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自衛隊看護師とは?
看護師と聞いてイメージをするのは、白衣を着て病院や医療施設で勤務をする看護師だと思います。しかし、普段は白衣を着て同じように看護業務を行いながら、時には迷彩服を着て災害派遣や海外で災害が発生した際に医療チームとして派遣される自衛隊看護師もいるということをご存知ですか?
自衛隊看護師は自衛隊中央病院や部隊などで看護業務を行いながら、時には自衛隊員として訓練を受けることもあるという、少し特殊な看護師です。自衛隊看護師になるにはどうすればいいのか、自衛隊看護師の仕事内容などについて紹介します。
自衛隊看護師になるには?
まず、自衛隊看護師を目指すにはどうすればいいのか見ていきましょう。自衛隊看護師になる方法は大きく分けて3種類あります。
- 防衛医科大学校看護学科へ入学する
- 自衛隊に入隊してから准看護師の資格を取得する
- 看護師の資格を取得後に自衛隊に入隊する
1.防衛医科大学校看護学科へ入学する
ひとつは高校卒業後、防衛医科大学看護学科へ入学する方法です。
保健師・看護師である幹部自衛官を養成する「自衛官候補課程(自衛官コース)」あるいは保健師・看護師である技官となるものを養成する「技官候補課程(技官コース)」で教育訓練を行います。その後国家試験に合格することで自衛隊看護師になることができます。
履修科目は看護師学だけでなく訓練課程もありますが、体力に自信のない方も安心して取り組むことができるようです。入学金や授業料などはすべて免除で、学びながら給料も支給されるため、学校の倍率は非常に高くなっています。
※以前は自衛隊中央病院高等学院という学校もありましたが、防衛医科大学校高等看護学院と統合し、防衛医科大学校看護学部となりました。
出典:防衛医科大学ホームページ
https://www.ndmc.ac.jp/
2.自衛隊に入隊してから准看護師の資格を取得する
二つ目は、先に自衛隊に入隊する方法です。自衛隊に入隊すると、各部隊に配属されます。その中から准看護師を目指す方を対象に選抜試験があり、合格すれば准看護師養成施設で学ぶことができます。
授業料等は無料で、自衛隊としての給料を頂きながら学ぶことができるようです。
3.看護師の資格を取得後に自衛隊に入隊する
すでに看護師の資格を取得している方は、まず陸上自衛官採用試験(看護)を受け合格する必要があります。
合格後すぐに自衛隊看護師になれるわけではなく、自衛官としての教育が約5週間あり、その後各病院等に転任されるようです。
しかし、毎年看護師の募集があるわけではなく、陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊で募集人数が異なります。受験を希望する方は、地方協力本部で募集要項や応募資格などを確認しておきましょう。
自衛隊看護師はきつい?仕事内容と役割
自衛隊看護師として求められる役割は、以下の4種類です。
- 隊員の健康管理
- 大震災などの各種事態への対応
- 国際的な安全保障環境の改善のための活動
- 人道的な貢献
出典:防衛医科大学校 卒業後の進路
https://www.ndmc.ac.jp/nrs/about_graduate/course/
自衛隊看護師は、基本的には自衛隊病院での勤務となります。仕事の内容は一般的な病院で勤務する看護師と大きな差はありません。
しかし、部隊勤務であればそれぞれの部隊の衛生隊として、国内外を問わず被災地へ派遣されることがあります。平時でも自衛官として召集され、訓練等を受けることになります。自衛隊看護師を目指すのであれば、体力はあったほうがいいでしょう。
自衛隊看護師の階級と給料
自衛隊では、多くの階級が設けられています。例えば陸上自衛隊の場合、二等陸士から1等陸佐までの14階級がありますが、看護師にも階級がつくのか気になりませんか?
もちろん、自衛隊看護師にも階級があります。すでに看護師の資格を取得し2年半以上の経験があれば、4号棒に当たる陸曹長という階級が与えられます。
その後も、経験年数によって階級は上がり、その分給料も上がっていくようです。給料自体は、一般的な病院で勤務する看護師と大きな差はありませんが、手当が充実しています。
自衛隊看護師に中途採用はあるの?
看護師が転職を検討する場合、看護師専用の転職サイトを利用する方が多いと思います。しかし、自衛隊看護師の求人を目にすることはほとんどありません。
まれに看護師専用の求人サイトに、中途採用の自衛隊看護師の求人が掲載されることがあります。するとその応募には応募者が殺到します。
ただ、中途採用の自衛隊看護師を目指すのであれば、毎年11月中旬に実施される試験に合格しなければなりません。一般的な病院のようにいつでもだれでも応募できるわけではありませんので、自分が条件を満たしているか確認が必要です。
常に募集がされていないか確認しながら、条件を満たすことができるように注意して生活をしましょう。