期間工というと「稼げる」「給料が高い」というポジティブなイメージがある一方で、「きつい」というネガティブな声も耳にします。
期間工の仕事にはそれぞれデメリットとメリットがあり、人によって合う・合わないがあるのです。
「給料が高いから」という理由だけで期間工の仕事を選んでしまうと、入社後にミスマッチを感じることもあるでしょう。
そこで、期間工の仕事を選ぶ前には事前に情報を集め、自分に合った職場を選ぶことが重要です。
今回は、期間工のデメリットとメリット、どのような人に向いているかなどを詳しく解説していきます。
期間工とは、モノづくりの現場で期間を限定して働く有期契約社員です。
主に自動車メーカーや電機メーカー、食品メーカーなどの製造工場などが求人を出しており、車両やパーツ、家電製品などの組立や検査、梱包など生産ラインで作業を行います。
期間工は、長期の派遣労働者や正社員と異なり、最長2年11ヵ月と期間が定められていることが特徴です。
期間工は、長時間労働や単調な作業によるストレスなど「しんどい仕事」とされています。
デメリットが多いイメージですが、実際はどうなのでしょうか?
ここでは、期間工のデメリットについて、詳しくみていきましょう。
生産ラインの業務を行う期間工は、長時間に渡って同じ作業を繰り返します。
さらに多くの期間工は、シフト制で働き、休日出勤や夜勤もあるため、労働時間が長くなることも少なくありません。
特に期間工未経験の方は、部品や工具の取り扱い方や長時間の立ち仕事、夜勤の働き方に慣れず、仕事自体をきついと感じることが多いでしょう。
また、作業内容によっては、音や振動、粉塵などの有害物質にさらされることや、暑い・寒いといったきつい職場環境の場合もあります。
期間工の働き方に慣れない方や、職場環境にうまく適応できない方にとっては身体的・精神的に「きつい」と感じるでしょう。
期間工は、企業の業績や需要が大きく影響し、いつも安定して期間工の求人があるわけではありません。
需要や社会情勢によって雇用が変動するため、以下のように雇用の継続が不安定な場合があります。
また、雇用期間が定められているため、正社員や長期派遣社員に比べて安定性が低く、働き方や待遇が不安定であることもデメリットのひとつです。
期間工は契約期間内で働く特徴があり、仕事内容によっては単純作業になることが多く、期間工で働いた経験が将来のキャリアアップにつながるとは限りません。
そのため、一般企業での働き方と比べると、仕事内容に見合ったスキルアップや長期的なキャリアアップが難しいというデメリットがあります。
期間満了後にスキルや知識を身につけたい方や、社会人としてステップアップしたい方にとっては、期間工の仕事はデメリットが多く感じることでしょう。
期間工には、寮が用意されている場合が多いです。
安い家賃、家具家電などの設備の充実など、生活費を抑えられるメリットがありますが、寮生活をデメリットに感じる方もいます。
個室を完備している企業もありますが相部屋だった場合には、自分のスペースが少なく、プライバシーが制限されてしまいます。
他の人たちと共同で調理施設やバスルームを利用しなければならないため、時間帯が重複した場合は使用が制限されることも…
また、会社と寮が近い場合には通勤費の負担がなくなる反面、単調な生活になりワークライフバランスが悪化するといったデメリットもあるでしょう。
期間工はデメリットもありますが、人気の高い働き方のひとつです。
その理由は、しんどい分や頑張った分は、収入に反映されるメリットがあるからです。
また、一般的な仕事に比べ時給が高く、その他にも手当や福利厚生が充実している場合があります。
ここでは、期間工のメリットについて詳しくみていきましょう。
期間工のメリットの一つに、高収入が期待できる点があります。
期間工は大手メーカーや自動車メーカーなどの大企業が多く、給料もそれに見合った高水準であることが多いです。
さらに、残業手当や深夜手当、家族手当などもあるため、通常のアルバイトと比較しても高い収入を得ることができます。
また、家具家電付きの寮が用意されていたり、食事代の補助が支給される場合が多いため、生活費を抑えることも可能です。
期間工は「3カ月」、「6カ月」と企業が決めた期間を契約更新しながら、最長2年11カ月働きます。
企業によって満了となる期間は異なりますが、「半年だけ」「2年だけ」と、自分の希望する期間に合わせて働くことができます。
また、休日や勤務時間なども柔軟に対応してくれるため、プライベートとのバランスをとりやすい働き方ができます。
期間工は、大手メーカーや自動車メーカーを中心に多くの企業で募集が行われているため、福利厚生や社会保障が充実していることが多いです。
具体的には、社会保険や労災保険、有給休暇、住宅手当、退職金制度などがある場合が多く、安心して働くことが出来ます。
大手メーカーなどで働く場合、福利厚生のひとつとして、社員食堂や寮が用意されていることもあります。
家賃が安く済んだり、家具や家電が完備された寮に入居することができたりするなども期間工の魅力の一つです。
自動車メーカーの工場では、組立てから修理作業まで多岐にわたる作業が行われているため、様々な技術を学ぶことができ、スキルアップにつながります。
さらに、大手メーカーでの期間工として働くことで、幅広い製品や技術に触れることができます。
期間工を終えた後の転職においても、スキルや知識がある人材として重宝される可能性が高いでしょう。
期間工として長期間勤務し、企業に貢献したことや成果が評価されることで、正社員登用のチャンスをつかむことができます。
正社員になることで、待遇や福利厚生がより充実するため、期間工から正社員を目指す方も多くいます。
正社員を目指す方は、知識や技術はもちろん、仕事への取組みや職場内でのコミュニケーションを大事にしましょう。
期間工の働き方をメリットと感じるのかデメリットと感じるのかは、働く人の向き・不向きが大きく影響します。
ここでは、期間工をおすすめする人とおすすめしない人について説明します。
期間工に向いている人は以下のような人です。
自動車工場で働く期間工の場合、軽作業だけでなく重労働を行う場合もあるため、長時間の作業や肉体的な仕事を負担に感じないなど、体力に自信がある人におすすめです。
また、交代勤務や勤務時間、勤務日数が長い職場では、体力がある人の方が負担なく働くことができるでしょう。
短期集中型の仕事が好きな人は、一時的な集中力が求められる期間工の仕事に向いているでしょう。
期間工は、3ヶ月から最長2年11カ月までの期間限定での雇用が基本になるので、短期間集中して働くスタイルに合った仕事といえます。
また、期間工は比較的高収入が期待できるため、短期間でしっかりと稼ぎたい人にもおすすめです。
期間工の給与は、年収400万~500万円、月給30万円以上という求人も多く、短期間で高収入を得られる仕事です。
短期間でお金を稼ぎたい人、高収入を目指す人にとっておすすめです。
一定期間働いていれば、通常のアルバイトやパートの時給よりも高額な収入を得られるため、貯金や将来の資金計画にも役立つでしょう。
期間工は短期間で集中的に働き、高収入を得ることができるため、目標に向けた資金作りをしたい方に向いています。
など高額な資金が必要な目標がある場合に、期間工の高収入を活用することで、目標達成が可能となるでしょう。
期間工は、短期間で高収入を得られるため人気が高い職種ですが、以下のような人にはおすすめできない場合があります。
期間工は期間限定の仕事で、景気や需要によって契約満了を迎えずに、契約更新されないこともあるため、長期的に安定した収入が得られないことがあります。
また、短期集中で働くため、その後の職場や収入に不安がある人にはおすすめできません。
将来、安定的なキャリアを築きたいと考える人は、他の職種を検討してみるのもいいでしょう。
期間工は長時間の立ち仕事や作業を行うことが多く、体力や健康面が十分でない人にとっては負担が大きいかもしれません。
万が一体調を崩してしまうと、ライン工程に支障がでてしまうだけでなく、収入にも影響が出ることが考えられます。
しかし、職場によって部品の組み立てや検品など力仕事が少ない部署もあるので、体力や健康状態に自信がない人は、配慮してもらえることもあるでしょう。
期間工は高い収入や充実した福利厚生などから人気の高い働き方のひとつで、多くの人がやりがいをもって働いています。
では、どんなときにやりがいを感じるのでしょうか。
ここでは期間工で働くやりがいについてみていきましょう。
期間工で働くやりがいの一つに、努力が給料に反映されることがあげられます。
期間工は、短期間で稼げる反面、仕事内容がきつい場合があります。
しかし、期間工の給料は労働時間や勤務内容に応じて支払われる給料が決まっているため、頑張った分が確実に反映されるのです。
真面目に業務に取り組むことで、自分自身の成長や収入の向上につながることが仕事のやりがいといえるでしょう。
期間工の中には、自分が手がけた部品や製品が車や機械の中で動いている姿を見たり、街中で見かけることにやりがいを感じている人が多くいます。
製品として出荷されることや、自分が関わって完成させたという達成感や喜びを感じられるでしょう。
期間工は、このようなモノづくりの楽しさを感じながら、やりがいをもって働くことができます。
期間工は、ライン工程で淡々と業務をこなしているイメージがありますが、作業にはチームワークが重要です。
生産ラインでは、一人ひとりの作業が次の作業に影響するため、他の人の作業に配慮しながら、自分の仕事をスムーズに行う必要があります。
ここで大切になるのが、チームメンバーとのコミュニケーションや協力です。
例えば、自分が担当する作業がうまくいかないときに、チームメンバー同士でアドバイスをし合ったり、作業を分担したりすることで、何事もなく作業を進めることができます。
協力して業務に取り組み、製品が完成されることにやりがいを感じるでしょう。
期間工になることで感じるやりがいだけでなく、大変さや苦労についても知っておくことが大切です。
ここでは、期間工が大変だと感じる理由についてみていきましょう。
期間工は、自動車や電気製品などの部品の生産性を上げるためには、ライン作業でのスピードが求められます。
特に未経験者はライン作業に慣れていないためスピードについていけないこともありますが、メーカーによっては期間工経験者であっても「速くて大変」だと感じる場合があります。
ラインのスピードについていけない場合は、仕事が遅れたり、ミスをしてしまったりすることがあります。
「周りに迷惑をかけたらいけない」というプレッシャーが、ストレスに感じることもあるでしょう。
生産ラインでは、同じパーツを取り付けたり、同じ工程を繰り返したりが多いため、単調な作業内容が大変だと感じている人もいます。
単調な作業は、時間が経過するのが遅く感じ、身体的にも精神的にも疲れがたまりやすいため、ストレスを感じることもあるでしょう。
期間工は、長時間労働やシフト勤務が多く、夜勤もあるため、生活リズムを維持するのが大変だと感じる人が多いです。
特に夜勤は、昼夜逆転の生活となり、体が慣れるまで体調不良を起こしたり、睡眠不足や食事の時間のズレなど、生活習慣に悪影響が出る場合もあります。
また、休日や勤務時間帯がバラバラなため、規則正しい生活を送ることも難しいとされています。
「期間工で働いてみたい!」と思った方も、実際に自分にはできるかどうか気になりますよね。
そこで、気になる期間工の職場環境について詳しくみていきましょう。
生産ラインの仕事はチームワークが重要です。
入職後は、初対面同士の場合が多いためスムーズなコミュニケーションが難しいこともあるでしょう。
しかし、シフトが一緒になったり、同じ組み立てラインで働くことが多いため、自然と仲良くなれる機会が増えます。
また、仕事終わりには、同僚と一緒に飲みに行くこともあり、職場だけでなくプライベートでも交流が深まることが多いようです。
期間工には年齢制限がないので、20代から50代まで若い人からベテランの人と、様々な世代の人が働いています。
中心となるのは体力がある20代~30代の人ですが、50代以上の方も現役で働いている現場も少なくありません。
年齢や体力、適性に応じて配属先が決まるので、「年齢を重ねているから期間工として働けない」といった心配は少ないでしょう。
期間工は、
など、様々な境遇の人が働いています。
職場によっては女性が働きやすい職場環境に力を入れているところも多く、スキルを身につけたい女性や子育て中の女性も活躍されています。
働く人の中には少し変わった人もいますが、これは一般企業でも同じことです。
正社員を目指す場合、職場内での人間関係やコミュニケーション力が評価されますので、苦手なタイプや変わった人でも、意識して良好な関係づくりを行うことが大切です。
期間工は未経験からでも働けるかどうかも、気になることのひとつではないでしょうか。
期間工が働く工場では、重労働である場合も多く、身体的な負担が大きいことが特徴です。
特に、自動車メーカーの工場では、生産ラインのスピードが早く、機械の音や暑さ・寒さなどでストレスを感じることもあるでしょう。
期間工未経験の方にとっては、慣れない現場と作業でくたくたになることも…
しかし、研修制度が充実している企業が多く、上司や先輩からの指導もあり、安心して仕事を覚えられる環境が整っています。
人によって仕事に慣れるまでの期間は異なりますが、未経験からスタートしても、1カ月ほどでスムーズに仕事ができるようになるケースが多いです。
いかがでしたでしょうか?
期間工のデメリットとメリット、どのような人に向いているかなど説明しました。
期間工は、「きつい」「しんどい」といったデメリットがありますが、高収入や柔軟な働き方、スキルアップ、正社員のチャンスなど多くのメリットがあります。
自分のキャリアプランやライフスタイルに合わせて働くことができ、仕事を通じて将来役立つスキルを身に着けることもできます。
「ガッツリ稼ぎたい人」「仕事を探している人」にとっては、魅力的な働き方のひとつといえるでしょう。
期間工に関心のある人は、メリットとデメリットをしっかり把握して、自分に合った職場を選びましょう。