看護師の仕事は、患者さんの身体や命と向き合う尊い仕事です。その分看護師は、毎日数え上げればきりがない業務をこなしています。

特に病棟で働く看護師は、日々の感染症対策、知識をアップデートするための研修、新型コロナのワクチンや検査などで多忙な日々です。

看護師も人間ですから、緊張の糸が切れて「疲れた」「もう辞めたい」と感じる瞬間があるはずです。「せめて今の職場より楽な仕事に転職したい」と考える人も多いでしょう。

ここでは、激務が辛い看護師のために、楽に働ける仕事・職場を紹介します。楽に働けると聞くと「そんなところあるの?」と思うかもしれませんが、考え方次第で楽な職場は見つかります。

ぜひ参考にしてみてください。

病院勤務の看護師は激務でツライ?

病院勤務の看護師は、毎日の残業はほぼ当たり前の日常になっています。外来であれば救急対応や、毎日受診する多数の患者さんの診療介助で忙しい日々です。

病棟勤務でも毎日のように入退院の患者さんが発生し、時には急変対応、緊急手術が必要になることもしばしば起こります。

こうした多忙な日々を送る中で、看護師の仕事に「疲れ」や「疑問」を覚えるようになり、転職を考える人も多いです。

また、近年は新型コロナウイルス対策もあって、病院内での感染対策の厳格化、場合によっては患者さんの隔離も発生し、看護師もその対応に追われています。

看護師が身体的な負担だけでなく、日々の仕事に責任を持つことで精神的な負担も重なり、看護師として働くことに限界を覚えても不思議ではありません。

看護師が「今より楽な仕事で働きたい」と思うことは悪ではなく、人として自然な感情と言えます。

看護師にとって「仕事が楽だ」と感じる条件

看護師にとって「楽な仕事」というのは、単に肉体的な面や精神的な面の話には限りません。転職を考える人にはそれぞれ辛く感じている部分があるはずですから、その点を楽にしたいと考えています。

どのような仕事が楽だと感じるのか、その条件について見ていきましょう。

  • 残業が少ない
  • 夜勤がない
  • 精神的な負担が少ない
  • 命と関わることが少ない
  • 高度な専門性を要求されない
  • 性別に関係なく働きやすい

残業が少ない

まず、多くの看護師が思うのは「残業が少ない仕事に就きたい」という点です。総合病院に勤める看護師の場合、病棟でも外来でも毎日のように残業がある人が多いです。

特に都市部から離れた地方の病院の場合、医師・看護師とも人材が不足しており、業務をぎりぎりの人員にこなしていることもあります。

中には次のような職場環境で疲れてしまう看護師もいます。

  • 看護記録や会議で毎日2~3時間の残業
  • 準夜勤で深夜1時に上がるはずだったのに、気付いたら陽が昇っていた
  • 日勤の残務が終わらず、休憩室で仮眠を取って翌日も出勤した

冗談のような話ですが、実際にそういった過酷な環境で働く看護師がいることも事実です。そのため、残業が少ないことを楽な条件として考える看護師は多いのです。

夜勤がない

看護師の仕事に夜勤はつきもので、職場によって2交代制と3交代制で分かれているでしょう。2交代制では16時間、3交代制では8時間ほどの夜勤が入りますが、その間は少ない人員で病棟内の患者さんすべてを看護することになります。

生活リズムも大きく乱れるだけでなく、患者さんの全責任を看護師が持たなければならず、強いストレスを感じやすい環境です。本来、人が休む時間に起きて働くことになるため、ホルモンバランスの乱れから体調を崩す看護師も少なくありません。

そうした背景から、看護師が楽な仕事を探す際は夜勤のない仕事を求める傾向があります。

精神的な負担が少ない

精神的な負担とは責任感だけでなく、人間関係、役職などの立場、研究や論文、プリセプターなど色々な要因を兼ねています。他の職種でも転職を考える理由に人間関係が入ってくることを考えると、人間関係が大きな要因になるのは確かです。

看護師の世界は全体の90%以上が女性という統計結果が出ていることから、女性同士のグループ化もそうした背景にはあります。精神的な負担が少ない環境で働きたいと考える看護師は多いです。

参考:厚生労働省 令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況 2P

命に関わることが少ない

病院で働く看護師にとって、命に直接関係する患者さんと関わることも日常です。すべての看護師が緊急事態や急変に遭遇するわけではありませんが、いざそうした事態に直面すれば緊張感を持って臨まなければなりません。

特に救急救命室や集中治療室はその最前線ですから、責任感の強い看護師であることを求められます。そうした状況に精神的な限界を来すと、命の現場から離れたいと考える看護師も多いのです。

高度な専門性を要求されない

診療科によって求められるスキルや専門性は異なりますが、高度な医療知識を求められる点では同じです。医療現場では人工呼吸器や心電図、人工心肺装置、人工透析など知識がなければ扱えない機器もあります。

また、患者さんに異変があればすぐ気づき、どこに原因があるか判断する病識も必要です。医療の最前線で働いていると常に最善の判断を求められるため、やりがいでもあると同時に大きな負担にもなり得ます。

楽な仕事とは高度な判断やスキルを必要とせず、楽な気持ちで働けることも大事な条件です。

性別に関係なく働きやすい

先ほども解説した通り、看護師は90%以上が女性の世界で、男性看護師は未だ1割にも満たない状況です。男性看護師を頼りにしている病棟や病院もありますが、男性看護師からすると自分以外は女性だらけの環境は居心地の悪さを覚えるものです。

楽に働ける仕事とは、性別を問わず居心地がよく、コミュニケーションを取りやすいことが条件になります。仕事選びでは男女比も大事な条件となるでしょう。

楽な仕事を求める看護師におすすめの職場

本項では看護師にとって楽な条件から、どのような職場がおすすめになるのか紹介します。条件が違っても当てはまりやすい職場も複数あります。

ご自分にとって働きやすく、楽な仕事を見つける際の参考にしてみてください。

残業がほとんど発生しない職場

残業が全く発生しない職場はないため、発生しにくいおすすめの職場を紹介します。

  • クリニック・診療所
  • 検診センター
  • デイサービス・介護施設
  • 献血センター
  • 保育園

上記の職場は夜勤が発生しにくいところが多いです。中でもデイサービスや献血センターはタイムテーブルが決まっていることから、記録などがよほど多くない限りは残業をすることはないでしょう。

クリニックや検診センターについても残業は発生しにくいですが、繁忙期と閑散期があるため、常に残業がないとは限らない点には注意です。

ただし、上記の職場は募集人数が少なく、時期を逃すと転職できないこともあるため、転職活動中は求人が出ていないか細かくチェックしてください。

夜勤がない職場

次に、夜勤がない職場を選びたい場合には、次の職場がおすすめです。

  • 外来
  • クリニック
  • 訪問看護・訪問入浴
  • 検診センター
  • 保育園
  • 看護学校・看護大学

夜勤のない職場は上記の6つが代表的です。外来とクリニックに夜勤がないことは多くの方がご存じの通りですが、訪問看護と訪問入浴、検診センターも夜勤なしの職場ではおすすめです。

保育園は基本的に日中のみの業務となるため、夜勤こそないものの、保育士と同様に子どもたちの遊び相手をすることもあります。子どもが苦手な人には少し不向きな職場と言えるでしょう。

そして、看護学校は一定の経験を積んだ看護師が、教員になる専門の過程を修了することで勤めることができます。統合実習と呼ばれる学生の夜勤実習はありますが、病院での夜勤のような緊張感はないため、精神的な負担は楽になるでしょう。

精神的な負担の少ない職場

精神的な負担を少なくして働くなら、次の職場がおすすめです。

  • 検診センター
  • 訪問看護・訪問入浴
  • 産業看護師

検診センターは地域住民の健康診断を行う仕事ですから、医療的な技術は採血くらいしか必要としません。検診センター内で何らかの治療を行うこともありませんから、患者さんの命に対する責任も病院に比べれば小さくなります。

訪問看護や訪問入浴は患者さんの自宅を訪問し、指示された処置を実施すること、安全に入浴することが目的です。主体的に医療行為を行うことは少なく、コミュニケーションが大半を占めることから、ストレスも少なく働けるでしょう。

そして、産業看護師は民間の企業に所属する看護師のことで、社員のメンタルヘルスや相談、教育指導が主な仕事です。

命に関わる症例がほとんど発生しない職場

命に関わるケースを少なくしたい場合には、次の職場がおすすめです。

  • 耳鼻科・眼科・心療内科
  • 保健所
  • 美容系クリニック
  • 介護施設
  • 看護学校・看護大学

耳鼻科・眼科・心療内科が挙がる理由としては、命に関わる疾患が少ないからです。耳鼻科にもがん患者、眼科でも失明など大きな症例はありますが、他の診療科に比べれば圧倒的に少ないです。

また、心療内科もストレスによる不安や軽度のうつ症状、適応障害の患者さんは訪れますが、コミュニケーションが主で侵襲的な処置はほとんど行われません。そうしたことから

保健所は地域住民の健康相談、健康教育、予防接種、検診業務などを行う仕事です。あくまで地域住民の健康維持・改善を目的としており、直接病院に関わる業務はありません。

美容系クリニックは医師が行う専門性の高い美容医療をサポートする仕事で、手術介助こそあるものの命を預かるようなケースはありません。

看護学校は前述の通り、看護学生が看護師資格を目指せるように指導するのが仕事ですから、急変や重症患者を対応することがないので安心です。

高度な専門性を求められない職場

高度な専門性を求められにくく、働きやすい職場は次の通りです。

  • 介護施設
  • デイケア
  • 保育園
  • 採血室

上記の職場は看護師として高度なスキルを必要とせず、採血やバイタルチェックなど基本的な看護技術を持っていれば働きやすい職場です。

緊急性の高い判断を求められることは滅多になく、気持ちの上でも楽に働ける職場と言えるでしょう。

今よりも楽な仕事に転職するための5つのポイント

現在の仕事が辛いと感じている看護師の方のために、転職するために必要なポイントを解説します。看護師の資格を活かしながら、今よりも楽な仕事に転職を目指すなら以下のポイントを参考にしてみてください。

  • 1. 転職の目的と条件を明確にする
  • 2. 転職経験のある人からアドバイスをもらう
  • 3. 医療業界以外も視野に入れる
  • 4. 応募前に口コミや評判を調べる
  • 5. 看護師向け転職サイト・エージェントを利用する

1. 転職の目的と条件を明確にする

どのような転職でも同じことは言えますが、目的と条件をはっきりさせておくことが大事です。「なんとなく今より良い職場があるはず」「もっと待遇の良い職場で働きたい」と言った曖昧な理由では、本当に自分と合った転職先は見つかりません。

今より楽な仕事を探すにしても、残業を少なくしたいのか、プライベートの時間を充実したいのか、急変の少ない職場で働きたいのかなど条件を定める必要があります。

そのためには、自分が転職によって何を得たいのか、楽な仕事とはどんなものか明確にしておくべきです。目的と条件さえ定まっていれば、後は自分に合う職場を探す作業なので転職活動もスムーズに進められます。

2. 転職経験のある友人や知人からアドバイスをもらう

転職活動は自分で進めていくものですが、自分の視点だけでは見えないものも多いのが転職の実際です。

そこでやってほしいのが、実際に転職経験のある友人や知人に相談し、転職活動をどのように進めたか、何を意識していたかなどのアドバイスをもらうことです。

自分の知っている人の話ですから信憑性も高く、実際に転職を経験しているので適切なアドバイスが期待できます。自分にとって楽な仕事を見つけるには、他者の視点や経験を自分自身に生かすことも大事なことです。

3. 医療業界以外も視野に入れる

看護師の力を必要としているのは医療業界だけではなく、美容、行政、介護など病院だけが働く場所ではありません。

医療器材メーカーや製薬会社ではクリニカルスペシャリストという道もあり、働き方は自分次第でいくらでも選べます。

医療業界で働くのが辛いと感じる看護師もいるので、医療業界以外の選択肢も視野に入れてみると転職先の幅は大きく広がります。例えば、社員の健康管理と意識改革のために看護師を募集し、正社員として採用している企業もあるため、医療業界以外でも活躍は可能です。

楽に働ける職場を探すなら、色々な業界で探してみることも大事です。

4. 応募前に口コミや評判を調べる

転職活動で求人サイトやハローワークを利用していると、気になる求人条件を出している企業がいくつか見つかるはずです。しかし、良さそうな求人内容であっても、応募する前に一度口コミや評判を調べてみることが大事です。

求人条件に嘘を書くと企業も罰せられますが、すべての情報を正確に書いているとは限りません。都合の悪い情報はあえて掲載しない企業もあるため、掲載されている情報だけを鵜呑みにして応募するのは避けてください。

応募する前に必ず友人・知人への相談、インターネット上の口コミサイトでの評判、SNSでの口コミをチェックしましょう。第三者からの情報も参考にして、本当に自分の求める働き方ができるかどうかを検討することが重要です。

5. 看護師向け転職サイト・エージェントを利用する

転職先を効率よく探すなら、看護師向けの転職サイトやエージェントを利用する方法もおすすめです。転職サイトでは専任のアドバイザーが転職活動をサポートするので、自己分析や面接日程の調整、条件交渉までしてもらえるので安心です。

転職活動ですべきなのは自分の求める条件を明確に伝えること、履歴書・職務経歴書の添削、面接練習だけですから、転職活動の負担が大幅に減らせ。

また、アドバイザーは転職活動に精通しているので、転職先の評判やちょっとした情報も教えてもらえます。無料で利用できるうえにサポートも充実しているので、働きながら良い転職先を探すなら利用がおすすめです。

まとめ:看護師でも楽な仕事は比較的多い

看護師の働く場は病院だけでなく、クリニックや検診センター、介護施設、保育園など色々な選択肢があります。病院の勤務は激務になりがちで、やりがいはあるものの大変に感じる人も多いでしょう。

看護師である以上、「楽な仕事なんてないでしょ」と諦めることなく、長く働き続けられる職場を選ぶことも大事です。今回紹介した職場は、看護師がそれぞれの条件で楽に働くならおすすめの職場ばかりです。

肉体的にも精神的も大変なことも多い看護師の仕事ですが、楽な気持ちで長く働き続けられる職場へ転職を目指してみてはいかがでしょうか。