看護師さんは働くスタイル・働く職場などの選択肢が多く、自分の希望に合わせた様々な働き方ができる専門職です。

少し前までは正職員として常勤で働く看護師さんが多くいましたが、深刻な人手不足の影響から働く環境の改善が進み非常勤のパート・アルバイトとして働く看護師さんも一般的となっています。

「常勤で働くのは不安」「今の職場から転職したい」と思っている看護師さんはパートとして復職・転職を考えてみてはいかがですか?

看護師パート求人の探し方や人気の働き方など、ライフスタイルに合わせた働き方を実現したい看護師さんに役立つ情報を紹介していきます。

潜在看護師は約71万人

看護師パートの探し方を紹介する前に、「潜在看護師」のことに少し触れておきたいと思います。

日本には看護師・准看護師の資格を持ちながらも医療現場で働いていない「潜在看護師」が約71万人いると言われています。

潜在看護師となった理由は人それぞれですが、現在就業していない看護師さんが離職した理由の上位には以下のようなことが挙げられています。

・妊娠・出産

・自分の健康状態(身体的・精神的)

・子育て

・残業が多い

・親族の介護  etc.

そして、現在就業している看護師さんが勤務を続けている上位理由はこのようになっています。

・勤務形態が希望通りである

・通勤の利便性が良い

・雇用形態が希望通りである

・同僚との関係が良い

・残業が少ない etc.

女性は男性に比べ、結婚・妊娠・出産・子育て・介護などライフステージの変化により働き続けたくても退職しなくてはいけない状況になってしまう、一時的な休業を余儀なくされることが多くあります。

また、身体的や精神的な負担が多い看護師の仕事は家庭やプライベートとの両立が難しいと考える人も多く自ら退職を選んでしまうこともあります。

看護師を辞める理由は様々ですが、一度離れてしまうと人の命に関わる仕事である看護師の仕事は責任が重い、日々進歩する医療の現場についていけるのか?など不安を感じている人、独身の頃や子供を出産する前と同じような働き方は無理と復職をためらってしまう人も多く、結果として潜在看護師が増えているのではないでしょうか。

【医療・介護業界の2025年問題】

近年の高齢化による医療需要の増加に伴い、2025年には188万~202万人の看護師が必要との推計を厚生労働省が発表しました。

2018年末での看護師数は約122万人。准看護師(約30万人)と合わせても約152万人と2025年までに30万~50万人の看護師が不足している計算になります。

看護師数は年々増加傾向にありますが、まだまだ足りていないのが現状です。

約71万人の潜在看護師の復職を進めるためにも、働く環境整備の一つとして「雇用形態・勤務形態の多様化」で負担を少なくする動きが見られます。

看護師不足解消のカギは看護師パートが握っている!

・日本には潜在看護師が約71万人いること

・2025年には現在よりも看護師不足が深刻になってしまうこと

この2点を掛け合わせると、今後の看護師不足を解消するために潜在看護師をいかに呼び戻せるかが重要となってくるのです。

少し前の資料ですが実際に看護職の非正規雇用(アルバイト・パート、派遣など)は拡大しています。

表1 職種別の非正規雇用者割合

※引用:日本医療・病院管理学会誌https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsha/47/4/47_4_197/_pdf/-char/ja

看護師不足解消に向けて多様な勤務形態の普及が進んでいるため、“常勤しか採用しない”という病院よりもそれぞれの希望を柔軟に受け入れてくれる病院が増えているので、現在はパート勤務を希望している看護師さんも仕事を探しやすい状況です!

看護師パートが看護師不足を救う一つのカギとなるはずです。

潜在看護師を医療現場に呼び戻す動きは、2020年に世界的に流行した新型コロナウイルスへの対応をする医療人材の確保が急務となり、潜在看護師の復職を促すよう都道府県や医療機関へ呼びかけたことがありました。

その呼びかけに応え2ヶ月あまりで2901人が復職を希望、996人が就業したケースがあります。

きっかけさえ掴めれば復職は思っているよりもトントン拍子に進んでいくのかもしれませんね。

看護師パート求人の探し方

看護師不足と言われているだけあり、あらゆるところで看護師求人を探すことができます。

求人の探し方としては、病院や介護施設などのホームページや掲示されている求人ポスター、求人広告・チラシ、求人誌、求人サイト、ハローワーク、ナースセンターなど‥様々なものがあります。

◆病院・施設ホームページ、求人ポスター、求人広告・チラシ、求人誌、求人サイト

⇒自分で求人を探し応募するため自分のペースで進めていきたい人には向いていますが、求人を探す手間がかかることや事前の情報が少ないため募集内容と相違がある可能性があり入職後にミスマッチを感じることも。

◆ハローワーク

⇒求人を探しハローワークの相談員に就職・転職相談をすることができますが、様々な業種・職種の求人を取り扱っているため“看護師“の就職・転職に関する専門的な知識はない。

また、ハローワークの求人掲載審査はあまり厳しくないためブラック求人が紛れているとの噂も。

◆ナースセンター

⇒元看護職の人が相談に乗ってくれるので安心感があり、47都道府県に拠点があるため地方求人に強いこと、求人施設情報が調べられることなどメリットはありますが、求人検索から応募、面接‥と転職活動は個人で進めていくこと、小・中規模病院の求人が多いこと、スピード感のある転職活動には不向きなことなど使い勝手が良いとは言い切れません。

どれがいいのか?と迷ってしまうかもしれませんが、私がおすすめしたいのは看護師専門転職支援サービスを活用した看護師求人の探し方です!

◆看護師専門転職支援サービス

⇒一人一人に担当者が付き、転職相談、希望条件にマッチした求人紹介、応募書類作成サポート、面接対策、雇用条件交渉‥など看護師の転職活動を一貫してサポートします。

担当者の質により転職活動の行方を左右する場合もありますが、担当者の変更など適切な対応を取っていくことが大切。

常勤看護師ではなく看護師パートとして働きたいと考えている人は、子育て中や親の介護がある、ゆとりを持った働き方をしたいなど家庭やプライベートと仕事を両立させた無理のない働き方を希望しているはずです。

【看護師専門転職支援サービスを利用するメリット】

・初めにしっかりとヒアリングを行うので希望に合わせた求人を紹介できる

・看護師の転職に関する知識があり実績が多数ある

・様々な医療施設との信頼関係を築いているため事前に詳細な内部情報の提供が可能

・面接対策や面接日程調整の代行など求職者の負担が少ない

・雇用条件交渉を代行してくれるので好条件で転職ができる可能性が高い

・アフターフォローがあり、入職後の悩みや不安にも対応してくれる

看護師専門転職支援サービスには「レバウェル看護(旧 看護のお仕事)」や「マイナビ看護師」「医療ワーカー」など様々なものがあります。

どのサービスも無料で利用できるので理想的な看護師パート求人を探したいのであれば相談だけでもしてみてはいかがでしょうか。

【看護師パート】人気の働き方とは?

看護師パートとして働くときに、これまでの経験が活かせる職場や好きな仕事ができる職場、やりがいを感じられる職場、自宅から近く通いやすい職場など自分の希望や都合に合わせた働き方をすることが理想ですが、看護師パートに人気のある働き方も幾つか紹介していきたいと思います。

【日勤のみ】

子供が幼稚園や学校に行っている間だけ働きたい、夜勤が辛い、生活サイクルを整えたい、Wワークをしている‥など、家庭や個人の事情で“日勤のみ”の勤務を希望する人が多くいます。

夜勤がないため身体的な負担も少なく看護師パートに人気の働き方です!

日勤のみで働ける施設には以下のようなものがあります。

・病院(外来のみ)

・クリニック

・健診センター

・訪問看護ステーション

・介護施設

【クリニック・診療所】

日勤のみで働ける施設にも挙げられているクリニックですが、基本的に夜勤がなく日勤のみの場所が殆どであり、“午前中のみ” “日曜休み(固定休)” “休憩あり” “お盆・年末年始・GW休み”と言ったように家庭や育児と両立しやすく、看護師パートも多い職場です。

自宅近くでも探しやすくアットホームな印象を持つと思いますが、院長や同僚との関係は病院よりも規模の小さいクリニック・診療所ではこじれてしまうと大変です。

看護師専門転職支援サービスを上手に活用し、事前に院長の人柄や職場の人間関係の情報を教えてもらいながら進めていきましょう!

【訪問看護】

日本では高齢化が進んでいることもあり、訪問看護や介護関連施設の需要が益々高まっています。

訪問看護師の募集は常勤だけでなく非常勤(パート)での募集も多く、時給2,500円~など給料が高い高待遇求人が多いことも特徴です。

訪問看護は1人での行動が多いこと、体力的に大変な業務でありますが訪問看護の仕事に興味があり、看護師パートでも効率良く稼ぎたいと考えている人におすすめです。

◆看護師パート求人を看護師専門転職支援サービスなどを利用し探す場合は、「職場の人間関係・労働環境」「看護師パートの割合」を必ず確認しましょう!

看護師パートが多い・雇った実績の多い職場の方が同じ立場や環境の人と助け合いながら働きやすい職場と感じられるケースがあります。

看護師パートのメリット・デメリット

子育て中や介護などがあり常勤で働くことが難しい人にとって、自分の都合で働きやすい看護師パートはおすすめの働き方です。

メリットが多い働き方ですが、もちろんデメリットとなるようなこともあります。

今後の働き方の一つとして看護師パートを検討する際は事前にメリット・デメリットを理解しておきましょう。

【メリット】

・家庭やプライベートと両立しやすい

勤務日数・時間の融通が利きやすく、“日勤のみ”や“夜勤のみ” “残業なし”などライフタイルに合わせた勤務ができる。

・時給が高い

他の職種のパートに比べ、専門職である看護師パートの時給は高い傾向にあります。地域によって異なりますが平均時給は1,400円~1,900円となっています。

・常勤看護師よりも責任が少ない

患者さんへの対応や心遣いは常勤だろうが非常勤だろうが変わりありませんが、パートなどの非常勤看護師は研修や委員会に参加することもなく比較的ゆとりを持って働けることや、業務範囲・内容が限られていることもあります。

・割り切って働ける

職場の人間関係に不安がある人も多いと思いますが、常勤で働くよりも非常勤の場合は気持ち的に割り切りやすいと感じている人も多いようです。

【デメリット】

・福利厚生面では正社員に劣る

ボーナスが出ない、昇給がない、退職金がない、有給がない‥など、正社員と比べると受けられない福利厚生が多くあります。

・給料が安定しない

当たり前のことですが勤務日数・時間だけ給料が貰えるので正社員のように安定はせず、ボーナスがないので年収も下がります。

・看護師としてのスキルが上がらないことも

経験に応じて常勤看護師と同じ業務を任せてくれる職場もあれば、パートなどの非常勤看護師は限られた業務しか出来ないこともあります。看護師としての経験・キャリアを積んでいきたい人には向いていません。しかし、業務範囲・内容はそれぞれの職場に確認が必要です。

看護師パートから常勤看護師も十分可能!

看護師パートという働き方について理解していただけたでしょうか?

子供が小さいうちは無理せず働きたい、ブランクがあるのでパートから始めたい、自分の体調に合わせ週2、3日だけ働きたい、ゆとりを持って働きたい。

このような希望を叶えられるのが看護師パートの魅力です!

はじめにも言ったように深刻な看護師不足に直面している今、看護師は引く手あまたの人材です。

今はパートとして働き、いずれは常勤の正社員に!といった希望が他の職種より何倍も叶いやすい職業です。

それぞれのライフステージ、ライフスタイルに合わせた理想の働き方を探してみましょう。