個人情報保護士、合格率や試験内容から見える難易度とは?

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ネットで個人情報が簡単に拡散されてしまう現代、個人情報を取集するときはとても注意が必要です。個人情報の取り扱いについては「個人情報保護法」で規制が行われており、個人情報漏洩は企業の信頼を揺るがす大事件となります。

このような背景から個人情報を適切に取り扱える専門家が必要とされるようになりました。

この記事では個人情報管理の専門家である個人情報保護士資格について解説しています。認定試験の合格率だけでなく、試験内容や資格取得の方法から個人情報保護士の難易度を検証。資格取得のメリットについてもご紹介しています。

個人情報保護士に興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。

個人情報保護士とは

個人情報保護士とは、個人情報を取り扱う専門家です。

個人情報保護士とはこの資格は全日本情報学習振興協会が実施する「個人情報保護士認定試験」に合格することで、取得することができます。

個人情報保護士認定試験では、個人情報保護法やマイナンバー法など法律関係の知識や個人情報を保護するための対策などについて出題されます。
受験勉強をすることで、個人情報の取り扱いについて一通りの知識を得ることができる仕組みです。

個人情報保護士のニーズは高く、NTTコミュニケーションズ、シャープドキュメントシステム、日本生命保険相互会社等多数の大手企業社員が個人情報保護士認定試験を受験しています。このことからも、企業にとって個人情報を適切に扱える専門家の人材育成は大変重視されていることが分かります。

個人情報は様々な企業で扱われていますので、どの業種で働くにしても個人情報の知識を持っていて損はないでしょう。

個人情報保護士の試験概要

では個人情報保護士の試験概要について、具体的に見てみましょう。

出題内容

課題Ⅰ 個人情報保護の総論(50問)

課題Ⅰ 内容
  • 個人情報保護法の理解
  • 個人情報保護法の歴史
    個人情報に関連する事件・事故
    各種認定制度(プライバシーマーク・ISMS・JIS Q 15001)
    個人情報の定義と分類
    個人情報取扱事業者
    条文に対する知識と理解

  • マイナンバー法の理解(10問)
  • 番号法の背景・概要
    条文に対する知識と理解

課題Ⅱ 個人情報保護の対策と情報セキュリティ(50問)

課題Ⅱ 内容
  • 脅威と対策
  • 脅威と脆弱性に対する理解

  • 組織的・人的セキュリティ
  • 組織体制の整備
    人的管理の実務知識

  • オフィスセキュリティ
  • 物理的管理の実務知識

  • 情報システムセキュリティ
  • 技術的管理の実務知識

出題内容引用元:『試験内容・試験日程』

※ただし、この出題内容はあくまで目安とされており、他のテーマが出題される可能性もあります。

合格基準

課題Ⅰ、課題Ⅱそれぞれ正解率70%以上が認定試験の合格基準になります。ただし、問題の難易度に対する調整が入るため、受験回によっては正解率70%以下でも合格になることがあります。

試験形式と試験時間

試験形式はマークシートです。試験時間は課題Ⅰ、課題Ⅱあわせて150分になります。

個人情報保護士認定試験の合格率

個人情報保護士の合格率については、主催団体より平均37.3%と公表されています。また平成25年度の試験の合格率は35.0%となっています。その他の年度については合格率が公表されていませんので、正確な合格率の推移を知ることはできません。ただ2つの数字から各回の合格率はおおむね30%後半台であると推察されます。

個人情報保護士類似資格との比較

個人情報保護士類似資格との比較個人情報保護士認定試験の類似試験には、情報セキュリティ管理士認定試験というものがあります。
情報セキュリティ管理士認定試験は、コンピュータやネットワーク、モバイル機器等を利用する際のセキュリティについて知識を試されるものです。この試験は個人情報保護士認定試験と同じく、全日本情報学習振興協会が主催しています。
情報の保護について問われるという意味では個人情報保護士と共通点がありますが、以下の点に違いがみられます。

Points of difference

  • 社内情報全般のセキュリティ管理について問われること
  • IT系に特化した試験内容になっていること

情報セキュリティ管理士認定試験の平均合格率は49.6%となっており、個人情報保護士に比べると難易度が低いといえます。
さらに情報セキュリティ管理士認定試験の入門編にあたる情報セキュリティ初級認定試験も実施されています。こちらは平均合格率61.7%であり、より合格しやすい試験になっています。 

合格率参考元「全日本情報学習振興協会」各資格ページ:https://www.joho-gakushu.or.jp/

個人情報保護士の難易度は?

前述の合格率である平均37.3%というと、3人に1人の割合でしか合格できないということです。類似資格よりも合格率が低いこともあり、個人情報保護士資格の難易度は高いように感じられます。しかし、一方で個人情報保護士は資格がしやすい資格ともいわれています。ここでは、その理由と考えられる要因をいくつかご紹介します。

試験範囲はあまり広くない

個人情報保護士認定試験の出題範囲は、さほど広くありません。試験内容は大別すれば「個人情報保護の総論」と「個人情報保護の対策と情報セキュリティ」の2つに分かれています。実は試験分野が2分野というのは、他の資格試験からすると少なめなのです。例えば、ファイナンシャルプランナー3級なら出題範囲は6分野、日商簿記3級なら4分野にわたっています。
そのため、勉強時間や勉強期間をあまりかけないで受験に臨むことが可能なのです。

試験形式がマークシート

個人情報保護士認定試験は100問の問題が出題されるため、ボリュームは多めです。とはいえ試験形式は、マークシートの選択式です。選択肢の中に必ず答えがあるので、勘でマークしても正解することがあるでしょう。記述問題がない分、解きやすい試験です。

さらに問題文自体も専門用語が少なく、読みやすいのではないでしょうか。公式ページで公開されている過去問を見てみれば、常識の範囲内で解けそうな問題が出題されていることが分かるでしょう。

ただしちゃんと勉強しなければ正解できない問題や、イレギュラーな問題ももちろん出題されます。受験の際は気を抜かないようにしてください。

受験機会が豊富

個人情報保護士認定試験は、受験回数が年に4回と比較的多いのがポイントです。毎年3月・6月・9月・12月に試験が行われるので、合格できる自信が付いたときにピンポイントで試験を受けることができます。

さらに令和2年9月試験より自宅、学校、会社などインターネットがつながる場所ならどこからでも受験ができる「オンライン・ライブ検定」がスタートしました。

たくさんの試験日程があり、試験会場に縛られず受験が可能なので、合格のチャンスが多い試験といえます。

試験対策がしやすい

試験対策がしやすい個人情報保護士認定試験は、試験対策の手段がたくさん用意されています。

テキストに関しては実施団体の公認テキスト、ユーキャンの一問一答集などがオンライン書店で簡単に手に入ります。

またTACやStudyingなどで資格講座が開催されている他、試験実施団体である全日本情報学習振興協会自身が、対策講習会や公開模試を実施しています。

テキストや過去問が手に入りにくい資格試験もある中で、学ぶ手段がとても充実している試験なのです。

別の試験を経由する取得方法がある

実は、個人情報保護士になる方法は個人情報保護士認定試験に合格するだけではありません。全日本情報学習振興協会は、個人情報保護士認定試験の他に次の2つの試験も実施しています。

  • 個人情報保護実務検定 1~2級
  • マイナンバー実務検定 1~3級

この2つの検定試験の範囲を合わせると、個人情報保護士認定試験試験範囲の大部分と一致します。

そして、

  • 個人情報保護実務検定1級合格者
  • マイナンバー実務検定2級以上の合格者

という2つの条件を満たすことで、実際に個人情報保護士として認定を受けることができるようになります。「個人情報保護士認定試験が難しい」と感じる場合は、まず個人情報保護実務検定やマイナンバー実務検定から受験し、基礎知識を付けていくことが可能なのです。2つの試験は等級も細かく分かれているので、少しずつステップアップすることができるでしょう。

個人情報保護士の偏差値はどのぐらいといえる?

このような背景を考慮すると、個人情報保護士の資格はそこまで取得の難易度が高いとはいえないでしょう。難易度が中ぐらいの資格を偏差値50とすれば、個人情報保護士は40台に留まると考えれらます。

個人情報保護士資格取得のメリット

個人情報保護士資格取得のメリット個人情報保護士の資格は、民間資格の1つです。弁護士や税理士とは違い「この資格を持った人間でないと行ってはいけない」といった独占業務はありません。また同じ民間資格でもMOSやTOEICほどの知名度はないため、「個人情報保護士の資格を取得しても意味ない?」と感じる人もいるかもしれません。

しかし人が知っているか知らないかにかかわらず、個人情報保護士の資格を取得することには意味があります。ここでは、個人情報保護士の資格を取得するメリットについて具体的に紹介していきます。

個人情報に関わる知識を体系的に学べる

近年では、個人情報に対する扱いは大変センシティブなものになっています。

平成15年、国は「個人情報の保護に関する法律」(通称個人情報保護法)を公布し、国・自治体・企業に至るまで個人情報への取り扱いについて規定を設けました。例えば、現行の個人情報保護法では、以下のように定められています。

「第二十一条 個人情報取扱事業者は、その従業者に個人データを取り扱わせるに当たっては、当該個人データの安全管理が図られるよう、当該従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。」

引用元:「個人情報の保護に関する法律」https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=415AC0000000057

しかし、「必要かつ適切な」監督を行うためには、個人情報に対する知識がなくてはなりません。「このぐらいはいいだろう」という曖昧な認識で個人情報を取り扱うと、知らない間に法律違反になってしまう可能性があります。かといって、個人情報保護法を読むだけでは個人情報の取り扱いについて詳しい内容を学ぶことは困難です。個人情報保護について知るには具体的な事例や、分かりやすい解説書が欲しいところです。

そんな時は、個人情報保護士認定試験を受験してみましょう。テキストや講座を通して受験勉強をすることで、個人情報の扱いに関する知識を体系的に学ぶことができます。

様々な立場で個人情報を扱う人の指針になる

様々な立場で個人情報を扱う人の指針になる前述した個人情報保護法は、度重なる改定を重ねています。平成29年5月30日からは「取扱う個人情報の数が5,000人以下の小規模事業者」でも法律規制の対象になりました。今までは自分の仕事には関係ないと考えていた小さな会社の人達も、個人情報の扱いには気を配る必要が出てきたのです。

また、この法律の対象は企業や個人事業主に限りません。非営利で活動している団体も、対象に含まれるのです。PTAや町内会、ボランティアグループにいたるまで、個人情報を収集している団体は皆個人情報保護法を守る義務が生じます。

このように考えれば、個人情報を扱う機会は現代社会に生きていれば誰にでもあるといえます。教養として個人情報の知識を持っていると、無知による法律違反を防ぐことができます。

合格者限定のアップグレード講習が受けられる

個人情報保護士の資格を取得すると、合格者限定のアップグレード講習を受講できるようになります。個人情報保護の知識を深めたい、専門家から話を聞く機会が欲しいという人には嬉しい取得のメリットといえます。
アップグレード講習には、次のようなものがあります。

アップグレード講習

  • 上級個人情報保護士認定講習会
  • 個人情報保護士の上位資格「上級個人情報保護士」を目指せる2日間の講習会です。マイナンバー法やセキュリティ対策についてより深く学べる内容になっています。

  • 個人情報保護監査人認定講習会
  • 個人情報漏洩を防止するための内部監査についてノウハウを学ぶことができる講習会です。1日のスケジュールで※JISQ15001をもとにした個人情報マネジメントシステムについても解説を受けられます。

  • ソーシャルメディアオフィサー認定講習会
  • ソーシャルメディアは企業のマーケティングツールとして時に莫大な効果をもたらしますが、実はいたるところに危険が転がっています。ソーシャルメディアに特化したリスクの軽減方法を学べる1日間の講習です。

※JISQ15001とは個人情報保護のための規格で、規格を満たしていると認定されるとプライバシーマーク(Pマーク)を取得できます。

認定カードやロゴで資格をアピールできる

個人情報保護士認定試験に合格すると、合格証の他に認定カードが発行されます。また、合格者ロゴのダウンロードもできるようになります(有料ではありますがPiiPシールというシール形式のロゴもあります)。ロゴは名刺やホームページ等に貼り付けて、資格をアピールするのに便利です。

仮に個人情報保護士の資格名を知らない相手でも、名刺上の資格ロゴを見てもらうことで「個人情報に強そう」という印象を持ってもらいやすくなります

認定カード、ロゴの有効期限は2年間

認定カード、ロゴの有効期限は2年間合格者特典の認定カードとロゴですが、実は2年間の有効期限があります。有効期限を延ばすには、全日本情報学習振興協会が実施する定期講習を1年に1回受講する必要があります。受講料は1回2,000円(更新期限切れ後だと5,000円)です。この講習会では、個人情報に関わる最新の法律などについて知識をアップデートできます。

定期講習を受講しなくても合格証が無効になることはありません。一方認定カードやロゴを使い続けたい人、知識を最新の状態に保ちたい人にとっては、定期講習会は必須といえるでしょう。

まとめ 個人情報保護士資格取得の難易度はそこまで高くない

個人情報保護士の資格を得るための個人情報保護士認定試験は、合格率が30%台後半になっています。一見難しそうに見えますが、個人情報保護士認定試験には以下のような特徴があるため、難易度はそこまで高いとは言えません。

  • 試験の範囲があまり広くないので、勉強しやすい
  • 試験形式がマークシート形式
  • 年4回の受験機会に恵まれており、試験会場に縛られない
  • テキストや合格講座など、受験勉強の手段が豊富に用意されている

また個人情報保護士の資格を得るには、類似資格である「個人情報保護実務検定1級」と「マイナンバー実務検定2級以上」を取得するという別の道も用意されています。このような特徴から、法律関係の資格にもかかわらず個人情報保護士の資格は取得しやすいといえます。

個人情報保護法では、事業規模や営利非営利に関わらず、個人情報を収集するグループに情報を適切に扱うことを求めています。今日では誰でも、仕事上はもちろん、ボランティアやサークルなど日常の様々な場面で個人情報を扱う立場になる可能性があります。個人情報保護士認定試験の勉強を通して、個人情報保護について体系的に学んでみてはどうでしょうか。


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参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷