「ニート」というと、「働いていない」「仕事探しをしていない」状態のことで、このニートの期間が続くと、このままでいいのかと不安になるものです。
特に女性にとって、ニートのまま長く過ごしてしまうと、様々な将来のデメリットを生じさせる可能性があります。
しかし、ニートからの脱出は年齢に関係なく、いつでも再起できるチャンスがあります。
今回は、女性のニートの特徴やニートになった理由、ニートの末路、脱出する方法などについて説明していきます。
ニートの生活に不安を感じている方、ニートから脱出したい方は、ぜひ参考にしてください。
まず、ニートとはいったいどんな人のことを指すのか、またニートの割合について詳しくみていきましょう。
ニートは、厚生労働省の定義によると、
「ニートとは15~34歳の非労働力(仕事をしていない、また失業者として求職活動をしていない者)のうち、主に通学でも、主に家事でもない独身者」とされています。
分かりやすく説明すると、
上記すべてに該当する、15歳から34歳の方のことを言います。
内閣府が行った『令和4年版子供・若者白書』をみてみましょう。
2021年の若年無業者数(ニート数)は、男女全体で2.8%、男性が2.3%、女性が1.9%とされ、2000年と比較すると約1%上昇しています。
2010年からしばらく横ばいが続きますが、2020年の新型コロナウイルスをきっかけに、再度急上昇したといえます。
男性、女性それぞれニートになった理由はありますが、女性の割合が少ない理由には「家事手伝い」はニートの分類に含まれないことが考えられます。
男性がニートになった理由と女性がニートになった理由には、それぞれ共通点がありますが、女性ならではの理由もあります。
ここでは、女性がニートになった主な理由を5つみていきましょう。
何らかの理由から高校や大学を中退した女性が、そのまま仕事を見つけることができずニートになった場合もあります。
中退した理由が学校でのトラブルや人間関係だった方は、外の世界に出ることが怖くなってしまった方もいるでしょう。
一方で、「若いからいつでも仕事なんて見つかる」と、積極的に職探しをしていなかった方もいます。
就職活動の失敗をきっかけにニートになってしまった、という方は多いです。
どれだけ応募しても採用に結び付かず、仕事が決まらないまま自分に自信がなくなりニートになってしまったという理由です。
学生時代、優秀だった方やすぐに就職できると言われていた方は、就職活動がスムーズにいかないことで挫折を感じたり、諦めてしまうことがあるでしょう。
体調不良や怪我からニートになってしまった女性も多く、例えば前職で働き過ぎて病気をしてしまった方や、ブラック企業での仕事から心が疲れてしまったという方です。
頑張り過ぎてしまったことから心身への負担が大きく、仕事のことを考える余裕がなくなってしまっている状態です。
転職先を決めずに退職してしまい、そのまま仕事が決まらずニートを続けている、という女性もいらっしゃいます。
ブラック企業や職場の人間関係で悩み、「一刻も早く辞めたい!」と、急いで辞めたケースなどがあります。
前職での嫌な思い出から仕事への意欲が低下し、無気力になってしまっている方も少なくありません。
今は共働き世帯が当たり前ですが、中には専業主婦になりたいと思っている女性もいます。
婚活に力を入れるためにニートを選んでいる方もいますが、結婚まで至らず、ニートのまま年齢を重ねてしまっているケースもあります。
また、結婚をきっかけにニートになる方もいます。
結婚する予定で寿退社していたけれど、破談になってしまった場合など、婚約者と別れたことや、結婚が白紙になったショックから無気力に陥ってしまいます。
さらに仕事も辞めてしまっているため、前職に戻りにくく、仕事探しをしようという意欲も湧かないでしょう。
ニートになるきっかけは様々ですが、中にはほんの些細なことから、長期間ニートから抜け出せない女性も少なくありません。
ここでは、女性のニートの特徴について紹介します。
「いつも完璧な自分でありたい」と、プライベートや仕事でも妥協できない人が、女性のニートの特徴のひとつです。
このようなタイプの女性は、これまで努力をして積み上げてきたことが、1つの挫折で大きく落ち込んでしまうことがあります。
仕事を探しても、自分の希望に合った仕事でないとしたくないと、妥協することが難しく、ニートから抜け出すことができません。
妥協できないことに類似しますが、自分の生き方へのこだわりが強い人もニートに陥りやすい傾向です。
自信があり理想の人生の軸はしっかりしていますが、柔軟な考え方や対応力ができないことがあります。
イレギュラーなことが起こった場合にストレスをためやすく、こだわりに反した対応ができないことで、新たな一歩を踏み出せない方が多いでしょう。
今は年齢を重ねても実家で暮らしている方も多いですが、実家に食費や光熱費も入れず、経済的な負担がない生活をしている方はニートになりやすい傾向です。
ニートになっても生活に困ることがないため、ニートになりやすく、両親のサポートがある内は、ニートを続けることができるからです。
実家で生活している人の全てがニートになりやすいわけではありませんが、実家の安心感からニートになるリスクがあります。
女性ニートの中には、時間の制約がないため、不規則な生活を送っている方がいます。
昼夜逆転の生活が続くと、体内時計が狂い、だらだらとした生活になりがちです。
お昼に起きてインターネットやゲームをして過ごし、寝るのは明け方…という方も多いのではないでしょうか。
脱ニートを目指すなら仕事を始める準備として、規則正しい生活習慣に戻し、早寝早起きを心がけましょう。
また、家で何もせずに過ごしているならストレッチや散歩など適度な運動を行うことも大切です。
ここまで、女性ニートの特徴について説明してきましたが、ニート生活を続けた女性の将来は一体どうなってしまうのでしょうか。
では、女性ニートの末路についてみていきましょう。
女性ニートの全員が結婚できない、というわけではありませんが、仕事をしていないため、結婚相手との出会いが少なくなる傾向があります。
また、仕事をしていないことが自立していないのではないかと、マイナスイメージをもたれやすく、結婚まで辿りつかないこともあるでしょう。
また、ニート期間が長くなればなるほど婚期が遅れるリスクも高まります。
友人が働いている時期にニートになってしまった場合、ニートに対して「いつまで働かないでいるの?」といった批判的な言葉を受けることも…
また、働いている友人と話が合わず、劣等感を抱くこともあるでしょう。
ニートになるとだんだんと友人と疎遠になり、人に会わない時間が増えていくため、孤独感が増してしまう可能性があります。
仕事をしていないと、当然ですが収入はありませんので、頼れるのは親だけということになります。
親の収入や年金を頼りにして、生活をするようになるでしょう。
ニート女性の中には、遊びにいくお金まで親に出してもらうという方もいらっしゃいます。
親が元気で働ける間は頼ることができますが、突然病気で倒れることもあり、介護が必要な状態になるかもしれません。
いざとなった時に自立していないと、困るのは自分です。
親が元気なうちにニートを脱出し、自立しておくことが大切です。
今は、日常生活の買物や手続きなどもほとんどオンラインで済ますことができます。
そのため外に出る必要性が低く、自宅での生活が続くと外出が億劫になり、そのまま年齢を重ねて引きこもりになってしまう可能性があります。
高齢になると、仕事を探すことも難しく、引きこもり生活からなかなか抜け出すことができなくなってしまうでしょう。
「このままニートを続けていても大丈夫なのかな」「ニートは何歳までなら許されるの?」と、将来を不安に感じている女性も多いでしょう。
一般的に、就職や転職では「35歳の壁」があります。
35歳を過ぎると、実務経験がない業界や職種での正社員就職が難しくなり、年齢を重ねるにつれてキャリア採用が行われるからです。
そのため、30代が女性のニートが許される年齢だと考えられます。
では、年代別にみていきましょう。
現在20代の女性ニートの方でしたら、ポテンシャルが評価され学歴や職歴に自信がなくても採用されやすい傾向です。
20代はニートをしていても、まだ許される年齢ですが、「20代だからまだ大丈夫」と何もせずに過ごしているのはNGです。
年齢を重ねるにつれてニートから抜け出せなくなってしまいますので、できるだけ早く行動しましょう。
30代になると、ニートに対する周りの評価は、さらに厳しくなります。
30代の女性ニートの方は、周りが結婚や子育てをする中で、「結婚も仕事もしないで何をしているの?」と心ない言葉を言われることがあります。
ニートの自分を否定されることで、劣等感をもち自己評価が低くなりがちです。
周りとは違う生活をしている自分に負い目を感じ、社会に出て一歩踏み出すことが怖くなってしまっているでしょう。
しかし、就職や転職市場での壁は35歳です。
30代からは、実務経験者など即戦力を求める採用傾向になり、求人数も少なくなりますが、中には未経験者歓迎・ポテンシャル重視の企業もあります。
脱ニートを目指して就職活動を進めていけば、まだ間に合います。
40代の女性ニートの場合、家族の介護によってニートになった方もおられ、年齢を理由にニートであることを妥協してしまっている方も少なくありません。
ニートから抜け出そうという気持ちが低くなり、新しいキャリアを見つける難しさを感じるでしょう。
経済的な不安がない場合は、このままの生活でも問題ありませんが、実家を頼っている場合は、自立を目指すべきです。
社会に出るのが怖いという方は、アルバイトやパートから始めてみると働きやすいでしょう。
実務経験を重ねることで、正社員への道も開けてくるかもしれません。
女性のニートがいつまで許されるのかについて一概に言える答えはありませんが、今は業界全体が人材不足に悩んでいますので、ニートから就職できる可能性は大いにあります。
手遅れになる前に、年齢に関わらず働きやすい仕事を選んだり、積極的に行動することで脱ニートを目指すことができるでしょう。
一歩踏み出すサポートを受けることで就職は可能です。
では、具体的にニートを脱出する方法を紹介します。
ニートを脱出したいと思っても行動をせずに考えていては、時間が過ぎていくだけで、市場価値は低下するばかりです。
ここでは、ニートを脱出するには何をすればいいのか説明します。
脱ニートを目指す方は、規則正しい生活や適度な運動、バランスのとれた食事など規則正しい生活習慣を心がけましょう。
いつでも仕事を始められるように、早寝早起きや体力を養い、健康的な生活に整えることが大切です。
自分自身の能力や興味、強み、目指したい方向性を明確にするために、自己分析を行いましょう。
自己分析によって、将来の目標を明確にすることができますので、自分自身に対して素直に向き合い、具体的な目標を設定しましょう。
ニート期間を何もせずに過ごしているのはもったいないことです。
より有意義に過ごすために、新たなスキルや知識の習得に取り組んでみるのもおすすめです。
未経験でも就職できる仕事はありますが、資格取得によって就職の選択肢が広がります。
通信講座やスクール、書籍などを利用して資格取得やスキルアップを目指すことで、自分の希望する仕事に就ける可能性が高まるでしょう。
ニートからいきなり正社員になることに不安がある方は、アルバイトやパートなど短時間から働いてみてはいかがでしょうか。
体調に合わせながら働くことで、少しずつ社会生活に慣れることができ、将来的に正社員を目指すこともできるでしょう。
1人での脱ニートや就職活動が難しい場合は、就職・転職エージェントを利用して就職支援を受けてみましょう。
就職・転職エージェントは数多く存在しますが、中にはニートやフリーターの就職や転職に特化したサイトもあります。
何から始めたらいいのか、どんな仕事がいいのかなど、専任のアドバイザーがキャリアカウンセリングを通じてアドバイスしてくれるので、不安なく就職活動を進めることができるでしょう。
コロナ禍をきっかけにオンライン面談が増えたので、いきなり外に出ることに不安がある方も安心してサポートを受けることができますね。
女性のニートの特徴やニートになった理由、ニートの末路、脱出する方法などについて説明しました。
ニート生活が長くなればなるほど抜け出すのは難しくなります。
ニートから脱出したいと思っても、自宅での生活が長かった方がいきなり外に出ることには不安があるでしょう。
そして、中には年齢を理由に脱ニートを諦めてしまっている方もいますが、今回紹介した脱出する方法を参考にしていただき、すぐに行動することで自立を目指すことが可能です。
将来的にご自身が困らないように、適切なサポートを受け、輝く未来に踏み出していきましょう。