の実践を!

私自身も介護業界で働いているのでわかるのですが、介護現場の大半は経営的な問題から最低限の人員で仕事をしているので、なかなか人を育てることまで手が回らない状況にあります。

その点、対話はお金がかかりませんので、介護現場でもぜひ取り入れていただきたいと思います。

会議などではなく、お互いが考えていること、悩んでいることなどを肩書に関係なく出し合い、意見交換をすることは情報発信力やチーム力を高めることになりますし、また気づきを促し日常に埋没することを防いでくれることにもなります。

また、こうした場でのファシリテーターを経験するなかで自然と問題解決能力やコミュニケーション能力は高まります。職場でのコミュニケーションの質も高まり、組織としても成熟していけると思います。

これから、私なりの視点で、現場とカフェでの経験をもとに転職にも役立つお話をご紹介させてもらいたいと思います。よろしくお願いいたします。

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