期間工の仕事がきつい理由と向いている人の特徴

自動車工場や電子部品工場などで働く期間工の仕事は、多くの方から「きつい」という声を聞きます。日本全国の工場で働く期間工ですが、どのような仕事で、きついと言われる理由はどこにあるのでしょうか。

今回は多くの工場で求められる期間工の仕事について、きついと言われる理由と向いている人、仕事の魅力を解説します。期間を決めて働きたい方、とにかくお金を稼ぎたい方、生活の心配をせずに働きたい方は、本記事で期間工について詳しく知ってください。

 

期間工とはどのような仕事?

日本の工場で必要とされる期間工とは、どのような仕事をするのでしょうか。働き方や派遣社員、仕事の種類などを詳しく解説します。

 

工場などに期間限定で働く契約社員

期間工は名前の通り、期間限定で、工場で働く契約社員のことです。契約期間は様々ですが、3~6ヶ月が一般的とされ、最長でも2年11か月までと決まっています。

企業の業績が良く、工場が繁忙期で人手が足りない時に、工場の生産性を確保するために採用されます。期間工は自動車関連の工場で募集されることが多く、その他にも精密機器の工場や食品工場でも需要が高いです。

期間工の仕事は工場の生産ラインで、いくつかある作業工程の中から割り振られます。例えば、自動車メーカーなら塗装やプレス、溶接などそれぞれの工程を期間工が担当し、工場の生産ラインの一翼を担います。

工場での労働は体力が必要なことから、健康で体力のある男性が募集されることも多いです。

 

派遣社員やライン工との違い

期間工は契約社員ですが、派遣社員やライン工といった類似した名称の職種もあります。それぞれの違いについても解説します。

期間工のような契約社員は、工場の所有者であるメーカーから直接雇用されますが、派遣社員は派遣元の企業から有期契約で雇用・派遣される社員です。派遣社員はあくまで派遣元企業が雇用主となるため、その点で期間工とは大きく違います。

また、ライン工は工場の生産ラインで働く従業員のことですが、期間工のように有期契約ではありません。ライン工は通常の従業員と同じ無期限での雇用形態となるため、その点が期間工とは大きく異なります。

働き方に関わるポイントですから、名称による違いは理解しておきましょう。

 

期間工の仕事の業種

期間工は工場の生産ラインで働く仕事ですが、工場といっても日本には色々な種類・業種があります。期間工の多くが働く業種は以下の通りです。

  • 自動車
  • 精密機器
  • 航空機の部品
  • 食品系
  • 鉄鋼系
  • 造船系
  • 電子機器系

普段の生活で目にする自動車やバス、電車、飛行機、船舶など、すべてが工場で生産されています。期間工の働く場所はそうした工場のすべてであり、経験やスキルなしの方でも求人に応募できます。

業種によって求める人材の条件は異なりますから、自分の条件に合う工場を探してください。

 

期間工がきついとされる理由

実際に期間工として働く方、働いた経験のある方は、なぜ仕事がきついと感じているのかを知りましょう。期間工の仕事は決して楽な仕事ではなく、働く前に大変な理由も知ることが大切です。

 

体力がないと続かない

期間工で多くの方が「きつい」と感じる理由には、肉体労働で体力的な辛さが挙げられます。作業内容にもよりますが、中腰姿勢で長時間作業をしたり、しゃがんではすぐに立つ動作を繰り返したり、工場内を駆け回ったりするためです。

また、工場での作業工程は生産ラインの一部であり、自分の作業が遅れると生産が滞ってしまいます。テキパキと動く必要があり、プレッシャーも相まって体力がなければ続けられません。

中にはボルトを何百本も打つため、手が腱鞘炎になる方もいます。そのため、期間工の多くは仕事後のマッサージやストレッチ、お風呂で体をほぐすなど、自分なりの疲労回復方法を試しているようです。

 

単純作業が多く精神的にきつい

期間工は精神面でもきついことが多く、その理由の一つには単純作業が多く、繰り返しの作業が精神的につらく感じることが挙げられます。

例えば、自動車の生産工程ではプレスや塗装、部品の製造、組立などの工程があります。初心者でも仕事が覚えられるように、各工程を専門的に行うのが一般的です。

しかし、一つの作業を毎日何時間も繰り返すことから、単純作業や繰り返しが苦手な方には辛く感じる理由となっています。

その反面、慣れてくれば作業効率も上がるため、精神的な余裕も生まれやすくなります。未経験でも即戦力として働けるため、単純作業でも苦痛に感じにくい方にはおすすめです。

 

作業環境がきつい

工場内は多くの電力を消費するとともに、多くの熱を放つ作業があります。特に鉄鋼業の生産ラインは溶かした金属を扱うことから、夏場は熱気が閉じ込められ、熱中症で倒れる人もいます。

工場内にはエアコンが効いていない場所もあるため、配属される工程によっては非常に厳しい作業環境になるでしょう。また、食品系や塗装工程では臭い、プレスや組立などの工程では騒音も加わります。

工場内ではきついと感じるものがいくつかあるため、働く人は冷却スプレーやマスク、耳栓などの対策をしている方もいます。

 

残業や深夜勤務で生活リズムを崩しやすい

実は、工場の仕事には、残業や深夜勤務も入るため、慣れていない期間工の方は体調を崩すことがあります。深夜勤務は工場によってことなりますが、夜の21~22時に出勤し、朝の6~7時まで働くことが多いです。

繁忙期や納期が迫っていれば、残業も増えるため、生活リズムが乱れて体調を崩す人もいます。ただし、残業や深夜勤務が多い分、残業代や深夜手当も支給されるため、働いた分の給料は稼げます。

工場によっても勤務体制は異なるため、深夜勤務が苦手な方は、日勤のみの期間工に応募しましょう。

 

人間関係がきつい

工場での作業は一緒に働く人もいるため、気が合わない人もいます。作業中は最低限のコミュニケーションだけでも問題ありませんが、一切関わらずに過ごすことは難しいです。

中にはパワハラのような対応をしてくる上司もいるため、期間工にも人間関係での大変さはあります。また、勤務中に一人で黙々と同じ作業を繰り返すため、孤独を感じる方も多いです。

どのような職場でも人間関係の悩みはあり、馴染むまでは多くの方が苦労しています。

 

スキルやキャリアに繋がらない

期間工を経験した多くの方が悩むのが、スキルやキャリアに繋がる経験を得られないことです。多くの方は働く中で、専門性の高い資格やスキルを習得し、キャリアアップに繋げようとします。

しかし、期間工の仕事は単純作業の繰り返しになることから、スキルは磨かれず、その後のキャリアアップにも繋がらないという特徴があります。

そのため、仕事にやりがいや自分の成長を求める人にとっては、期間工の仕事は辛く感じるようです。一方、お金を稼ぐことや一定期間だけと割り切って、黙々と仕事に打ち込める人には期間工はおすすめです。

 

きついだけではない期間工の魅力

期間工がきつい理由を多く紹介しましたが、きついだけが期間工の仕事ではありません。むしろ、きついからこそ期間工の仕事には充実していることも多く、仕事の魅力になっています。

期間工の仕事の魅力についてもみていきましょう。

 

スキルや経歴に関係なく働ける

期間工はスキルやキャリアには繋がりにくいですが、逆に言えば、スキルや経歴は関係なく働ける点が魅力です。例えば、無職やニートで空白期間のある方、ある程度の年齢でスキルや資格のない方でも、期間工なら関係なく働けます。

作業内容も一つの工程を専門的に行うため、工場未経験の方でも安心して働けます。これまで定職に就かず、フリーターや無職を経験してきた方にとっては、期間工は魅力的な条件で働ける職場になるでしょう。

 

時給が高いのでお金を稼ぎやすい

期間工の魅力の一つが、通常のアルバイトや短期労働よりも時給が高く、お金を稼ぎやすいという点です。期間工で深夜勤務がある工場の場合、基本の時給に25%上乗せされて支給されるため、大きく稼げます。

また、大手メーカーの工場では手当てが充実しており、入社時の特別手当や期間満了で満了慰労金、さらにはボーナスも支給されます。

期間限定ではあるものの、パートやアルバイトよりも大きく稼げることから、とにかくお金を稼ぎたいなら期間工がおすすめです。

 

生活費がほとんどかからない

通常、働くにはアパートや借家などの賃貸物件に住み、家賃や光熱水費を払いながら生活します。しかし、期間工は全寮制になっているところが多く、ほとんど家賃や光熱水費が掛かりません。

寮は光熱水費も含めて無料のところもあれば、光熱水費込みで月5000円~1万円のところもあり、会社によって様々です。また、食事も寮で出されるケースがあり、食事1回あたり200~300円と安い点も魅力です。

月2~3万円程度まで生活費を抑えられるため、貯金を目的として期間工になってもよいでしょう。

 

仕事自体は難しくない

期間工の仕事は工場の工程の一つを担当するため、一般企業のように多くの知識やスキルを身に付ける必要がありません。また、期間工は正社員とは違い、あくまで期間限定の雇用です。

そのため、正社員のように責任のある仕事やノルマ、スキルアップを求められることもなく、比較的楽な気持ちで仕事に取り組めます。働いた分は給与になって返ってくるため、頑張るほど稼げる仕事です。

その点を考えると、作業内容を体に覚え込ませ、生産ラインをスムーズに進めればお金をもらえるため、仕事自体は難しくありません。

 

期間工に向いているのはどんな人?

期間工として働くには、どのような人が向いているのかも解説します。特徴に当てはまる方は期間工に向いていますから、新しい仕事に取り組む際の参考にしてください。

 

期間を決めて働きたい人

期間限定で働くのが期間工ですから、一定期間だけまとめて働きたい方には向いています。他にも、旅行資金や結婚資金、家のローンのために期間工に応募する方もいるため、期間を決めてお金を稼ぎたい方にも向いています。

また、期間工の仕事が大変ということは、採用する会社側も理解しているため、「辞めたい」と思った時の対応も迅速です。働く中で「辞めたい」と思った時には、会社に相談すると理由次第で工程の変更や退職も簡単に認められます。

期間工の多くは1年以内に終了するものがほとんどですから、期間限定で働きたい方は求人をチェックし、期間工に応募してみてください。

 

短期間で大きく稼ぎたい人

期間工は期間こそ限定されているものの、時給が高く、入社祝い特別金やボーナス、残業手当、深夜勤務手当など高収入が期待できます。全寮制なら生活費もほとんど掛からず、収入の多くを趣味や貯金に充てられます。

期間工の仕事は大変ですが、見返りも大きく、短期間で大きく稼ぎたい方にはおすすめです。体力に自信がない方でも、軽作業の期間工も時々募集していますから、求人をチェックして応募してみましょう。

できる限り自分のライフスタイルに合っており、働きやすい条件の期間工の仕事を探すのがポイントです。

 

住む場所やお金に困らず生活したい人

多くの工場では、期間工の方向けに全寮制を採用しています。アパートを借りると生活費だけでも10万円近く掛かりますが、全寮制ならその3分の1程度で生活できます。

個人のプライバシーという面では、気になることもありますが、寮生活で浮いたお金は趣味や貯金など自由に使えるため、生活に困りたくない方にはおすすめです。

ただし、全寮制でも工場からの距離や整備が行き届いているかをチェックし、期間工にも優しい会社かどうか判断してください。

住む場所を探したくない方や、厳しい生活を送りたくないとお考えの方は、期間工の仕事が向いています。

 

体力に自信がある健康な人

工場の仕事は体力勝負ですから、何よりも体力と健康に自信のある人がおすすめです。大手自動車メーカーの仕事は大変ですが、待遇も良く、体力がある健康な人なら向いています。

期間工は工場で働くイメージが強いため、「筋力のある大柄な男性でなければならない」と考える方も多いかと思います。もちろん、筋力もある程度必要ですが、それよりも作業を手順通りに進める要領の良さと、大変な仕事でもこなせる体力の方が重要です。

女性でも期間工として働く方はいますから、体力に自信がある健康な方は、期間工に応募してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ:期間工の仕事はきついが稼ぎやすいのでおすすめ

期間工は工場の生産ラインを担当し、体力的にも精神的にも大変な仕事です。単純作業と繰り返しの作業が苦手な人にとっては、仕事が退屈に感じることもあるでしょう。

しかし、大変な仕事である反面、期間限定で大きく稼ぎたい方にはおすすめです。特別な資格やスキル、キャリアは不要で、健康で体力さえあれば年齢も関係なく働けます。

「一定の期間だけ働きたい」「あとちょっとお金が欲しい」など、一人ひとりの希望を叶えるのが期間工の仕事です。頑張ってお金を貯めたいとお考えの方は、期間工の求人に応募してみてはいかがでしょうか。


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参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷