看護師は病院で患者さんの治療にあたりますが、必ず医師の指示に従って治療が行われます。看護師にとって医師は治療で従うべき存在であり、同じチームのメンバーでもあります。

そんな医師に対して、看護師はどのような印象を持っているのか、看護師から好感を持たれる医師とはどのような人物なのでしょうか。

看護師の中には医師と恋人になる人、結婚する人もいます。看護師から見て魅力のある医師、信頼できる医師とはどのような人物なのかを紹介します。

医師と看護師の関係性とは?

医師と看護師とはどのような関係性なのか見てみましょう。看護師はほとんどの方が病院で働いており、医師と関わらない人は少数です。

病院における看護師の存在、医師が看護師に何を求めているのかという視点で解説します。

どちらも医療チームのキーパーソン

看護師は多くの病院において最も人数の割合が高く、医療チームの中でも最も患者さんと関わる時間の多い存在です。看護師の役割は「診療の補助」と「療養上の世話」であり、医師の診察を助け、患者さんの治療を支えるキーパーソンです。

患者さんからしても外来でも、入院中でも最も関わる機会が多く、身近で何かあったときに相談しやすい相手と言えます。患者さんは医師と話すときには緊張し、難しい話をされても質問できない雰囲気を味わいます。

看護師はそうした患者さんの様子を観察しつつ、病状への理解状況を確認し、患者さんとその家族へのメンタルケアも行う重要な役割です。

また、医師からすれば治療に専念するためにも、患者さんとの橋渡し役をする看護師の存在は大切です。看護師の存在は医師と患者さんの繋がりを深め、多職種で治療にあたるチーム医療にも役立ちます。

医師も看護師も患者さんへの治療を進めるうえで、中心的な役割を果たすキーパーソンです。

医師が看護師に求めるもの

医師も看護師も医療チームで中心的な役割を果たしますが、医師は看護師に何を求めているのでしょうか。医師から看護師に求めるものは次のような点です。

  • 診察室からではわからない出来事を教えてくれること
  • 患者さんの声を間接的にでも伝えてくれること
  • 医師の伝えた内容をかみ砕いて説明してくれること
  • 医師でなくてもできることを判断して実行してくれること
  • 医療チームをけん引するリーダーシップを発揮すること
  • 診察をサポートすること

医師が看護師に求めることの代表的なものを紹介しました。医師も1人の人間ですから、自分の目が届かないところはあります。

直接目で見ていない状況や出来事でも、看護師は簡潔にわかりやすく伝えてくれますから、非常にありがたい存在です。患者さんとの関係性でも同様で、医師からの説明は医療の素人である患者さんに伝わりにくいことがあります。

そうした場面で看護師が患者さんにわかりやすく伝える技術を持ち、逆に患者さんの疑問を医師に伝えてくれる役割を求めています。他にも患者さんの容態を確認して酸素吸入を開始したり、点滴を行ったりする判断力も求められるでしょう。

看護師に求められる役割とは、まさに診療の補助と療養上の世話を極めることになります。

患者さんに最も関わるのは看護師

病院で患者さんに最も関わる時間、機会が多いのは間違いなく看護師です。医師は診察こそ行いますが、それほど多くの時間を共にはしません。

だからこそ、患者さんにとって心配事や悩みの相談をするのが看護師であり、医師は患者さんの情報を詳しく知っている看護師を信頼します。

看護師は患者さんに最も多く関わるからこそ、医師との関係性も大事にしていく必要があるでしょう。

看護師から人気・評判の良い医師とは?

日頃から医師と関わる機会の多い看護師ですが、どんな人にも波長の合う・合わないはあります。では、看護師から見て人気が高く、評判の良い医師とはどのような人でしょうか。

次のような医師は看護師から好かれやすいタイプです。

  • 裏表のない性格
  • 多忙でも気遣いができる人柄
  • 連絡すればすぐにコミュニケーションが取れる
  • 判断が迅速で指示が的確な医師
  • 医師同士でも仲の良い人が多い
  • 依頼すればすぐに動いてくれる
  • イライラしても怒鳴らない

裏表のない性格

どこの職場にもいるであろう「裏表のある人」ですが、当然医師にもそうした性格の人はいます。患者さんには優しく接するが、患者さんがいなくなると表情が一変する医師では、看護師にとって非常に接しづらい人物です。

他にも、若い女性看護師には優しく接し、男性やベテラン看護師には態度が悪い医師もいます。裏表のある医師で最も問題となるのが、患者さんの要望を何でも承諾した結果、現場の看護師を振り回すケースです。

特定の人の前では「良い人」で振舞うことから、一部の人には信頼されますが、振り回される看護師からすれば迷惑でしかありません。

裏表のない性格の医師であれば、どんな時でも接しやすく、看護師側からのコミュニケーション取りやすく、スムーズに治療を進められます。なにより、患者さんにも看護師にも誠実に対応してくれるので、好感が持てて信頼感も高い人物と言えるでしょう。

多忙でも気遣いができる人柄

医療現場は基本的にどこも多忙で、さらに特定の曜日は朝から採血や検査で激務になることも珍しくありません。看護師がせわしなく働いている中で、「この検査すぐにやって」「これくらいのことできるでしょ」と無神経に依頼してくる医師もいます。

依頼する前に「忙しいところ悪いのだけど」と前置きをすることや、「○○までは進めておくので、タイミングを見て処置をお願い」など忙しさに配慮する気持ちのある医師は看護師にも好かれます。

現場の忙しさを理解したうえで、看護師の仕事量や心情に気遣いができる医師は看護師からも人気が高くなるでしょう。

連絡すればすぐにコミュニケーションが取れる

病院で働いていると、いつどこで急変に遭遇するか予測できません。外来で突然意識を失う患者さん、夜間にVTやVFを起こす患者さんも少なくありません。

そうしたときに看護師だけで対処できることは限界があり、すぐにでも医師の救援を依頼する必要があります。主治医がいればすぐにでも主治医に連絡しますが、こうした場面ですぐにコミュニケーションが取れる医師は人気が高いです。

看護師からしても夜中の2時や3時に連絡するのは気分が重いですが、医師が気持ちよく対応してくれれば、「○○先生でよかった」と感じます。どんな状況でも連絡すればすぐに繋がり、責任感を持って対応してくれる医師は評判の良い医師です。

判断が迅速で指示が的確な医師

医療現場において治療や処置の最終判断を下すのは医師で、看護師はその指示に従わなければなりません。1分1秒を争う場面では誰もが焦ってしまいますが、迅速に判断し、必要な対応を的確に指示できる医師は看護師から最も信頼されます。

経験豊富な医師ほど多くの場数を踏んで適切な対応を指示できるので、経験も重要なポイントにはなるでしょう。しかし、中には自分で対応を判断できず、看護師に「他の先生が来てから判断を」などと口にして逃げてしまう医師もいます。

看護師も患者さんの命を救うために全力ですから、「この医師では頼りにならない」とみなすことになります。医師への信頼や評価は積み上げるまでは大変ですが、1つの対応ですべてを失ってしまう典型的な例です。

看護師が医師に求めるのは人柄も大事ですが、医師としての実力も大事なポイントです。

医師同士で仲の良い人が多い

治療以外の面でも看護師が気にしているのが、医師同士の関係性です。医師同士の仲が良ければ、治療方針もお互いに話し合い、例え意見が対立してもどこかで最終的な結論が導かれます。

一方、医師同士の人間関係の悪い病院であれば悲惨で、緊急対応でも招集に応じない医師や、治療方針の相談で喧嘩に発展することもあります。看護師も医師を頼りにして依頼したにもかかわらず、期待を裏切られて失望することになるでしょう。

もちろん、すべての病院や医師がそうなるわけではありませんが、医師同士の横の繋がりは大事です。医師・患者さん・看護師と誰に対しても仲良くできる医師は好感度が高いです。

依頼すればすぐに動いてくれる

前述の連絡が取りやすい医師にも繋がるポイントで、連絡をしたらすぐに動いてくれる医師は看護師からも人気が高いです。かつて筆者のいた病院での経験では、夜間に患者さんの容態が急変し、緊急対応を医師に依頼したことがあります。

その際、医師は宴会で泥酔状態になっており、連絡するとイライラした様子で「今いい気分だったのに」と怒りながら電話を切りました。結局、急げば10分で到着する距離でありながら、その医師は1時間以上経過してから泥酔状態で病院に現れました。

その後は医局の上司から「医者としての責任感を著しく欠く」として叱責を受けたうえ、看護師からの信頼も完全に失ったのです。医師も人間ですからストレスは良い仕事の妨げになります。

それでも患者さんと看護師にとっては医師が頼りの場面もありますから、いざというときにすぐ動いてくれる医師は信頼されます。

イライラしていても怒鳴らない

忙しさと疲労でイライラする気持ちは誰にでもあります。医師はストレスの掛かる仕事ですから、その点は看護師も理解しています。

それでも治療が必要な患者さんがいる以上、八つ当たりをしている場合ではありません。しかし、感情をコントロールできずに怒鳴る医師や物に当たる医師は一定数います。

看護師の9割は女性ですから、医師の短絡的な行動はすぐに噂となって伝わっていきます。逆にどんなに大変な状況でも飄々としている医師、穏やかな対応をする医師は看護師から好感を持たれるでしょう。

看護師が嫌う医師のタイプ

看護師から嫌われやすい医師のタイプも見ていきましょう。身近に思い当たる人物がいる看護師の方は要注意です。

次のポイントは意識しましょう。

  • 清潔感がない医師
  • 自慢話が多い医師
  • 看護師にも患者にも横柄な態度の医師
  • 女癖の悪い医師
  • 真剣に治療へと取り組まない医師

清潔感がない医師

病院は一般社会とは違う独自のルールがあり、比較的閉鎖された世界です。しかし、その中でも社会人のマナーとして、医療職者には清潔感が求められます。

病院によっては職員の装飾品、髪の長さ・色、靴の色、身に付ける道具まで細かくルールが決められています。その病院の中にあって、医師の清潔感が損なわれているのは問題です。

  • ワックスや整髪料のつけすぎ
  • 体毛が濃いのにそのままにしている
  • 体臭に気を遣わない
  • 白衣がしわだらけ

こうした身だしなみに気を遣わない医師は、女性の比率の高い看護師からは嫌われやすいです。ワックスや整髪料はつけすぎると匂いますから、近づくと「この先生臭いな」と思われるでしょう。

また、体質的に体毛が濃い人もいますが、女性には濃い体毛に生理的な拒否感を持つ人もいます。そして忙しいとアイロンをかけることができず、白衣がしわだらけの医師も時々見かけます。

細かい部分ですが身だしなみに気をつけなければ、看護師からの信頼獲得は困難です。

自慢話が多い医師

今ひとつ信頼されない医師の特徴として、自慢話が多いこともあげられます。例えば、親が会社の社長であること、高学歴であること、お金持ちであることなどの自慢話です。

確かに看護師が結婚相手として求めるなら、社会的なステータスも大事な要素と言えるでしょう。しかし、医療現場で看護師が医師に求めるのは学歴やお金などではなく、患者さんへの真摯な対応と的確な指示とリーダーシップです。

自慢話が多い医師は実力ではなく、「肩書だけで判断する人」と感じられ、看護師からも人間として信頼されません。もしも身近に自慢話の多い医師がいるなら、関わる際は注意してください。

看護師にも患者にも横柄な態度の医師

医師として人間性の問題ではありますが、誰に対しても横柄な態度をとる医師は信頼できません。一般社会でも横柄さや傲慢さは不愉快に映りますから、当然のことではあります。

しかし、医師は裕福な家庭で育った人や他者よりも優秀な頭脳を持つ人が多く、無意識に人を見下す人が多い傾向にあります。この場合、仕事上だけの関係と思って割り切るか、適当におだててやりすごす看護師がほとんどです。

面と向かって批判すると自分が悪者にされかねないので、こうした医師と話す場合には注意してください。

女癖の悪い医師

医師の中には女癖の悪い人も時々います。看護師は若い女性も多いですから、宴会で良い雰囲気になり、そのまま遊び相手にするパターンです。

どちらも未婚なら問題はありませんが、中には既婚者の医師でも浮気相手として看護師を選ぶパターンもあります。こうなると職場内でも噂になるだけでなく、仕事以外の場面でも余計なトラブルに見舞われる可能性が高まります。

中には呼出があったと嘘をついて家を出た医師がおり、夜中に奥さんから病棟に電話がかかってきて、浮気が判明するという事態も過去にありました。

仕事ができたとしても、女癖の悪い医師は人間性の面で信頼されません。

真剣に治療へと取り組まない医師

最後に絶対に信頼されない医師の特徴として、治療に対して真剣に取り組まない点があります。医療現場のスタッフは誰もが患者さんの治療に全力で、患者さんも治りたいという一心で受診しています。

その中で医師が真剣に取り組まないのであれば、誰もその医師のことを信用しません。筆者が実際に体験した病院では、外来診療の時間を1時間以上遅れて診療を開始し、30分毎に休憩を挟む医師がいたこともあります。

遅れた理由も寝坊や医局でスマホをいじっていたなど、社会人としても問題のあるものでした。極端な例ではありましたが、患者さんの治療に全力を尽くす看護師だからこそ、医師にも全力を求める傾向はあります。

まとめ:看護師は医師の腕前だけではなく人柄も観察している

看護師から見た医師について解説してきました。医師も看護師も医療チームの中心的存在ですから、病院内でも頼りにされる存在です。

看護師は患者さんと最も関わる職種でもあるので、医師との連携は重要なポイントです。そのため、看護師は一人ひとりの医師がどのような人物か、全体像を常に観察しています。

円滑な治療を提供するためには、医師と看護師双方の信頼関係が大事です。今回紹介したポイントも、信頼できる医師と要注意の医師を見分けるのに役立つでしょう。

医師の腕前も医療では大事な要素ですが、人柄もしっかり観察してください。信頼関係は一朝一夕に作られるものではありませんから、医師の人柄まで見て信頼できる人を見極めることが大事です。