エンジニアには、システムエンジニアやフロントエンジニア、データベースエンジニアなどさまざまな種類があります。
その中でも、ここでは「組み込みエンジニア」についてご紹介します。
組み込みエンジニアと聞くと、「残業が多くて激務」「未経験でも転職できる?年収はいくら」「需要はあるのか」と疑問に思う人もいるでしょう。
そんな組み込みエンジニアに対する疑問を【現役の組み込み系エンジニア】が実情を解説します。
組み込みエンジニアの仕事に興味がある、転職を考えている人はぜひ参考にしてください。
組み込みエンジニアとは、自動車や家電、携帯電話などの製品に組み込まれているソフトウェアを開発するエンジニアを指します。
【組み込みシステムで動いているもの】
レジ、電子レンジ、洗濯機、炊飯器、デジタルカメラ、医療機器、ゲーム機、ATMなど
※家電等に組み込まれているシステムのこと
主な仕事内容はソフトウェアの開発です。
しかし、プロジェクトによってはソフトウェアと合わせてハードウェアまで開発する場合もあります。
「組み込みエンジニアは激務で辛いって聞くけど本当なの…?」
仕事が激務で辛い思いはしたくありませんよね。
ここでは、組み込みエンジニアが激務と言われる理由や実際に働いて感じたこと5つをご紹介します。
ひとつずつ解説します。
開発のお仕事は納期厳守の場合がほとんどです。
予期しないバグやトラブル対応などで残業が増え、忙しくなることは往々にしてあります。
この納期厳守な仕事体制は、組み込みエンジニアだけではなくIT業界全体で言える問題です。
仕事の納期は一般的に月末に設定されるため、月末は特に忙しくなります。
場合によっては、残業が月50時間を超えるなんていう人もいます…。
納期厳守な世界でありながら、納期に間に合わない要因として「作業に対する見積もりの甘さ」もあります。
「この作業なら1週間あれば終わる」「この工数で問題ないだろう」と予定していても、しっかり見積もりできていないと納期に間に合わせるために残業することに…。
また、「予定通りに進めば問題ないはずが、体調不良で工数が減ってしまった…」なんて事態も考えられます。
そのため、余裕を持った見積もりができていないことも、組み込みエンジニアが激務である要因になっているのです。
ソフトウェア開発の現場では、頻繁に仕様変更が入ったりクライアントからの要求が突然入ってきたりと、予期できないクライアント都合の変更もあります。
仕様が変わってしまうと、当然ながら新たに機能の追加や変更が必要になります。
クライアントからの要求となると、「できない」と物申すことも難しいのが現実。
予定よりも工数が増えるので、人員を増加するか労働時間を増やすしか対応策はありません…。
開発を行っていると、当然ながらバグが発生したり不具合に悩まされることもあります。
バグや不具合、仕様ミスなどがあると開発がスムーズに進まず作業遅延しがちです。
仕様ミスの確認になると、2次請けや3次請けで仕事をしている場合「クライアントに問い合わせをして、クライアントがさらにクライアントに問い合わせをして…」と、仕様が降りてくるのにさらに時間がかかるといった悪循環になる可能性もあります…。
組み込みエンジニアは、高い専門知識と経験が求められる分野のお仕事です。
そのため、開発ができる人材がなかなか育たず、人材不足に悩まされているのが現状です。
年齢は40~50代が多いため、若い人ほど重宝されます。
人材が不足すればするほど、エンジニア一人にかかる負担も大きくなります。
人材が不足している反面、市場には需要があるためキャリアアップを図る転職などには有利に働くとも言えます。
組み込みエンジニアの年収は、身につけているプログラミング言語の種類や開発有無・経験年数などにも左右されますが、一般的には500~700万円が平均年収だと言えます。
専門性が問われる仕事なため、特定分野に特化した深い知識は仕事や転職に有利です。
また、開発経験者やニーズの高い言語を習得していると、さらに年収アップも期待できます。
Point「C」「C++」「Java」「アセンブリ」などの取り扱える言語によって年収は上がる
「組み込みエンジニアになったら、どんなキャリアパスになるんだろう?」
こんな風に思っている方もいるのではないでしょうか?
ここでは、一般的な組み込みエンジニアのキャリアパスについて紹介します。
組み込みエンジニアになると、他の分野に比べてキャリアチェンジしたときに活用できる技術があまりない可能性があります。
特定のハードや専門的な仕事をする場合が多いため、他で活かせる知識も必然的に少なくなるのです。
一方で、今いる企業や転職を考えている企業で活躍したい場合は、その企業で使われるハードや専門知識を習得するのがよいです。
組み込みエンジニアの基本的なキャリアパスは以上のような考え方になります。
ではここからは、実際に組み込みエンジニアになった場合のキャリアパスを見ていきましょう。
まず、未経験から組み込みエンジニアになるとテスターやデバッカーとして働きます。
システムのテストや不具合がないかの確認をするのが主な仕事です。
そこから、少しずつ開発経験を積んでいくのが、未経験からのキャリアパスになります。
一方、すでにプログラミングの実務経験があれば、システムアーキテクト、プロジェクトマネージャー、プロダクトマネジャーといったマネジメント面にも関わるキャリアも考えられます。
そこから経験を多く積んだ組み込みエンジニアは、少しずつ製品の企画やクライアントとの仕様決め、進捗管理といった仕事にも取り組みます。
このように、組み込みエンジニアは最終的に開発スキルだけでなく、マネジメントや企画といった業務にも携わることになります。
求められるスキルは、経験年数を重ねるとともに増えていき、技術一本では難しい世界になるのです。
「組み込みエンジニア未経験でも転職ってできるの?」
プログラミングスキルや専門知識が重要だと知り、未経験では転職できないのではないか、と思っている人もいるのではないでしょうか。
中には、特別な資格が求められるのではないかと思う人もいるでしょうね。
しかし、組み込みエンジニアは未経験であっても転職可能です。
組み込みエンジニアは人材不足であり、即戦力ではなくても需要は多くあります。
実際に私が担当しているプロジェクトも人手が足りていない状況で、開発スキルがない人も一緒に仕事をしています。
開発スキルがあまりなくても、学習意欲や仕事に対して熱心に取り組める人は歓迎されやすいと言えます。
可能であれば、自分が働きたいと思っている企業が使っている言語を少しでも勉強しておくといいです。
ちなみに組み込み系システムで一番多く使われている言語は「C」で、次いで「C++」となっています。
未経験での転職は年収がどうしても下がってしまう傾向にありますが、それを回避する方法として転職エージェントの利用があります。
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激務ではない組み込みエンジニアの求人も多く取り扱っているのもポイントが高いです。応募前に職場環境についてキャリアアドバイザーに確認するこができます。
組み込みエンジニアの仕事内容や年収、転職事情についてご紹介しました。
組み込みエンジニアは確かに、納期が厳しかったり仕様変更などの急な対応で残業や休日出勤が増えるなど、一般的にイメージされる「激務」に近い現状です。
しかし、その分仕事ぶりや専門性が評価され、平均年収は高めとなっています。
また、人材不足もあって組み込みエンジニア市場は需要があります。
経験者はもちろん、未経験者であっても転職は十分に可能です。
組み込みエンジニアは専門スキル以外にも、マネジメント能力やコミュニケーション能力など幅広いスキルが求められます。
ぜひ、あなたの強みを活かして組み込みエンジニアとして働いてみてください!