高収入を目指す看護師に人気の求人である「夜勤専従看護師」
夜ばかり働く…と考えると生活リズムが乱れやすくデメリットが多いイメージがありますが、夜勤手当や効率の良さといった面からニーズの高い働き方です。
給料面だけ見るとその高額さから「働きたい!」と希望する方が多いもの。
しかし、夜勤ならではの業務や向き不向きがあるため、夜勤専従のメリットとデメリットを見極めて選ぶことが大切です。
今回は、夜勤専従看護師の働き方からメリット・デメリットや実際の給料事情についてご紹介させていただきます。
夜勤専従として働くことを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
“夜勤のみ”“夜勤専門”の夜勤専従看護師の働き方
そもそも夜勤専従看護師とはいったいどのような働き方をするのでしょうか?
病棟で働く看護師の勤務といえば、早出、日勤、遅出、準夜勤、夜勤…といったシフト勤務が主で、クリニックでは日勤帯のみというのがほとんどです。
一方、夜勤専従看護師とはその名の通り「夜勤のみ働く看護師」のこと。
看護師の中には「夜勤業務に入りたくない」という声がある反面「夜勤でしか働きたくない」という声も多く、以外と人気の働き方なのです。
入院病棟での夜勤専従看護師では以下のような業務が主になります。
- 病室の定期巡回
- 点滴、注射、バイタルチェック
- 配薬
- ナースコール対応
- 夜間の救急対応
夜勤を行う職場には入院病棟、ICU、救急外来、老人ホームなどがありますが、行う業務はそれぞれによって異なります。老人保健施設、老人福祉施設など介護施設の夜勤専従看護師では、介護スタッフともに食事介助や夜間の排泄介助なども行うところもあります。
夜勤専従看護師のメリット
夜勤専従で働きたいというニーズが高いのは、どうしてなのでしょうか?
夜勤専従看護師のメリットからみていきましょう。
給料が高い
夜勤専従看護師として働く最大のメリットといえば、給料の高さ。
夜勤手当(深夜手当)がつくので、日勤で働く看護師よりも効率良く稼ぐことができます。
夜勤の働き方には3交代制・2交代制と2種類あり、それぞれ勤務時間が異なります。
- 3交代制での夜勤専従→深夜勤(0:00~8:30)
- 2交代制での夜勤専従→夜勤(18:00~9:30)
それぞれ夜勤手当含めて1夜勤につき2万円~3万円の収入が得られるため、週に2日夜勤で働くと3万円×2日×4週=24万円!
日勤帯で働くよりも休日が多いにも関わらず、日勤看護師並みに稼ぐことができるのが人気の理由です。
夜勤専従看護師はパートやアルバイトなど非常勤の募集が多くみられ、非常勤での働き方に不安を感じる方もいらっしゃいますがメリットも。
非常勤の夜勤専従看護師では、常勤看護師に適用される夜勤回数の制限(月に8回まで)がないため、稼ぎたいだけ夜勤に入って稼げる!高給を目指せる!という稼ぎたい方にピッタリの働き方が可能です。
生活リズムが安定する
夜勤専従というと昼夜逆転で生活リズムが乱れると思われていますが、反対に早出~夜勤全てをこなすシフト勤務の方が、生活リズムが乱れがち。
睡眠サイクルやホルモンバランが不規則になりやすく、疲労がでやすい働き方です。
夜勤専従は昼夜逆転の働き方になりますが、夜勤の仕事に慣れると継続して一定のリズムで勤務できるため、心身への負担が少なくなるといわれています。
プライベートが充実する
夜勤専従看護師は、1夜勤の勤務時間が8時間より短いこともありますが週2回ほど勤務すれば日勤で働く看護師と同じくらいの給料を得ることができます。
休みが多く自由に過ごせる日が多くなるため、プライベートが充実しやすいといったメリットがあります。
また、日中はフリーに過ごすことができるので趣味を楽しむことも◎
常勤看護師では難しい連休、国内旅行に行くのも一苦労…ですが夜勤専従看護師では、うまくシフト調整すれば長い連休をとって海外旅行も行くこともできます。
忙しい夜勤業務ですが、休日にしっかりリフレッシュできるのでメリハリのある働き方ができますね。
Wワークができる
現在、平日の日勤だけで働いている非常勤看護師の方は土日や休みの日をうまく利用して副業、Wワークとして働くことができます。
土日や祝日に予定がないなら少しでも稼ぎたい!という方にはぴったりです。
特に、土日祝日などは人手が不足しやすいので夜勤専従看護師のニーズは高く、引く手あまたでしょう。
看護業務に専念できる
日中も働く常勤看護師の悩みといえば、委員会業務、サマリー、カルテ管理など、様々な業務に追われています。
しかし、夜勤専従看護師は勤務日数が少なく非常勤であるケースが多いため看護業務に特化した働き方ができます。
例えば、委員会やリーダー業務が免除され、残業時間もほとんどなく定時で帰れる場合が多いでしょう。
煩わしい人間関係から解放される
夜間は働くスタッフが少ないため、煩わしい人間関係に悩まされることも少ないこともメリットのひとつ。
夜勤をするスタッフの顔ぶれはだいたい決まっていますので、職場の人間関係に振り回されず、看護業務に専念してライトに働きたいという方にはおすすめです。
転職に有利になる
夜勤ができる看護師は、いつでも人手不足の看護業界。
夜勤業務ができるということは、通常の看護業務に加えて夜間の救急対応を任せられる人ということになります。将来的に転職を考えた場合、夜勤業務のスキルがある看護師は転職でのアピールになりニーズも高くなるでしょう。
夜勤専従看護師のデメリット
夜勤専従看護師で働くメリットはたくさんありますが、一方で以下のようなデメリットもあるので働く際に留意しておきましょう。
昼夜逆転になる
夜勤ばかり、という一定の生活リズムはできていますが本来の体内時計のリズムとは異なり昼夜逆転生活になってしまいます。
心身にも影響が出るケースがあり、女性ではホルモンバランスの乱れに繋がることも。
また、家族や友人との生活スタイルと合わなくなり、すれ違いから孤独を感じる方もいらっしゃいます。
オールマイティなスキルが求められる
夜勤では日中のように十分な人数の医療従事者がいません。
少ないスタッフの中で患者の安全を守る業務をこなさなくてはいけないため、臨機応変な働きが求められます。
看護師として経験やキャリアを重ね、プロフェッショナルとしての判断や行動ができる人材でなければ採用されにくく、看護師資格を取得したばかりの方やブランクの長い方は、採用される可能性が難しくなるでしょう。
情報収集を密にしなければいけない
夜勤専従看護師では、週に数回の夜勤に入るだけなので患者の状態がつかみにくいもの。
カルテを見れば大体は把握できますが、実際に触れ合う機会が少なく日中の活動時の様子を知ることができません。
申し送りの前に出勤して看護記録を熟読する、担当となる病棟エリアをラウンドして状態を把握するといったことが大切です。
与えられた情報だけでなく、積極的に「自分で情報収集をする!」という向上心がなければスムーズな業務を遂行することはできないでしょう。
夜勤専従看護師の給料
夜勤専従看護師のメリットで「給料が高い」とあげましたが、実際の求人ではどれくらいの収入を得ることができるのでしょうか。
実際の求人情報からみていきましょう。
東京都内、一般病棟の求人①
・夜勤専従常勤(正看護師)
月収:460,000円
(基本給290,000円+調整手当10,000円+住宅手当20,000円+夜勤手当10回分140,000円)
賞与:725,000円
年収:6,245,000円
・夜勤専従パート
(正看護師)
日給:32,000円
(准看護師)
日給:27,000円
東京都内、医療療養病棟・介護療養病棟の求人②
・夜勤専従パート
《正看護師》
日給:27,000円
《准看護師》
日給:25,000円
東京都内、リハビリテーション病院の求人③
・夜勤専従パート
日給:30,000円~
東京都、有料老人ホームの求人④
日給3万6000円/ベース時給2,000円
大阪府、療養型病院の求人⑤
・夜勤専従常勤(准看護師)
月収: 360,000円~410,000円 (手当含む)
賞与: 年2回4ヶ月分
福岡県、一般病院 療養型病院の求人⑥
福岡県、一般病院 療養型病院の求人⑥
・夜勤専従パート(正看護師)
日給: 20,000円~30,000円
様々な求人情報をみても高収入であることが多く、働く職場は病院だけでなく介護施設も含まれそれぞれの職場によって求められるスキルが異なります。
日勤で働くよりも業務に追われることなく、短時間で日勤以上の給料を得られる夜勤専従は効率的な働き方といえます。
求人数では非常勤の募集が多く、常勤ではなかなか募集されていません。
日勤者のシフトで足りない夜勤を、夜勤専従看護師で補うといったスタイルが主になるでしょう。そのため、給与や福利厚生の安定から常勤の夜勤専従看護師を希望する場合は、情報収集が欠かせません。
もし、ご自身で魅力的な求人を見つけられない場合は、看護師の転職に特化した転職サイトや転職エージェントがおすすめです。
プロのアドバイザーがあなたに合った働き方、職場を提案してくれるはずです。
【まとめ】夜勤専従看護師になるには情報収集が必須!
いかがでしたでしょうか?
夜勤専従看護師の働き方からメリット・デメリットや給料事情についてご紹介させていただきました。
夜勤専従看護師はお伝えしたように、ガッツリ稼ぎたい・プライベートを充実させたい・ライトに働きたいといった看護師の方におすすめの働き方です。
勤務日数が少なくても稼げる夜勤専従看護師は、大変魅力的な働き方ですが通常の看護業務とともに臨機応変な対応力が求められます。
給料の高さだけに注目して「こんなに大変だと思わなかった!」と失敗しないためにも、働く職場の情報をしっかり把握して働くようにしましょう。