この記事では、下記のようなお悩みに答えます。
ナルコレプシーとは『睡眠障害』の一種です。日中、どんな場面でも強い眠気に襲われてしまう病気です。具体的には、仕事中や会議中、商談中などの重要な場面でもとつぜん眠気に襲われ、居眠りしてしまったり。
これが原因で『怠け者』というレッテルを貼られてしまったり、最悪、仕事を『クビ』になるケースもあります。
それを防ぐためには、『医療機関の利用』+『働きやすい環境づくり』が重要です。
そこで今回は、ナルコレプシー(疑い含む)の方向けに『仕事に支障をきたさないためにすぐにできる対策方法』をご紹介します。
もしあなたが「ナルコレプシーかも?」と思っているなら、下記の症状があるかチェックしてください。
日中にも関わらず、異常な眠気になんども襲われます。
たとえば、
・ほぼ毎日のように、仕事で居眠りを繰り返してしまう。
・スポーツ観戦中や会議中などの『興奮・緊張状態』でも眠ってしまう。
・眠気を感じず、とつぜん眠ってしまう。
このような症状です。
とつぜん膝の力が抜けて立てなくなったり、全身に力が入らない、舌が回らないなどの症状です。
大笑いしたとき、うれしいときなど『感情が高ぶったとき』に起きます。
この発作の『有無』は、『ナルコレプシー』か『別の疾患か』を見分ける大きな判断材料の1つなります。
(情動脱力発作がないパターンもありえます。)
寝入りばなに『幻覚と間違うような非常に鮮明な夢』をみるという症状です。
たとえば
「横に幽霊が立っている。」
「自分が幽体離脱している。」
「誰かに声をかけられる。
「誰かに触られた。」
このような幻覚・幻聴のような夢をみます。
原因は、寝入りばなに『眠っているのに、脳は覚醒している状態』であることです。
これは、ナルコレプシーの方のうち『7~8割の方』が経験されている症状です。
通称『金縛り』です。
③の『入眠時幻覚』と同時に起こることもあります。
原因は、③の『入眠時幻覚』と同じく、『眠っているのに、脳は覚醒している状態』であるためです。つまり、『身体(筋肉)は完全に脱力状態であるのに、脳は覚醒している』ため、意識はあっても身体を動かすことができないのです。
①のみであれば、他の睡眠障害(睡眠不足や睡眠時無呼吸症候群)である可能性が高くなります。
①+②~④であれば、ナルコレプシーの可能性が高くなります。
ナルコレプシーの疑いがあるならば、仕事に支障をきたす可能性がおおいにありえます。
すぐに下記3つの対策をしましょう。
1番重要です。まずは病院に行きましょう。
目的は『治療』と『診断』です。
『治療』には下記2つの手段があります。
ⅰ.生活療法
医師のアドバイスをもらいながら、規則正しい生活習慣を身につけます。具体的には、起床、就寝、食事、仮眠(30分以内)の時間を固定することが挙げられます。
そのほかに、適度な運動も効果的です。
ⅱ.薬物療法
症状によって、薬の組み合わせが変わります。
日中の眠気
中枢神経を刺激する薬を服用します。
処方される薬は、下記の通りです。
・モダフィニル(モディオダール)
・メチルフェニデート(リタリン)
・ペモリン(ベタナミン)
情動脱力発作や入眠時幻覚、睡眠麻痺(金縛り)
レム睡眠を減らす、抗うつ剤を服用します。
処方される薬は、下記の通りです。
・三環系抗うつ薬(クロミプラミン、イミプラミン)
・セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
・セロトニン-ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
夜間の中途覚醒
夜間の睡眠を安定させるため、睡眠薬を服用します。
処方される薬は、
・「ベンゾジアゼピン系」
・「非ベンゾジアゼピン系」
に分かれます。
受診の目的は、主に上記2つの治療をおこなうためです。
ただ、ここで医師の『診断書』をもらうことで、『職場の理解を得ること』に繋がります。
『自分はナルコレプシーであるという診断がおりた。』ということ職場に伝え、理解してもらう必要があります。
それを怠ると、冒頭にも説明した通り『怠け者』というレッテルを貼られたり、最悪『クビ』になる可能性もあります。
ただ現状、『ナルコレプシー』という病気は
「ほぼ認知されていない。」と言っても過言ではありません。
そこで、自ら下記のようなことを説明して理解を得てください。
・ナルコレプシーの症状
・眠気は『仕事中だけでない』こと
・してほしい配慮方法の提案
まず自分の症状(ナルコレプシーの症状)を的確に伝えます。
そして、『眠気は仕事中だけでない』ことも確実に伝えなければなりません。さらに、『自分がしてほしい配慮』を提案することも重要です。
例えば、『昼休憩を合計1時間となるように分割してもらう』
という配慮をしてもらえれば、仕事中にナルコレプシーの症状がでても対応できますよね。
どうしても理解を得られず、配慮を受けることができない場合は
『働き方』を変えることも検討していきましょう。
『働き方』を変える方法は、主に2つあります。
転職するためには、配慮を受けられる会社を探すことから始まります。
そこで、『ナルコレプシーの方におすすめする仕事の探し方』を2パターンに分けて説明します。
【障害者手帳を取得していない方】
直接ハローワークに出向き、症状を説明した上で仕事探しをすることも可能です。
しかし、それに不安を感じる方もいるでしょう。
そんなときにおすすめなのが『就労移行支援』の利用です。
『就労移行支援』とは、利用者に対し「一般企業に就職することを目的にし、全般的なサポートをおこなう支援」です。
対象者は「65歳未満の、一般企業への就職を目指している障害をお持ちの方」です。
障害者手帳がなくても利用できる可能性があります。※1
具体的な支援内容は下記の通りです。
まずは『個別支援計画』を作成します。
その計画に基づき、
・仕事、就職に関する相談。
・仕事、就職に必要な知識、スキルの向上。
・就職(転職)活動のサポート。
・就職(転職)後の就労定着に向けたサポート(就労定着支援)。をおこないます。
就労移行支援事業所を利用して一般就労した場合、
『就労定着支援』を受けることできます。
『就労定着支援』では、就職後の全般的なサポートをおこなってくれます。
具体的には下記の通りです。
・利用者との面談
・仕事に関するアドバイス
・医療、福祉機関との連携
・職場訪問。事業者との相談。
『就労移行支援・就労定着支援』ともに利用料※2が発生する点には注意してください。
※1 『障害福祉サービス受給者証』があれば使用できます。
『障害福祉サービス受給者証』は、医師の診断書(意見書)などの書類を近くの行政窓口に提出することでもらうことができます。
※2
※3 3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象。
※4 収入が、おおむね600万以下の世帯が対象。
※5 入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム、ケアホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合「一般2」。
【『障害者手帳』を取得している方】
その場合、『ハローワークや就労移行支援事業所を利用すること』とは別に、
『障害者専門の求人サイト(エージェント)』も利用してください。
確実に、職業選択の幅が大きく広がります。
基本的に『就労移行支援』などのサービスを利用しても、『ハローワーク』に登録されている求人に応募する形となります。
つまり、基本『ハローワークに登録されている企業から選ぶ』ということです。
しかし、『障害者専門の求人サイト(エージェント)』を利用することで、ハローワークに登録していない企業の求人を紹介してもらえます。
その『障害者専門の求人サイト(エージェント)』が『dodaチャレンジ』です。下記は『dodaチャレンジ』の特徴です。
・完全無料。
・登録企業が多い(大企業の求人多数)。
・安心。信頼性の高さ(パーソルグループ運営)。
+αとしての位置づけなので、
とうぜん『無料』で利用できます。
下記の一流企業の求人もあります。
例)ヤフー株式会社、パナソニックITS株式会社、雪印メグミルク株式会社、全日空空輸株式会社(ANA)、アコム株式会社、株式会社カプコン、フィリップモリスジャパンなど
さらに、パーソルグループ(「転職ならデューダ!」のCMでお馴染みの企業)運営のため信頼性は抜群です。
ナルコレプシーの方が仕事上で抱える悩みとして
『同僚や上司から理解を得られなくて辛い。』
『仕事に支障がでている』
ということが多く挙げられます。
それならば、いっそ『フリーランス』として働くことをおすすめします。
理由は『自分で時間をコントロールできるため』です。
眠くなったら少し寝る。スッキリしたら仕事に集中する。
ほとんどの場合、誰にも迷惑をかけませんし、効率の良い仕事ができるでしょう。
『会社で働きながらスキルを磨いて、副業をする』
という方法で『フリーランス』になるための準備をしておくことがいいでしょう。
ナルコレプシーの方が『やってはいけない仕事』があります。
『就職・転職・就労』を検討する場合には、絶対に覚えておいてください。
それは、『命に関わる仕事』です。
具体的には、・ドライバー・高所作業員などは、眠気が命の危険に直結する仕事です。絶対にさけてください。
今回の内容をまとめます。
自分が「ナルコレプシーかも?」と思ったら、症状の有無をチェック!
①日中の睡眠発作
②情動脱力発作(カタプレキシー)
③入眠時幻覚
④睡眠麻痺
①+②~④のうち1つ以上で、ナルコレプシーの可能性が高い。
「ナルコレプシーの可能性がある」場合の仕事への対策
①受診する
②職場の理解を得る(医師の診断書を基にして)
③自分から『働き方』を変える
障害者手帳なし
障害者手帳あり
ナルコレプシーの症状が起こることで『命に関わる仕事』は絶対にしない。
・ドライバー
・高所作業員など
ナルコレプシーを自己解決することは『不可能』です。
「ナルコレプシーかも?」と思ったら、まず受診してください。
そして、ナルコレプシーは根本的な治療が難しい病気でもあります。
つまり、症状を抑えたり、症状とうまく付き合っていかなければなりません。そのためには、生活療法と薬物療法の継続が肝心です。
『医療機関の利用』と併せて、自ら『働きやすい環境』をつくることも大切です。
そのために、職場への理解を求めたり、転職先を探す、フリーランスになる準備をするなどの行動をしましょう。
『医療機関の利用』+『働きやすい環境づくり』が、
『ナルコレプシーとうまく付き合いながら仕事をする対策方法』と言えるでしょう。
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