年金アドバイザー3級、毎年の合格率は?気になる難易度を解説!

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年金は老後の生活を支える大事な資金源です。それなのに、その制度は非常に複雑です。
「ねんきん定期便」を見ても、どうしてこの金額になるのかサッパリわからないという人は多いのではないでしょうか。

年金アドバイザーは金融機関窓口で年金の相談を受ける職員を主な受験対象にした資格ですが、複雑な年金制度について知識を得られることから金融機関職員以外の受験者も数多く存在しています。

この記事では年金アドバイザーの中でも受験者が多い「3級」を中心に、合格率の推移や、2級・4級と比較した上での難易度、試験の特徴、勉強方法等について解説しています。

年金アドバイザーについて興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。

年金アドバイザーとはどんな資格?

年金アドバイザーとは年金相談に答えるための基礎知識・応用知識を証明できる資格です。この資格で言う年金相談者とは、主に金融機関の窓口に来る顧客を指しています。

年金アドバイザーは経済法令研究会という株式会社が実施している銀行業務検定試験(※)の1つに数えられています。この資格は、金融機関で窓口対応、渉外対応をする職員向けのものなのです。

※銀行業務検定試験には年金アドバイザー以外にも相続アドバイザーや投資信託などの資格が存在します。

ただしこのような背景こそありますが、年金アドバイザーの試験には特に受験条件はありません。

各級とも、金融機関に在籍していなくても受験をすることができます。そのためこの試験には、毎回金融機関職員以外の受験者が一定数存在しています。

例えば

  • 自分のために年金について知識を深めたいと考えている個人
  • ダブルライセンス狙いのファイナンシャルプランナーや社会保険労務士有資格者
  • 社会保険に関わる難関資格(社会保険労務士など)に挑戦する前に年金の知識を深めておきたい受験生

など様々な動機から、年金アドバイザーの取得を目指す人が存在するのです。

年金アドバイザー試験の概要

年金アドバイザーは2級、3級、4級に分かれています。なお、1級はありません。

試験内容

4級

  • 試験内容:
    年金の基礎30問+老齢給付10問+障害・遺族給付6問+セールス他4問=計50問
  • 試験形式:3択式
  • 試験時間:90分
  • 受験料(税込):3,300 円

3級

  • 試験内容:
    基礎知識30問+技能・応用20問(10事例)=計50問
    日本の社会保険・年金制度、年金給付の種類・支給要件、企業年金・個人年金、裁定請求手続・年金受給者の手続き他
  • 試験形式:5択式
  • 試験時間:150分
  • 受験料(税込):4,400 円

2級

  • 試験内容:
    社会保険制度の概要、年金制度、年金給付・支給要件、企業年金・個人年金、年金請求手続き・年金受給者の手続き他全10題
  • 試験形式:記述式
  • 試験時間:180分
  • 受験料(税込):6,600 円

参照:経済法令研究会『試験種目一覧』

合格点

試験時間や試験形式は級によって変わってきますが、合格点に関してはどの級も一律正解率60%以上となっています。
したがって、3級・4級は50問中30問以上、2級は10題中6題以上正解すると合格点に届くことになります。

年金アドバイザーの合格率

では、年金アドバイザーそれぞれの級の合格率について、毎年どのように推移しているのかを見てみましょう。

年金アドバイザー2級合格率の推移

年金アドバイザー2級の合格率は毎回20%台を推移しています。平均合格率は24%であり、全体的に合格率は低いです。

実施時期 合格率
2015年03月 27.48%
2016年03月 22.54%
2017年03月 22.79%
2018年03月 26.37%
2019年03月 21.06%
2020年03月 コロナウィルスの影響で試験中止

年金アドバイザー3級合格率の推移

年金アドバイザー3級の合格率は、毎回30%~40%台を推移しています。平均合格率は38%です。

3級は、2級・4級と比べて合格率の振れ幅が大きく、試験回によって試験の難易度に差があることが分かります。

実施時期 合格率
2015年03月 38.51%
2015年10月 43.84%
2016年03月 31.04%
2016年10月 37.83%
2017年03月 35.88%
2017年10月 34.72%
2018年03月 38.33%
2018年10月 35.61%
2019年03月 31.95%
2019年10月 39.13%
2020年03月 コロナウィルスの影響で試験中止
2020年10月 48.44%

年金アドバイザー4級合格率の推移

年金アドバイザー4級の合格率はだいたい60%前半を推移しています。合格率の振れ幅が少なく、2級、3級と比べて安定した難易度であることが分かります。

平均合格率は60%となっており、比較的合格しやすい試験といえます。

実施時期 合格率
2015年03月 61.91%
2016年03月 59.10%
2017年03月 62.53%
2018年03月 60.07%
2019年03月 60.17%
2020年03月 コロナウィルスの影響で試験中止

参照:経済法令メディアプラス

年金アドバイザー3級の難易度は?

類似資格と比較したときの難易度

前述したとおり、年金アドバイザー3級の平均合格率は38%となっています。国家資格でいえばファイナンシャルプランナー2級(平均合格率約40%)と同程度の難しさです。

年金アドバイザー3級は民間資格、ファイナンシャルプランナーは国家資格という違いはありますが、どちらも公的年金についての知識を問われるという意味では共通点があります。

一方、同じく年金制度について出題される社会保険労務士試験は、平均合格率5%程度です(中には2%台の合格率しかない年もあります)。社会保険労務士は顧客からの依頼を受けて年金受給資格の確認や裁定請求書の作成を行うことができる国家資格です。できることが多い分、取得が大変難しくなっています。

このように社会保険制度を対象とした類似資格と比べれば、年金アドバイザーの難易度はそこまで高いとはいえないでしょう。

他の級と比べたときの難易度

次に同じ年金アドバイザーの資格の中での3級の難易度を考えてみましょう。

年金アドバイザー3級は年金アドバイザー4級に比べ、合格率が半分になっています。つまり単純に考えると、3級は4級の倍、難易度が上がるということです。

3級と4級は、試験問題数50問、合格基準は正解率60%以上と共通点が見られます。一方で3級は問題が基礎知識の30問と技能・応用問題の20問に分かれています。この技能・応用問題の難易度はかなり高いことが知られています。基本は暗記で対応可能な基礎知識問題に対し、技能・応用問題は年金制度をしっかり理解していないと正解にたどり着けません。

また試験で出題される知識のレベルも、3級と4級ではかなり異なってきます。年金の相談業務に活かせる知識が身につくのは3級以上といわれており、基礎知識範囲で出題が行われる4級に比べて大きく難易度が上がります。

試験形式にも違いがみられます。3級は4級と同じ択一式の試験ではありますが、4級が3択なのに対し、3級は5択式になっています。一夜漬けや当てずっぽうではなかなか正解しづらいでしょう。

なお、3級の上位資格に位置する年金アドバイザー2級は、問われる知識のレベルが上がることはもちろん、記述式である点、試験内容が濃く時間内に問題を解くことが難しい点などから難易度は非常に高くなっています。

年金アドバイザー3級ならではのメリット

  • 年金アドバイザー3級は、他の級に比べて試験の機会が豊富であるというメリットがあります。2級、4級は年1回しか試験が実施されていませんが、3級だけは年2回試験を受験できるのです。

     さらに2020年11月からは、年金アドバイザー3級にCBT方式(コンピュータを使った試験形式)が導入されました。試験実施日程の間なら、受験者の都合が良い時間帯・会場で試験を受験できるようになったのです(ただし希望のテストセンターが希望の日程に空席であることが条件です)。

     このような受験形式の柔軟さを加味すれば、年金アドバイザー3級の難易度も少し低くなるのではないでしょうか。

年金アドバイザー3級の受験者数の推移

次に受験者数の変化を見てみましょう。年金アドバイザー3級の受験者数と合格者について、その推移を見てみると次のようになります。

実施時期 受験者数 合格者数
2015年03月 11,960名 4,606名
2015年10月 11,330名 4,697名
2016年03月 10,476名 3,252名
2016年10月 9,140名 3,458名
2017年03月 9,220名 3,308名
2017年10月 8,215名 2,852名
2018年03月 8,298名 3,181名
2018年10月 7,425名 2,644名
2019年03月 6,885名 2,200名
2019年10月 7,425名 3,262名
2020年10月 10,256名 4,968名

受験者数は5年前から比べると若干減少傾向にあります。とはいえ、毎年約7,000~8,000人程度が受験しており、安定した需要がある試験といえるでしょう(2020年10月は3月試験が中止になった影響からか、受験生が一気に増えています)。

なお年金アドバイザー4級、2級の受験者数はおおむね1000人台を推移しています。3級は他の級よりも人気が高い等級であることが分かります。

次に3級の受験者のうち金融機関関係以外の受験者数(銀行業務検定協会事務局報にて発表の「他団体・個人」数)、平均点を見てみると次のようになっています。

実施時期 受験者内の割合 受験者内の割合 合格率
2015年03月 26.96% 60.53点 53.38%
2016年03月 27.09% 55.36点 78.09%
2017年03月 26.75% 60.16点 51.19%
2018年03月 25.68% 61.27点 55.73%
2019年03月 26.29% 56.62点 46.38%
2020年10月 28.36% 61.14点 55.28%

年金アドバイザーは金融機関職員を主な対象にしてはいますが、各年度受験者数の30%程度は主たる金融機関の職員ではない人間です。

年金アドバイザーを受験する動機は様々ですが、彼ら受験生の平均点はたびたび金融機関関係者を上回っています。合格率も全体的に高いです。このデータからは、金融関係の業務経験無しでも合格することが可能な試験であることが分かります。

参照:経済法令メディアプラス
参照:銀行業務検定協会スコープ『銀行業務検定試験成績発表』

年金アドバイザー3級の勉強方法

それでは年金アドバイザー3級の資格に合格するための、具体的な勉強方法を見てみましょう。

年金アドバイザー3級合格に必要な勉強期間は?

年金アドバイザー3級は、数ある社会保険制度の中から年金に焦点を当てた試験です。そのため、必要な勉強期間は1か月程度となっています。1日1~2時間の勉強で合格を狙うことができるため、働きながらでも勉強を進めやすい試験といえます。

勉強しなければならない社会保険の範囲が広い他の試験はどうでしょうか。ファイナンシャルプランナー2級の勉強期間は3~5ヶ月、社会保険労務士は10ヶ月~1年半程度勉強時間が必要と考えられています。
こうしてみると年金アドバイザー3級は、資格試験の中では比較的短い準備期間で対策ができます。

年金アドバイザー3級の試験対策では、年金の基礎知識を身に着けてから過去問を解くという流れになります。1ヶ月の中で、基礎知識を習得する前半と、過去問を解く後半のスケジュールをしっかり立てて試験に臨むようにしてください。

年金アドバイザー3級試験のポイント

勉強を始める前に、年金アドバイザー3級試験の特徴を頭に入れておきましょう。

過去問の出題傾向がそのまま反映されている

年金アドバイザー3級試験では、出題傾向が毎回似ているという特徴があります。過去問を繰り返し解いておけば、それがそのまま本番に生きる可能性が非常に高いのです。そのため、年金アドバイザー3級試験では過去問対策が重要な勉強の柱となります。

どこが狙われやすいか、どんな問題が出るのかをしっかり押さえておきましょう。

基礎問題だけでも合格点に達する

年金アドバイザー3級の試験内容は、基礎問題が30問、技能・応用問題が20問という構成になっています。1問あたりの配点はどちらも2点と同じです。

試験の合格点は正解率60%以上となっていますから、基礎問題全問正解できれば合格点に達することができるのです。技能・応用問題の難易度は高くなっているので、正解しやすい基礎問題でどれだけ点数を取れるかが合格を左右すると考えてください。

また、基礎問題の知識をしっかり身に着けることが、技能・応用問題を解く土台にもなります。

勉強の流れ

年金アドバイザー3級の基本的な勉強の流れは、

  1. 基礎知識のインプット
  2. 過去問でのアプトプット

になります。

基礎知識のインプットについては、

  • 公式テキストを利用する
  • 過去問の解説を読むた
  • 通信講座やスクールを利用する

等の方法があります。

公式テキストを読んでから、過去問に挑戦する方法は勉強方法としてはスタンダードです。ただし年金の内容は複雑なため、テキストを読むのが苦痛だったりテキストの形式が合わないという人もいるでしょう。そんな場合は、過去問を解きながら基礎知識をつけていく方法を試してみてください。

後述しますが、年金アドバイザー3級については解説付きの過去問集が発売されています。年金アドバイザー3級は、過去問を中心とした勉強が重要になってきます。過去問の解説を読みながら知識のインプットを行うのは、効率的な勉強方法といえます。既にファイナンシャルプランナーや社会保険労務士の資格取得者等、年金の基礎知識がある人にもこちらの方法が向いているでしょう。

年金の全体的な知識をしっかりインプットしたい場合は、通信講座やスクールを利用する方法も検討してみてください。年金アドバイザー3級を対象にしたものには、経済法令研究会公式の対策講座(対面・WEB受講の2種類あり)や、フォーサイトの通信講座、LECの通学・通信講座などがあります。

受験のためのテキスト、問題集

年金アドバイザー3級の公式テキストや問題集には次のようなものがあります。

  • 『年金アドバイザー3級 問題解説集』
  • 年金アドバイザー3級公式過去問集です。2021年3月受験バージョンでは3年分の過去問を収録しています。解説をしっかり読んで、インプット用のテキストとして利用する手もあります。この本は多くの受験生から指示されている必須教材となっています。繰り返し解いて知識を身に着けましょう。

  • 『銀行業務検定試験公式テキスト 年金アドバイザー3級』
  • こちらは年金アドバイザー3級の公式テキストです。基礎知識のインプット用として使うことができます。過去問でのインプットでは物足りない高得点挑戦者、しっかり基礎から勉強したい人は購入を検討してみましょう。

  • 『銀行業務検定試験年金アドバイザー3級直前整理70』
  • 試験受験直前に、抑えておきたいポイントを整理することができるテキストです。 160ページに直前整理したいテーマが凝縮されています。短時間で全体知識の確認をしたい場合等に使うことができます。

教材を購入するときの注意点

年金制度は頻繁に内容が変化しているため、最新の制度に合わせた教材を使って、試験対策をすることが大切です。古いテキストや過去問集はフリマサイトや中古書店で安く手に入れることができるかもしれませんが、それは中の情報が古いが故の価格です。

上記教材の最新版は経済法令研究会の公式サイト他、大手ECサイト等で購入することができます。品切れに備えるためにも、早めに購入しておくようにしましょう。

まとめ 年金アドバイザー3級は難易度やや高めながら、受験機会は豊富

年金アドバイザー3級の合格率は毎年30%~40%台を推移しており、難易度はやや高めです。平均合格率は38%となっており、4級に比べれば難易度は倍になります。

一方年金アドバイザー3級は受験機会が豊富なので、他の級に比べて受験しやすい資格といえます。2020年11月からはCBT方式を導入し、受験期間内なら受験生の都合が良い会場・日程を選んで受験を申し込むことができます。

年金アドバイザー3級は受験準備に必要な時間も1か月程度と短くなっています。過去問を中心とした勉強を効率よく行うことで、充分合格が狙えます。

年金アドバイザーは金融機関関係者以外にも、教養の一環として年金制度について学びたい人、社会保険労務士試験の基礎固めをしたい人などに向いている試験です。

年金制度は、老後を支える大事なものです。具体的な知識を取得するためにも、年金アドバイザー3級の資格に挑戦してみてはいかがでしょうか。


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参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷