新卒の就活と比べるとハードルの高い既卒の就活、世間では「既卒人生終了」「既卒詰んだ」ともいわれていますが、実はやり方次第。
新卒の内定率が約70%に対して既卒は約30%と、楽な道のりではありませんが自己PRや応募書類の工夫、スキルの習得をすることで就活成功へのステップとなります。
今回は、既卒の就活の就活法について詳しくご紹介しますので、既卒就活生の方はぜひご参考にしてください。
既卒というだけでマイナススタートといわれがちな既卒就活、「どうやって就活すればいいの?」と悩む方も少なくありません。
既卒の定番の就活法4つをご紹介します。
新卒の就活では大学の就職課・キャリアセンターなどを利用された方が多いと思いますが、実は既卒でも大学で就職支援してもらえます。
最近では既卒者の就職支援に力を入れている大学も多いため、新卒の就活と同様に様々なサービスを活用することが可能です。
大学の就職支援を受けるメリット
大学の就職支援を受けるデメリット
大学の就職支援を受けたい方は、直接訪問せず事前に電話連絡などで就職支援を受けられるかどうか確認することをおすすめします。
就職活動の場所といえばハローワークが定番で、新卒はじめ第二新卒、既卒、社会人、フリーター、ニートなど様々な方が利用されています。
ハローワークで就活するメリット
ハローワークで就活するデメリット
そもそも既卒は就職できずに学校を卒業した人のことをいいますが、“既卒”というだけで働く意欲やスキルがあるにもかかわらず就職できない若者の救済や企業の優秀な人材確保のために既卒の採用枠が緩和されたことをご存知でしょうか?
平成22年「青少年の雇用機会の確保等に関して事業主が適切に対処するための指針」が改正され「卒業して3年までの既卒は新卒扱い」とされるようになりました。
参考:厚生労働省 青少年雇用機会確保指針より
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000wgq1.html
企業が新卒を対象として求人を出している就活サイトでは以下のようなメリット、デメリットがあります。
新卒向けサイトで就活するメリット
新卒向けサイトで就活するデメリット
卒業後3年以内は新卒扱いと改正されても正味新卒のみ扱いサイトも多いため、既卒には不利な就活法で、卒業後3年以上を経過している既卒者は利用できないこともデメリットとなるでしょう。
多数の求人情報が掲載されている転職サイト、最近ではインターネットを検索すると数多くの転職サイトがヒットしますが、既卒者が利用する場合は要注意です。
転職サイトで就活するメリット
転職サイトで就活するデメリット
たくさんの求人情報が閲覧できるため、「就職できる!」という気持ちにはなりますが、転職サイトを利用する転職者の多くは企業で働いた経験のある社会人ばかり。
社会人経験がなくスキルが不足している既卒者にとって社会人と競争になるという点では、就活を成功させるのは厳しいでしょう。
既卒者が他の就活者と比べて及ばないスキルは若さと経験値。
どんな理由で既卒になったかは人によって様々ですが、新卒者や社会人転職者に比べるとマイナススタートで不利な状況なのは一目瞭然です。
“新卒”はいわばステータスのひとつでポテンシャルを重視した恩恵を受けることができますが、既卒は若くてポテンシャルが高くても新卒と同じ土俵には立てません。
また、ビジネススキルを持ち即戦力となれる社会人とも競争することもできないでしょう。
既卒がやってはいけない就活法は「新卒や社会人転職者と同じ条件で就活する」こと。
先ほどご紹介したハローワークや新卒向けサイト、転職サイトなどでは既卒以外の就活者も多いため既卒者が同じスタートラインに立つことはできないのです。
例えば、大学を卒業して5年の既卒者の場合、新卒入社で社会人経験が5年ある人を比べください。企業はどちらを評価して採用したいか?を考えると既卒者のハードルの高さが分かりますね。
特に大手企業では、若さのある新卒者・即戦力となる中途採用者を欲しがる傾向がありますので、既卒という時点で書類選考も通過できないケースもあるのです。
ハローワークも転職サイトも既卒には向いていないとなると、どうやって就活すれば成功に近づくことができるのでしょうか?
それは、既卒向けエージェント(就職支援サービス)を使うこと、既卒は既卒に特化した就職支援を受けることが就職成功への近道なのです。
既卒向けエージェント(就職支援サービス)をおすすめする理由には4つあります。
既卒の就活で一番のハードルは、悩みは多いのに相談相手がいないというプレッシャーです。
本当に就職できるの?
自分はどんな仕事が向いているの?
ブラック企業しは採用されないの?
このような不安を解消するためにも、エージェントのキャリアアドバイザーを有効活用してください。
就活の進め方や自分にあった仕事について悩む既卒者は、まずはキャリアカウンセリングで自身のキャリアプランを明確にしましょう。
既卒向けエージェントでは専任のキャリアアドバイザーが、強みやスキルの棚卸しをはじめ、適切な仕事選びをサポートしてくれます。
また、将来への不安や疑問などささいな質問も気軽にできるため、ストレスのない就職活動を進めることができるでしょう。
既卒歓迎の企業自体は少ないものの既卒向けエージェントでは転職サイトや新卒向けサイトには出されない、既卒採用に前向きな企業が保有されています。
経歴だけでなく応募者に目を向けた評価を重視し、入社後育てていこうという企業なので既卒者にとって安心ですね。
ハローワークや転職サイトでは、業界や企業に合わせた緻密な就職支援が不十分ですが、既卒向けエージェントでは採用につながる就職支援が充実しています。
既卒でも有利になる自己PRの仕方などもアドバイスしてもらえるでしょう。
既卒向けエージェント企業との日程調整や条件交渉などやり取りを代行してくれますので、スケジュール調整で悩むことがありません。
また、単独では難しい条件交渉も転職のプロにお任せすれば希望の条件で入社できる可能性も高まります。
キャリアアドバイザーがスケジュール調整してくれるので、複数の企業との就活もスムーズに進めることができ、応募数を増やすことも可能です。
既卒は、既卒のマイナスイメージを覆す強みや自己アピールが就活成功のカギです。既卒の正社員就職に強い既卒向けエージェントを2つご紹介します。
20代のフリーター、既卒、第二新卒など社会人経験に自信のない方の正社員就職に強いハタラクティブ。
常時2300件以上の未経験OK求人を保有し、業界・職種の幅も広く様々な企業を取り扱っています。
紹介される求人は既卒歓迎の優良企業なので、学歴や職歴に自信がない方も安心。
専任のアドバイザーがキャリアカウンセリングを通じて企業選びや面接対策などマンツーマンで入社後のアドバイスまで徹底サポート、
実際に取材した企業のみが紹介されるため、一般の求人情報には出ない企業の詳細情報や自分に合った社風の求人が見つかりやすくマッチング率が高いことが特徴です。
カウンセリング実績 60,000人以上・内定率 80.4%と業界トップクラス
自分の思いを直接採用担当者へ伝えることができる面接は、既卒就活の重要なポイント。
既卒ならではという質問がありますので、しっかりと相手が納得できる答えを返し、入社意思を伝えてアピールしましょう。
うまくアピールできれば既卒のマイナスイメージを覆し、好印象を持ってもらえますよ。
既卒の面接の定番の質問について、回答方法も合わせて3つご紹介します。
既卒就活の面接ではほぼ100%聞かれる質問です。
企業側の狙いは、
ということです。
雇う側としては、働く意欲があり長く働いてくれる人材を採用したいのは当然。入社しても問題ない人材なのか確認するために既卒になった理由を尋ねているのです。
新卒の就活で失敗して既卒になった場合、失敗した理由や失敗から得た教訓、就活で学んだことなどを伝えましょう。
「なぜ既卒になったのですか?」のおすすめ回答例
「学生時代、業界を絞りすぎた就職活動をすすめてしまい、内定を頂くことができず既卒になりました。これを活かして視野を広げた就職活動を進め、様々な業界や企業について研究し、就職活動に取り組んでいます」
前回の失敗から学んだ教訓をいかして、前向きな就職活動に取り組んでいることをアピールしましょう
これも既卒就活では必ず聞かれる質問です。企業は学校を卒業し今日に至るまでの空白期間、どうやって過ごしていたのかを知りたいと思っています。
例えば、ただ遊んで過ごしていただけなのか、資格取得や就職活動に向けた取り組みをしていたのかということです。
「学校を卒業後、何をしていましたか?」のおすすめ回答例
「就職できず学生時代からしていたアルバイトを継続していました。アルバイトを通して後輩を指導することの大変さや、やりがいを見つけることができました」
「経理に役立つ資格を取得したいと思い勉強をしていました。簿記1級を取得しました」
既卒の空白期間では、就職に向けた前向きな取り組みや学びが重視されます。
資格を取得していないのに「資格取得をした」という嘘は絶対ダメですが、将来に向けて「学んでいるところです」と、努力とポジティブさを伝えられたらOK!
空白期間はできるだけ短い方が〇
いわゆる志望動機についての質問は、新卒・既卒問わず聞かれる質問のひとつ。
既卒では、新卒と異なり職種別の採用となりますので、より明確な志望動機が求められます。
「なぜその仕事をしたいと思ったのですか?」のおすすめ回答例
「未経験ではありますが、学生時代に販売職のアルバイトをはじめ現在まで継続し、“お客様が選ぶ接客NO1スタッフ”に選んでいただくことができました。培った接客やコミュニケーションスキルを活かし、『やさしさと笑顔で届ける』という理念である御社で営業職として尽力できるのではないかと考えました。営業職として、新しい戦略の提案や新規事業確立に貢献できるよう取り組んでいきたいと思います」
自分自身の強みをアピールしながら入社意欲と企業へ貢献できるポイントを伝えましょう
自分の成功体験を交えると、入社後の具体的なイメージがしやすいのでおすすめ
“既卒”というだけでマイナス評価になってしまいがちですが、魅力ある履歴書を作成することでプラス評価につなげることができます。
正社員としての社会経験がないため、アピールできる部分がない、経歴に空白期間がるため「どうせだめなんだ」と諦めてしまっている方は必見!
既卒でも履歴書の書き方を工夫してチャンスをつかみましょう。
既卒者の履歴書で企業が重視している部分は自己PRです。社会人経験がないため仕事のキャリアでアピールすることができないので、自分自身をアピールしなければいけません。
企業は、入社後にしっかり成果を出して貢献できるかということを期待していますので、貢献できる内容が伝わるような強みやアピールを記載しましょう。
自己PRは、自分自身のことだけを書けばいいというものではありません。その企業が業界内でどんな位置にいるか、どんな営業方針で理念を持っているかなどを調べておく必要があります。
そして企業のキャリアプランに合った人材であることをアピールするためには、自分の強みや得意分野、目標やキャリアプランを明確にする自己分析も重要です。
自分を客観視し自分を売り込むアピールをしよう
履歴書に自己PRを記載することも重要ですが、書類の書き方も工夫する必要があります。
多数の応募者が同じ条件を満たしていた場合、履歴書の書き方を工夫すれば他のライバルと差がつき企業に与える印象はグッとよくなります。
「ただ書けばいい」と甘く見ずに、採用に影響する大切な書類であることを肝に銘じて書類作成しましょう。
履歴書は「一般用」を使用する
既卒の方で大学のキャリアセンターを活用している人は、つい大学指定の履歴書を使用してしまいがちですが、大学を卒業した日から社会人としての一歩を踏み出しています。
企業は、社会人の自覚があるかどうかも履歴所から判断しています。
すでに大学を卒業した既卒は、大学指定の履歴書は使用しない方が良いでしょう。
企業から指定がある場合は指定に従います
一般的に履歴書には大きくJIS規格・一般用・転職者用・パート、アルバイト用の4種類ありますが、社会人経験のない既卒は職歴欄が小さめで自己PR欄が大きい一般用がおすすめです。
履歴書によって項目やスペースの幅は様々なので、自分が伝えたい内容がしっかり記載できる履歴書を選びましょう。
文字が下手でも丁寧に!
「字を書くのが苦手…」という方もいますが、相手に読みやすいよう丁寧に記載しましょう。
履歴書は手書きでもパソコンでもどちらでもよいものですが、老舗企業や伝統を重視しているような企業では手書きの印象が良く、IT企業、ベンチャー企業などではパソコンの印象が良い傾向です。
業界や企業に合わせて作成方法を変えるのが良いですが、パソコンを使用すれば、スキルの証明としてアピールできますね。
得意なことや継続していることがあれば記載する
例えば、小さい頃から続けている習いごとでも習慣でも良いでしょう。
仕事に関係のないことであっても継続力や諦めない努力のアピールにもなり、良い印象を与えることができます。
履歴書は就活の第一印象に影響することを忘れずに
経歴にハンデのある既卒就活では、「新卒や中途採用の転職者と競争するためのウリが必要」と考え資格取得を目指す人がいます。
資格は目に見えて分かりやすいスキルの証明で、確かに“ウリ”になりますが、企業にとって意味のない資格の取得は有利にならないことの方が多いです。
既卒では、一定のスキルを証明できる資格がおすすめです。
例えば、語学力や簿記に関する資格は企業側もイメージがしやすく“即戦力”として期待されやすいでしょう。
また、資格取得に至らないものの「資格取得に向けて勉強中」も向上心が評価されますので、記載した方が好印象。
【既卒におすすめの資格・勉強】
資格を取得すれば業務の適性が把握しやすく、知識やスキルのアピールになりますが応募する企業や業界に関連する資格することで、より入社意欲をアピールすることができます。
資格が採用基準で重視されるとは限らず、多くの企業では人間性・意欲・将来性といったポテンシャルが重視されています。
既卒の採用に前向きな企業では、入社後の即戦力はさほど重視しておらずどちらかというと入社後の成長や可能性を重視しています。
現時点で即戦力となれる人材ではなくても、向上心があり一緒に働きたいと思える人材が採用されているのです。
資格の取得は決してマイナスにはなりませんが、そればかりに集中してはいてはいつまでたっても就職活動成功は実現できません。
あくまでも就活ノウハウのひとつとして「取得できたらいい」程度の意識に留め、大切なのは資格取得に向けて取り組む姿勢ということを忘れないでください。
資格取得で向上心や努力をアピール
既卒は新卒採用と違い通年採用となり、就活スケジュールが決められていません。
そのため、いつでも応募できるしいつでも就職できますが、年間を通じて、内定が出やすい時期・内定が出にくい時期があります。
既卒の内定が出やすい時期は、来年度の人材確保に備え正社員採用がピークになる3月とされています。
タイミングを見極めて就活を進めていきましょう
合同説明会やセミナーというと新卒を対象にしたもののイメージが強いですが、中には既卒をターゲットにしたものもあります。
少人数を対象にして個別説明会や個別面談なども行われ、既卒の採用に前向きな企業が集まり開催されていますが、内定につながる説明会も多いためおすすめです。
多くは既卒を対象としたエージェントが開催していますので、積極的に参加したい方は登録して情報収集しましょう。
多くの企業と関わり視野を広くもつことが重要
いかがでしたでしょうか?
既卒の就活法について詳しくご紹介させていただきました。
既卒だからとネガティブにならず「工夫すれば就職できる」と安心していただけたでしょうか。
なかなか就活がスムーズに進まず諦めたくなるときも出てくるかもしれませんが、就活につまずいたときはご紹介したエージェントに相談してみてください。
身近に相談する人がいるというだけで気持ちも落ち着き、自分自身を客観視した就活を勧めることができますよ。
既卒だからといってネガティブにならず、自信を持ち就活を進めていきましょう!