司法試験は独学で合格できる?必須ツールや合格のポイント紹介


文系最難関の司法試験。
法曹資格取得を目指したい!と思っても予備校にかける費用がない方や社会人の方は多いのではないでしょうか?

できるだけ費用をかけずに司法試験に合格したい方は、独学で司法試験受験という方法を考えます。
では、司法試験を受けたいけれど独学で可能なのでしょうか?

そこで今回は、司法試験に独学で合格できるのか?独学で勉強するためのツールについて説明します。

司法試験受験の流れ

司法試験とは、裁判官、検察官又は弁護士を目指す方に必要な知識や応用能力を備えているか判断する国家試験です。

・法科大学院課程の修了者
・司法試験予備試験の合格者

を対象に実施されます。
予備試験は法科大学院を卒業しなくても法曹資格を目指す道のひとつとなり、合格者は法科大学院修了者と同じく司法試験を受験できます。

司法試験独学での必須ルート「予備試験」

予備試験に合格できるほどの知識と法的思考力があれば、その法曹の分野の業務をしても良いという観点であるためです。
予備試験は短答・論文・口述の流れで行われ、全て合格しなければいけないという点が、難易度が高くなっている要因のひとつでしょう。

予備試験の独学は困難

一般的に予備試験に独学で難しいといわれ、特に論文式試験のハードルが高いとされています。
論文式試験では、法律に関して幅広い知識と応用力、法的三段論法に従った法的思考力の論文を作成しなければいけません。

論文式試験の対策は、論文の作成と添削が必須。
論文作成の繰り返し練習と第三者のチェックがない場合、独学で合格レベルにまで達することが難しいのが現状です。

予備試験対策、独学以外で学ぶには?

やっぱり独学では難しいという場合、以下のような方法があります。

  • 予備校/オンライン予備校
  • 通信講座

予備校は数百万円程度の学費が必要になるため、学費の高さで断念される方も少なくありません。
また、オンライン予備校や通信講座は最短1年、数十万円~受講できるので、なるべく費用を抑えたい方や学習する時間がない社会人受験生から選ばれています。
予備試験に特化した講座やサポートがあるので、効率よく学ぶことができるでしょう。

予備試験に合格して司法試験のスタートライン

予備試験に合格から約半年後には司法試験が待っています。
司法試験ってもっと難しいのでは?…と不安になる方もいらっしゃいますが、予備試験に合格された方は司法試験合格への一歩を踏み出しています。
それは予備試験に向けて学習した内容、身に着けた基礎力が司法試験で活かされるからです。

では、独学で挑む司法試験に向けて何をすればよいのでしょうか?

過去問の反復練習

まず、司法試験で必要な合格力は予備試験での合格力と同じ程度だと思ってください。
予備試験に合格された方は、司法試験合格に必要な基礎力と思考力がしっかり身についているため、司法試験の長文問題に慣れることを重視しましょう。

そこで必要なのが過去問の反復練習です。
まったく同じ問題は出題されませんが、出題傾向を別視点から知ることができ、本番でその知識を活かすことができるからです。

基礎知識の精度を高める

司法試験に必要なスキルは、どれだけ基礎的な知識が身についているか?です。
時間との闘いの中、応用問題を解答するためには六法の基礎知識をしっかり身に着け、条文→論証の応用・思考力をアウトプットすることが大切です。

新しい参考書や基本書はしない

予備試験が終わり、司法試験まで残り半年…となると司法試験に向けて「もっと、もっと」と新しい知識を増やしたくなるのが人間の心理です。
しかし、試験直前に新しい参考書や基本書で新しい知識を学んでも十分に身につかない、ということを理解してください。
新しい知識よりもこれまで積み重ねた知識を復習し、基礎スキルの精度を上げていきましょう。

合格に近づく!独学の方法

では、独学で司法試験に合格する方法をみていきましょう。

どれだけの学習時間が必要?

予備試験から司法試験まで1年~2年計画で合格を目指した場合、最低学習時間の目安は3000時間・1日約7~8時間の確保が必要とされています。
社会人受験生の場合は、仕事と並行となると学習時間の確保が難しいため効率的な学習が求められます。

まとまった学習時間が確保できない場合は、通勤中や休憩時間、寝る前などスキマ時間を見つけましょう。
できれば効率よく時間を使い、週に30時間~学習時間を確保するようにしましょう。

独学で勉強するためのツール

独学で司法試験にチャレンジする方は、学習教材をそろえなければいけません。

以下のツールは必須教材となります。

  • 六法全書(六法)
  • 司法試験の中心となる本。日本の主要な6つの法律「憲法・民法・商法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法」の法令を収録したポケット六法やデイリー六法など。
    法律は日々変わっていきますので、毎年買い替え新しい本を用意しましょう。

  • 入門書
  • 法律の体系が分かりやすく解説されている独学の方必須の本

  • 基本書
  • 法学者による法律の専門書。全体像の理解やポイントの確認のため使う

  • 判例集
  • 裁判所の判例、概要・判旨、法律の専門家の解説されている本

  • 論証集
  • 答案でそのまま活用できる論点を記載した教材

  • 演習書
  • ある程度知識が身についてから読むのがおすすめ。各論点の理解を深める

  • 問題集
  • 法学者による法律の専門書。全体像の理解やポイントの確認のため使う

  • 生活水準が上がる
  • 短答対策用や論文対策用の教材

まず、独学の方は「法学とはなにか?」について分かりやすく書かれている入門書を読み始めることからスタートさせましょう。
おすすめは予備校等が出版している入門書です。
予備校でのノウハウを活かして丁寧に解説されているので、初心者でも分かりやすく理解できるでしょう。

そして基本書・参考書へと進み、判例の学習をしていきます。
入門書や基本書で足りない部分は演習書・論証集を活用し、問題集の実践へとつなげます。

独学のポイント

難関な独学合格を目指すなら、効率的な学習と継続することが重要です。
法律は専門用語や学習量が多いため、暗記だけしても司法試験には合格できません。
「教材を活用し知識をインプット→問題集・過去問でアウトプット」
これを効率よく実践し、知識を自分の中に定着させていきましょう。

そして独学で最も挫折しやすいのがモチベーションの維持です。
忙しい毎日の中でもスキマ時間を見つけて、少しでも学習を続ける環境を作ることが大切です。
また、SNSやオンラインサロンなどで独学する仲間とコミュニケーションすることでモチベーションが維持でき学習の継続につながるでしょう。

独学で陥りがちな失敗

独学の難しさは、必要な知識や学習量の多さだけではありません。
1人で勉強を進めていく中には、このような失敗例が潜んでいるのです。

自己満足の勉強になりがち

司法試験を独学することで陥りやすい罠として、第三者の目がないということがあげられます。
もちろん独学なので1人で教材と向き合い勉強しますよね。
司法試験の学習は、1+1=2のように明確な正解がありませんので、学習した内容や解答が客観的に検証できないのです。

論文式試験においては、それが顕著になります。
これだ!という正解がないからです。
正解ではなく、応用できる正しい理解が求められるのが司法試験の難しさでもあります。

主観的な視点のみの学習となり「これでいいのかな…?」とあやふやになってしまったり、間違った知識のまま司法試験まで進んでしまったりといった状況に陥りやすいのです。

そして他の受験生との交流もない場合は、自分自身がいま置かれている状況や実力が理解できないままで司法試験に挑まなくてはいけません。
気付いたときには井の中の蛙だったという失敗例も多いのです。

何が正しいか分からなくなる

法学の教材は、執筆者・学者によって理論面での説明が異なることがあります。
Aの教材では〇〇と書かれているのに、Bの教材では〇△となっている…というように結論に至るまでの説明・解釈が異なり、どちらが正しいの?と頭を抱えることがあるでしょう。
多くの方が論じている内容が通説となるのですが、その感覚を掴むまで時間がかかり、結局1人で悩んでいても分からないままという場合も少なくありません。

司法試験受験者の中には独学で合格した人はいるのか?

司法試験は科目が多く、出題範囲が広いため独学での合格は難しいとお伝えしました。
司法試験合格者は法科大学院や予備校、通信講座等で学んだ方ですが、中には費用や時間的な負担軽減のため、独学で合格する強者もいます。

予備校(オンライン予備校)や通信講座は数十万円~数百万円の学費がかかりますが、長期的な目でみると実は費用対効果に優れているケースが多いのです。
例えば独学では教材を1冊ずつ選び購入しなければいけませんので、選ぶ時間もお金もかかります。
しかし予備校や通信講座を利用すれば、一式の教材が揃うだけでなくノウハウを詰め込んだ講義、添削指導を受けられるメリットがあります。

司法試験の受験は短期決戦が必須なので「効率的な学習」と考えると、独学よりも合格への近道になるのではないでしょうか。

【まとめ】自分に合った学習で司法試験合格を目指そう

いかがでしたでしょうか?
司法試験に独学で合格できるのか?独学で勉強するためのツールについて説明しました。

独学は「絶対に不可能ではないけれど正直なところ難しい」ということがお分かりいただけたかと思います。
膨大な知識や幅広い学習量が必要なため、極めて高い難易度である司法試験。
1人で学習を進めていき挫折してしまったり、方向性に迷いが生じてしまったりすることもあります。
また、何が必要な学習で何が必要でないかの区別がつかないため、非効率な勉強をしてしまい、知識として身につかないケースに陥ることも。

学費(受講料)はかかりますが、合格に近づく学習をするには、予備校や通信講座を活用したほうが効率的でしょう。
他の受講生とも交流できるので、インプットした知識のアウトプットや情報交換もできるので主体的な学習にもつながります。

やっぱり独学での合格したい!という方は、まず1人で勉強してみて分からないことや不安を感じたときに予備校や通信講座を検討してみてください。
ご自身に合った学習方法で、ぜひ司法試験合格を目指しましょう。


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参考サイト
厚生労働省
内閣府
ハローワーク
職業情報提供サイト
日本経済連合会
転職コンサルタント
中谷 充宏
梅田 幸子
伊藤 真哉
上田 晶美
ケニー・奥谷