公務員には地方公務員と国家公務員があります。公務員試験と一口に言っても、希望する自治体や職種によって選考過程や内容が異なるため、どこでどんな仕事をしたいかによって勉強の進め方も変わります。まずは受験する自治体を定めるところから始めましょう。
また公務員試験に向けて、独学で進めるか予備校や通信教育へ通うか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。今回は、独学を検討している方に向けて効率良く勉強を進める手順や攻略ポイントを具体的に紹介いたします。これから試験勉強を始めるという人は、是非参考にしてみてください。
公務員試験独学の最大のメリットは予備校に通う費用がかからないという点ですが、他にもチェックしておくべき点があります。
メリット
デメリット
公務員試験の独学は自分のペースでスピーディに進められるというメリットがある半面、途中でやる気がなくなった場合も自分でモチベーションを持ち上げないといけません。分からない問題があった時も、自分で正しい回答を模索するのは意外と簡単ではありません。それぞれメリット・デメリットをしっかり把握した上で、勉強を進めることが大切です。
実際に難しい側面もある独学ですが、性格や経験によっては向いている人もいます。
情報収集や疑問の解決等を進んでおこなえるタイプであれば、自分のペースで進められる独学は楽しく取り組めるかもしれません。長期間の試験勉強を最後までやり遂げた時には何物にも代えがたい達成感と自信にもつながり、やりがいは充分にあるでしょう。
とはいえ、公務員試験は一年に一度しかありません。独学で勉強を決める前に、しっかりと自己分析をして始めることをおすすめします。「自分にはちょっと無理かも」と感じたら、迷わず予備校や通信教育を選択肢に入れて検討しましょう。
公務員試験は、非常に難関であるイメージを持つ方も多くいらっしゃると思います。
ただ、これは一概に言える事ではなく、実際には公務員の職種や希望する自治体によって難易度が異なるというのが実情です。また地方公務員であれば勤務地は都道府県庁や市町村役所となり、国家公務員だと配属は政府や立法府、司法府など国の中枢機関となります。試験自体の難易度については各機関や職種、学歴によって出題範囲が異なるので一概には比較できないのです。
一見国家公務員の方が試験が難しいのではと感じる人が多いかもしれませんが、実はその逆。職種としては地方公務員の方が人気があり、倍率が高くなる傾向にあります。合格率を上げるため倍率が低い自治体を狙うという人もいるほど。自分が受験したいところはどれくらいの倍率なのか、採用人数の傾向等を事前にチェックしておくと良いですよ。
いずれも出題範囲が広いという共通点では、難易度高めの試験と言っていいでしょう。
独学の場合はこういった試験の最新情報を入手しにくいため、予備校に通うより情報で不利になりやすいことも理解しておきましょう。
公務員試験の独学を決めたら、この手順で進めましょう。
独学は自分で進捗を管理しなければならないため、事前計画は非常に重要となります。
希望の勤務地や職種によって受ける試験が異なります。日程が重なっていなければ併願も可能です。
公務員試験は高卒以上の基本知識がベースとなっておりゼロから新しいことを勉強する訳ではありませんが、かなり広範囲に渡るためそれなりの勉強量が必要です。必要な時間は最低でも1,000時間以上と言われていて、1日8時間×週5日勉強した場合は約6ヵ月、仕事をしながら1日4時間×毎日勉強した場合は約10か月かかる計算です。独学で進めるなら途中で問題につまづいてしまう場合を加味して、少し多めに見積もっておいた方が良いでしょう。
独学で勉強する際に最も重要な手順がスケジューリングです。
勉強すべき量とゴールが明確になっていると、モチベーションを保ちやすくなります。月単位、週単位、一日単位と細かくスケジュールを設定しましょう。
ここでおすすめなのが「ゴールを設定すること」。試験は満点ではなく合格ラインを取れば良いので、どの科目で何点を目指すか、初めに設定しておきます。こうすることで勉強に優先順位がつき、進めやすくなります。後にご紹介する配点の割合が高い項目から取り組むと良いでしょう。
参考書の数が多すぎて選ぶのが難しいと感じる方が多いかもしれませんが、ここで自分に最適な本を選ぶ必要があります。
網羅している範囲、見やすさ、口コミ等がチェックポイントです。また複数購入する場合は、シリーズで統一するとやりやすいですよ。
公務員試験の勉強では問題を繰り返し解くことが大切です。どの試験にも過去問があるので、それを繰り返すことで試験の出題傾向を把握しておきましょう。
独学は決まった取り組み方がない分、闇雲に取り組んでも効果的な学習にはつながりません。下記ポイントを押さえて、効率的に取り組むことを心がけましょう。
大体の公務員試験は、1次の「筆記試験」「論文試験」、2次の「人物試験(面接)」で構成されています。その中でも科目によって配点比があるので、重要項目を把握しておくことが合格へのカギとなります。
教養試験では一般知能分野と一般知識分野で構成されており、特に配点が高い「数的処理」「判断推理」を重点的に勉強すると良いです。数学が苦手な人ならちょっと敬遠したくなる科目名ですが暗記で攻略できるので心配いりません。
その他、中学・高校で学習した歴史や時事問題などが幅広く出題されるため日頃からニュースには目を配っておくことが大切です。
専門試験では「憲法」「民法」「行政法」「経済学」は配点が高い科目となっています。
論文試験は60~120分の時間で、出題された社会問題について客観的に分析し自分の考えをまとめた1,000文字前後の文章を書くという内容のものが多いです。
論文は模擬練習をすればするほど、上達する分野です。
一般的な就職面接が基本ですが、一部では集団討論(ディスカッション)をおこなう試験もあるので試験に沿った対策をする必要があります。
面接対策はあらかじめ予想される質問事項と返答を想定しておくことができますが、1人の練習には限界があります。ハローワークやジョブカフェの公共施設で面接対策をおこなっているので、積極的に活用しましょう。
大手予備校等で模試を開催しているので、最低1回以上は受けることをおすすめします。これまでの自分の勉強の成果を確認でき、全国レベルを知ることができます。費用はかかりますがここは惜しみなく活用しましょう。
公務員試験を独学で合格することは、簡単な道のりではありますが不可能ではありません。そのためには、
これらのポイントをしっかり押さえて取り組むことが大切です。
また独学が難しいと感じたら、無理をせず、通信や通学なども検討することも視野にいれましょう。
今回の記事を参考に、ぜひ自分に合った勉強方法を見つけてくださいね。