現代社会は多種多様な生き方が認められるようになってきた一方、社会構造や環境は複雑化、ストレスや悩みを抱える人は増加の一途を辿っています。
そうした人たちの心のケアを行うのが、「心理カウンセラー」。悩みを抱えた人の相談に乗り、解決の手助けをするプロフェショナルです。
心理カウンセラーの需要は年々増加。また自分自身の悩みと向き合ううちに、心理カウンセラーとはどのような仕事なのか、興味を持つ方も少なくありません。
誰かのために取得を考えている方、自分自身と向き合うための勉強の一つとして取得を考えている方。そんな方々のために、今回は心理カウンセラーになるために必要な資格についてご紹介いたします。
意外かもしれませんが、心理カウンセラーとして働くために必ず必要とされる資格はありません。
実際に心理カウンセラーとして働くのであれば、知識や経験の量が物を言う世界ですので、それを証明するためにも資格は所持していたほうが有利といえるでしょう。また資格保有者の方が信頼を得やすいというメリットもあります。
心理カウンセラーとして活動するために必要な知識や技術を身につけられる資格は、いくつかあります。
どういった人を相手にしたいか、どういった場所で活躍したいかで資格取得は異なります。どのように活動したいかイメージを固めることが大切!
現在国内には心理学系の資格は数十種類もあるといわれており、その難易度も多種多様。
信頼性の高い「臨床心理士」や「公認心理師」がありますが、これらは大学や大学院への通学が必要であり、取得までに長い時間を要してしまいます。
またカウンセリングは、知識以上に経験が非常に重要になる技術です。実技を兼ねた学習が必要になるため、独学で取得できる資格は多くありません。
基本的な心理学の知識を得たいという方は、通信講座での学習がおすすめ!
やさしい暮らしの心理学。学問という難しさはなく、はじめて心理学に接する方も安心して取り組むことができる。心の動きを知ることでより心豊かに暮らす方法が実生活に活かせる。
●受講費用(税込)
35,000円(一括の場合)
●受講期間
6ヶ月
心理学理論に基づいた実践的なトレーニングを5つのテーマで用意されている。ストレス解消法やコミュニケーションスキル、ポジティブ思考などを学び、ストレスへの対応力が身につく。
●受講費用(税込)
39,000円(一括の場合)
●受講期間
6ヶ月(受講開始から12ヵ月まで指導あり)
ストレスケアや心の健康管理など、幅広く活用できる実践的スキルとして注目されている。労務管理のスペシャリストを目指す方や管理職を目指す方、ご自身の心の健康を維持したい方におすすめの資格。
●受講費用(税込)
35,000円(一括の場合)
●受講期間
4ヵ月(受講開始から1年まで指導あり)
7つの心理テクニック(自分変身術)を習得・実践することで、効果的に自分の行動やクセを改善し、その状態を行動・習慣化に繋げるトレーニング講座。
●受講費用(税込)
28,900円(一括の場合)
●受講期間
3ヶ月
その人の心の問題がどこから生じてきているのか、自分自身で探して解決できるまでを見守り、サポートする専門家として、必要な心理カウンセリングの知識や技法を短期間で習得できる通信講座。
●受講費用(税込)
49,800円(一括の場合)
●受講期間
約6ヶ月
基本から学べる心理学。ストレスケアや様々な心理学を学んで心理学の仕事が出来るようになるまで徹底的に学習できる。カウンセラー資格とインストラクター資格の2種類の資格にも対応。
●受講費用(税込)
59,800円(講座のみ)
●受講期間
6ヶ月(最短2ヶ月)
子どもの心理状態が学べる講座。赤ちゃんから高学年までの子どもの心、心の発達や子どもの心理状態を学び、年齢別、状況別の適切な接し方や子どもの心理カウンセリング方法が学習できる。
●受講費用(税込)
59,800円(講座のみ)
●受講期間
6ヶ月(最短2ヶ月)
生活の中で大切なキッチン環境。心理学と同時に学べる女性のための通信講座。「キッチン心理カウンセラー」、「キッチン心理アドバイザー」の2資格にも対応。
●受講費用(税込)
59,800円(講座のみ)
●受講期間
6ヶ月(最短2ヶ月)
福祉の現場で求められる心理学の知識を習得。福祉の資格でも注目を浴びている「福祉心理カウンセラー」、「福祉心理アドバイザー」の2資格が同時取得できる。将来福祉系の業界や職種を目指している方には特におすすめ。
●受講費用(税込)
59,800円(講座のみ)
●受講期間
6ヶ月(最短2ヶ月)
心理カウンセラーに関する資格は実に様々存在するため、どの資格を取得するべきか悩ましいという方もいらっしゃるでしょう。
まずは、セルフ・カウンセリングや、知人や友人など身近な人の相談に乗りたいという方など、基本的な知識を身に着けて身近なところで役立たせたいという人向けに、比較的取得しやすい資格を3つご紹介します。
どの資格も受講資格がなく、必要なカリキュラムを受講し課題や試験をクリアすれば資格が授与されます。カリキュラムも、通信教育で受講できるため取り組みやすいでしょう。
違いとしては、認定団体が異なる点の他、標準学習時間に差があります。学習できる内容も異なりますので、自分自身の勉強に費やせる時間や、学びたい内容によって選択するとよいでしょう。
メンタル心理カウンセラーは、一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定する資格で、正式名称は「JADP認定メンタル心理カウンセラー®資格」といいます。
心理カウンセラーに必要な知識を有することを証明できる民間資格の一つとしてポピュラーな資格でもあり、カウンセリングに従事するための基本的な知識と技術を身に付けられる為、医療・福祉・教育・産業界などさまざまな場所で求められるカウンセリング能力を備えていることを証明することができます。
一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認める講座(・カウンセリングに関する基礎知識、クライエントに関する基礎知識、心理学に関する基礎知識、精神医学の基礎知識)を修了することが受験資格となっており、講座修了後の資格試験は在宅での受験も可能です。
上級資格として、より専門的な知識を証明する「上級心理カウンセラー資格」もあり、同時取得を目指す方も非常に多いです。
●受験資格
特になし
●受験費用
5,600円(税込)
●開催スケジュール
カリキュラム修了後、随時、在宅にて受験可能
●その他費用
通信教育:39,000円(税込)
※学習時間約3~6ヶ月
メンタルケア学術学会、一般財団法人ヘルスケア産業推進財団、一般財団法人生涯学習開発財団の3つの団体が認定するという点が、他にはない資格です。有資格者は、メンタルケア・メンタルヘルス及び心理学の知識と技術を活用し健康の維持、増進に寄与する人材として社会での活躍が期待されています。
受験資格などもなく、協会賛助会員指定校のメンタルケアカウンセラー(R)教育課程を修了すれば、メンタルケアカウンセラー(R)資格を取得できます。この称号は、心理学の入門知識およびコミュニケーション向上で求められる基礎能力を有すことを証明します。
●受験資格
特になし
●受験費用
資格登録料:5,100円(税込)
●開催スケジュール
随時登録可能
●その他費用
通信教育:49,000円(税込)
※学習時間約4~8ヶ月
医師と連携し、相互援助しながらカウンセリングを行うことも多いメンタルケア心理士。3つの中では医学的分野に関する知識が色濃く、医学的見地から正しいカウンセリング方法や心理療法を身に付けられる資格といえるでしょう。医療・福祉・教育・産業・公共サービス等での相談援助や心理カウンセリング、心理療法によるカウンセリング業務やコミュニケーション向上で求められる基礎能力を有すことが証明でき、一定の職業能力があると証明できる「ジョブ・カード」にも記載できる資格です。
資格取得のためには文部科学省後援「こころ検定2級」取得が必須の他、下記の3つの条件のうち1つを満たす必要があります。
①メンタルケア学術学会指定教育機関において、メンタルケア心理士(R)教育課程を修了した者。
②認定心理士または産業カウンセラーの資格を保有している者。
③メンタルケア学術学会が定める「学士・修士申請規定」を満たし、文部科学省の定める4年制大学心理学部、学科または心理隣接学部、学科卒業者で証明できる者のいずれかに当てはまる者。
●受験費用
5,600円(税込)
●開催スケジュール
年2回(東京・大阪)年1回(福岡、愛知、宮城、北海道)
●その他費用
通信教育:38,880円(税込)
※学習時間約2ヶ月~2年
過労や仕事のストレスによる「心の病」で、毎年1千人を越える労災申請が出るほど現代の会社勤めはストレスに満ちあふれています。(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05400.html)
心理カウンセリングはうつ病などの精神疾患の治療にとどまらず、予防の観点はもちろん、今や日常的なケアとしても広く認知され、企業内においてもカウンセリングの必要性は重要視されてきています。ここでは、人事など社員の労務管理を行う方や、企業内でのカウンセリングに従事している方、または目指している方におすすめの資格をご紹介します。
産業カウンセラーは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する心理系資格の一つです。2001年までは労働省(当時)が認定する公的資格でしたが、2001年以降は技能審査から除外されたため、民間資格となりました。産業カウンセラーの活動は「メンタルヘルス対策」「キャリア開発」「職場における人間関係開発」の3つの領域が活動領域となり、産業、労働現場に通じたプロフェッショナルな支援者として、国や自治体、企業等から専門的な役割を期待されています。特に産業カウンセラーの基本スキルとなる「傾聴力」はカウンセリングやコーチングにおいて必要不可欠なスキルであり、人の話を聞く仕事であればどんな場面でも活用できる技術です。
資格試験の受験資格として、養成講座を修了するか、大学院などの指定の専攻を修了し指定科目を取得する必要があります。養成講座は日本産業カウンセラー協会が主催しており、通学制かeラーニングで受講することが可能です。
また産業カウンセラーには上位資格があり、産業カウンセラーとして上級にあたる「シニア産業カウンセラー」か、キャリア形成支援の専門家となる「キャリアコンサルタント」の道へ進むことも可能。キャリアコンサルタントは2016年より国家資格に認定されており、さらなる活躍の場を広げることができますよ。
資格取得後、産業カウンセラーの呼称を使用して活動をする場合は、日本産業カウンセラー協会への登録が必須ですので、その点は注意が必要です。
●受験費用
学科試験:11,000円(税込)
実技試験:22,000円(税込)
●開催スケジュール
年1回(1月)
●その他費用
養成講座受講料:297,000円(税込)
資格登録料:7,700円(税込)
※登録有効期間:登録日から5年間
※登録更新:5年ごとに登録更新手続きが必要
※登録更新料:3,300円
※年会費:11,000円
EAPとはEmployee Assistance Program(従業員支援プログラム)の略で、「働く人のメンタルヘルスケア」のこと。 1984年にアメリカ合衆国政府機関が公式規定を作り、全米の企業に普及させたものが始まりです。EAPは企業の従業員のパフォーマンス向上に効果的だといわれ、日本にも特定非営利活動法人EAPメンタルヘルスカウンセリング協会(EMCA®)が設立。その重要性が徐々に広まりました。
EAPメンタルヘルスカウンセラーとは、EMCA®が公式に認定した「EAPメンタルヘルスカウンセラー」として活躍できるライセンスです。メンタル不調の予防や早期発見、メンタル不調を抱える方へのメンタルヘルスカウンセリングをはじめ、こころの病で休職した方への復職支援、企業へのEAPの構築からEAPコンサルテーションまで、企業内においても広い活躍の場があることが特徴です。
資格登録のためには、EAPメンタルヘルスカウンセリング協会(EMCA)認定カリキュラムを修了し認定試験に合格するほか、下記要件のいずれかを満たす必要があります。
①メンタルヘルス・マネジメント®検定I種もしくはII種の合格者。
②医師・臨床心理士・キャリア・コンサルティング技能士などの国家資格保持者。
③産業カウンセラー・CDAなどの資格をお持ちで実務経験2年以上ある方。
④企業等における産業保健(メンタルヘルス分野)の実務経験が5年以上。
●受験資格
下記の①・②を満たす方
①出願日時点で21歳以上の方
②eMC®カリキュラム修了者(※コース修了3年以内の方が対象)
●受験費用
学科試験:10,000円(税抜)
実技試験:25,000円(税抜
●開催スケジュール
年2回(1月・7月)
●その他費用
eMC®カリキュラム受講料(通信コース):318,000円(税抜)
※+教材・実習費:22,000円(税抜)
※カリキュラム受講総時間:全50回/125時間(約6ヶ月)
メンタルヘルス・マネジメント検定は、企業での活用に特化した心理系の資格です。厚生労働省が定めた「メンタルヘルス指針」を受けて、大阪商工会議所が認定団体として実施しています。
またメンタルヘルス・マネジメント検定は、労働者の精神的な不調を防ぎ、働きやすい職場環境の実現のために「メンタルヘルスケア」を学ぶことを目的としています。職場での役割に応じて、下記の3つのコースが設定されているので、ご自身の仕事内容やキャリア、今後のキャリアプランに応じて選択すると良いでしょう。
自社の人事戦略・方針を踏まえた上で、メンタルヘルスケア計画、産業保健スタッフや他の専門機関との連携、従業員への教育・研修等に関する企画・立案・実施ができる
部下が不調に陥らないよう普段から配慮するとともに、部下に不調が見受けられた場合には安全配慮義務に則った対応を行うことができる
自らのストレスの状況・状態を把握することにより、不調に早期に気づき、自らケアを行い、必要であれば助けを求めることができる
年齢や学歴、国籍問わず取得できるのも、大きな特徴です。
●受験資格
特になし(学歴・年齢・性別・国籍に制限なし)
●受験費用
Ⅰ種:11,000円(税込)
Ⅱ種:6,600円(税込)
Ⅲ種:4,400円(税込)
●開催スケジュール
年1回:Ⅰ種(11月)
年2回:Ⅱ種・Ⅲ種(11月・3月)
●その他費用
公認テキスト:Ⅰ種テキスト価格4,200円(税別)
Ⅱ種テキスト価格2,800円(税別)
Ⅲ種テキスト価格1,800円(税別)
学校などの教育現場や介護施設、医療施設などにおけるカウンセラーの役割は非常に重要です。そのため、そうした場所で活躍するためには、必要となる資格も取得が難しいものが多くなります。その中でも比較的取得しやすい資格を2つご紹介します。
(https://prokan.co.jp/qualification/grade1.php)
1級心理カウンセラーは、設立34年の歴史を持つ日本プロカウンセリング協会が主催する資格です。教育機関としてオリジナル心理プログラムを開発する他、企業や教育機関、医療・福祉機関向けに様々な研修プログラムも開催しています。
1級取得のためには、まず2級を取得しなければなりませんが、どちらも同協会が主催する養成講座を受講すれば資格取得となります。講座では生活分野から医療分野、産業分野、教育分野と、様々な分野で活躍できるだけの幅広い知識を学習することが可能です。
●受験資格
1級心理カウンセラー養成講座を受講した者
※養成講座受講資格は、日本プロカウンセリング協会2級心理カウンセラー資格取得者。または協会が認める2級資格同等以上の心理系資格所有者
●受験費用
資格試験なし
●開催スケジュール
各支部の養成講座スケジュールに準ずる
※詳細は要問合せ
●その他費用
講座受講料:399,000円(税別)
(https://www.jadp-society.or.jp/course/child/)
学校や児童カウンセリングで活躍できる資格の一つに「スクールカウンセラー」がありますが、そちらよりも取得しやすいものが、このチャイルドカウンセラー資格です。
チャイルドカウンセラーは、「一般財団法人 日本能力開発推進協会」が認定する、児童心理のスペシャリストに与えられる資格です。不登校や校内暴力、学内でのさまざまな問題行動等の対応に求められる専門的な心理学知識や心理援助技術を身につけることができ、教育現場はもちろん、福祉や医療の現場でも活躍が期待できます。
受験資格は、同協会指定の認定教育機関等が行う教育訓練において、全カリキュラムを修了すれば得られます。資格試験も、カリキュラム終了後に自宅で随時受験が可能です。
●受験資格
日本能力開発推進協会指定の認定教育機関等が行う教育訓練において、その全カリキュラムを修了した者。
●受験費用
5,600円(税込)
●開催スケジュール
随時
●その他費用
教育訓練受講料:36,000円(税別・一括の場合)
ストレス社会の現代において、様々な場所で活躍できる心理カウンセラー。
関連する資格が数十種類あるのも、その必要性や重要性が故といえるのではないでしょうか。
どの資格を取得しようか悩ましい心理カウンセラーの各種資格ですが、勉強した内容は必ず自身の身になり、キャリアアップにも繋がります。
本記事を参考に、ご自身のキャリアプランに合った資格を見つけていただけたら幸いです。